医学講座
                        
                            患者仲間                                                    
    
                         さくらんぼさん御一行様は、
 山形大学の患者さん仲間と…
 …姉妹、
 …おともだち、
 …と伺いました。
 とても明るい方ばかりでした。
      ■         ■
 同病相哀れむという言葉があります。
 どうびょう_あいあわれむです。
 古い言葉です。
 マイナスの響きがありますが…
 同病ほど…
 心強い友はありません。
 親戚以上につよい絆(きずな)ができます。
      ■         ■
 お医者さんの説明は…
 聞いても難解な医学用語が出てくるし…
 緊張して聞いても…
 頭に血がのぼって忘れてしまいます。
 手術はこわいし…
 まな板の鯉(こい)になって…
 そのまま死んだらどうしよう…?
 …なんて考えてしまいます。
      ■         ■
 その点…
 同じ病気で手術を受けた人は、
 病気の大先輩です。
 手術なんてこわくない…
 手術室さ入ったら…
 点滴から薬入って…
 眠っちまったらわからねぇ…
      ■         ■
 おしっこの管(くだ)は…
 次の日に看護師さんが抜いてくれる…
 注射器で水抜いて…
 引っ張ったら抜けておしまいだぁ…
 抜糸は痛くねぇ…
 ちょっとちくちくするだけ
      ■         ■
 こんな言葉だけで安心できます。
 自分と同じ手術を受けた人が、
 元気に話している。
 それだけで勇気づけられるものです。
 難病には患者会もあります。
 とても参考になります。
      ■         ■
 私は朝日新聞の患者を生きるという記事を、
 毎朝読んでいます。
 今週は、
 サッカーJ1大宮、塚本泰史さんの、
 骨肉腫について書かれています。
 その前は精巣腫瘍(しゅよう)、
 その前は喉頭がんの記事でした。
      ■         ■
 患者さんがどのように病気と闘い…
 どのように対処したか…?
 毎回、内容が充実しています。
 さくらんぼさんには、
 無事に冬の手術を乗り切っていただき、
 ぜひ来年も、
 北海道にいらしていただきたいと願っています。
 患者仲間の方も応援しています。
                        
                        
                     
                                    
                                                昔の記憶
                        
                            はっか                                                    
    
                         さくらんぼさんのお仲間が、
 北海道土産に…
 はっかを購入されていました。
 ハッカを漢字で書くと…
 薄荷。
 今、調べてみてわかりました。
      ■         ■
 シソ科ハッカ属の多年草です。
 北海道ではよく見かけます。
 葉を一枚取って、
 指でこするとミントの匂いがします。
 北海道では北見地方が有名ですが、
 最近は栽培する農家が少ないようです。
      ■         ■
 医学でもハッカを使います。
 私が北大形成外科の研修医だった頃、
 よく病棟でハッカの匂いがしました。
 おなかに…
 メンタ湿布という…
 はっかの湿布をしていました。
      ■         ■
 今でも使っているかどうか…?
 当時、
 メンタ湿布の指示を出されていたのは、
 外科で研修を受けた先生でした。
 詳しい作用機序はわかりませんが、
 はっかの思い出は、
 病棟のメンタ湿布です。
      ■         ■
 お土産に買われた方は、
 肩こりに塗ると…
 すっ~として気持ちが良い…
 …と話されていました。
 湿布薬にかぶれる方でも、
 はっか油でしたら大丈夫ですね。
 はっかの意外な人気に驚きました。
                        
                        
                     
