院長の休日
デパート
平成21年2月22日(日)北海道新聞朝刊
生活欄_~いずみ~_への投稿です。
デパート
旭川の学生時代、
長期休みには丸井さんで、
普段は西武でアルバイトをしていた。
単なるこづかい稼ぎだったが、
初めて「働く大変さ、社会の厳しさ」を教えられた。
■ ■
丸井さんでは、お辞儀から声の出し方まで、
お客さまが「また来たい」
と思ってくださるように、
心をこめることを何度も言われた。
的確な商品知識でお客さまをサッと誘導し、
手際よく包装紙に包み、
「ありがとうございました」
とお辞儀する社員さん。
きびきびとまぶしく、
カッコよく見えた。
■ ■
西武では、
薄暗い店内で作業していると
「お疲れさま、よろしくね」
と必ず声をかけてくれた。
どちらの店員さんも、
いつも「お客さまのために」
を口にしていた。
買い手の
「ありがとう」の一言のために
頑張っている人がいることを知った。
■ ■
そのどちらもが、
存続の危機を迎えている。
今や便利な郊外店や
安いスーパーが増え、
やりとりもなく
ネツトで簡単に
欲しいものが手に人る。
でも、
人とのつながりが
商品を売る以上に大切なことを、
どちらの百貨店の店員さんも
よく知っていた。
■ ■
旭川には、
かつて閉園の危機と言われた動物園を、
日本一に押し上げた
知恵と熱意に満ちた人がいる。
私たちの住んでいる街を、
デパートの灯で、
明るく照らしていてほしいと、
心から願っている。
週末は、
デパートに行こうか。
高い買い物はできないけれど。
利根川 嘉子(45歳・主婦)
=旭川市
(以上、北海道新聞から引用)
■ ■
日曜日の朝に、
さわやかな文章にめぐり合いました。
私たちが子どもの時代は、
デパートへ行くのが楽しみでした。
読者の声の欄へも、
農作業が終わった秋に、
札幌のデパートへ買い物へ行くのを、
楽しみにしていらしたという、
元農家の方の投稿もありました。
■ ■
世の中は100年に一度の大不況です。
政治にも期待できません。
でも、
閉園の危機と言われた
旭山動物園を思い出しましょう!
知恵を出して、
自分たちにしかできない何かを、
見つける努力をしましょう!
そうすれば…
必ず、将来が見えてくるはずです。
旭川市の利根川様
すばらしい文章を
ありがとうございました。