医学講座
‘そふりえ’のみなさんへ
先日、あるテレビ局から、
電話がありました。
私の院長日記、
メンパパをソフリエも応援を読まれて、
実際にそふりえとして…
活躍している人を知らないか?
…という内容でした。
■ ■
残念なことに…
私の周囲にはソフリエはいません。
そのかわりソフリエへのアドバイスはあります。
私は形成外科医として20年以上働きました。
その間に、
祖父母の家で…
けがをした子どもさんを何人も治療しました。
■ ■
じいちゃん家で…
両親がいない間に…
子どもがけがをすると…
大変です。
娘や、
義理の息子に謝り…
じいちゃんも…
ばあちゃんも…
おろおろするだけです。
■ ■
私は子供さんをたくさん治療したので、
チャイルドシートは…
28年前から使っていました。
家庭のコンセントには、
子どもが異物を入れないように、
すべてカバーをつけていました。
■ ■
食卓テーブルの…
テーブルクロスは禁止でした。
熱いものを…
テーブルクロスを引っ張って…
顔にかける子どもが多いからです。
とにかく…
子どもにけがをさせないように…
できる限りのことをしていました。
■ ■
今回、そら君が、
ラップを食べて思いました。
じじばばの家には…
子どもに危険なものがあります。
たまにしか来ない子どもは、
一瞬でけがをします。
夏休みで子どもさんが来る前に、
家の中をチェックしてみてください。
院長の休日
そら君の傷
そら君は、
かつら犬猫病院に入院中です。
私たちが面会に行くと…
暴れて安静を保てないから、
面会には行っていません。
手術直後に会っただけです。
■ ■
まだ麻酔で眠っている…
そら君を見て…
家内と娘は…
死んでるみたいと言いました。
私は…
呼吸状態、
そら君の毛、
点滴の固定、
テープの貼り方を見て…
腕の良い外科医を直感しました。
■ ■
まず…
そら君の毛に…
血が付いていません。
毛も濡れていません。
顔の毛も乱れていません。
血が出ていないのは…
手術が上手な証拠です。
■ ■
ベテランの外科医は…
汚すことを嫌います。
術野が血で汚れると…
手術がやりにくいです。
上手な先生は…
血が出ません。
■ ■
医師も、
獣医師も、
外科手術の基本は同じです。
私が知っている…
上手な外科医は、
きれい好きです。
■ ■
点滴の固定も難しいです。
人間でも…
小さな子どもの点滴は、
入れるのも難しく、
抜けないように固定するのも…
至難のわざです。
おそらくそら君は、
まだ点滴をしていると思います。
■ ■
帰って来たら…
ラップを食べられないように
ごみ箱の位置を変えて、
他にも…
ティッシュなどを食べないように…
家の中を片づけておきます。
早く帰って来てほしいです。
院長の休日
そら君の経過
愛犬そら君は、
かつら犬猫病院に入院中です。
内視鏡で取り出しはじめたのが、
7月26日(火)17:00過ぎ、
開腹手術終了が、
21:00過ぎでした。
■ ■
先生と動物看護師さんは、
一日の診療が終了してから、
何時間も手術をしてくださいました。
ほんとうにありがたいことです。
手術後には…
丁寧な説明がありました。
■ ■
私が驚いたのは、
獣医師の世界は、
人間の医療より進んでいるかも…?
…と思うほどハイテクでした。
手術中の家族待合室は、
ゆったりとしたソファーです。
■ ■
今でも多くの公立病院には…
こんなゆったりしたソファーは無いのでは…?
…と考えてしまいました。
私が勤務していた病院は、
多くが廊下の長椅子です。
せいぜい…
事務用の椅子がある部屋があればいいほう。
病院内でゆっくりできる畳の部屋は…
霊安室だけでした。
■ ■
手術の説明は診察室でありました。
壁についた大型のPCモニターで…
最初からのレントゲン写真を…
デジタル表示で何枚も鮮明に写し出されます。
ここが胃で、
ラップに付着したバリウムの影がこれです。
先生の説明は丁寧です。
■ ■
私たちが手術の説明を受けたのが、
22:00頃でした。
朝から夜10時まで手術をして、
さぞお疲れでしょうに…
立派な先生でした。
取り出されたラップも見せてくださいました。
■ ■
ラップは腸の形に変形しており…
これは引っ張っても出ないわけだと思いました。
それから…
まだ麻酔がかかっているそら君と対面し、
家内と娘は、
死んでるみたいと言い、
私は上手に点滴が入っていて、
呼吸状態も落ち着いていることを確認しました。
■ ■
ペットといえども…
家族の一員。
人間の新生児より体重が少ない、
小さなわんこの手術は大変です。
担当の先生からは、
昨日もご説明がありました。
私たちも、
カツラ犬猫病院の先生を見習わなくては!
