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医師が辞める理由

 昨日、天使病院の産婦人科医が9月末で全員辞めるという北海道新聞の記事を紹介しました。
 医師が辞める理由はさまざまですが、一つの科の医師が全員辞めるというのは、あまり例がありません。江別市立病院で内科医が辞めたのが記憶にある位です。
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 一般の方には想像できないと思いますが、医師は横のつながりが極めて強い職種です。
 学会を通じて、全国や世界各国の同業医師と友だちになります。学会発表や論文を見ると、その先生にどの位の力量があって、どんな考えの先生かも推測できます。
 医学部は6年間もありますので、100人近い人が小学校1年生から6年生まで同じ学校に通うようなものです。
 同級生とは強い連携ができますし、6年間も同じ学校に通うので、性格から行動までおおよそ全てがわかります。
 同級生から信頼されない医師は、ダメ医師のレッテルを貼られたようなものです。
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 専門科目を専攻するようになってから、一番強いつながりができるのが、大学の同門(ドウモン)です。大学病院で同じ釜の飯を食べて、医師として腕を磨いた仲間のことです。
 現在、30歳以上の中堅の先生は、医局制度が健在だった頃に専門医になっています。
 私も含めて、何もできなかった新米の医師を育ててくれたのが大学の医局でした。
 産婦人科は北大も札幌医大も大きな医局でした。横のつながりも極めて強い医師集団が大学の同門でした。
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 天使病院は2003年7月から社会福祉法人聖母会から医療法人社団カレスアライアンスに病院事業が継承されました。
 当時の天使病院長は藤本征一郎先生でした。藤本先生は北海道大学産婦人科の名誉教授です。北大産婦人科と強いパイプを作り、地域周産期母子医療センターを立ち上げるというのが医療関係者の見方でした。
 医療法人社団カレスアライアンスは、室蘭の日鋼記念病院が原点になっている医療法人です。理事長の西村昭雄先生が、日本製鋼所の企業病院だった病院を、日本でも有数の優良病院に育てたことで有名です。
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 西村先生は北大第一外科の助教授から室蘭の日鋼病院の病院長に就任されました。
 西村先生が赴任された頃の日鋼病院は、とても立派な病院とは言えない古い病院だったそうです。
 その病院を西村院長が大手術をして、今の日鋼記念病院に育てたそうです。
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 不思議なことに、日鋼記念病院でも、現在、産婦人科が休診しています。
 私の推測ですが、西村理事長と北大産婦人科に何かがあったと思います。
 医師が辞める理由はさまざまですが、大学の医局と病院のどちらを取るかと問われれば、答えは大学の医局です。
 太い絆(キズナ)で結ばれた大学の同門は団結が強いものです。
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 産婦人科医の処遇をめぐって、医療法人との間に‘絶対譲れない何か?’があったのだと思います。
 一般病院では、医師の待遇が年々悪くなっています。給料は下がるは、責任は重くなるは、拘束時間は長くなるは…。
 急患の診療で休日も休みなし。子供と夏休みを取ろうと思ってリゾートホテルを予約しても、病院からの呼び出しで予約はキャンセル。
 奥さんからも子供からも責められては、お父さんも病院を辞めたくなります。
 札幌から安心してお産ができる病院をなくさないで欲しいと願っています。

