医学講座
眼の左右差
履歴書には得意科目を書く欄があります。
私の得意科目は…?
今だったら、
美容形成外科学、
特に眼の手術、
とでも書くでしょうか…?
得意科目でも、
症例数が増えて、
手術が増えれば増えるほど、
難しいと感じます。
■ ■
眼瞼下垂症手術は得意科目の一つですが、
微妙な左右差を調節するのは、
何度やっても難しいと感じます。
特に難しいのが、
片側性先天性眼瞼下垂症です。
片方の目だけが、
生まれつき筋力が弱いので、
どうしても左右差が出ます。
もちろん手術中に確認します。
それも何度も確認します。
■ ■
手術してしばらくは調子がよくても…
次第に筋力が弱くなることがあります。
そうすると左右差が出ます。
ハードコンタクトレンズで、
眼瞼下垂症になった方にも、
左右差がある方がいらっしゃいます。
手術後に…
またハードコンタクトを使うと…
また眼瞼挙筋という筋肉が弱り…
瞼が下がることがあります。
■ ■
一般的に眼科や、
コンタクトレンズの販売業者は、
ハードコンタクトを長期間着用すると…
将来、眼瞼下垂症になる可能性があります…
とは言わないようです。
札幌美容形成外科を受診される、
大部分の方は、
ハードコンタクトによる
眼瞼下垂症を知りませんでした。
■ ■
現在の医学教育では、
医学部でも
看護学部でも、
ハードコンタクトと
眼瞼下垂症の関係については教えません。
医師国家試験にも
看護師国家試験にも出ません。
看護師さんでも…
ハードコンタクトを使っていらっしゃる方は、
たくさんいらっしゃいます。
■ ■
ハードコンタクトを使うと、
全員が眼瞼下垂症になるのではありません。
私の印象では、
眼球が少し出ていて、
コンタクトによって、
瞼の裏側が摩擦される方に多い印象です。
眼が大きくて、
キレイな方です。
■ ■
微妙な眼の左右差は…
誰にでもあるものです。
どこまでを正常範囲と考え、
どこからが異常で、
どの程度だったら手術適応とするかは、
医師の判断に委(ゆだ)ねられます。
どこまで治したらよいかを判断するのも、
なかなか難しいものです。
眼の手術は得意科目でも、
100点を取るのは難しいと感じます。