医学講座
日本形成外科学会2009-②
昨日の日記に書いた、
多摩美術大学教授、
岩倉信弥先生の特別講演、
直伝(じきでん)・本田流ものづくり
が私が尊敬する、
塩谷信幸先生のブログでも取り上げられていたので
驚きました。
塩谷先生は私の2つ前の席
(前から5列目あたり?)
(S席に相当:学会では全席自由です)
にいらっしゃいました。
(先生はお気づきではないと思います)
感動を与えてくださった岩倉先生に感謝いたします。
■ ■
私は、勤務医の時には、
日本形成外科学会で毎年発表していました。
学会発表をしないと…
学会の認定施設を維持できず…
後輩が専門医を取得できないのです。
大学に所属していたので、
研究成果を発表する‘義務’もありました。
美容外科医になってからは、
2つの日本美容外科学会のこともあり、
国際学会以外では発表していません。
■ ■
らずべりーさんごめんなさい。
今日の学会報告は私が勉強したことの報告です。
まず、昨日の眼瞼(まぶた)の発表です。
昨年の『ためしてガッテン』
の影響で眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)の手術が
全国的に増えました。
今回の学会でも、
たくさんの眼瞼下垂症の発表がありました。
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形成外科学会のよいところは、
必ず手術前後の写真を出します。
どんなに有名な大学の先生が発表をしても、
結果が良くなければすぐにわかります。
それぞれの先生は、
自分のベストの写真を出します。
正直に申し上げて…
結果には優劣があります。
一人の先生が何度も発表している施設は、
その先生が上手になったと
わかることもあります。
■ ■
眼瞼下垂症が圧倒的多いのは、
やはり『ためしてガッテン』に出た、
信州大学形成外科の松尾清教授です。
信州大学では、
眼瞼下垂症に関する、
さまざまな研究もなされています。
その松尾先生でも
苦労なさっていらっしゃる例があることを知りました。
なかなか難しいものです。
■ ■
今回の学会で目立ったのが、
眉の下を切って皮膚を切除し、
眼瞼下垂症を治す手術法です。
私の記憶が正しければ、
京都の冨士森先生が、
以前から推奨なさっていらっしゃいました。
眉の細い、『京美人』には、
優れた方法だと思っていました。
■ ■
今回の学会では、
高齢者に、積極的に、
この眉下切開を行っている施設が増えました。
『京美人』だけではなく、
眉が太い男性にもこの手術をしていました。
眉の中に切開線をもってきても、
眉で隠れて目立たないことがわかりました。
二重になりたくないけれど…
眼瞼下垂症を治したい人には
よい手術法だと思いました。
■ ■
もう一つは…
眼瞼下垂症に対する診断基準の発表でした。
黒目の出かたや、
眉の上がり、
おでこの『しわ』、
などで眼瞼下垂症を診断するのが一般的です。
コンピューターで解析して、
黒目の何%が出ていると、
軽度~中等度~重度と
分類するか?
という発表がありました。
■ ■
今は、軽度~重度の診断も
先生によって違います。
日本形成外科学会として、
眼瞼下垂症の診断基準や、
手術法についての細かな分類を
確立するのがよいと思いました。
眼瞼下垂症は奥が深い疾患です。
患者さんに喜んでいただけるように、
形成外科医として
がんばりたいと思いました。