昔の記憶
試験の悪夢
以前にも書いたことがあります。
私は50歳を過ぎても…
『あっ!やばい!』
『明日試験なのに、何も勉強していない!』
という悪夢をみていました。
不思議なことに…
大学の教員になって、
試験問題を作成する側になってからも、
この悪夢にうなされました。
『あっ!問題を作る側だった!』
と気づいて目が覚めたこともありました。
■ ■
ごく一部の…
超頭がいい人を除いては…
医学部は難関です。
小学生や…
中学生の頃から…
他の子どもたちが遊んでいる間も…
勉強をして…
成績が良くなければ…
医学部へは入れません。
■ ■
医学部へ入ってからも、
定期試験や…
解剖学の口頭試問。
卒業試験、
医師国家試験と…
勉強が続きます。
今年の医師国家試験まで、
あと一週間となりました。
■ ■
医師免許を取得してからも、
専門医試験もあります。
考えてみると…
小さい頃から…
ず~っと試験でした。
試験前に考えたこと…
試験が終わったら…
一日中…
眠っていたい…
起きるまで寝たい!
…でした。
■ ■
医師国家試験も、
看護師国家試験も、
ペーパーテストだけです。
とにかく覚えることが膨大です。
頭の中が…
ごちゃごちゃになってしまいます。
高校受験生も
大学受験生も
国家試験受験生も
体調に気をつけてがんばってください。
医学講座
試験問題作成
2月は試験の季節です。
国家試験の他に、
定期試験もあります。
私は、
4年間の教員生活の間、
定期試験問題を作っていました。
今も…
非常勤講師をしているので、
毎年、試験問題を作成しています。
■ ■
試験問題の作成は…
教員にとっても大変です。
今は…
コンピューターで…
試験の正答率もすぐに出ます。
試験問題が適当かどうかも、
コンピューターで判断されます。
■ ■
正答率100%ばかりでもダメ。
他の問題ができている人が、
その問題だけ間違う率が高いのもダメ。
全員が間違うのも…
もちろんダメ。
良い問題を作成するのは、
実に難しいことです。
■ ■
医療系大学の最終目標は、
国家試験です。
定期試験問題も、
国家試験対策の一環として作成します。
国家試験に出た問題を、
ちょっと変えて出すこともあります。
国試の予想問題は難しいですが…
学生さんに勉強して欲しい内容を入れます。
■ ■
今の学生さんは、
先輩から過去問をもらったり…
ネット上にUPして…
過去の試験問題を共有しています。
問題を作る方も…
そんなことを意識して作っています。
再試験は、
試験を実施する先生も大変です。
できれば実施したくないのが本音です。
■ ■
国家試験問題を見ても…
不適切な設問があります。
形成外科関連で出るのは、
熱傷(やけど)と
褥瘡(じょくそう)です。
専門家として見ると…
あまりよく知らない先生が作成したのか…?
と思うような問題もあります。
私の試験問題は、
過去問を勉強すれば合格点が取れます。
学生さんには試練の季節ですが、
がんばっていただきたいです。
医学講座
軟膏の成分
ジェネリック医薬品という…
価格が安い医薬品があります。
最近は、
保険証に、
ジェネリック医薬品を希望します
…と
印刷してある保険組合もあります。
■ ■
ジェネリック医薬品とは、
同一成分のお薬です。
薬の主成分が同じで、
同じように効くとされています。
ところが…
意外な盲点があります。
主成分以外の製法が違います。
■ ■
とくに軟膏は、
主成分のほかに、
基剤(きざい)という、
ベースになる成分があります。
ここが、錠剤などと大きく違うところです。
同一成分の軟膏だからといって…
安いジェネリックに変えるのは、
ちょっと慎重にするべきです。
■ ■
ジェネリックの軟膏にも、
確かに良いものがあります。
ところが…
同一成分でも、
基剤が違うだけで、
つけごごちとかが、
まったく違うことがあります。
当然、効果も違います。
■ ■
軟膏は、
主成分と基剤(きざい)で決まります。
基剤が良いので…
良く効く軟膏もあります。
基剤だけの…
白色ワセリンという軟膏もあります。
ベテラン皮膚科医は、
白色ワセリンの使い方が上手です。
まみ子師長さん、
正しいでしょうか?