                                    
                                                院長の休日
                        
                            さくらんぼさんにお会いしました                                                    
    
                         昨日(2011年7月20日)の夕方、
 さくらんぼさんにお会いしました。
 お見送りに行くと言うと…
 断られたら困るので、
 直接、空港へ行きました。
 感激でした。
      ■         ■
 お会いしてみると、
 さくらんぼさんは、
 ごくふつうの女性でした。
 札幌美容形成外科のお客様にも、
 よくいらっしゃるタイプの方で、
 年齢より若く見えました。
      ■         ■
 ご自分でも話されていましたが、
 ほんとうに背骨の病気ですか?
 …とうしろ姿を見たほどです。
 明るく元気な方で、
 他の皆さんのことを気になさって、
 優しい方だと思いました。
      ■         ■
 私は新千歳空港でお待ちしました。
 旭川ナンバーのジャンボタクシーから、
 山形の6人のお客様をお迎えしました。
 人の良さそうな運転手さんが、
 さくらんぼさんと、
 お仲間の5人を
 無事に空港まで連れてきてくださいました。
      ■         ■
 お天気にも恵まれ、
 美瑛や富良野を楽しまれて、
 ほんとうによかったと思います。
 新千歳空港では、
 あまり時間がありませんでしたが、
 ANA FESTAという売店や、
 佐藤水産をご案内できました。
      ■         ■
 台風の影響で、
 仙台空港の天候調査が入りました。
 仙台空港に着陸できない場合は、
 羽田空港へ向かうか、
 新千歳空港へ引き返す
 …という条件付で離陸しました。
      ■         ■
 仙台空港には無事に着陸でき、
 山形までお帰りになられました。
 来年は、
 ぜひご主人とご一緒にいらしていただきたいです。
 短い時間でしたが、
 さくらんぼさんとお会いできてよかったです。
 北海道へいらしていただき、
 ありがとうございました。
                        
                        
                     
                                    
                                                医学講座
                        
                            第111回日本美容外科学会②                                                    
    
                         昨日の学会報告の続きです。
 パネルディスカッション②は、
 眼瞼手術のピットホール
 ピットホール=‘落とし穴’
 座長は、
 蘇春堂形成外科の野平久仁彦先生です。
 野平先生は、
 北大形成外科の2年先輩です。
 蘇春堂形成外科の院長です。
      ■         ■
 私が卒後2年目、
 新婚ほやほやの時に、
 釧路労災病院形成外科でご一緒でした。
 私が卒後2年目、
 野平先生が卒後4年目。
 昔は卒後4年目で、
 釧路労災病院形成外科のトップでした。
      ■         ■
 私は卒後2年目で、
 何もできない形成外科医。
 野平先生は、
 卒後4年目で、
 何でもやってやる形成外科医でした。
 当時から…
 すごい先生でした。
      ■         ■
 その後…
 野平先生は米国へ留学されました。
 帰国後に室蘭の日鋼記念病院で…
 素晴らしいおっぱいをたくさん再建されました。
 野平先生の作ったおっぱいは、
 それまでの北大の歴史を変えるほど…
 美しいものでした。
      ■         ■
 蘇春堂形成外科に移られてからは、
 目の手術で有名です。
 第30回日本美容外科学会では、
 蘇春堂形成外科と学会場をビデオで結び、
 目のライブサージェリーを
 私たちに見せてくださいました。
 形成外科でも美容外科でも有名な先生です。
      ■         ■
 眼瞼手術のピットホールでは、
 4人の先生が発表されました。
 埋没法に関する演題が2つ。
 眼瞼下垂の演題が2つです。
 有名な4人の先生が発表してくださいましたが、
 感想は…
 『目の手術は難しい』でした。
      ■         ■
 どんな名人がしても、
 埋没法は取れることがあるし…
 どんな名人がしても、
 眼瞼下垂症は修正が必要なことがあります。
 患者さんの目を…
 見た目も…
 機能的も…
 良い目にするのが難しいことが…
 あらためて勉強になりました。
      ■         ■
 落とし穴がわかると…
 穴に落ちないように…
 手術ができます。
 とても有意義な学会を開いてくださった、
 大竹先生ありがとうございました。
 聖路加国際病院形成外科の
 先生、看護師さん、スタッフの方、
 ありがとうございました。
                        
                        
                     
