医学講座

第15回日本熱傷学会北海道地方会

 今日(平成21年2月21日)は、
 第15回日本熱傷学会北海道地方会がありました。
 昨日からの悪天候でJRが運休。
 参加予定だったまみ子師長さんが、
 出席できませんでした。
 札幌も一時、
 猛吹雪となり、
 雪で視界が遮(さえぎ)られました。
 市内でも交差点内で、
 車が埋まって立ち往生していました。
      ■         ■
 私は形成外科医として、
 長い間、熱傷(ねっしょう:やけど)の治療をしてきました。
 札幌医大に在籍中には、
 ロシアから来た子どもの治療もしました。
 (有名なコンスタンチン君ではありません。)
 (コンスタンチン君を治療したのは、
 旭川赤十字病院形成外科部長の阿部清秀先生です)
 私がはじめて学会発表をしたのが、
 日本熱傷学会でした。
 想い出深い学会です。
      ■         ■
 今日の学会では、
 市立札幌病院救命救急センターの先生と
 市立札幌病院形成外科の先生が、
 2008年7月にロシアで大やけどをした、
 13歳の男の子の発表をなさいました。
 北海道とロシアは隣り合っています。
 北方領土の問題があり、
 残念なことに良好な関係ではありません。
      ■         ■
 私自身もロシアの子どもを治療して、
 大変苦労した記憶があります。
 一番困ったのが、
 言葉が通じないことでした。
 英語なら少しは自信がありますが、
 ロシア語はまったくダメです。
 国民性の違いや、
 生活習慣も違います。
 食べ物が違うので、
 日本の病院食がロシア人には合いません。
      ■         ■
 ロシアは経済が発展したと言われています。
 ところが医療レベルは日本と比べると劣っています。
 特に重症熱傷(ねっしょう:やけど)は、
 高度の専門的知識、
 医療技術、
 医療スタッフの協力が必要です。
 ロシアでは救命できないので、
 チャーター機で来日されました。
      ■         ■
 13歳の男の子は、
 6回の手術を実施し、
 機能障害を残さずに退院されました。
 市立札幌病院の救命救急センターと
 形成外科がチームワークよく治療し、
 看護部やリハビリの協力体制もすばらしかったからです。
 やけどの治療には、お金がかかります。
 7月から10月までの入院治療で、
 かかったお金が1,365万円でした。
      ■         ■
 健康保険はロシア人には使えないので、
 ロシア側が支払いました。
 私が札幌医大で治療した子どもさんも、
 1,000万円以上の治療費がかかりました。
 やけどはどんなに上手に治しても、
 必ずキズが残ります。
 一番大切なのは…
 やけどをしないように気をつけることです。
      ■         ■
 この子どもさんは、
 車庫にあったガソリンが気化し、
 マッチに火をつけたところ引火して爆発しました。
 ガソリン、灯油、花火など、
 危険なものは身近にたくさんあります。
 やけどをしないように気をつけましょう!

