院長の休日

白井幸吉さんのおもいで

 十勝毎日新聞という、
 帯広の日刊紙があります。
 毎日、夕方に配達されます。
 十勝の人は…
 かちまいと呼んでいます。
 私も帯広厚生病院に勤務していた3年間は、
 かちまいも購読していました。
      ■         ■
 2008年6月21日のかちまい
 白井幸吉さんが掲載されています。
 談らんというコーナーです。
 質店を経営して31年目
 白井幸吉さん(65)=帯広
 精巧な偽物、見極める目 
 「消費者金融のATM(現金自動預払機)が減り、ATMを利用していた人が質店に向かうようになってきた」と、質店をめぐる最近の状況を語る。経営する質店「グリーンヒル」(帯広市西9南18)は今年で31年目。市内の質店の中では一番歴史が浅く、経営者としては最も若い。
 留萌管内天塩町生まれ。17年間商社マンとして札幌で勤務した後、帯広で開業。「商社にいたころから時計や宝石に興味があった。妻の実家が質店だったこともあり、帯広で店を開いた」
 質草は様変わりした。開業時は洋服や呉服が主力だったが、ビデオやテレビなどの電化製品に代わり、1990年ごろまで続いた。その後、パソコンなどのIT(情報技術)関連品が増え、90年代後半からは高級時計やブランドバッグなど。「精巧な偽物が増え、見極めが大変になってきた」
 帯広質屋協同組合の組合長でもある。市内の質店は60年代、30軒を超えていたが、現在の加盟店は5軒。「お客さんが来店しやすいよう、常に工夫していかなければ」と気を引き締める。(吉良敦)

 

「最近はブランドバッグや高級腕時計がよく持ち込まれる」と話す白井さん
 (以上、十勝毎日新聞WEBより引用)

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 この記事が掲載されたのが…
 2008年6月21日でした。
 お亡くなりになったのが…
 2008年10月8日です。
 6月頃は調子も良く…
 まさか数ヵ月後にお亡くなりになるとは…
 私も考えてもみませんでした。
      ■         ■
 白井さんは勉強熱心な方でした。
 私が知らないような薬や治療法を調べて…
 担当の先生とお話しされていました。
 ご自分の病気以外のことについても…
 とにかく博識でした。
 今から15年も前に…
 プロペシアという毛生え薬のことをご存知でした。
      ■         ■
 医学は進歩していますが…
 肺がんは難しい病気です。
 私たちの医者仲間でも…
 肺がんで亡くなる先生がいらっしゃいます。
 さくらんぼさんの妹さんのお嬢さんが…
 ご家族に見守られて息を引き取られました。
 おかけする言葉も見つかりません。
 医学がもっと進歩して…
 がんが治る時代になってほしいです。

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院長の休日

白井さんのお墓参りに行ってきました

 私が尊敬する、
 故白井幸吉さんのお墓参りに行ってきました。
 白井さんがお亡くなりになったのが、
 2008年10月8日でした。
 肺がんでした。
 私の人生の師であり…
 相談相手でした。
      ■         ■
 ず~っと、
 お墓参りに行きたいと思っていました。
 念願がかなって、
 お墓参りに行けて…
 とてもすがすがしい気分でした。
 白井さんのお墓は石狩霊園にあります。
      ■         ■
 石狩市は札幌のお隣です。
 石狩霊園は、
 小高い丘の上にあります。
 とても景色の良いところでした。
 お花がきれいに植えられていて…
 緑がたくさんありました。
      ■         ■
 私の好きなラベンダーもありました。
 霊園に着いて…
 管理事務所に伺い、
 白井さんのお墓の場所をお聞きしました。
 奥様から、
 お墓の番号はお聞きしていたのですが、
 なんと…
 霊園の職員の方が、
 バイクで先導してくださいました。
      ■         ■
 『地図を書いて渡すより早いですから…』
 …という一言で、
 あっと言う間にお墓に着きました。
 感激でした。
 墓所もとても清潔で、
 よく見ると…
 ラベンダーが、
 各家のお墓に何箇所も植えられていました。
      ■         ■
 自分が埋葬されるなら…
 こんな霊園に入りたいと思いました。
 白井さんのお墓には、
 の字が書かれていました。
 風になった白井さんと…
 ちょっとお話しができた気分でした。
 とても良い一日でした。