…と思いました。
院長の休日
そら君入院
わが家で飼っている…
娘の犬…
そら君が入院しました。
昨日、夕方から…
緊急手術でした。
仕事が終わってから…
西区八軒のカツラ犬猫病院へ行きました。
■ ■
かつら犬猫病院は、
愛犬のチェリーがお世話になった病院です。
院長日記をはじめた頃、
今から5年前に書いています。
親切で、
しっかりとした病院です。
建物が新しくなっていました。
■ ■
そら君が入院した原因は、
とり肉を包んでいたラップを食べてしまい…
それが胃から十二指腸に詰まったからです。
ラップを食べたのが…
7月24日(日)夕方。
家内が気づいて取り出そうとしたのですが…
『うぅ~』とうなって…
家内の手をかじりそうになり、
そのまま飲み込んでしまいました。
■ ■
25日は元気で餌も食べていましたが…
26日早朝から嘔吐していました。
絶飲食で…
かつら犬猫病院を受診して、
バリウムによる造影検査。
日中は混んでいたので…
夕方から内視鏡で取り出していただきました。
■ ■
残念なことに、
胃にあったラップは取れたのですが、
十二指腸に入ってしまった部分は取れず…
そのまま開腹手術になりました。
体重わずか2.5キロの犬に、
点滴をして、
気管内挿管をして、
全身麻酔で手術です。
■ ■
獣医さんは素晴らしいです。
摘出されたラップを見せていただきました。
とてもきれいに摘出されており、
手術が上手なことがわかりました。
そら君は、
手術後にICU(あい・しー・ゆー)に入室。
今も入院中です。
■ ■
私たち夫婦は、
預かった孫をけがさせてしまった…
じじばばのように…
そら君ごめんね。
娘にも…
そら君を痛い目に遭わせてしまって…
ごめんねでした。
家で飼っている犬は、
注意してあげてください。
医療問題
医療と警察
昨日の院長日記、
品川美容外科の事件の続きです。
平成23年7月24日、朝日新聞の記事です。
逮捕の警部、再就職要求か「年収1千万円で」
資料流出
品川美容外科(東京都港区)の業務上過失致死事件をめぐる捜査資料流出事件で、地方公務員法の守秘義務違反容疑で逮捕された警視庁捜査1課警部の白鳥(しろとり)陽一容疑者(58)が、流出先の同外科の関係者に「警視庁を辞めたら年収1千万円で雇ってくれ」と求めていたことが、捜査関係者らへの取材でわかった。この意向は、品川美容外科関係者を通じ同外科の総院長に伝わっていたという。
白鳥警部自らも総院長に、再就職したい意向をにおわせていたという。警視庁は、捜査資料流出の背景になった可能性があるとみて調べている。
捜査関係者らによると、白鳥警部は、自分が同外科に再就職させた、元同僚で同庁元警部の中道宜昭(のりあき)容疑者(53)=同法違反(そそのかし)の疑いで逮捕=を通じて、総院長に宴席を設けるよう要求。これを受け業務上過失致死事件の捜査が進行中の今年2月11日、総院長らは都心の高級料亭で白鳥警部と会食したという。
■ ■
美容外科チェーン店が、
警察OBを、
年収1千万円で雇用すると…
どんな御利益(ごりやく)があるのでしょうか?
そんなに…
医療事故は多いのでしょうか?