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医学講座

当日手術

 メールでのお問い合わせで多いのが、
 行ったらその日に手術ができますかぁ?
 すぐに帰れますかぁ?
 他人から見てわからないですかぁ?
 はじめての手術でとても不安なんですぅ!
 といったご質問です。
 当日手術という医学用語はありません。
 美容外科の業界用語です。
      ■         ■
 確かに、稚内や釧路・根室・網走からいらっしゃるので、
 その日に手術を受けたいというお気持ちは理解できます。
 美容形成外科へ入るのは…
 抵抗があるので、
 何度も通院したくない!
 というお気持ちも理解できます。
 でも不安が強いのでしたら、
 なおさら当日手術は避けるべきです。
      ■         ■
 私の典型的な【ご返事です】
 次のようになります。
 ご相談いただきありがとうございました。
 残念ですが、保険診療の手術はその日にはできません。
 手術が終わっても、
 痛みや出血の有無を確認してから
 お帰りいただくことになります。
 手術日は時間に余裕を持っていらしてください。
      ■         ■
 美容外科の手術は
 変わるための手術です。
 自然な仕上がりを目指していますが
 他人から見てまったく変化がないようにはできません。
 まったくわからないようにするのは無理です。
 ご不安が強いようですので、
 一度、ご相談にいらして、診察を受けてください。
      ■         ■
 私が手術をさせていただいても、
 100%満足のいく結果が得られるとは限りません。
 お一人おひとりが違うので、
 完全にオーダーメイドとなります。
 左右の目でさえ、
 違うものです。
 一番難しいのが、
 片方だけの先天性眼瞼下垂です。
 左右を揃えるのは至難のわざです。
      ■         ■
 札幌美容形成外科は札幌駅前通りという、
 交通量が多い通りに面しています。
 入口から入るのに、
 抵抗があるという方もいらっしゃいます。
 交通量が多いと人ごみに紛れます。
 犯人追跡で一番難しいのが、
 雑踏(ざっとう)の中です。
 私は5年間通っていますが、
 一度も入口で友人知人に会ったことはありません。
      ■         ■
 確かに…
 もし、誰かに会ったらどうしよぅ?
 というお気持ちはわかります。
 会っても、
 その場はそそくさと立ち去り…
 あぁ、札幌美容形成外科ね。
 レーザーで通っているの。
 やっぱ、医療機関は安心だしねぇ。
 と美容外科のベテランさんは、
 さらりと言えると思います。

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医療問題

大学での権力抗争

 大学医学部というところは、
 学生を教育して医師を育てるところです。
 難しい言葉で、
 医育機関(いいくきかん)と言います。
 立派なお医者さんを育てるのが、
 医学部の使命です。
 教員には、
 高い倫理観と使命感
 情熱や能力が求められます。
      ■         ■
 医育機関としての使命は3つ。
 教育
 臨床
 研究
 この3つをしっかりやるのが、
 医学部の優秀な教員とされます。
 予備校の有名講師でしたら、
 教えるのが上手で、
 講義がおもしろいと人気がでます。
 人気がでると講師の年俸が増えます。
      ■         ■
 大学というところという、
 2007年9月18日の日記に書いてあります。
 大学教員で一番評価されるのは、
 英文論文が何篇あるか?
 という書類上の‘業績’です。
 英語で論文を書くのが得意な人が、
 大学で偉くなれます。
 どんなに手術が上手でも、
 ‘神の手’でも、
 外国の有名な雑誌に英文論文を書いていないと、
 教授にはなれません。
      ■         ■
 山形大学整形外科の
 荻野教授のように、
 お人柄がよくて、
 真面目で、
 手術が上手で、
 教育や診療にかける情熱があり、
 外国の雑誌に
 たくさんの論文を書いている教授は、
 そう多くはありません。
      ■         ■
 研究者として有名でも、
 データーを捏造(ねつぞう)していた先生もいます。
 自信たっぷりに診断しても、
 たくさん誤診をしていた、
 有名な教授もいました。
 裏も表もある教授もいます。
 マスコミを利用するのが上手な先生もいます。
 有名な先生は、
 必ずしもよい先生ではありません。
      ■         ■
 教授という権力を手にした、
 野望に満ちた先生は、
 次はもっと上を狙うようになります。
 医学部長
 学長というコースです。
 医学部長や学長は、
 選挙で選ばれます。
 有権者は…
 助手以上の教員が大部分です。
      ■         ■
 大学の選挙には、
 公職選挙法は適用されません。
 買収(ばいしゅう)はないにしても、
 事前運動
 も
 戸別訪問 もあります。
 有権者である助手以上の教員を
 たくさんかかえた、
 外科や内科の教授が、
 自分の科の教員に
 投票を依頼することもあります。
      ■         ■
 選挙会場は、
 議員の選挙と同じように、
 衝立(ついたて)で仕切られています。
 誰に投票したか?まではわかりません。
 私は自分の職を賭けて、
 皮膚科のJ教授に投票しませんでした。
 その結果、講師の職を失いました。
 2007年9月17日の
 白い巨塔という日記に書いてあります。
      ■         ■
 本来、大学の学長とか、
 医学部長には、
 人物、能力ともに優れた人が就任し、
 大学をよい方向へ導く必要があります。
 ところが、
 現実には、
 自分に反対する勢力をつぶし、
 自分の意のままに動く人だけを、
 仲間集めするような教授もいます。
 そういう人が権力の座につくと、
 大学は崩壊します。
      ■         ■
 権力が好きな、
 野望に満ちた先生は、
 お金儲けも好きです。
 女性が好きな先生もいます。
 どこかで、
 必ず法律に触れるようなことをしています。
 奈良県立医大の医師派遣をめぐる汚職事件が有名です
 2001年12月7日、大阪地裁で判決公判。
 上垣猛裁判長は収賄罪で元名誉教授(救急医学教室)に懲役3年、執行猶予5年、追徴金1,170万円(求刑・懲役3年、追徴金1,170万円)、
 前付属病院長(第一外科教授)(懲戒免職)に懲役2年、執行猶予3年、追徴金300万円(同・懲役2年、追徴金300万円)を言い渡した。
 このような事件は、
 内部告発で摘発されています。
 悪いことをしていなければ、
 何も恐れることはありません。