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医学講座

形成外科と手品

 私がはじめて形成外科の講義を聴講したのは、
 札幌医大6年生の特別講義でした。
 北大形成外科の大浦武彦先生が、
 札幌医大でスライドを見せてくださいました。
 見た印象は…
 すごい
 手品みたいだ
      ■         ■
 北大に入ってから知ったことですが、
 大浦先生は手品がお上手でした。
 私は一度しか見たことがありません。
 昔、北大形成外科の家族会
 先生の手品を見せていただいた記憶があります。
      ■         ■
 私にはじめて美容外科を教えてくださった、
 札幌中央形成外科初代院長、
 故武藤靖夫先生も手品の名人でした。
 武藤先生は、
 ライオンズクラブで、
 施設を慰問して手品を披露されていたそうです。
      ■         ■
 大浦先生も武藤先生も、
 手先が器用で手術がお上手です。
 手品も手先が器用でなければできません。
 研究熱心で…
 練習熱心でなくては上達しません。
 手術の上達と共通するところがあります。
      ■         ■
 私は手品はしません。
 手先はふつうだと思います。
 研究熱心と練習熱心は、
 お二人の恩師から学びました。
 形成外科の手品には、
 たねもしかけもあります。
 患者さんにたねもしかけも公開して、
 協力していただいて…
 はじめてきれいな傷が完成します。

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昔の記憶

喧嘩に強くなる

 私は小さい頃から病気がちで、
 身体も特別大きなほうではありません。
 良い環境で育ったおかげで、
 小さい頃にいじめられた経験はありません。
 中学校一年生でいじめられた以外は、
 いじめられた経験もありません。
      ■         ■
 ただ…
 小さい頃から、
 ちょっとした喧嘩はありました。
 兄弟喧嘩。
 父親との喧嘩。
 結婚してからは夫婦喧嘩。
 子どもとの親子喧嘩。
 人生で一番大きな喧嘩は、
 私をクビにした医学部長との喧嘩でした。
      ■         ■
 いじめられた経験が役立っているといえば…
 喧嘩に強くなった?ことでしょうか。
 ストレスにも強くなりました。
 誰が何と言おうと…
 偏屈ながんこおやじ精神はへこたれません。
 これもいじめを乗り切ったおかげです。
      ■         ■
 生きていく上で…
 どうしても他人と衝突することがあります。
 自分が病気になることあります。
 そういう…
 人生の負の側面を乗り越えるには…
 強い精神力が必要になります。
      ■         ■
 この強い精神力は、
 なかなか獲得することが難しいです。
 本間流の喧嘩に強くなる方法は、
 まず、
 信頼できる仲間を集めることです。
 自分一人で戦おうとしても…
 負け戦は目に見えています。
      ■         ■
 力が弱い者でも…
 何人も同士を集めて…
 力を合わせると…
 強い力になります。
 あとは…
 いかに信頼できるブレインを見つけるかです。
 頭が悪くては戦いに勝てません。
      ■         ■
 こちらの戦闘体勢が整うまでは、
 死んだフリをすることも必要です。
 死んだフリをしている間に、
 闘いの準備をします。
 私は血の気が多い方だと思います。
 負け戦は嫌いです。
 いじめられたおかげで、
 精神は強くなったと思います。
 