                                    
                                                医学講座
                        
                            第111回日本美容外科学会①                                                    
    
                         平成23年7月16日(土)、
 第111回日本美容外科学会が開催されました。
 組織会長は、
 私の主治医である、
 聖路加国際病院形成外科の、
 大竹尚之先生です。
      ■         ■
 築地の聖路加看護大学、
 アリスセントジョンメモリアルホールで行われました。
 聖路加国際病院が発足したのが1902年。
 聖路加看護大学(せいるかかんごだいがく)は、
 1920年(大正9年)に創立された、
 聖路加国際病院付属高等看護婦学校がはじまりです。
      ■         ■
 実に立派な会場で、 
 実に充実した内容の学会でした。
 ある先生が、
 毎年、ここ(聖路加)で開催できたらいいのに…
 …とつぶやいていたほど立派でした。
 学会長の大竹先生は、
 美容外科業界では修正の名手と呼ばれています。
      ■         ■
 他の美容外科で手術を受けたけれど…
 結果が思わしくない…
 …という患者さんを、
 何人か大竹先生に治していただいたことがあります。
 今回の学会のテーマは、
 ピットホール
 日本語で落とし穴でした。
      ■         ■
 多くの手術を重ねて行くと…
 こんなことが…
 …という落とし穴に遭遇することがあります。
 どんな名人でも…
 100%完璧は難しいものです。
 多数の修正手術を手がけた、
 大竹先生ならではの学会でした。
      ■         ■
 パネルディスカッションⅠは、
 外鼻手術のピットホール。
 座長は石田クリニックの石田知良先生。
 知る人ぞ知る鼻の名手です。
 鼻のパネルでは、
 4人の先生から発表がありました。
      ■         ■
 ここで議論になったのが…
 鼻中隔延長術と鼻の動きです。
 鼻は笑うと動きます。
 年齢がばれますが…
 奥様は魔女のサマンサは、
 鼻を動かして魔法をかけました。
      ■         ■
 鼻中隔延長術を上手に行うと…
 高い鼻ができます。
 ところが…
 笑った時に鼻が動かないのが不自然だと、
 鼻中隔延長慎重派の先生は言います。
 確かに動かない鼻は…
 …動画で見ると不自然です。
      ■         ■
 他に…
 自分の組織である…
 耳介軟骨を鼻先に移植した後で、
 軟骨の形が出てしまって…
 縁が不自然に浮き出てしまう…
 そんな落とし穴も議論されました。
      ■         ■
 鼻中隔延長は高度な技術です。
 慣れない先生がすると…
 とんでもない結果になることもあります。
 学会で発表してくれた先生は、
 症例数も多く、
 腕の良い先生として有名な方です。
 それでもこんな落とし穴があると知り、
 とても勉強になりました。
                        
                        
                     
                                    
                                                院長の休日
                        
                            北海道の回転ずし                                                    
    
                         さくらんぼさんの北海道旅行、
 いよいよ明日出発ですね。
 山形のみなさまのご来道を、
 心からお待ち申し上げています。
 今日は…
 北海道の回転ずしについてご案内します。
      ■         ■
 私も家内も、
 回転ズシが大好きです。
 東京とか大阪で…
 食べたことはありませんが、
 家内の母は神戸から来たので…
 北海道の回転寿司はおいしいと言います。
      ■         ■
 理由の一つは、
 新鮮なねたです。
 北海道には、
 新鮮な魚介類が豊富です。
 すしネタを扱う業者さんも多いようです。
 最近は…
 北海道のお米も美味しくなりました。
 回転ずしの材料はそろっています。
      ■         ■
 もう一つの理由は、
 北海道は、
 人件費も、
 建物の賃料も、
 駐車場代も安いです。
 同じ一皿126円でも…
 その分…
 材料にお金をかけることができます。
      ■         ■
 北海道の人の舌は肥えています。
 安くて美味しいお店には…
 長い行列ができます。
 待ち時間も長いです。
 その代わり…
 美味しいお鮨が食べられます。
 待った後のおすしは美味しいですし、
 待っている間に流れているおすしを見て、
 何を食べようか?と考えることが楽しみです。
      ■         ■
 私のおすすめは、
 回転寿しトリトンです。
 回転ずしですが、
 注文して握ってくれます。
 私がよく行くのは、
 荻野先生の病院の近くの…
 札幌伏古店(ふしこてん)です。
 住所:札幌市東区伏古8条2丁目
 電話:011-782-5555
 営業時間:11:00~22:00
 残念ですが車が無ければ駅からは遠いです。
      ■         ■
 車が無くても行けるのは、
 花まるです。
 札幌駅のJRタワーステラプレイス6階にあります。
 先日オープンした、
 新千歳空港にもできました。
 国内線ターミナルビル3Fです。
 電話:0123-45-8700
 営業時間:10:30~21:00
 ここならさくらんぼさんも行けます。
 美味しい北海道の回転ずしを、
 是非、一度食べてみてください。
                        