■ ■
私がチェーン店の総院長なら、
年収1千万円も出して…
警察OBは雇用しません。
総院長は、
どこかで…
信じてはいけない人から…
悪い方へ誘導されたと思います。
■ ■
何度も書いていますが…
医療事故のない大病院はありません。
どこの病院にも…
事故はあります。
私だって…
いつ事故を起こすかわかりません。
毎日、事故を起こさないように気をつけています。
■ ■
医療事故を起こした時
一番大切なこと
原因を究明し、
二度と同じ事故を起こさないことです。
事故の被害者も、
それを一番望みます。
中国のように…
事故を起こした列車を埋めてはだめです。
■ ■
ところが…
日本の医療業界では、
中国の列車埋立事件と…
同じようなことをやっています。
美容外科で死亡事故が起きても、
示談で済ませていて、
事件が表に出てないことがあります。
■ ■
そのような事件は、
口伝てに伝わることはあっても、
公表されて、
その後の事故防止に役立っていません。
ここが大きな問題です。
航空機事故調査委員会のような、
医療事故調査委員会があって、
同じ事故は二度と起こさないようにしなければ、
日本も中国の高速鉄道と同レベルです。
■ ■
私は、
医療と警察はなじまないと思います。
医療事故を起こしたら、
反則切符を切って、
免停3ヵ月なんて…
どう考えても変です。
そもそも警察に医療の専門家は、
きわめて少数です。
国の医療事故に対する政策もお粗末です。
真面目に働いている警察官にはお気の毒な事件です。
医療問題
品川美容外科の事件
脂肪吸引の死亡事故という院長日記を、
2009年12月12日に書いています。
その時に捜査にあたった警察が、
今になって問題になっています。
残念な事件です。
私は品川美容外科総院長と面識があります。
そんなに悪い人だとは思いません。
もっと悪い‘先生’はたくさんいます。
■ ■
私は札幌医科大学を追い出されて、
48歳で失業しました。
正確に言うと…
失業しそうになりました。
学資がかかる子どもがいて、
一時はどうなることかと思いました。
■ ■
その時に、
たくさんの人に助けていただきました。
ある人に紹介していただき、
私は品川美容外科へ面接に行きました。
事務所と呼ばれるところから、
本院に行って総院長にお会いしました。
■ ■
小柄で…
優しい先生でした。
手術衣を着て、
帽子をかぶって、
手術が終わったところでした。
手術衣は汗だくになり、
脂肪吸引の手術をなさった後でした。
■ ■
当時、美容外科業界の大手は、
品川美容外科と
神奈川クリニックでした。
神クリの山子(やまこ)先生は、
手術はなさっていませんでしたが、
品川の綿引先生は、
額に汗して…
脂肪吸引をしていました。
■ ■
私が札幌勤務を希望したため、
不採用でした。
その当時の品川美容外科は、
‘品川方式’と呼ばれ
無理な手術はしないという
定評がありました。
品川美容外科出身の美容外科医は、
日本中にたくさんいます。
■ ■
美容外科チェーン店の運営は大変です。
もともと、
無理な手術はしない
経営方針
だったものが…
少しずつ無理をするようになったのでしょうか?
警察OBではなく…
もっと別の人から…
適切な助言をもらっていれば…
こんなことにならなかったのに…
…と残念に思っています。
私なら高橋智先生に相談します。
昔の記憶
病室のボス
私が医学生だった…
30年以上前の話しです。
患者の大先輩
病室のボス
とも言える患者さんがいらっしゃいました。
胸部外科で、
心臓手術を受けた人でした。
■ ■
昨日の院長日記に書いた、
手術なんてこわくない…
手術室さ入ったら…
点滴から薬入って…
眠っちまったらわからねぇ…
おしっこの管(くだ)は…
次の日に看護師さんが抜いてくれる…
注射器で水抜いて…
引っ張ったら抜けておしまいだぁ…
抜糸は痛くねぇ…
ちょっとちくちくするだけ
■ ■
この文章は、
その時の光景を思い出して書きました。
30年前の心臓手術は大手術。
弁置換術(べんちかん)という、
心臓の弁(べん)を、
人工弁にする手術や、
もっと難しい手術もありました。
■ ■
私たち学生にも、
おら…
そこの学生さん…
…と親しげに話してくれました。
胸の傷を勲章のように…
私たちに見せてくれました。
迫力がありました。
■ ■
大きな手術を乗り越えて…
また入院して手術。
病室では、
社会的地位も、
貧富の差もありません。
病気の先輩が、
病室のボスでした。
■ ■
病室のボスは、
さる山のボスのように、
面倒見のよいおじさんでした。
その後どうされたかはわかりませんが、
内科病棟とは、
明らかに違う雰囲気がありました。
■ ■
下の写真の前列右から二人目が、
当時の小松作蔵胸部外科教授。
そのお隣が、
安倍十三夫助教授(後の教授)です。
7人の医学生は、
小児科2人、
精神神経科1人、
外科1人、
胸部外科1人、
脳神経外科1人、
形成外科1人です。
私はその病室のボスだった患者さんのおかげで、
外科系が好きになったのかも知れません。

札幌医大6年生の臨床実習
胸部外科
成人の日から
医学講座
患者仲間
さくらんぼさん御一行様は、
山形大学の患者さん仲間と…
…姉妹、
…おともだち、
…と伺いました。
とても明るい方ばかりでした。
■ ■
同病相哀れむという言葉があります。
どうびょう_あいあわれむです。
古い言葉です。
マイナスの響きがありますが…
同病ほど…
心強い友はありません。
親戚以上につよい絆(きずな)ができます。
■ ■
お医者さんの説明は…
聞いても難解な医学用語が出てくるし…
緊張して聞いても…
頭に血がのぼって忘れてしまいます。
手術はこわいし…
まな板の鯉(こい)になって…
そのまま死んだらどうしよう…?