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医学講座

いじめと形成外科③

 私がいじめられたのは、
 美唄市茶志内の茶志内中学校(ちゃしないちゅうがっこう)から
 夕張市鹿島の…
 鹿島中学校(かしまちゅうがっこう)へ転校した、
 中学校一年生の一学期でした
 学校が嫌になりました。
 警察に相談しようか?とも思いました。
      ■         ■
 45年も前のことなのに…
 今でも鮮明に覚えています。
 夕張の鹿島中学校から…
 札幌西高校へ進学した時には、
 まったくいじめはありませんでした。
 成績が低迷して…
 英語で赤点を取りそうになりました
      ■         ■
 札幌西高校一年生の時です。
 同級生の細野昌和くんが…
 本間は目つきが悪いから…
 (下から見上げるような目線に)
 気をつけた方がいいよ。
 …と言ってくれたことがありました。
 いじめではなく…
 注意してくれたのです。
      ■         ■
 その時は気づきませんでしたが…
 今から考えると…
 もともと眼瞼下垂(がんけんかすい)があったのだと思います。
 自分の目を二重にしようとは…
 一度も考えたことはありませんでしたが、
 注意してくれた細野くんは、
 よく観察していたと思います。
      ■         ■
 札幌美容形成外科を受診する患者さんの中に…
 自分の容姿が原因の一つとなって
 ひきこもりになったり、
 高校を中退した人がいます。
 とくに女の子に多いです。
 自分には何の責任もないのに…
 目つきが悪いと言われ…
 気にするようになります。
      ■         ■
 本人も親も…
 眼瞼下垂(がんけんかすい)なんて知りません。
 特徴は…
 アイプチで30分もがんばっても二重にならない目。
 黒目(瞳孔)の前に…
 まつ毛がすだれのように下がっていて…
 小さい頃から逆さ睫毛だった。
      ■         ■
 子どもなのに…
 まつ毛パーマをかけないと…
 黒目が見えない子もいます。
 手術でひきこもりが治るとは限りませんが…
 自分のコンプレックスがなくなることによって…
 ちょっと強くなれる子もいます。
      ■         ■
 私は全員に【整形】をすすめるつもりはありません。
 【整形】に向かない子もいます。
 【整形】したことによって…
 かえって整形したといじめられる可能性もあります。
 高校→大学へ進学する時などは、
 周囲に【整形】がばれにくい時期です。
 目つきが悪いと悩んでいる人は、
 一度信頼できる形成外科医に診ていただくのも…
 一つの解決方法です。

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医学講座

いじめと形成外科②

 札幌美容形成外科を開業して8年です。
 形成外科勤務医の時には気づかなかった…
 たくさんの患者さんの悩みをお聞きしました。
 中学生の時に…
 くさいって言われました。
 それから…
 ず~っと
 わきがだと思っていました。
      ■         ■
 こんな悩みの患者さんを何人も診ました。
 わきがだと思って悩んでいた方を診察すると…
 耳垢は乾いており…
 ちょっと他人より汗が多いだけでした。
 わきがではありませんでした
 他人のちょっとしたひとことで…
 大きく傷つくことがあります。
      ■         ■
 逆に…
 かなり強いにおいがするのに…
 自分では気づいていない人もいます
 自分のにおいは… 
 自分では意外と気づかないものです。
 耳垢が湿っていても…
 清潔にしていれば気にならない人もたくさんいます。
      ■         ■
 日本人の5人に一人は耳垢が湿っています。
 耳あかの遺伝学という…
 2008年2月20日の院長日記に書いてあります。
 23本あるヒト染色体のうち16番目の染色体上に存在する
 ABCC11と呼ばれる遺伝子が関係しています。
 人類の祖先の耳あかは湿型で、
 遺伝的には湿型が優性。
 つまり祖先はみんなわきが体質です
      ■         ■
 欧州やアフリカはほぽ100%湿型(一般型、祖先型遺伝子)。
 日本や東北アジアの集団は8割以上が乾型(東アジア型遺伝子)。
 たまたま日本人では…
 乾いた耳垢の人が多いので…
 湿った耳垢の人がひけめを感じます。
 自分は何も悪いことをしていないのに…
 親からもらったにおいで…
 傷つけられることもあります。
      ■         ■
 私は…
 手術で治せるものは…
 しっかりと治せばいいと思います。
 ただ、
 中学生でわきが手術は早すぎます
 わきが手術は難しいです
 安易に受けると後悔します
 子どもさんの耳垢が湿っていたら…
 まずそれとなく注意してあげてください。