                        
                     
                                    
                                                院長の休日
                        
                            新千歳空港リニューアル                                                    
    
                         昨日は、第111回日本美容外科学会のため、 
 東京へ日帰り出張でした。
 半日程度の学会でしたら、
 札幌⇔東京は日帰りで行けます。
 飛行機の便数も多く、
 札幌から道内の地方都市へ行くより便利です。
 距離的に近い東北よりも、
 飛行機の便数が多い東京が近いです。
      ■         ■
 7月15日にリニューアルした、
 新千歳空港を見て来ました。
 大変身していました。
 北海道のものが…
 すべてそろっている…
 …と言っても過言ではありません。
 特に海産物が充実していました。
      ■         ■
 札幌でもなかなか見ない…
 高級品の利尻産塩水うにが、
 空港で売っていました。
 夕張メロンも、
 カニも、
 魚介類も豊富でした。
 お土産は新千歳空港です。
      ■         ■
 飲食店街も充実していました。
 ラーメンから、
 回転寿司、
 立ち食い寿司、
 お酒を飲むところも…
 とにかく行く価値があります。
 さくらんぼさんにもおすすめします。
      ■         ■
 私のおすすめは…
 海産物なら佐藤水産です。
 海産物は選ぶのが難しいです。
 美味しそうだと思って買ったかにが、
 食べてみたらがっかりだった。
 色のよいうにが、
 変な味だった…
 …なんてことは北海道に住む私でも経験しています。
      ■         ■
 昔、地方都市の有名市場で、
 家内の父親へ買ったかに。
 お土産用に、
 特別良いのをお願いして買ったのに…
 がっかりだったことがありました。
 素人には…
 なかなかわからないものです。
 佐藤水産の商品は、
 信じても良い商品です。
      ■         ■
 どこでかにを買おうか迷ったら…
 新千歳空港の佐藤水産をおすすめします。
 高いですが…
 利尻産塩水うにもありました。
 札幌駅前にも
 佐藤水産本店があります。
 私は、こだわりを持った会社だと思います。
 新千歳空港店は、
 新千歳空港2Fの全日空側にあります。
                        
                        
                     