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天使病院

 平成19年8月10日と11日の北海道新聞に天使病院の記事が掲載されていました。
 天使病院は札幌市東区にある260床の病院です。明治44年(1911年)に開院した歴史のある病院で、札幌市民や北海道の人にはよく知られています。私の長男も天使病院で生まれました。
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 その名前の示す通りキリスト教の病院でした。以下は天使大学HPから引用しました。
 1908(明治41)年「マリアの宣教者フランシスコ修道会」本部(ローマ)から7名の修道女が札幌に派遣されました。修道女たちは施療所(現・カレスアライアンス天使病院)を開設し、日夜貧しい人々へ手をさしのべ、病める人々に献身的な看護を行いました。
 1924年(大正13年)に病院付属看護婦養成所を開設。
 1947年(昭和22)年に札幌天使女子厚生専門学校が設立されました。
 現在まで60年間で8500名以上の卒業生が看護師・栄養士・養護教員などとして活躍されています。
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 天使大学の同窓会長は、鎌田とし子先生です。栄養科5期卒。東京女子大学名誉教授で社会福祉学博士です。
 私は一度鎌田先生のお話しをお聞きしたことがありますが、とても優秀な先生でした。
 昔の天使病院には、たくさんのシスターがいらして、病める病者に優しい愛の手を差しのべていました。
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 2003年(平成15年)7月から社会福祉法人 聖母会から医療法人社団カレスアライアンスに病院事業が継承されました。
 当時の藤本征一郎病院長の2005年のお言葉です。
 公益性が求められる病院は「社会公器」であり、目先の「利益」よりは「義」が重んじられなければなりません。公益性を指向する「運営」が経営を改善し、受療される地域の皆様と病院職員一同とが、ともに初めて満足感を共有しうるものと私は考えます。
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 天使病院で何があったか私にはわかりませんが、産婦人科医全員が9月末で辞めてしまうそうです。
 天使病院は地域周産期母子医療センターという早産や重い妊娠中毒症など高いリスクの出産を受け入れている数少ない病院の一つです。
 天使病院が産婦人科を休診すると、重症の妊婦さんが受け入れてもらえない可能性が出てきます。奈良県の死亡事故が思い出されます。
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 天使病院の院長になられた杉原平樹(スギハラツネキ)先生は私の恩師です。初代、北海道大学病院長です。
 杉原先生の再建手術は慎重で丁寧な手術でした。‘失敗した’手術を見たことがありませんでした。私たち北大形成外科同門の間では「スギさん」と親しみを込めて呼ばれていました。
 杉原病院長のご尽力で、何とか天使病院から産婦人科の灯を消さないで欲しいと願っています。数多くのシスターもお祈りなさっていることと思います。

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医学講座

がん免疫療法

 平成19年8月8日の北海道新聞に‘がん免疫療法’の記事が掲載されていました。
 治療を実施しているのは、帯広市の北斗病院です。
 私が帯広厚生病院時代にお世話になりました。もともと札幌の中村脳神経外科に勤務していた、鎌田先生と橋本先生が作った脳神経外科の病院でした。
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 私が帯広にいた平成7年から平成10年までは、帯広厚生病院に脳神経外科がありませんで。
 現在、北斗病院理事長をしている橋本郁郎先生が私の大学時代の同期でしたので、よく患者様をお願いしていました。
 帯広厚生病院ではできない手術を、東大の先生にいらしていただき、私が北斗病院まで行って東大の先生とご一緒に手術をしたこともありました。
 当時から学閥にとらわれず、常に最先端の医療を目指していました。
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 北斗病院は2003年7月1日からPET(ペット)というガンの診断装置を導入しています。北海道では最も早く導入した施設の一つです。現在ではPET-CTを含め3台のPETが寡動しています。
 PETはかなり高価な装置なので、大学病院でもないところがあるくらいです。
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 北斗病院で行っている、がん免疫療法は東京大学医科学研究所の細胞治療技術を採用しています。がん治療のベンチャー企業であるテラ(株)と提携して行われています。
 がん免疫療法は私が学生だった30年前から、可能性を示唆されていました。
 近年のバイオ技術の進歩で一般的になってきました。
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 大学病院ではさまざまな理由でなかなか実施できない治療が、北海道の十勝で受けられるのはすごいことです。
 最先端の医療を目指す北斗病院で、一人でも多くのがん患者様が助かることを祈念しています。