…なんて考えてしまいます。
■ ■
その点…
同じ病気で手術を受けた人は、
病気の大先輩です。
手術なんてこわくない…
手術室さ入ったら…
点滴から薬入って…
眠っちまったらわからねぇ…
■ ■
おしっこの管(くだ)は…
次の日に看護師さんが抜いてくれる…
注射器で水抜いて…
引っ張ったら抜けておしまいだぁ…
抜糸は痛くねぇ…
ちょっとちくちくするだけ
■ ■
こんな言葉だけで安心できます。
自分と同じ手術を受けた人が、
元気に話している。
それだけで勇気づけられるものです。
難病には患者会もあります。
とても参考になります。
■ ■
私は朝日新聞の患者を生きるという記事を、
毎朝読んでいます。
今週は、
サッカーJ1大宮、塚本泰史さんの、
骨肉腫について書かれています。
その前は精巣腫瘍(しゅよう)、
その前は喉頭がんの記事でした。
■ ■
患者さんがどのように病気と闘い…
どのように対処したか…?
毎回、内容が充実しています。
さくらんぼさんには、
無事に冬の手術を乗り切っていただき、
ぜひ来年も、
北海道にいらしていただきたいと願っています。
患者仲間の方も応援しています。
昔の記憶
はっか
さくらんぼさんのお仲間が、
北海道土産に…
はっかを購入されていました。
ハッカを漢字で書くと…
薄荷。
今、調べてみてわかりました。
■ ■
シソ科ハッカ属の多年草です。
北海道ではよく見かけます。
葉を一枚取って、
指でこするとミントの匂いがします。
北海道では北見地方が有名ですが、
最近は栽培する農家が少ないようです。
■ ■
医学でもハッカを使います。
私が北大形成外科の研修医だった頃、
よく病棟でハッカの匂いがしました。
おなかに…
メンタ湿布という…
はっかの湿布をしていました。
■ ■
今でも使っているかどうか…?
当時、
メンタ湿布の指示を出されていたのは、
外科で研修を受けた先生でした。
詳しい作用機序はわかりませんが、
はっかの思い出は、
病棟のメンタ湿布です。
■ ■
お土産に買われた方は、
肩こりに塗ると…
すっ~として気持ちが良い…
…と話されていました。
湿布薬にかぶれる方でも、
はっか油でしたら大丈夫ですね。
はっかの意外な人気に驚きました。
院長の休日
さくらんぼさんにお会いしました
昨日(2011年7月20日)の夕方、
さくらんぼさんにお会いしました。
お見送りに行くと言うと…
断られたら困るので、
直接、空港へ行きました。
感激でした。
■ ■
お会いしてみると、
さくらんぼさんは、
ごくふつうの女性でした。
札幌美容形成外科のお客様にも、
よくいらっしゃるタイプの方で、
年齢より若く見えました。
■ ■
ご自分でも話されていましたが、
ほんとうに背骨の病気ですか?
…とうしろ姿を見たほどです。
明るく元気な方で、
他の皆さんのことを気になさって、
優しい方だと思いました。
■ ■
私は新千歳空港でお待ちしました。
旭川ナンバーのジャンボタクシーから、
山形の6人のお客様をお迎えしました。
人の良さそうな運転手さんが、
さくらんぼさんと、
お仲間の5人を
無事に空港まで連れてきてくださいました。
■ ■
お天気にも恵まれ、
美瑛や富良野を楽しまれて、
ほんとうによかったと思います。
新千歳空港では、
あまり時間がありませんでしたが、
ANA FESTAという売店や、
佐藤水産をご案内できました。
■ ■
台風の影響で、
仙台空港の天候調査が入りました。
仙台空港に着陸できない場合は、
羽田空港へ向かうか、
新千歳空港へ引き返す
…という条件付で離陸しました。
■ ■
仙台空港には無事に着陸でき、
山形までお帰りになられました。
来年は、
ぜひご主人とご一緒にいらしていただきたいです。
短い時間でしたが、
さくらんぼさんとお会いできてよかったです。
北海道へいらしていただき、
ありがとうございました。