                                    
                                                医学講座
                        
                            第3回日本創傷外科学会③                                                    
    
                         日本創傷外科学会報告の最後です。
 私が印象に残ったのは、
 特別講演Ⅲ「治りにくい傷を治す」
 神戸大学形成外科、准教授、
 寺師浩人(てらしひろと)先生の講演でした。
 先生は、
 1986年大分医科大学(現大分大学)医学部医学科をご卒業。
 2001年から神戸大学形成外科の助教授に就任されました。
      ■         ■
 形成外科医の仕事に、
 下肢の傷を治すという…
 実に大変な分野があります。
 糖尿病患者さんの足。
 重症下肢虚血(じゅうしょうかしきょけつ)という…
 血管が詰まってしまう病気の足。
 とても治りにくく…
 形成外科医泣かせです。
      ■         ■
 寺師先生の講演をお聞きして、
 形成外科の守備範囲も広くなったものだと…
 つくづく実感しました。
 下肢の傷を治す先生は、
 真面目で
 忍耐強く
 へこたれない
 先生です。
      ■         ■
 北大関連の病院では、
 市立札幌病院形成外科の…
 堀内勝己先生が活躍しています。
 2009年6月20日の院長日記でご紹介しています。
 寺師先生のご講演をお聞きして、
 足のレントゲン写真が大切であること、
 Blue toe syndromeという…
 こわい病気があることを知りました。
      ■         ■
 開業医レベルの形成外科では、
 足の治りにくい傷は大変です。
 糖尿病専門医、
 循環器内科医、
 血管外科医、
 透析専門医など…
 たくさんのお医者さんが必要です。
      ■         ■
 足の治りにくい傷は、
 神戸大学形成外科の寺師先生です。
 北海道でしたら、
 市立札幌病院形成外科の
 堀内勝己先生です。
 真面目で忍耐強く
 よく勉強していらっしゃる
 すばらしい先生です。
      ■         ■
 今(22:00)、東京から帰って来ました。
 東京は暑かったです。
                        
                        
                     
                                    
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                            第3回日本創傷外科学会②                                                    
    
                         きれいに傷を治す…
 形成外科医の大敵は、
 ケロイドや肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)という、
 赤く盛り上がった傷です。
 身体の部位、
 年齢、
 体質によって、
 …どんなに丁寧に縫っても…
 防ぐことができない人がいます。
      ■         ■
 今回の学会でも、
 ケロイドの治療戦略というパネルディスカッションがありました。
 日本中の、 
 ケロイドの専門家が、
 手術、
 放射線、
 レーザー、
 ステロイド治療など…
 たくさんの治療戦略を見せてくれました。
      ■         ■
 9人の演者が発表してくれました。
 私がすごいと思ったのが…
 日本医科大学形成外科の小川令先生でした。
 小川先生は1999年に日本医科大学医学部を卒業。
 現在は日本医科大学形成外科の准教授。
 新進気鋭の形成外科医です。
 英語がお得意で、
 一晩で英文論文を一編書いてしまうそうです。
      ■         ■
 小川先生の抄録です。
 物理的刺激と炎症の軽減に焦点を絞ったケロイド治療
 小川_令(おがわ_れい)、赤石諭史、土肥輝之、小池幸子、百束比古
 日本医科大学 形成外科
 ケロイドは、胸部、下腹部や上腕など、日常の動作で皮膚が繰り返し収縮・伸展される部位を好発部位とすることが知られている。
 一方で、全身にケロイドがある患者、すなわちケロイドの体質・素因(ゲノム上の一塩基多型などの関与が示唆されている)を有すると思われる患者においても、解剖学的に過剰な張力を受けにくい頭頂部や前脛骨部、上眼瞼などにケロイドを認めることはごく稀である。
 よってケロイド患者においては、契機となる微弱な炎症が存在し、そこに物理的刺激が加わることによって、炎症が悪化し、ケロイドがさらに悪化していくという悪循環が推測される。
 よって、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療ではいかに物理的刺激を抑制するか、対症療法としていかに炎症を軽減させるかを考慮すべきであると考えている。
 物理的刺激を軽減する術中の工夫としては、縫合の際にできるかぎり表皮や真皮には愛護的に糸をかけ、減張縫合は真皮縫合ではなく筋膜レベルの深層で完結するということや、大きいケロイドの場合、無理な縫合を行わないためにも、完全切除ではなく、皮弁やくり抜き法といった方法を用いる、といったことが挙げられる。
 関節部位などでは張力を分散させるZ形成術も有用である。物理的刺激を軽減する術後の工夫は、安静と固定であり、ジェルシートやサージカルテープなどを用いる。
 炎症を軽減させる方法としては、放射線治療、ステロイドの局所投与、レーザー治療による血管破壊、などが挙げられる。漫然と集学的治療を続けるのではなく、物理的刺激と炎症の軽減という考えを常に中心に考えて治療を進め、さらに複合的に行える治療を追加していくことによって、ケロイドを制御できる可能性がある。
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 小川先生が治療した患者さんが、
 とてもよくなっていました。
 手術後に…
 テープを一年近く貼っている患者さんも見ました。
 物理的刺激と炎症の軽減に賛成です。
 ケロイドで困っている方に、
 日本医科大学形成外科の小川先生をおすすめします。
                        
