医学講座
へそのゴマ
函館の看護師さんから
コメントをいただきました。
さくらんぼさんへ
へそのごま・・・ですが、
ゴマといわれるものは垢です。
その垢が長年蓄積されると
本当にボタンくらいの大きさにまでなります。
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私の場合は小豆くらいのゴマを
へその奥からとってもらいましたが、
今回はそのゴマと以前腹腔鏡をした
おへその傷にバイ菌がついて臍炎になりました。
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ふだんからお風呂上がりなどに
ベビーオイルと綿棒を使って
表面部分をきれいにしておくとよいそうです。
私のかかった外科の先生は、
心配ならばオキシドールを薬局で買って
綿棒に塗ってとってもいいですよと言われました。
■ ■
私のように炎症を起こすと、膿がでます。
そのようになると炎症を起こし
細菌感染しているので悪臭がします。
そうなった場合は必ず
外科か皮膚科を受診しましょう。
治療は消毒して(ひどい場合は膿をだして)
抗生物質を服用します。
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あと私が看護師として
外科のクリニックにいた時のことですが、
生まれて一度も
おへその手入れをしたことがない方が来ました。
おへそを見ると真っ黒なソラマメくらいのものが見えています。
ドクターがセッシ(ピンセット)でとってもとれません。
もうこうなると自分でとることは不可能です。
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結局そのクリニックで手術することになりました。
局所麻酔で簡単に皮膚とへそのごまを取り外しました。
結局おへその奥まで続いていましたので、
ものすごい幅で
ものすごい長さのへそゴマが取れました。
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へその形も人それぞれで、
でべそ、
平らなおへそ、
奥に引っ込んでるへそ
いろいろです。
皆さんもへそのゴマは清潔に保ちましょう。
ただ、無理に取ろうとせず、
ベビーオイルなどを使って
やわらかくしてからとるといいでしょう。
■ ■
もちろん変なにおいがする液が出てきたり、
おへそが赤く炎症していたり、
少しでも異常がある方は病院へ行ってください。
臍炎(へその炎症)を起こしてしまうと
かなり処置で痛みがありました。
2日前に経験した話でした。
さくらんぼさん、こんな感じでどうでしょうか?
■ ■
貴重な体験談と経験談を
ありがとうございました。
形成外科にもへそのゴマの患者さんが
いらしたことがありました。
地方の病院に勤務していた時です。
先生、へそにホクロの癌ができたと
へそにある、
固い黒い腫瘤(しゅりゅう)を主訴に、
患者さんが受診されました。
■ ■
予診(よしん:私が診察する前に、お話しを伺うのが予診)
をとった若い先生が、
何でしょうね?
メラノーマ(ホクロの癌)ではないと思いますが…?
と不思議な顔をしていました。
函館の看護師さんのコメントのように、
摂子(せっし:ピンセットのこと)で引っぱっても、
びくともしない固い腫瘤(しゅりゅう)でした。
表面はややザラザラしていて、
真っ黒でした。
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昔の皮膚科の教科書には、
へそのゴマが載っていました。
確か…
腫瘍(しゅよう)と間違えないように…
と書いてあったように記憶しています。
一度見ると誤診はしませんが、
大都市の大病院で研修しても、
経験できる疾患ではありません。
■ ■
私は、
局所麻酔はせずに、
石のように硬いへそのゴマを
手術用の器械で少しずつ崩して、
取りました。
一般的な取り方は、
函館の看護師さんが書いてくださったように、
ベビーオイルで柔らかくして、
無理をせず、
少しずつ取るのがベストです。