医学講座
アズノール軟膏
アズノール軟膏というお薬があります。
私が医師になった…
30年前からあるお薬です。
青い軟膏です。
チューブ入り(20g)と、
500gの瓶入りがあります。
やわらかい軟膏です。
■ ■
ジメチルイソプロピルアズレン
という成分が入っています。
このアズレンと、
やわらかい軟膏が効きます。
札幌美容形成外科で差し上げる…
容器に入った青い軟膏の、
青い成分はこのアズノールです。
手術後のケアーに使っています。
■ ■
この軟膏…
製造しているのは、
日本新薬㈱さんという大手メーカーです。
信頼できる会社です。
アズノール軟膏は、昔から…
皮膚科や形成外科で使っています。
私は、
他の軟膏と混ぜて使うこともあります。
■ ■
身体のどこへでも塗れます。
ダメなのは眼球くらいです。
眼球にはアズレン点眼液という、
同じ成分の目薬があります。
意外と効くのが、
皮膚が薄い外陰部です。
女性も男性も使えます。
■ ■
TVで宣伝している、
○○製薬の女性用軟膏。
よくドラッグストアの折込広告で見ます。
特売でもかなり高価です。
私はアズノール軟膏をおすすめします。
病院に来ると…
診察料がかかるので割高ですが、
札幌美容形成外科では、
院内処方でお渡ししています。
■ ■
ネットで検索すると…
この軟膏をすすめている、
女性の先生もいらっしゃるようです。
市販薬としは売っていないようです。
このお薬は口唇にもよく効きます。
診察のついでにアズノール軟膏ください、
…と声をかけてくだされば処方できます。
おじさん先生からのおすすめです。
アズノール軟膏
医学講座
腹が立つこと
私はよく怒(おこ)ります。
怒(いか)ります。
昨日も…
患者さんを診察していて…
同じ医師として…
いかりを覚えました。
震度7くらいでした。
■ ■
診察にいらした若い女性。
とても美しい方でした。
多汗症が主訴です。
あることがきっかけで、
汗が多くなってしまいました。
ある美容外科を受診して、
手術を受けました。
■ ■
吸引法による、
腋窩多汗症手術です。
そのクリニックの先生から…
多汗症手術の時に、
ボトックス注射も同時に受けないと…
効果が出ないと説明を受け…
手術日にボトックス注射をされたそうです。
■ ■
手術とボトックスの両方を受け、
費用もかなりかかったのに…
効果はなく…
おまけに切開部には…
皮下縫合に使った…
透明なナイロン糸(白ナイロン)まで…
露出していました。
■ ■
多汗症手術は難しく…
まして吸引法では治りません。
ボトックス注射はよく効きますが、
慎重に投与しないと…
思わぬ副作用もあります。
私は多汗症手術とボトックスは、
同時にはいたしません。
どちらか先にするなら、
ボトックスです。
■ ■
売上優先。
広告を見て来院した患者さんはカモ。
一円でも多く使ってもらう…!
そんな美容外科があります。
同じ医師として腹が立ちます。
あんたたちを医者にするのに…
一人あたり…
数千万円の税金がかかったんだょ!
…と言ってやりたい先生がいます。
美容外科選びには、
くれぐれも気をつけてください。
昔の記憶
今日から2月
早いもので今日から2月です。
今年は例年にない豪雪で、
北海道・東北以外でも、
日本海側は大変です。
豪雪のお見舞いを申し上げます。
今日の札幌も雪です。
■ ■
2月は試験の月です。
私立大学の入学試験。
国公立大学の前期試験。
医師国家試験、
看護師国家試験など、
医学系の国家試験も2月に集中しています。
■ ■
私が医師国家試験を受けたのは、
今から31年前です。
当時は…
2月まで卒業試験がありました。
3月に卒業式があり、
3月31日で卒業。
その後、4月に医師国家試験でした。
■ ■
合格発表があったのが、
5月でした。
医籍登録という、
医師免許証をいただけたのが、
5月下旬でした。
2月の今ごろは、
毎日、寝てる以外は勉強していました。
■ ■
よく雪が降っていたので、
家の除雪は私の係りでした。
お隣は、
高齢のおばあさんが住んでいらしたので、
ちょっとだけお隣の分も除雪しました。
運動不足解消には…
除雪は適当な運動でした。
受験生のみなさんには…
体調に気をつけて頑張っていただきたいです。
院長の休日
たらの芽2011
高須克弥先生が、
ブログで取り上げていただいた…
山形のたらの芽。
今年もさくらんぼさんから、
送っていただきました。
真冬に…
緑の贈り物。
それも美味しい!
最高です。
ありがとうございました。
■ ■
私は…
たらの芽の…
天ぷらが大好きです。
少しずつ…
何回もいただきました。
さくらんぼさんの…
お友だちの
佐藤さんが栽培されています。
■ ■
とてもきれいです。
野生のたらの木からは…
想像できません。
どうやって…
こんなに芽の部分だけ、
うまく切り取るのだろう…?
…考えてしまうほど…
立派なたらの芽です。
■ ■
雪の中から…
硬い芽を掘り起こして…
暖かいハウスで育ててくださったのでしょうか?