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補正下着

 平成19年8月9日、北海道新聞の記事です(北海道新聞HPより引用)
 補正下着販売、苦情相次ぐ 05年度以降、相談127件20代中心
 理想の体形に矯正する女性用補正下着の販売をめぐる苦情や相談が、札幌市消費者センターに相次いでいる。若い女性の体形の悩みを利用し、400万円を超えるローン契約を結ばせるケースもあり、同センターは注意を呼びかけている。。
 同センターによると、補正下着の販売をめぐる苦情、相談は2005年度からこれまでに127件あった。相談者の約8割は20代前半の女性で、購入金額の平均は約79万円、最高額は約439万円。最近は下着店の女性店員が販売目的を隠し、居酒屋などで女性と「友人」になり、下着販売店に誘うケースが目立ち、全体の約半数を占める。
      ■         ■
 20歳の女性は下着販売店に勤める友人から「同級生が集まるから」とお好み焼きパーティーに誘われ、出向いたところ販売店だった。「ももが太い」と悩んでいた女性は補正下着の購入を勧められ116万円のローン契約を結んだが、体形は変わらなかったという。
 また、21歳の女性は友人に誘われて下着店を訪れ、「理想の体形になるには、肉を移動させること」と説明を受けた。ブラジャーやボディースーツなど67点を86万円で購入し、一年間着用したが、効果はなく、逆に皮膚にあざや色素沈着が残った。
      ■         ■
 同様の相談は旭川や帯広などの消費生活センターにも寄せられている。札幌市消費者センターは「友人関係を利用した販売が最近の傾向。多額のローン契約を結び支払い不能になった相談者もいる」と話している。
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 同じような内容が札幌市消費者センターHPに掲載されています。
 こちらは2005年のケースですから、毎年かなりの数の‘被害者’がでていると推測されます。
 胸を大きくしたい、お腹のぜい肉をとりたいという願望は女性共通のものです。体重が40㎏台のかなり細い方でも、お腹の肉をとりたいと来院されることがあります。
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 医学の力を借りても‘簡単に’体型を変えることはできません。
 下着で胸を大きくすることは不可能です。寄せることはできても‘大きく’することはできません。寄せるだけでしたら、市販の下着で十分です。
 お金さえ出せば、‘楽に’‘簡単に’キレイになれると思わないで下さい。‘甘い話’には必ずワナがあります。

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エステ苦情年1万件

 平成19年8月7日、朝日新聞の記事です(2007年08月07日19時59分asahi.comより引用)
 エステティックサロンを巡る消費者からの苦情・相談が99年度以降、全国の消費生活センターに毎年1万件以上寄せられていることがわかった。
 中には強引な勧誘をしたり、解約に応じなかったりといった特定商取引法(特商法)違反の可能性がある例も含まれるとみられ、経済産業省は監視を強めている。
 一方、業界では適正な営業をしている店舗を認証する制度を今秋にも導入する方針で、消費者の信頼獲得に力を入れ始めた。
      ■         ■
 経産省や業界関係者によると、エステ店は全国に1万以上あり、年間市場規模は約4,000億円と言われる。しかし、エステを直接監督する法律はなく、新規参入も容易で、悪質業者の実態ははっきりしないという。
 国民生活センターなどによると、エステを巡る苦情・相談件数は1万8000件を超えた00年度をピークにその後若干減ったが、それでも毎年、1万件以上で高止まりしている。06年度の場合、9割程度が契約・営業や解約を巡る相談だという。
      ■         ■
 「アンケートに答えてと声をかけられ、エステに行ったが、強引に勧誘され断れなかった」といった例のほか、様々な理由をつけて解約やクーリングオフに応じなかったケースもあった。
 「確実に○キロやせる」「今、始めないと手遅れになる」などと事実と異なる説明をし、契約を結ばせる例もあるという。
 エステは語学学校などと同様に、特商法の規制対象になっている。同法はうその説明での勧誘や迷惑勧誘、誇大広告を禁じている。
 一方、エステサロンやエステティシャン、エステ機器の業界団体の代表はNPO法人「日本エステティック機構」(東京)を設立。悪質な業者と区別するため、適正な営業をしている店にエステサロン版の「マル適マーク」を与える認証制度を今年10月にも始める。
      ■         ■
 計画では、認証を受けるには、消費者からの苦情をたらい回しにしないように相談窓口を設けるほか、契約や解約を文書で記録する必要がある。特商法の規定を守り、分割払いなどで支払い能力を超える契約を結ばせたり、未成年者に親の同意なしに契約させたりすることがないように対策をとる。
 店側が同機構に書類で申請。現地審査を経て第三者を交えた「審査会」が認証する。
 「現状では、大部分が認証基準を満たさないのでは」(経産省サービス産業課)との見方もあるが、業界最大手TBCグループ代表取締役を務める天辰文夫・機構理事は「認証の導入で業界全体をレベルアップさせたい」と意気込む。
      ■         ■
 私はこのエステ「マル適マーク」で業界がよくなるとは思いません。
 業界最大手TBCがそもそも「ぼったくり体質です」。TBCで高額の契約をしたのに、痛くて脱毛ができないと訴えても返金されなかったという、看護師さんを知っています。
 札幌美容形成外科ですれば一回\9,600のワキ脱毛を数十万円の契約で行っているのがTBCです。
 厚生労働省がしっかりして、政治家がエステ業界から政治献金なんてもらわないようにすることです。韓国のように医師免許がなければ、脱毛をできなくすることです。派手な広告を出しているところは「ボッタクリ」です。