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医療問題

教授の人事権

 昨日は昔の大学医局制度
 について書きました。
 それでは、何故?
 大学医局の医局員(医師)は、
 教授の指示に従ったのでしょうか?
 それは、
 教授に人事権があったからです。
      ■         ■
 公務員になるには、
 公務員試験があり、
 それに合格しないと公務員にはなれません。
 札幌市の市長になるには、
 選挙があります。
 選挙で当選しないと、
 市長にはなれません。
      ■         ■
 私は1989年から1994年まで、
 札幌市の職員でした。
 市立札幌病院に採用されたからです。
 私は公務員試験は受けていません。
 いきなり札幌市の係長職として採用されました。
 35歳の時でした。
 函館中央病院形成外科に勤務していた時に
 北大の大浦武彦教授から
 一本の電話をいただきました。
      ■         ■
 ちょうどお昼時でした。
 私は総合医局というところで、
 函館中央病院の名物だった、
 美味しいカレーライスを食べていました。
 大浦教授からの電話は
 4月から市立札幌病院皮膚科で
 形成外科の診療をすることになった。
 あなたが適任だと思う。
 行ってくれないか?
 という内容でした。
      ■         ■
 大浦武彦教授のすごいところは、
 決して強制しないところでした。
 私が断れば次の候補者へ電話が行きます。
 一瞬考えてお引き受けしました。
 大浦教授は、
 私の前に電話をした先生(私の先輩)は
 ‘皮膚科でやるのは…’
 と断ったともお話しくださいました。
      ■         ■
 こうして私は1989年4月1日付けで、
 市立札幌病院皮膚科の医師となりました。
 担当は‘形成外来’です。
 形成外科ではなく、
 皮膚科の‘形成外来’
 毎週火曜日と金曜日の午後、
 13:30~15:00まで
 週二回の外来を担当しました。
      ■         ■
 今でも臨床研修医などを除くと、
 市立札幌病院には医師採用試験はないと思います。
 大きな病院の医師は、
 教授人事と呼ばれる、
 大学医学部の教授と
 病院長の電話で決まると言われています。
 部長クラスの医師を
 全国公募で募集する病院もあるようですが、
 日本の大病院では、
 この教授人事が主流です。
      ■         ■
 大学の医局に在籍する医師は、
 いずれはどこかへ就職することとなります。
 その時に、よい病院へ就職するには、
 教授から信頼を得て、
 教授と仲良くしておかなくてはなりません。
 ひどい教授になると、
 露骨に差別をして、
 本人の希望など無視して、
 飛ばす教授もいたそうです。
      ■         ■
 私は大浦武彦教授のおかげで、
 市立札幌病院という立派な病院で、
 医師としての青春時代
 を過ごすことができました。
 北大に通って研究もさせていただき、
 博士(医学)の学位も取らせていただきました。
 今でも大浦先生には心から感謝しています。
      ■         ■
 市立札幌病院のような病院は、
 教授に斡旋料は払いません。
 大学の医局として、
 大きな病院を関連病院として持つことが、
 医局の発展にもなるからです。
 医者の業界用語でジッツといいます。
      ■         ■
 大浦教授は教室の発展をお考えになり、
 形成外科のジッツを増やされました。
 残念なことですが、
 自分の私利私欲のために、
 教授の人事権を振りかざした人も
 いらしたと聞いたことがあります。
 そういう教授の医局では、
 権力争いや派閥抗争があったようです。