                        
                     
                                    
                                                医学講座
                        
                            第3回日本創傷外科学会①                                                    
    
                         遅くなりましたが…
 平成23年7月8日と9日に、
 第3回日本創傷外科学会がありました。
 会長は、
 北海道大学形成外科の山本有平教授です。
 傷を治すプロフェッショナル
 きれいに傷を治す、
 治りにくい傷を治す、
 それは形成外科に課せられた使命
 かっこいいテーマです。
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 山本有平会長のお言葉です。
 我が国に形成外科が登場してから半世紀以上を過ぎているにもかかわらず、一般市民の中には、“形成外科って何?”と問われる方が現在でも多くおられます。
 形成外科医が日々診療を行っている疾患分野を、国民全体にもっとわかりやすく知ってもらうことが、これからの形成外科にとって極めて重要な命題であり、そして、それが日本国民全体の医療レベルの向上、質の高い治療を受ける権利の向上に繋がっていくことと確信いたします。
 日本創傷外科学会は、形成外科医が創傷を治療する専門家であるということを広く周知させ、さらに基礎および臨床医学より創傷治療を大きく発展させるために設立されました。
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 この創傷外科学会、
 参加する先生はとても真面目な先生が多いです。
 学会に参加して感じたことを書いてみます。
 参考になったのは、
 みやた形成外科・皮ふクリニック、宮田成章先生の
 各種レーザーによる瘢痕治療の革新
 ~どこまで改善できるのか、形成外科医の挑戦~です。
 宮田成章先生については、
 第12回キャンデラユーザーズミーティング②
 第12回キャンデラユーザーズミーティング③
 でもご紹介しています。
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 今回の講演を宮田成章先生が、
 ご自身のアメブロに書かれています。
 講演の要旨は、
 傷を治すプロの形成外科医でも…
 手術では治せない…
 目立たないけれど…
 【気になる傷】を
 レーザーで治してしまうものです。
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 私が感心したのが…
 目頭切開の傷です。
 先生ご自身が手術した目頭切開ではなく、
 他院で手術されて…
 目頭に傷が残ってしまった患者さん。
 手術適応にはならないけれど…
 なんとかもう少しきれいにならないか?
 …という傷がきれいになっていました。
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 目頭切開は古くからある手術ですが、
 どんな名人が手術をしても、
 ある程度の確率で傷が目立つ人がいます。
 理由は…
 目頭という目立つ部位にあること、
 真皮縫合という…
 形成外科医が得意とする縫い方が…
 きわめて難しい部位だからです。
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 傷を目立たせないために…
 先人の先生がさまざまな発見をしました。
 私が行っている、
 内眼角靭帯(ないがんかくじんたい)という…
 硬い組織を短縮する方法は、
 セブンベルクリニックの渡部純至(きよたか)先生が、
 1997年(平成9)年の日本美容外科学会で発表された方法です。
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 真皮縫合の代わりに、
 靭帯を固定するので、
 傷が目立ちにくい長所があります。
 しっかり固定して、
 手術用顕微鏡を使って丁寧に縫って…
 それでも傷が目立ってしまうことがあります。
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 傷を隠すために…
 手術直後からこてこてにお化粧する人などが、
 目立ちやすい傾向にあります。
 年齢とか肌質にもよります。
 一度できてしまった傷を治すのは…
 目立たない傷ほど難しいのです。
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 宮田成章先生は、
 最新の
 フラクショナルCO2レーザーで、
 特殊な技術を使って、
 みごとにこの目立たない傷を治していました。
 目頭切開の傷で悩んでいらっしゃる女性に、
 強い味方です。
 信じてもいい先生です。