医療問題
昔の大学医局とは?
かつて大学医学部の教授、
とくに臨床系の教授は、
絶大な権限を持っていました。
白い巨塔というドラマもありました。
終身雇用で、
定年(北大は63歳、札幌医大は65歳)まで、
安定した地位と収入を保証されていました。
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臨床系教授がなぜ?
そんなにおいしいしい地位だったかというと?
医師という、
人材派遣会社にも頼めない職種のヒトを
派遣できたのが、
医学部の臨床系教授だったからです。
人材派遣会社に派遣をお願いすると…
年収に応じて紹介料を取られます。
看護師の派遣を頼んでもかなりの額になります。
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人材派遣会社にも、
たくさんの看護師がいるのではありません。
就職情報誌を見ると…
いつも看護師を募集しています。
そこに書かれている時給と、
私たち医療機関へ送られるパンフレットに、
掲載されている看護師の時給に
大きな差額があります。
その差額が会社の利益です。
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高い紹介料を払って派遣をお願いしても、
いらしていただくまでは…
どんな看護師さんかはわかりません。
会社も100%把握はできません。
大学医局という人材派遣会社の
社長が臨床系教授でした。
地方病院や民間病院は、
大学医局に頼みさえすれば、
安定的に質の高い医師を確保できました。
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教授は…
どのくらい仕事ができる医師か?
性格は真面目か?
女性関係にだらしのない男か?
奥さんはどんな人で、
子どもは何人いるか?
お金に困っているか?
どんな人材派遣会社にもかなわない、
強力なデーターを揃えた、
医師の人材派遣会社が大学医局でした。
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内科・外科という、
メジャーといわれる科の教授には、
各病院からたくさんの依頼が来ていました。
よい医師を確保したい病院は、
あの手この手で、
臨床系教授をもてなし、
お礼を渡していたといわれています。
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私が卒業した札幌医大は、
北海道が設置した公立大学でした。
教授は北海道公立学校教員という
地方公務員でした。
俸給表という給与体系は教育職です。
その教育職の教員の一部が、
北海道知事より、
高い年収を得ていた時代がありました。
(今はどうかわかりません)
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大学の幹部となった先生の
資産を調べると、
教育職の年収では
買えない資産をお持ちの先生がいるはずです。
2004年4月から
臨床研修制度で
研修医が大学から消えるまでは、
おいしい人材派遣で、
資産を築いた先生がいました。
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有名な先生。
いい先生。
といわれる先生にも資産形成が
上手な人がいました。
そのような先生は、
自分の地位を守り、
権益を守るために、
大学を自分の支配下に置きたいと考えます。
こんな権益の確保とは無縁の、
よい先生に
大学で医学教育を担当して欲しいと願っています。