エステを巡る苦情・相談件数
(朝日新聞より引用)

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医療問題

精神保健指定医

 横綱朝青龍を診察した、精神科医の本田昌毅医師(37)のことが一部の報道で話題になっているようです。
 精神科は自由標榜科目なので、私でも今日から精神科医になることはできます。メンタルクリニックも開業できます。
 本田先生が、‘本物’の精神科医か美容外科も開業して包茎の手術をしている‘精神科医’なのかは私にも正直なところわかりません。
      ■         ■
 精神保健指定医という精神保健福祉法に基づく資格があります。
 ただちに入院させなければ、精神障害のために自身を傷つけ、または他人を害するおそれがある人がいたとします。
 2名の精神保健指定医が診察し、その診断が一致した場合に強制的に入院させることができます。
 これを措置入院(ソチニュウイン)と言います。都道府県知事または政令指定都市市長の命令により、精神科病院である指定病院に入院させることができる制度です。
 警察官、検察官、保護観察所長、矯正施設長に、上記の疑いがある者の通報義務があります。
 入院費は、原則として保険と公費によってまかなわれ、所得にもよりますが、自己負担はほぼゼロです。
      ■         ■
 精神保健指定医の資格申請には、精神科3年以上を含む5年以上の臨床経験が必要です。
 講習を受けた上で計8例のレポートを提出し審査を受けます。
 朝青龍を診察した先生が精神保健指定医かどうか検索してみましたが、簡単には見つかりませんでした。
 日本形成外科学会専門医でしたら学会HPで見つけられますが、厚生労働省はそのようなサービスをしていないようです。
      ■         ■
 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律施行令という名前の法律があります。
 悪いことをしちゃったけれど、それは精神の病気のためです。という人をどう扱うかという法律です。
 この法律に精神保健判定医というランクが上の専門家が出てきます。
 もし横綱を診察して、モンゴルに帰すのが適当であると相撲協会が判断するのでしたら、少なくとも2人の精神保健指定医か精神保健判定医のお墨付きをもらわないと、専門家は納得しないでしょう。
      ■         ■
 私も横綱がモンゴルで楽しそうにサッカーをしているTVを見ました。
 あれはどう見ても‘病気’で安静療養が必要な状態とは見えませんでした。
 ‘ウソの診断書’とは言いませんが、胡散臭い(ウサンクサイ)診断書で巡業をずる休みして、モンゴルに帰ってサッカーをしたら、バレてしまって、落ち込んでウツだと言われても…。
 横綱ともあろうものが、そんな仮病(ケビョウ)でずる休みは許されません。診断書を書いた‘先生’も悪いと思います。

