医学講座
お医者さんの奥さん
旦那が医者だと、安心できると思うのは間違いです。
医師が、一番最初に診なければならないのは、自分の患者さんです。
家族は後になります。
どこの先生の奥さんも、‘母子家庭’を経験していると思います。
私も、‘いい旦那さん’ではありません。
家内には、
‘院長日記の中だけ愛妻家ぶっている’と非難されています。
家内はこの院長日記を…
‘腹が立つから見ない!’と言っています。
■ ■
私が高校生の時に、
同級生にお医者さんの娘さんがいました。
その人のお父さんは、
たまたま私の父と小学校の同級生だったそうです。
○○さんの家はすごいねぇ。
お父さんがお医者さんだから…
というような話しをした記憶があります。
■ ■
『あら、そんなことないわょ』
『小さい時から、たくさんさびしい思いをしたわょ』
『例えば、今度の日曜日は動物園に行こう!』
『楽しみにしていたのに、患者さんの容態が悪くなって…』
『動物園に何回行けなかったことか…』
本間家では、動物園に行けなかったことはありませんが、
札幌で勤務した時も、
地方病院に勤務した時も、
スーパーへ買い物へ行っても、
必ずポケットベルを持っていました。
今の先生は携帯ですね。
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子どもが生まれると…
夜もミルクを飲ませなければなりません。
家内には、申し訳ないですが、
私は一度も子どもにミルクを飲ませていません。
ミルクの後の、
『げっぷ』の出し方は、教えたことがありましたが、
哺乳瓶でミルクを飲ませたことはありません。
■ ■
釧路労災病院形成外科に勤務していた時です。
子どもは2人になっていました。
上の子が2歳、
下の子が0歳でした。
家内の母もいませんし、
私の両親も札幌でした。
ある日、家内が、
美容室へ行きたいから、ちょっと子どもを見ていて
と言いました。
■ ■
『だめだよ、急患が来て、病院から電話がかかってきたらどうするの?』
それじゃ、私は美容室へも行けないの?
『託児所付きの美容室へ行けばいいじゃないか』
これで大喧嘩になりました。
その後、家内がどうやって美容室へ行ったか?
まったく記憶にありませんが、
お医者さんの奥さんなんてこんなものです。
経済的に困ることは、
他業種の人よりも少ないとは思いますが、
孤独に強くて、忍耐強い人でないと、
なかなか大変かもしれません…