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医学講座

いじめと形成外科①

 私は形成外科医として、
 30年以上、仕事をしています。
 いじめの対象となりそうな…
 生まれつきの病気を手術してきました。
 赤ちゃんに異常があったら
 …という2009年1月27日の院長日記に書いてあります。
      ■         ■
 形成外科は
 体表面の先天異常を手術で治す科です。
 内蔵の異常よりも、
 余計に気になるのが、
 赤ちゃんの顔の異常です。
 待望の赤ちゃんに異常があったら、
 お母さんは衝撃を受けます。
 産んでしまった私の責任と…
      ■         ■
 せっかく赤ちゃんが生まれたのに…
 写真も撮れず…
 親戚や友人にも見せられない…
 お母さんの悩みは深く、傷つきます。
 前にも書きましたが、
 現在の医学でも
 はっきりとした原因はわかっていません。
 お母さんの責任ではありません。
      ■         ■
 お母さんの責任は生まれたあとです。
 赤ちゃんにしっかりと治療(手術)を受けさせ、
 その後もしっかりと通って治療を続けます。
 私が感激したことに、
 口蓋裂の子どもさんのお母さんが、
 子どもに一本も、
 むし歯を作らなかったことがありました。
 そのお母さんは、
 むし歯もつくらず、
 娘を立派に育て、
 お嬢さんは看護師さんになりました。
      ■         ■
 もし万が一、
 生まれてきた子どもに…
 異常があったら…
 泣いていてもダメです。
 自分を責めてもダメです。
 いいお医者さんを見つけて、
 ちゃんと手術を受けて
 キレイに治してもらうことです。
      ■         ■
 子どもが不憫(ふびん)で…
 甘やかしてしまう人もいます。
 甘やかしても…
 子どもさんは強くなれません。
 愛情を持って育てると…
 子どもも親も強くなれます。
      ■         ■
 お母さんにも…
 子どもさんにも…
 たくさん悩みはあります。
 でも…
 いっしょに悩んで…
 毎日、歯磨きをして…
 いっしょに病院へ通院して…
 とても仲良しになれます。
      ■         ■
 そんな親子を見ていると…
 少々悪口を言われても…
 そんなの平気ょ…
 …と言えるようになれそうです。
 私たち形成外科医ができることは、
 ほんの少しですが…
 将来、この子がいじめられないように…
 …と願って手術をしてきました。

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昔の記憶

いじめられた経験を生かす

 お医者さんは…
 お金持ちで…
 生活が安定していて
 これ以上、楽な商売はない
 …とお考えの方がいらしたら…
 大きなおおきな誤解です。
 失業することもあります。
      ■         ■
 医師とストレスという…
 2007年9月15日の院長日記に書いてあります。
 ある開業医の奥様がおっしゃいました。
 『主人はストレスが多く、
 ちょっとでも触ると破裂しそうな風船のようです』と。
 ちょっと油断すると…
 病院も倒産の危機です。
      ■         ■
 小さな診療所(クリニック)から…
 大きな病院まで…
 クレームがない医療機関はありません。
 一瞬でも油断すると…
 医療事故が起きます。
      ■         ■
 こちらに落ち度がある場合は仕方がないですが…
 根も葉もないことで…
 責められることもあります。
 どんなに最高の治療をしても…
 助けてあげられない患者さんもいます。
      ■         ■
 ストレスに強くなければ…
 医師はつとまりません。
 幼稚園から大学まで…
 エリート街道をまっしぐらに進んで…
 優秀な成績で医師国家試験をパスした先生もいます。
      ■         ■
 意外とちょっとしたことでへこたれます。
 いじめられた経験がある人、
 病気でつらい経験をしたことがある人、
 へこたれても回復します
 回復力が強いです。
      ■         ■
 何がちからになるかというと…
 今は大変でも…
 がんばっていれば…
 何とかなるさという根性です。
 だれか…
 お助けマンがやって来て…
 何とか助けてくれるさという気持ちです。
      ■         ■
 私の人生の中で、
 中学校時代にいじめられて…
 警察署に相談に行こうか?
 …と思った経験が生きています。
 朝日新聞のいじめと君という特集を、
 毎日、とても興味深く読んでいます。
 ちょっと読んでみてください。