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お金の計算

 開業すると、お客様から料金をいただいて、お釣りも差し上げなければなりません。いつもは払う立場だったのが逆になります。
 毎日、お釣り用の小銭をいくら準備して、どうやって補充するか?大切なことですが、どこでどうやって教えてもらえばよいのかわかりません。
 勤務医の多くは、自分が勤務している病院でも会計窓口に行くのは、自分が‘患者’になった時だけで、窓口の内側は全くわかりません。
      ■         ■
 恥ずかしながら、私は開業してから一度もお金の計算をしたことがありません。
 税務署の方が休診日に税務調査にいらっしゃいました。私と会計事務所の公認会計士の先生が立ち会いました。
 レジのお金や日報をお見せしました。
 税務署:「現金はこれですべてですか?」
 私:「はいそうです(少なかったのかなぁ?)」
 税務署:「日報と合っていますか?」
 私:「はい、あっていると思います」
 税務署:「先生はご自分で確認なさらないのですか?」
 私:「はぁ、お金の計算は苦手なもので…」
 税務署:「たまには、ご自分で確認なさった方がよろしいですょ」
 私:「はぁ、私が計算しても合わないと困るので…」
      ■         ■
 先輩や友人から、職員にお金をごまかされないように注意しなさいと言われたことがあります。
 一流の会社や大きな病院でも、お金をごまかす職員がいます。銀行員ですら、お金をごまかして懲戒免職になる人がいる時代です。
 不正をする職員自身に問題があるのは明らかですが、お金をごまかされる側に問題があることがあります。脱税や不正をしていれば、ごまかされても告訴できません。
      ■         ■
 開業した時に、お釣りの小銭の準備やレジの打ち方を教えてくれたのは、実家がレストランを経営していた受付の子でした。
 私も家内も‘お店屋さんごっこ’すらしたことがなかったので、その子に教えてもらました。
 カード払いも多いので、カードも導入しましたが、私は未だにカードを切れません。
 一日の‘売り上げ’や一ヵ月の‘売り上げ’は私がチェックしていますが、現金やレジの管理は任せています。私がチェックしなくても、お金が合わないことはありません。明朗会計です。
      ■         ■
 会計業務は会計事務所にお願いしています。開業すると税金や消費税の申告も大変です。
 弥生会計という会計ソフトに入力して、会計事務所でチェックしていただいています。
 開業するまでは、簿記なんてまったく縁がありませんでした。それこそ、簿記の右も左もわかりませんでした。
 今でこそ少しはわかるようになりましたが、ダスキンのレンタルマット代は何費になるの?業務委託費?消耗品費?なんてことはわかりません。
 開業すると医師としての業務以外で困ることがたくさんあります。信頼できる会計事務所にお願いするのがよいと思います。
      ■         ■
 大きな会社でしたら、人事・総務・経理とそれぞれに専門家がいますが、個人経営のクリニックではすべて院長の責任です。
 自分でできないことは、その道のプロに任せて適切に対処してもらうのが早道です。
 私はお金の計算は不得意なので、職員に任せて、経理も会計事務所にお願いしています。その方が安心して手術に専念できます。