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医療問題

昔の大学医局とは?

 かつて大学医学部の教授、
 とくに臨床系の教授は、
 絶大な権限を持っていました。
 白い巨塔というドラマもありました。
 終身雇用で、
 定年(北大は63歳、札幌医大は65歳)まで、
 安定した地位と収入を保証されていました。
      ■         ■
 臨床系教授がなぜ?
 そんなにおいしいしい地位だったかというと?
 医師という、
 人材派遣会社にも頼めない職種のヒト
 派遣できたのが、
 医学部の臨床系教授だったからです。
 人材派遣会社に派遣をお願いすると…
 年収に応じて紹介料を取られます。
 看護師の派遣を頼んでもかなりの額になります。
      ■         ■
 人材派遣会社にも、
 たくさんの看護師がいるのではありません。
 就職情報誌を見ると…
 いつも看護師を募集しています。
 そこに書かれている時給と、
 私たち医療機関へ送られるパンフレットに、
 掲載されている看護師の時給
 大きな差額があります。
 その差額が会社の利益です。
      ■         ■
 高い紹介料を払って派遣をお願いしても、
 いらしていただくまでは…
 どんな看護師さんかはわかりません。
 会社も100%把握はできません。
 大学医局という人材派遣会社の
 社長臨床系教授でした。
 地方病院や民間病院は、
 大学医局に頼みさえすれば、
 安定的に質の高い医師を確保できました。
      ■         ■
 教授は…
 どのくらい仕事ができる医師か?
 性格は真面目か?
 女性関係にだらしのない男か?
 奥さんはどんな人で、
 子どもは何人いるか?
 お金に困っているか?
 どんな人材派遣会社にもかなわない、
 強力なデーターを揃えた、
 医師の人材派遣会社が大学医局でした。
      ■         ■
 内科・外科という、
 メジャーといわれる科の教授には、
 各病院からたくさんの依頼が来ていました。
 よい医師を確保したい病院は、
 あの手この手で、
 臨床系教授をもてなし、
 お礼を渡していたといわれています。
      ■         ■
 私が卒業した札幌医大は、
 北海道が設置した公立大学でした。
 教授は北海道公立学校教員という
 地方公務員でした。
 俸給表という給与体系は教育職です。
 その教育職の教員の一部が、
 北海道知事より、
 高い年収を得ていた時代がありました。
 (今はどうかわかりません)
      ■         ■
 大学の幹部となった先生の
 資産を調べると、
 教育職の年収では
 買えない資産をお持ちの先生がいるはずです。
 2004年4月から
 臨床研修制度
 研修医が大学から消えるまでは、
 おいしい人材派遣で、
 資産を築いた先生がいました。
      ■         ■
 有名な先生。
 いい先生。
 といわれる先生にも資産形成が
 上手な人がいました。
 そのような先生は、
 自分の地位を守り、
 権益を守るために、
 大学を自分の支配下に置きたいと考えます。
 こんな権益の確保とは無縁の、
 よい先生に
 大学で医学教育を担当して欲しいと願っています。

