医学講座

日本形成外科学会2009-②

 昨日の日記に書いた、
 多摩美術大学教授、
 岩倉信弥先生の特別講演、
 直伝(じきでん)・本田流ものづくり
 が私が尊敬する、
 塩谷信幸先生のブログでも取り上げられていたので
 驚きました。
 塩谷先生は私の2つ前の席
 (前から5列目あたり?)
 (S席に相当:学会では全席自由です)
 にいらっしゃいました。
 (先生はお気づきではないと思います)
 感動を与えてくださった岩倉先生に感謝いたします。
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 私は、勤務医の時には、
 日本形成外科学会で毎年発表していました。
 学会発表をしないと…
 学会の認定施設を維持できず…
 後輩が専門医を取得できないのです。
 大学に所属していたので、
 研究成果を発表する‘義務’もありました。
 美容外科医になってからは、
 2つの日本美容外科学会のこともあり、
 国際学会以外では発表していません。
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 らずべりーさんごめんなさい。
 今日の学会報告は私が勉強したことの報告です。
 まず、昨日の眼瞼(まぶた)の発表です。
 昨年の『ためしてガッテン
 の影響で眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)の手術が
 全国的に増えました。
 今回の学会でも、
 たくさんの眼瞼下垂症の発表がありました。
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 形成外科学会のよいところは、
 必ず手術前後の写真を出します。
 どんなに有名な大学の先生が発表をしても、
 結果が良くなければすぐにわかります。
 それぞれの先生は、
 自分のベストの写真を出します。
 正直に申し上げて…
 結果には優劣があります。
 一人の先生が何度も発表している施設は、
 その先生が上手になったと
 わかることもあります。
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 眼瞼下垂症が圧倒的多いのは、
 やはり『ためしてガッテン』に出た、
 信州大学形成外科の松尾清教授です。
 信州大学では、
 眼瞼下垂症に関する、
 さまざまな研究もなされています。
 その松尾先生でも
 苦労なさっていらっしゃる例があることを知りました。
 なかなか難しいものです。
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 今回の学会で目立ったのが、
 眉の下を切って皮膚を切除し、
 眼瞼下垂症を治す手術法です。
 私の記憶が正しければ、
 京都の冨士森先生が、
 以前から推奨なさっていらっしゃいました。
 眉の細い、『京美人』には、
 優れた方法だと思っていました。
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 今回の学会では、
 高齢者に、積極的に、
 この眉下切開を行っている施設が増えました。
 『京美人』だけではなく、
 眉が太い男性にもこの手術をしていました。
 眉の中に切開線をもってきても、
 眉で隠れて目立たないことがわかりました。
 二重になりたくないけれど…
 眼瞼下垂症を治したい人には
 よい手術法だと思いました。
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 もう一つは…
 眼瞼下垂症に対する診断基準の発表でした。
 黒目の出かたや、
 眉の上がり、
 おでこの『しわ』、
 などで眼瞼下垂症を診断するのが一般的です。
 コンピューターで解析して、
 黒目の何%が出ていると、
 軽度~中等度~重度と
 分類するか?
 という発表がありました。
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 今は、軽度~重度の診断も
 先生によって違います。
 日本形成外科学会として、
 眼瞼下垂症の診断基準や、
 手術法についての細かな分類を
 確立するのがよいと思いました。
 眼瞼下垂症は奥が深い疾患です。
 患者さんに喜んでいただけるように、
 形成外科医として
 がんばりたいと思いました。

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