医学講座
北大形成外科アカデミー
昨日、平成21年4月11日(土)午後4時から
ルネッサンスサッポロホテルで
第16回北大形成外科アカデミーが開催されました。
北大形成外科の勉強会です。
内容は、
①留学報告 市立札幌病院形成外科、堀内勝己 先生
②教育講演 北大形成外科、山本有平 教授
③特別講演 埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科 堤田 新 先生
の3題でした。
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このうち、堤田 新(つつみだあらた)先生の
特別講演をご紹介いたします。
堤田(つつみだ)先生は、
形成外科の中でも、
特に皮膚悪性腫瘍の権威です。
元、北大医学部野球部監督。
形成外科へ入局したのも、
野球部の先輩である、
杉原平樹(すぎはらつねき)先生(元、北海道大学病院長)
吉田哲憲(よしだてつのり)先生(市立札幌病院_院長)
のお二人がいらしたからです。
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講演の抄録です。
形成外科での皮膚がん治療/皮膚がん治療での形成外科
一般的に形成外科は専門性が高いと言われますが、その診療、研究分野は多彩で、形成外科の中でもさらなる専門領域へ細分化しつつあります。
私は北大形成外科入局し、自分の専門とする分野を腫瘍(主に皮膚がん治療)として以来、これまでいろいろな方に出会い、ご指導いただき、お世話になりやってきました。ここまでこの道でやってこれたのも北大形成外科という母屋があったからこそです。
この度、長年お世話になった北大形成外科から埼玉医大国際医療センター 包括的がんセンター皮膚腫瘍科に移籍いたしました。
本講演では、皮膚腫瘍(外科)医として皮膚がん治療に対する現在の私の考え、思いをお話ししたいと思います。
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形成外科医の仕事で、
一番多いのが皮膚良性腫瘍の手術です。
一般病院の形成外科で、
手術件数が断トツに多いのに、
形成外科で皮膚のできものを手術してくれるのを
知らない方が多いと思います。
皮膚科で手術をしても
外科で手術をしても
形成外科で手術をしても料金は同じです。
形成外科の方がキレイに治してくれます。
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皮膚悪性腫瘍(ひふあくせいしゅよう)とは、
皮膚癌(ひふがん)のことです。
皮膚癌の治療は、
手術だけではなく、
抗がん剤、
放射線治療(ほうしゃせんちりょう)、
免疫療法(めんえきりょうほう)、
緩和医療(かんわいりょう)など
多岐にわたります。
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皮膚癌の治療は、
皮膚科や一部の形成外科が行っています。
形成外科医の中には、
皮膚癌の治療をしない人もいます。
残念なことですが、
皮膚癌の診断から手術まで、
さらに化学療法や免疫治療まで、
すべてに関してのエキスパートはなかなかいません。
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今、もし私が皮膚がんになったら、
真っ先に相談するのは、
市立札幌病院の吉田哲憲先生です。
2009年1月2日の、
セカンド・オピニオンという日記に書いてあります。
堤田先生はこれからの日本で、
皮膚悪性腫瘍の権威になります。
堤田先生は、
とても穏やかで優しく腕のよい先生です。
がんにはなりたくありませんが、
もし皮膚がんでお困りでしたら、
堤田先生を推薦いたします。