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医学講座

荻野利彦先生

 山形大学整形外科の荻野利彦教授は、
 手の外科の世界的権威です。
 の先天異常の、
 OGINO分類は世界中に認められています。
 すごいところを宣伝しないのが、
 荻野教授のすごいところです。
 手の外科は、
 英語のHand Surgeryの日本語訳です。
 日本で手の外科といえば、
 大部分が整形外科の先生です。
 形成外科でも一部の先生がなさっています。
      ■         ■
 海外では、
 手の外科を専門とする、
 形成外科医もたくさんいます。
 整形外科の中でも、
 特に細かい手術を得意としている先生が、
 手の外科をなさっていらっしゃいます。
 整形外科医の中でも、
 繊細な先生が多いのが手の外科の専門医です。
      ■         ■
 手のぬくもりという日記に書きましたが、
 手には細かな血管網が密にめぐっています。
 手が温かいのは、
 豊富な血流があるからです。
 手は細かい動作をするために、
 何本もの腱(けん)というスジがあります。
 前腕にある筋肉が収縮して、
 手の腱を引っ張るので、
 重いものも持てます。
 整形外科の先生は、
 この腱(けん)というスジの手術とか、
 関節の手術がお上手です。
      ■         ■
 私たち外科医は、
 総合病院では、
 中央手術室というところで手術をします。
 いろいろな科の先生が、
 同じ更衣室で着替えて、
 手術室の患者さんを確認して、
 手術に入る前に手を洗います。
 手洗いといいます。
      ■         ■
 簡単に手を洗うのではありません。
 大きな鏡がついた専用の手洗い装置
 (手を洗う水も殺菌されています)
 の前に立って、
 鏡を見ながら、
 洗い残しがないように、
 丁寧にブラシで殺菌剤を使って洗います。
 (最近はブラシを使わないようです)
 手術日の朝には、
 ほぼ同じ時間帯に、
 各科の先生が手洗いをします。
      ■         ■
 私は北海道内の何箇所かの病院に勤務しました。
 朝の手洗い
 よく荻野先生とご一緒になりました。
 小柄な先生ですが、
 手洗いの最中にも、
 手術のことをお考えになっているようでした。
 あまり多くは話されませんが、
 手術は丁寧で繊細。
 先生のお人柄がそのまま手術に出ているようです。
      ■         ■
 荻野先生のことを、
 世界中の手の外科医が心配しています。
 米国の先生からのメールです。
 Dear Toshi,
 I received this email below, which unfortunately I could not read. I hope it is a good news.
 If there be anything I can possibly of help, please do not hesitate to ask.
 I look forward to seeing you and Tomoko in the near future.
 Health Always,
 Jaiyoung Ryu
 Professor and Chief
 Hand and Upper Extremity Surgery
 Department of Orthopaedics
 West Virginia University
 荻野先生
 このメールを受け取りましたが、残念なことに日本語で読めませんでした。よい知らせであることを願っています。
 私にできることがあれば、何でも知らせてください。
 先生と奥様にまたお会いできる日を楽しみにしています。
 Jaiyoung Ryu
 ウエストバージニア大学
 整形外科教授
 さくらんぼさん
 荻野先生
 どうかがんばってください!