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昔の記憶

いじめられそうな子を守る

 私は小さい頃から体が弱く、
 幼稚園の時には、
 ペルテスという病気になりました。
 この病気でいじめられたことはありません。
 コルセットという高価な装具をつけました。
 ロボットみたいなので、
 鉄人28号のようだと言われました。
      ■         ■
 幼稚園の時に住んでいたのは手稲です。
 家は病院の住宅でした
 近所はみんな仲良しでした
 『けんちゃんは鉄人28号みたい』
 『かっこいいね』
 私は正義の味方鉄人28号と言われて、
 悪い気分ではありませんでした。
      ■         ■
 鉄人28号は…
 誰がつけたのかわかりません。
 この年齢になって考えてみると、
 マーちゃんのおばさん
 (小山和子さん、小山昌正おやまよしまさ先生の奥様)
 (小山正美おやままさみ先生、のお母様)
 …が…
 けんちゃんはコルセットをつけてかわいそうだから…
 鉄人28号みたいでかっこいい
 …って言ってあげようね。
 と作戦を立ててくださったのでは?と考えます。
      ■         ■
 平成24年7月19日(木)の朝日新聞、
 『声』の欄に次の投稿がありました。
 先生の根回しでいじめ防止
 税理士 大島裕子(東京都港区44歳)
 私の中学時代、クラスにいじめはなかった。これには少々からくりがあったかもしれない。
 中3のある日、担任の女性の先生に呼び出され、「口外しないでほしいが、明日転校してくる女子生徒は前の学校で不登校だった。あなたはその子が登校しやすいよう、そしていじめに遭わないよう、それとなく気を配ってほしい」と言われた。
 私はその子と家が近かったので一緒に登校した。「あの子、休みが多いよね」という級友の会話を聞けば、「体が弱いんだって。仕方ないよ」と言うようにした。その子は休みがちだったが、不登校にはならずに私たちと一緒に卒業した。
 その子に対してではなかったが、女子の間では「○○を無視しよう」という空気になることがあった。しかし、ふと気づくとそんな空気は消えていて、いじめが起きることはなかった。
 今になって思う。あれは先生が水面下でその都度、生徒の誰かにひそかに根回しをして、いじめを未然に防いでいたのではないかと。
 そうだとすると、あの先生は教師としてプロだった。少なくとも、「じゃれあっていたのか、いじめだったのか、わからなかった」などという甘い仕事はしていなかった。
      ■         ■
 大人のちょっとした気づかいで、
 いじめられそうな子を守れます。
 教育職の現場は大変だと思いますが、
 私たちじじばば世代も…
 パパママ世代も…
 ちょっと知恵を働かせて…
 子どもを守るのが良いと思います。

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昔の記憶

母の唯一の同窓会

 平成24年7月17日、朝日新聞朝刊、
 『ひととき』への投稿です。
 母の唯一の同窓会
 我が家の近くで一人暮らしをする85歳の母に、小学校の同窓会の通知が届いた。うれしそうにはがきを見せる母をいぶかしく思い、「行くつもりなの?」と聞いた。生まれ育った静岡県袋井市で開催とある。視力の落ちた母が1人で行くには近いとは言えない。
 でも、「これが最後だと思うから、どうしても行きたい。新幹線のホームまで送ってくれればいい」と、温和な母が珍しく引かない。それほど言うのならと、夫に頼んで会場まで車で送ることにした。
 車が故郷に近づくにつれ母はおしゃべりになった。幾度となく聞かされた昔話。17歳で母親を亡くし、5人の弟妹の世話や農作業に追われ、青春を過ごした。大変でなかったはずはないのだが、思い出はみな温かく懐かしいのだろう。
 会場の前まで来ると、「ありがとう」を繰り返し、「私はね、小学校しか出てないから、同窓会はこれだけなんだよ」と、つぶやいて車から降りた。
 小さな後ろ姿に、「いっぱい楽しんできてね」と声援を送った。そして「行くつもりなの?」と意地悪く聞いたことをわびた。
 母にとって、たった一つの同窓会なのだ。
 東京都調布市 山崎正江_主婦_62歳
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 私の祖母、太田キヨも小学校しか出ていません。
 和裁の学校へ行ったようですが、
 最終学歴は小学校です。
 札幌市北区茨戸(ばらと)が…
 祖母が育ったところです。
      ■         ■
 祖母が小学校の同窓会に行ったかどうか…?
 私には記憶がありません。
 85歳というと私の両親の年代です。
 もう亡くなってしまった人が、
 生きている人より多いと聞いています。
      ■         ■
 私が卒業した小学校は、
 北海道美唄市の炭鉱の街にありました。
 炭鉱が閉山して…
 小学校も閉校してしまいました。
 小学校の同級生とは…
 何年も会ったことがありません。
      ■         ■
 85歳になって、
 小学校の同窓会に出席できるのはすばらしいことです。
 もっと素敵なのは、
 近くにお嬢様がいらして、
 同窓会の会場まで車を運転してくださる、
 素敵なご主人がいらっしゃることです。
 きっと…
 大切にされているおばあちゃんだと思います。
 いつまでもお元気で!

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