医学講座
荻野利彦先生
山形大学整形外科の荻野利彦教授は、
手の外科の世界的権威です。
手の先天異常の、
OGINO分類は世界中に認められています。
すごいところを宣伝しないのが、
荻野教授のすごいところです。
手の外科は、
英語のHand Surgeryの日本語訳です。
日本で手の外科といえば、
大部分が整形外科の先生です。
形成外科でも一部の先生がなさっています。
■ ■
海外では、
手の外科を専門とする、
形成外科医もたくさんいます。
整形外科の中でも、
特に細かい手術を得意としている先生が、
手の外科をなさっていらっしゃいます。
整形外科医の中でも、
繊細な先生が多いのが手の外科の専門医です。
■ ■
手のぬくもりという日記に書きましたが、
手には細かな血管網が密にめぐっています。
手が温かいのは、
豊富な血流があるからです。
手は細かい動作をするために、
何本もの腱(けん)というスジがあります。
前腕にある筋肉が収縮して、
手の腱を引っ張るので、
重いものも持てます。
整形外科の先生は、
この腱(けん)というスジの手術とか、
関節の手術がお上手です。
■ ■
私たち外科医は、
総合病院では、
中央手術室というところで手術をします。
いろいろな科の先生が、
同じ更衣室で着替えて、
手術室の患者さんを確認して、
手術に入る前に手を洗います。
手洗いといいます。
■ ■
簡単に手を洗うのではありません。
大きな鏡がついた専用の手洗い装置
(手を洗う水も殺菌されています)
の前に立って、
鏡を見ながら、
洗い残しがないように、
丁寧にブラシで殺菌剤を使って洗います。
(最近はブラシを使わないようです)
手術日の朝には、
ほぼ同じ時間帯に、
各科の先生が手洗いをします。
■ ■
私は北海道内の何箇所かの病院に勤務しました。
朝の手洗いで
よく荻野先生とご一緒になりました。
小柄な先生ですが、
手洗いの最中にも、
手術のことをお考えになっているようでした。
あまり多くは話されませんが、
手術は丁寧で繊細。
先生のお人柄がそのまま手術に出ているようです。
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荻野先生のことを、
世界中の手の外科医が心配しています。
米国の先生からのメールです。
Dear Toshi,
I received this email below, which unfortunately I could not read. I hope it is a good news.
If there be anything I can possibly of help, please do not hesitate to ask.
I look forward to seeing you and Tomoko in the near future.
Health Always,
Jaiyoung Ryu
Professor and Chief
Hand and Upper Extremity Surgery
Department of Orthopaedics
West Virginia University
荻野先生
このメールを受け取りましたが、残念なことに日本語で読めませんでした。よい知らせであることを願っています。
私にできることがあれば、何でも知らせてください。
先生と奥様にまたお会いできる日を楽しみにしています。
Jaiyoung Ryu
ウエストバージニア大学
整形外科教授
さくらんぼさん
荻野先生
どうかがんばってください!