豪雪なのに…
とてもありがたくいただきました。
高須先生にも…
召し上がっていただき…
お元気になっていただきたいです。
犬の横にあるのがたらの芽のケースです
医学講座
手術後のトラブル
どんなに丁寧(ていねい)に手術をしても、
手術後のトラブルは起こります。
自分は名医なので、
手術後にトラブルなんてありません…
…という先生は信用できません。
トラブルが起こった時に、
どのように対処できるかが問題です。
■ ■
手術というのは…
生身(なまみ)の身体を切ります。
切ると必ず血が出ます。
治る過程で…
必ず腫れます。
程度の差はあるものの…
腫れない手術なんてありません。
■ ■
30年も形成外科医をやっていると…
さまざまなトラブルに遭遇しました。
若き日の自分が起こしたトラブル。
形成外科部長として勤務した病院で…
下の先生が起こしたトラブル。
医療事故報告書を書いたこともあります。
幸いなことに…
大事に至ったケースはありません。
■ ■
トラブルを避けるために…
心がけていることはたくさんあります。
一番、気をつけていることは…
自分が加害者になる可能性がある
…ということです。
ちょっとでも油断すると…
事故につながります。
■ ■
車の運転と同じです。
30年間無事故無違反でも…
死亡交通事故を起こす可能性はあります。
経験とともに…
どんな道路だと…
事故を起こしやすいかを知ります。
慎重に運転するようになります。
■ ■
医療や手術も同じです。
他の先生が起こした事故は…
自分も起こす可能性があります。
他の看護師さんが間違ったことは、
自分の看護師さんが間違うこともあります。
学会へ参加するのも…
新しいことを知るだけではありません。
友人の先生との情報交換も大切です。
雪道で転ばないように…
慎重に歩くのと同じです。
医学講座
手術後の移動
さくらんぼさんからいただいた、
コメントは正解です。
本間先生だからできた事で
普通の人が術後一日で
一人で、退院の荷物をまとめたりとか
飛行機に乗ったりしたら、
目に負担がかかるのではないでしょうか?
普通の方は術後1週間は
ビジネスホテルとかで
安静にしていた方がいいですよね。
■ ■
ふつうの人でしたら、
手術後に飛行機で札幌まで帰って…
抜糸の日にまた東京まで…
…というのはおすすめできません。
移動にともなって…
必ず目を使います。
冬には大雪で飛行機が欠航もあります。
■ ■
私は抜糸も札幌でしましたし…
同じ形成外科医ということで…
特別に許可していただきました。
通常は…
抜糸も同じ先生にしていただくのが…
この業界のルールです。
■ ■
札幌美容形成外科で手術をした方でも、
数時間で帰宅できる…
北海道内の方でしたら…
日帰りで手術をしています。
札幌→函館
札幌→帯広
札幌→釧路が診療圏です。
■ ■
乗り換え無しのJRの特急があります。
術後しばらくは…
クリニック内で安静にしていただきます。
腫れや出血を確認した上で、
帰宅していただきます。
札幌市内の方には、
タクシーをおすすめしています。
■ ■
目を開くと痛いです。
移動のこつは、
薄目を開けるだけ。
足元を見るだけ。
とにかく静かに静かに…
そっとお帰りいただきます。
車や列車の中では…
アイスノンベルトで冷やしていただきます。
これが…
腫れない秘訣です。
医学講座
手術日の付添
昨日の院長日記に、
さくらんぼさんからコメントをいただきました。
先生 お一人で手術受けられたのですか?
てっきり 奥様もご一緒にいかれて
「あなた、がんばって」 とか
手を握りしめ
手術室に入られたもの
…とばかり思っていたので、、、
■ ■
申し訳ございませんが…
30年前の新婚当時でも…
「あなた、がんばって」 は…
…なかったと思います。
うちの奥さんは、
ふつうの人です。
手術室なんて入ったら…?
血が怖いほうです。
■ ■
今は…
手術の後片付けもしているし…
手術室にも入っていますが…
聖路加国際病院のような大きな病院では、
家族が手術室に入ることは、
原則としてないと思います。
せいぜい手術室入口で…
ばいばいです。
■ ■
札幌美容形成外科では、
お一人でしたら…
手術室に入っていただき、
手を握っていただくこともあります。
お母さんに娘さんが付くこと、
娘さんにお母さんが付くこと、
…などがあります。
■ ■
ご主人に奥さんが付いたり、
奥さんにご主人が付いたり、
…は、、、
まずありません。
私たちの年代は、
だいたいお一人でいらっしゃいます。
その方が気楽だと思います。
■ ■
手術日の付添は、
手術後に迎えに来てもらったり…
何か買ってきてもらったり…
手術の後で…
身の回りのお世話をする方が…
ずっと感謝されます。
手術後にはいろいろな制限が出るからです。
■ ■
手術というのは怖いですが、
受けて回復すると、
楽になります。
回復にも時間がかかります。
それまでの間…
ゴミを出しに行くとか…
髪を洗ってあげるとか…
ちょっとしたお手伝いをして差し上げると…
とても感謝されると思います。