医学講座

日本形成外科学会2009-③

 学会報告③は美容外科についてです。
 日本形成外科学会の中で、
 美容外科が占める部分は、
 多くはありません。
 全体で500件近い
 口演(こうえん)
 (壇上で話して発表する分)があります。
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 私たちが発表する、
 一般演題の他に、
 特別講演、招待講演、教育講演、
 招待教育セミナー、
 教育セミナー、
 シンポジウム、
 パネルディスカッション、
 モーニングセミナー、
 ランチョンセミナー、
 イブニングセミナー、
 などたくさんあります。
 さくらんぼさんの目に留まった、
 荻野利彦先生は、
 2007年の特別講演でした。
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 この他に、展示演題というのがあります。
 ポスターセッションとも呼ばれます。
 壇上で発表する代わりに、
 自分の発表内容を紙にプリントしてきて、
 それを決められた場所に貼ります。
 その前で時間を決めて討論を行います。
 発表内容をじっくり見ていただけます。
 原稿をしっかり作る必要があります。
 その原稿を元に、
 論文執筆をすることもあります。
 今回の学会では展示は181題ありました。
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 合計700題近い演題の中で、
 美容外科の一般演題は27題でした。
 関連する発表を含めても
 全体の5%程度ですから
 まだまだ多いとは言えません。
 今年の傾向は、
 大学病院からの
 美容外科に関する演題が増えたことです。
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 2009年4月23日(木)のランチョンセミナーで、
 大阪大学_美容医療学寄附講座
 矢野健二教授の
 美容医療の現状と今後
 というご発表がありました。
 国民生活センターへ寄せられた、
 美容医療に関する届け出を調査されました。
 美容医療に関しての、
 さまざまなトラブルが紹介されました。
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 矢野教授は、
①チェーン店:19店
 (全国に5箇所以上のクリニックを展開している美容外科)
②美容外科学会役員をしている
 美容外科開業医:25軒。
③美容外科を標榜している大学病院、
 24大学の価格調査をされました。
 意外と高いのが大学病院でした。
 私のように、
 腋臭症手術を保険診療でしているのは、
 大学病院が65%、
 開業医では10%
 チェーン店では0%でした。
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 私は、全国24もの大学病院に、
 美容外科があるのを知りませんでした。
 いつの間にか増えたものです。
 形成外科すらない国立大学もあるのに…
 独立行政法人になったので、
 自由診療がしやすくなったのでしょうか?
 それでは…
 大学病院の美容外科は、
 安心してかかれるのでしょうか?
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 残念ながら…
 大学病院の美容外科だから、
 安くて安心ではなさそうです。
 ある有名大学の先生が、
 フェイスリフトの発表をなさいました。
 私たち美容外科医が見たら…
 どう見てもクレームになりそうな症例を、
 たるみが取れていると
 ご発表なさっていらっしゃいました。
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 会場にいらした、
 高須克弥先生が、
 その術式で
 マリオネットラインが改善する理由を
 教えてください。
 とご質問なさっていらっしゃいました。
 よほど心が広い人でないと
 高いお金と時間をかけて
 この程度の結果では…
 とも言われていました。
 私もまったくその通りだと思いました。
 美容外科を選ぶのは、
 まだまだ難しいようです。

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