医学講座
リストカットのキズ
若き日には、
多くの悩みがあるものです。
自分の腕や、
身体にキズをつけてしまう、
いわゆる自傷行為は、
若い女性に多く見られます。
腕にタバコを押し付けてできる、
いわゆる根性焼きも
若い人によく見られます。
■ ■
私が市立札幌病院に勤務していた時代にも、
リストカットから、
首の頚動脈を切ったキズまで、
さまざまな自傷行為の手術をしました。
このリストカットのキズを、
消したいという
ご希望の方がいらっしゃいます。
自分の若き日の過ちを、
少しでも消したいお気持ちは、
十分に理解できます。
■ ■
形成外科の先生はキズを治すのが仕事でしょ。
リストカットのキズなんて簡単でしょ。
と思われるかも?しれません。
ところが…
キズは消せません
目だっているキズを、
ある程度…
目立たなくすることは可能ですが、
キズを完璧に消すことはできません。
■ ■
残念なことですが、
これが現在の医学の限界です。
目立たないキズであればあるほど、
手術で治すのは難しいのです。
手術をすることで、
逆にキズを目立たせてしまうこともあります。
また、
自傷行為によるキズは、
刺青と同じで保険適応にはなりません。
■ ■
高いお金を出して、
東京の美容外科へ行っても…
キズを完全に消すことは無理です。
せめて、
間違って切ってしまったら、
形成外科の先生に縫合していただき、
その後にしっかりケアーをすると、
目立たないキズにできることはあります。
■ ■
一度できてしまったキズは、
消すことはできません。
キズをつくらないのが一番なのですが…
難しいところです。
心に悩みがある時は、
信頼できる精神神経科の先生にご相談ください。