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開業時の苦労

 3年前に開業した時に苦労したのが、人事・労務管理といわれる、ヒューマン・リソース・マネージメント(HRM)でした。
 最近のビジネス英語会話で、杉田先生が取り上げていらっしゃいました。いわゆるHR(エイチアール)です。
 今まで、25年近くも勤務医を続けてきて、雇われる側だった医師が、突然、雇用主になりました。労働基準法にも労働基準監督署も縁がありませんでした。
      ■         ■
 まず、人を雇用する時には労働条件を明示しなくてはいけません。普通の人には当たり前のことですが、私は労働契約書なんてのは見たこともなかったですし、一度も署名捺印をしたことはありませんでした。
 人事は大学の医局か教授が決めて、そのまま赴任というパターンでした。ハローワークにも行ったことがないし、どこにあるかも知りませんでした。
 雇用保険もいただいたことはありません。私の知人の先生でも雇用保険をもらったという話しは聞いたことがありません。
      ■         ■
 私の先輩や知人が開業して、一番もめて苦労していたのが、この労働問題でした。
 自分自身は有給休暇を取ったことがなくても、従業員から請求があった時には与えなくてはなりません。
 医師は労働組合に入ったこともなく、労使問題にも疎い(ウトイ)ので、問題が起きることが多いようです。
      ■         ■
 私は専門家にお願いしました。北海道医師協同組合に田中猛先生という社会保険労務士さんがいらっしゃいます。
 以前から、保険関係をお願いしていたので、就業規則を作成していただきました。
 田中先生は、病院や医院の労務管理に詳しく、たくさんの事例をご存知です。私が失敗する前に、適切に助言をしていただきました。
 また、とても真面目で几帳面な性格の方です。私を社会保険労務士にしたようなタイプだと思います。
 田中先生はご自身でブログも書いていらっしゃいます。
 これから開業をお考えの先生には、北海道医師協同組合をお薦めします。DLSという会社が医師協同組合に併設されており、こちらでいろいろな相談や手続きができます。
      ■         ■
 医業はサービス業なので、まずよい人を雇用しないと、快適でよいサービスは提供できません。
 大手美容外科の雇われ院長だった時は、一番遅くに出勤して、一番最初に『お疲れ様でした』と見送られて帰宅していました。
 キレイなお姉さんに『先生、お疲れ様でした』と見送られるのは、とても気分がよかったです。
 開業してからは、私が一番最初に出勤して、一番最後に戸締りをして帰宅します。
 『お疲れ様でした。ありがとうございました』と言うのが私になりました。開業医になり、経営者になったのだから当然だと思っています。
      ■         ■
 正直な話し、お給料は雇われ院長の時の方が、今よりずっとずっとよかったです。拘束時間もずっと短かったです。
 自分で開業して変わったのは、手術をしなくてもよい人には手術をすすめなくてもよくなったこと。他の病院も気軽に紹介できるようになったこと。手術料金が安くなったことなどです。
 自分の夢とロマンを実現できることが、開業する一番のメリットだと思います。

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服装規定

 札幌美容形成外科を開業する時に服装規定を作りました。いらしていただいた方はおわかりだと思いますが、当院では‘茶髪’は禁止です。採用の時に必ず確認しています。
 どうして‘茶髪’がダメなのですか?と質問される方がたまにいらっしゃいます(特に看護師の採用で)。
 その時には、一流ホテルのフロントや航空機の客室乗務員に‘茶髪’の方はいらっしゃいますか?と答えるようにしています。
      ■         ■
 2004年3月20日の朝日新聞に『どこまで認める?意見多様で企業悩む ヘアカラー基準は色々』という記事が出ていました。
 2004年の記事では、ヘアカラーを認めないのは、全日空(客室部門)、イトーヨーカ堂、ファーストリティリング、セブン-イレブン・ジャパン(本社)でした。
 認めていても限りなく黒に近いのが、日本ヘアカラー協会レベルスケール6番の日本航空。
 見た目はほとんど黒の日本ヘアカラー協会レベルスケール5番がパレスホテル、ホテルオークラ東京、三越日本橋本店でした。
      ■         ■
 札幌美容形成外科の規定は、日本航空と同じ日本ヘアカラー協会レベルスケール6番です。
 このレベルスケールは5→6→7→8と数字が増えるほど‘茶髪’になります。
 1番が真っ黒で、20番が真っ白ですが、5番(ほぼ黒)~15番(金髪)までの11段階に染め分けられています。
      ■         ■
 私が‘茶髪’嫌いになったのは、札幌医科大学の講師をしていた時でした。
 私は解剖学教室で研究をしていましたので、学生さんの解剖学実習を見る機会がありました。
 昨日まで高校生だったような、ニキビがたくさんある学生さんから、少し社会経験を積んだような方まで約100人が実習しています。
 その中に、外人か?と思うような金髪で実習をしている男子学生がいました。耳にはピアスがついていました。
 頭が良くて札幌医大医学部に入学したのでしょうが、私は献体してくださった、ご遺体に申し訳ない気持ちでした。
 解剖学実習に服装規定はありませんでした。
      ■         ■
 おそらく解剖学実習を茶髪でした学生さんが、医師になって美容外科医になると、茶髪で診察して手術もする先生になるのだと思います。
 私は医業はサービス業だと思っています。快適な空の旅を提供する一流の航空会社は茶髪は禁止です。
 茶髪のCAが日本の空を飛ぶようになれば話しは別ですが、今の日本社会では、接客サービス業で茶髪は受け入れられません。
 お客様に快適に治療を受けていただくのが私の目的です。この服装規定は当分の間変えるつもりはありません。
      ■         ■
 これから就職試験や面接を受ける方は、髪の毛の色は黒くするべきです。面接担当者には私くらいのおじさんもいます。
 茶髪にしていて悪い印象を持たれることもあります。
 目を二重にしてもわかりませんが、茶髪はすぐにわかります。その方の自己表現の一つなのでしょうが、接客サービス業には向かないと思います。私の考えです。

