医療問題
大学での権力抗争
大学医学部というところは、
学生を教育して医師を育てるところです。
難しい言葉で、
医育機関(いいくきかん)と言います。
立派なお医者さんを育てるのが、
医学部の使命です。
教員には、
高い倫理観と使命感
情熱や能力が求められます。
■ ■
医育機関としての使命は3つ。
教育、
臨床、
研究、
この3つをしっかりやるのが、
医学部の優秀な教員とされます。
予備校の有名講師でしたら、
教えるのが上手で、
講義がおもしろいと人気がでます。
人気がでると講師の年俸が増えます。
■ ■
大学というところという、
2007年9月18日の日記に書いてあります。
大学教員で一番評価されるのは、
英文論文が何篇あるか?
という書類上の‘業績’です。
英語で論文を書くのが得意な人が、
大学で偉くなれます。
どんなに手術が上手でも、
‘神の手’でも、
外国の有名な雑誌に英文論文を書いていないと、
教授にはなれません。
■ ■
山形大学整形外科の
荻野教授のように、
お人柄がよくて、
真面目で、
手術が上手で、
教育や診療にかける情熱があり、
外国の雑誌に
たくさんの論文を書いている教授は、
そう多くはありません。
■ ■
研究者として有名でも、
データーを捏造(ねつぞう)していた先生もいます。
自信たっぷりに診断しても、
たくさん誤診をしていた、
有名な教授もいました。
裏も表もある教授もいます。
マスコミを利用するのが上手な先生もいます。
有名な先生は、
必ずしもよい先生ではありません。
■ ■
教授という権力を手にした、
野望に満ちた先生は、
次はもっと上を狙うようになります。
医学部長→
学長というコースです。
医学部長や学長は、
選挙で選ばれます。
有権者は…
助手以上の教員が大部分です。
■ ■
大学の選挙には、
公職選挙法は適用されません。
買収(ばいしゅう)はないにしても、
事前運動
も
戸別訪問 もあります。
有権者である助手以上の教員を
たくさんかかえた、
外科や内科の教授が、
自分の科の教員に
投票を依頼することもあります。
■ ■
選挙会場は、
議員の選挙と同じように、
衝立(ついたて)で仕切られています。
誰に投票したか?まではわかりません。
私は自分の職を賭けて、
皮膚科のJ教授に投票しませんでした。
その結果、講師の職を失いました。
2007年9月17日の
白い巨塔という日記に書いてあります。
■ ■
本来、大学の学長とか、
医学部長には、
人物、能力ともに優れた人が就任し、
大学をよい方向へ導く必要があります。
ところが、
現実には、
自分に反対する勢力をつぶし、
自分の意のままに動く人だけを、
仲間集めするような教授もいます。
そういう人が権力の座につくと、
大学は崩壊します。
■ ■
権力が好きな、
野望に満ちた先生は、
お金儲けも好きです。
女性が好きな先生もいます。
どこかで、
必ず法律に触れるようなことをしています。
奈良県立医大の医師派遣をめぐる汚職事件が有名です。
2001年12月7日、大阪地裁で判決公判。
上垣猛裁判長は収賄罪で元名誉教授(救急医学教室)に懲役3年、執行猶予5年、追徴金1,170万円(求刑・懲役3年、追徴金1,170万円)、
前付属病院長(第一外科教授)(懲戒免職)に懲役2年、執行猶予3年、追徴金300万円(同・懲役2年、追徴金300万円)を言い渡した。
このような事件は、
内部告発で摘発されています。
悪いことをしていなければ、
何も恐れることはありません。