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院長の休日

さくらんぼさんのこと

 ご質問をいただきましたので、
 さくらんぼさんのことを書きます。
 私の日記は、
 この札幌美容形成外科HPの他に、
 美容の杜というサイトにも
 掲載しています。
 こちらのサイトの方がメジャーなので、
 検索でヒットする確率が高くなります。
      ■         ■
 2007年4月12日に日本形成外科学会のことを書きました。
 その中で、
 午後は山形大学医学部整形外科の
 荻野利彦教授の特別講演をお聴きしました。
 荻野先生は北大のご出身で、
 一時札幌医科大学教授もなさっていらっしゃいました。
 先生のライフワークは手の先天異常。
 生まれつき指が6本あったり、
 指が足りなかったり、
 あっても極端に短かったり、
 さまざまな異常があります。
      ■         ■
 荻野先生はこの手の先天異常の世界的権威です。
 先生のすごいところは、
 そんなに偉い先生なのに、
 偉ぶらないのです。実に謙虚です。
 小柄な先生ですが、手術がとてもお上手です。
 もし、生まれた子供が手や足に先天異常があれば、
 荻野教授がお薦めです。
 と書いたのが、
 たまたま荻野利彦で検索されていた、
 さくらんぼさんにヒットされました。
      ■         ■
 2007年12月26日21:53に
 一通の相談メールを受け取りました。
 【ご相談内容】
 私は山形大学整形外科の患者で
 脊髄腫瘍他二度手術していただき
 現在も通院しながら元気に働いています。
 荻野利彦教授は北大出という事で
 メールを差し上げました。
 ………………………………………………
 ………………………………………………
 荻野先生を助けてください。よろしくお願いします
      ■         ■
 私はさくらんぼさんからお聞きするまで、
 荻野教授の窮状(きゅうじょう)を知りませんでした。
 荻野教授は整形外科の先生です。
 とても穏やかな先生で、
 手の先天異常の世界的権威です。
 世界中の手の外科医から、
 ドクターOGINOは信頼されています。
 ‘悪いことをする’とか
 ‘不正をする’とかと
 一番、縁がない真面目な先生です。
      ■         ■
 山形大学の事件という日記に、
 荻野先生が関係したという事故のことを書いてあります。
 2008年6月25日から
 6回シリーズで書きました。
 私としては、かなり力を入れた日記です。
 どんなに一生懸命手術をしても、
 不満足な結果になることがあります。
 それが手術というものです。
 私が手術をさせていただいても、
 予想しなかった結果となることがあります。
      ■         ■
 山形大学の医療事故
 形成外科が関係した事故でした。
 形成外科専門医が、
 皮膚科に入院中の患者さんを手術しました。
 私は、長い間、皮膚科で働きました。
 皮膚科の看板の下で、
 形成外科の手術をする苦労を
 イヤというほど知っています。
 荻野先生もよく存じています。
 私が尊敬する先輩のお一人です。
      ■         ■
 私はさくらんぼさん
 一度もお会いしたことはありません。
 でも、毎日、日記にコメントをいただいています。
 美容外科の先生は、
 苦労もなく…
 楽しい毎日だろうなぁ…
 とお考えの方も多いと思います。
 現実はストレスの多い毎日です。
 手術の結果に満足できないこともあります。
 再手術となることもあります。
 日記も苦労して書いています
 さくらんぼさんは私の強い味方です。
 いつか山形を訪れてみたいと思っています。

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医療問題

医療費控除と薬代

 さくらんぼさんから、
 お父様が
 富山の薬、
 富士薬品などの家庭配置薬は
 医療費控除の対象外と言われたような気がします。
 とコメントをいただきました。
      ■         ■
 国税庁HPには、
 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価
 (風邪をひいた場合の風邪薬などの
 購入代金は医療費となりますが、
 ビタミン剤などの
 病気の予防や
 健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は
 医療費となりません。)
 と記載されています。
      ■         ■
 先日、札幌中(なか)税務署へ行った時に、
 担当の税務署員の方からお聞きしました。
 一番ダメな領収書は、
 上様
 お品代
 という中味のわからない領収書だそうです。
 確かに…
 こんな領収書をいただいたこともありました。
 よい領収書とは、
 実はレシートなのだと教えていただきました。
      ■         ■
 今までは、わざわざ、
 レシートの代わりに、
 長い紙を出していただき、
 医療法人札幌美容形成外科様
 ○○代金として…
 という領収書を
 手書きで書いていただいていました。
 レジに他の人が並んでいる時など、
 かなり気になっていました。
      ■         ■
 レジでくれる領収書には、
 品名、
 数量、
 単価、
 時間まで印字されています。
 この領収書の方が
 中味がよくわかりいいのだそうです。
 確かに何を買ったかよくわかります。
 信憑性(しんぴょうせい)も高いですね。
      ■         ■
 富士薬品の配置薬をのぞいてみました。
 繃帯 伸縮ホウタイ
 ガーゼ(日本薬局方) 消毒用ガーゼ
 フジアイG 目の疲れ、結膜充血、眼病予防
 カイテキテープ 切傷、すり傷、靴ずれ
 フジアロー外傷液 殺菌・消毒、切傷、すり傷に
 フジアローH軟膏 しっしん、かぶれ、かゆみ止め
 ダイラップE 肩こり、腰痛、筋肉痛(はり薬)
 新ジキナ糖衣錠DX かぜの諸症状(鼻水、悪寒、発熱)
 新ジキナ顆粒 かぜの諸症状(鼻水、悪寒、発熱)
 新ジキナトローチ のどの痛み、のどのはれ
 ニューカイテキZ 頭痛、歯痛、生理痛、発熱時の解熱
 ニューカイテキ錠A 頭痛、歯痛、生理痛(ビタミンB1配合)
 赤玉はら薬 食あたり、下痢(はら薬)
 新富士胃腸薬 胸やけ、胃の痛み、胃もたれ
 エスターパップ うちみ、ねんざ、肩こり、筋肉痛
 新フジミンD30 肉体疲労時の栄養補給(30ml×3本)
      ■         ■
 この中で明らかにダメなのは、
 新フジミンD30です。
 他の薬は胃腸薬やかぜ薬も
 医薬品に相当します。
 富士薬品㈱札幌営業所
 011-896-6181
 古川様にお聞きしました。
 やはり、
 肉体疲労時の栄養補給である、
 新フジミンD30以外は、
 医療費控除の対象となるそうです。
      ■         ■
 今年は是非、山形の税務署と交渉してください。
 詳しい明細をいただいて、
 新フジミンD30などの
 ビタミン剤などの
 病気の予防や
 健康増進のために用いられる医薬品
 の代金を除いた金額で申請なさってください。
 かかった医療費を、
 少しでも多く、
 所得税から引いてもらいましょう!