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開院3周年

 今日で札幌美容形成外科は開院3周年を迎えました。‘石の上にも3年’という言葉があります。順風満帆な3年間ではありませんでしたが、皆様のご支援のおかげで3年目を迎えられました。この場をお借りして、こころから御礼申し上げます。
 3年間でもっとも苦労したのは職員の採用でした。
 お恥ずかしい話しですが、3年前の開業時から勤務している職員は一人もおりません。私だけです。
      ■         ■
 職員の募集は、先輩の意見をお聞きして始めました。一番難しそうだった看護師さんの募集は、意外とすんなり決まりました。
 受付は医療事務の資格が必要で、私も医療事務の経験がなかったので人材派遣会社にお願いしました。
 先輩のクリニックでお願いしていた、大手の医療事務の会社です。大病院の医療事務もなさっています。
      ■         ■
 人材派遣の場合は、採用は派遣会社で行います。私は事前に面接をすることはできません。法律で決まっているそうです。
 私は面接といっても学生の面接でしたら得意でしたが、採用の経験はありませんでしたのでプロに任せました。
 美容外科という職種のためか、応募者はかなりあったそうです。会社の担当者から『いい人が応募してくれました。この方なら確実です』と太鼓判を押していただきました。
      ■         ■
 7月から研修を行い、開業に備えました。派遣でいらしていただいたお嬢さんも美人でハキハキしていました。
 派遣で2人の受付さんをお願いしました。その他に私が直接採用した経験者が一人で合計3人です。
 開業して一週間もたたないうちに、派遣でいらしていただいたお一人が突然辞めることになりました。
 派遣会社の方が太鼓判を押してくださった方でした。
 突然のことで戸惑いました。私は『僕、何か悪いことしました???』
 何がなんだかわからないうちに、一人いなくなってしまいました。
      ■         ■
 その後、次の人がなかなか決まらず欠員が続きました。派遣会社も慎重になったのだと思います。
 もう一人の派遣の方も、3ヵ月でお辞めになることになりました。正社員と派遣社員が混在すると待遇が違うため難しいようです。最初は気がつきませんでした。
 今度は、アルバイト北海道に募集広告を出して、私と家内で面接をして、開業に至った経緯を話しました。
 私など、ニトリの似鳥社長の足元にも及びませんが、私の夢とロマンを話し、私のクリニックに力を貸してください、とお願いして3人の方にいらしていただきました。
      ■         ■
 そうして採用した3人の受付さんが、その後ずっと勤務してくれています。私の貴重な財産です。
 事業をはじめる時に、大切なのが‘人・もの・金’とよく言われます。お金さえ出せばよい人が集まるわけではないと思います。
 私の『最高の美容外科医療を‘適正’な価格で提供する』という‘夢とロマン’に賛同してくれた職員が私を支えてくれています。これからも、私も職員もよろしくお願いいたします。

私の貴重な財産です

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