院長の休日
大雪山の遭難事故
大雪山系で痛ましい遭難事故がありました。
亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
今年は行っていませんが、
2007年7月に旭岳へはじめて行きました。
旭岳温泉から、
ロープウェイで
姿見駅(標高1,600m)まで上がることができます。
そこから、
すぐそこに旭岳が見えます。
■ ■
私は山を甘く見た…
典型的な中高年登山者の一人でした。
北海道の大雪山系には、
本州からたくさんの
中高年登山者がいらっしゃいます。
旭岳の登山コースにも、
たくさんの登山者がガイドさんと登っています。
最初は私もツアーのしんがりについて上がりました。
山や自然が好きな方が多いので、
皆さんとても楽しそうです。
■ ■
羽田から飛行機で旭川空港に着いて、
そのままバスでいらしたと伺ったこともあります。
今回のツアーは、
山を縦走するツアーでした。
大雪山系は美しく、
なだらかな稜線に登山道があります。
旭岳から見ると、
遠くにたくさんの山が見えます。
私もいつか行ってみたいと思っていました。
■ ■
事故があった16日は、
札幌でも肌寒い一日でした。
私は休診日に、
クリニックで一日仕事をしていました。
家内がお昼近くに来ましたが、
寒い寒いと言っていました。
札幌ですら肌寒かったのですから、
山の上はどんなに寒かったことでしょうか?
■ ■
報道によると、
風と寒さによる低体温症による死亡とありました。
私は自分で行った経験から、
登山道の足もとが悪く、
うまく進めないので、
予想以上に時間がかかり、
それで体力を消耗して、
動けなくなり→低体温症になったのでは?
と推測します。
■ ■
自分もそうでしたが、
疲れてくると足がもつれます。
靴が水で重くなります。
足が冷えるととたんに体が寒くなります。
避難する場所もありません。
引き返そうにも、
引き返せなくなり、
遭難されたのではないか?と思います。
■ ■
苫小牧東病院副院長の
船木上総(ふなきかずさ)先生が、
フランスのモンブランでスキー滑降中にクレバスに落下し
16時間も宙吊りになった後に救助された経験から書かれた、
「凍る体」という本が山と渓谷社より発行されています。
そのときの体温は28度で、
あと1度低ければ心臓が止まる寸前だったそうです。
私は船木先生を存じていますが、
物静かで優しい先生です。
機会があればご一読ください。
苫小牧東病院HPより引用