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医療問題

難解な税務署の言葉

 昨日書いた、
 医療費控除(いりょうひこうじょ)の還付(かんぷ)については、
 国税庁HPの
 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
 に記載されています。
 私は国税庁HPをよく見ます。
 医者の言葉以上に
 難解な言葉が多く困惑します。
 中学校までの義務教育で教えない、
 高等学校でも教えない言葉を、
 平気で使っています。
      ■         ■
 そもそも、
 控除(こうじょ)とか
 還付(かんぷ)なんて言葉は、
 国語や社会科、公民で教えますか?
 私は大学受験は政治・経済で受けました。
 社会科を政治・経済で選択したため、
 受けられる医学部が限定されました。
 高校の成績はよくありませんでした。
 10段階評価で10を取ったことは、
 数えるほどしかありませんでした。
 数少ない10
 現代国語
 政治・経済でした。
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 現役で受験して、
 唯一合格できたのが、
 同志社大学法学部でした。
 現代国語、
 英語、
 数学Ⅰ
 で受験した記憶があります。
 ですから、
 今でも政治・経済は好きですし、
 税金関係の文章も苦になりません。
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 その私ですら、
 国税庁HPは難解です。
 医療費控除の対象となる医療費は次のとおりであり、
 その病状などに応じて
 一般的に支出される水準を
 著しく超えない部分の金額
 と書かれています。
 一般的に支出される水準とか
 著しく超えない部分って何?
 これを聞いても、
 国税庁電話相談センターでは、
 具体的に答えてくれません。
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 たとえば交通費について質問しました。
 北海道には医療機関がない地域がたくさんあります。
 まして形成外科は少なく、
 郡部に住んでいらっしゃる方が、
 ワキガ手術を受けたいと思っても、
 近くに日帰りで手術をしてくれる、
 医療機関はありません。
 ワキガ手術を受けるために、
 JRで通院した交通費は控除の対象となります。
 JRもバスもない地域の人が、
 自家用車で通院したガソリン代は、
 控除の対象となりません。
 タクシーを札幌から呼んで、
 一回に何万円もかけて通院したら、
 それって一般的に支出される水準ですか?
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 昨日質問に答えてくださった、
 札幌国税局、電話相談センター、
 011-231-9311
 石塚さんは親切な方でした。
 もし納税者が納得しなかった場合はどうするのですか?
 と私が質問しました。
 石塚さんは、
 その場合は、各税務署長が判断する
 と回答されました。
 税務署長がダメと言えば、
 異議申し立てをし
 不服審査請求ができると回答されました。
 私は一般的に支出される水準とは、
 タクシーで通院するより、
 誰かに乗せてもらって通院することだと思います。

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医療問題

医療費控除の還付(かんぷ)

 国税庁が大きな新聞広告を出して、
 e-Tax(いーたっくす)の宣伝をしています。
 一回出すと、
 100万円以上かかりそうな広告です。
 国が進める電子政府政策には、
 まだまだたくさんの問題点があります。
 スキャナー保存にしてもそうです。
 私は、昨年から
 税の電子申告親切な手引を
 電子申告の問題点
 など
 e-Taxの問題点を指摘してきました。
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 今や、札幌中税務署では、
 かなり有名になりました。
 モンスター納税者になって、
 苦情を言い続けました
 担当職員の方は、
 とても親切に対応してくださいました。
 税務署に電話をかけて、
 税務署を訪問して、
 税務を勉強したおかげで
 今までとは比べ物にならないくらい、
 税金の知識が増えました。
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 開業した時に、
 このくらいの知識があれば、
 税務調査
 高額の追徴をされなくてもよかったのに…
 会計事務所に丸投げでお願いせずに
 もっと自分で調べて税務署に聞けば…
 よかったのに…
 と
 何も知らずに美容外科を受診して、
 説明されるがままに手術を受けて、
 大失敗した方の
 お気持ちがよくわかりました。
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 e-Taxは、まだまだ発展途上。
 問題点はかなりあります。
 簡単ではありません。
 e-Taxの地方税版、
 eL-TAX(エルタックス)にいたっては、
 もっと悲惨な状態です。
 PCからアクセスするのに、
 土日祝夜間はお休みです!
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 何のための電子申告ですか?
 札幌美容形成外科では、
 24時間、365日フルサポートですょ!
 できる限り24時間以内、
 遅くとも48時間以内に
 メールで返信しています。
 電子申告をするなら、
 国民に親切に、
 申告は一箇所で済むようにしてください。
 こういうところこそ、
 改革すべきです。
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 本題の医療費控除の還付(かんぷ)です。
 2008年4月27日にも、
 一度ご説明しています。
 医療機関でいただいた領収書、
 薬屋さんで購入した風邪薬の領収書、
 歯医者さんで治療した虫歯治療の領収書、
 これらの合計が10万円を超えていれば、
 税金が還付されます。
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 一番楽な申告方法は、
 税務署へ行き、
 担当者に聞きながら申告する方法です。
 税務署は親切なお役所です。
 怖くはありません。
 領収書を全部持って行き、
 源泉徴収票などの書類も持参します。
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 注意しなくてはいけないのは、
 生命保険などから保険金をいただいた時です。
 保険金をいただいた時は、
 戻ってくるお金から引かれます。
 たくさん保険金をいただいた時は、
 注意してください。
 手術を受けた年には、
 保険金をもらえることを知らずに、
 翌年、保険金をもらったとします。
 その場合は修正申告をして、
 税金を戻さなければならないそうです。
 (札幌国税局、電話相談センター、
 011-231-9311
 石塚さんにお聞きしました)
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 治療を受けるためにかかった
 交通費も対象となります。
 帯広→札幌へと
 わきが手術のために通院したとします。
 手術や術前後の診察のための
 交通費は控除の対象となります。
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 ただし、公共交通機関の領収書だけです。
 自家用車で送迎してもらった分は
 ダメです。
 さくらんぼさんのように、
 自家用車でしか通院できない地域の方は
 とても損をした気分ですね。
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 タクシーを呼んで、
 タクシー代を払った場合はOK。
 ふつうの人は、
 3時間も4時間もかかるところを、
 タクシーには乗りません。
 詐欺で滝川⇔札幌をタクシーで通院し、
 2億円もだまし取った、
 ヤクザの夫婦が逮捕されました。
 自家用車のガソリン代も
 医療費控除の項目に入れていただきたいです。

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