医学講座

医師の言葉

 医師の言葉について、
 平松様からのコメントをいただきました。
 日常生活に困ってるかい?
 と聞かれたので
 「それほどでもありませんが、曲げ伸ばしが辛い…」
 まで言いかけたときに、
 だから。困ってるかいって聞いてるの
 と言葉をかぶせられ、違う病院を受診してみようと考えました。
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 「痛い」事に困っているから1年も通い続けているのです。
 日常生活に支障があるからではなく、
 痛い事に困っているのです。
 原因のわからない痛みの辛さを切々と訴えました。
 「こちらでわからなかったら諦めようと思って受診させていただきました」
 と言うと、
 本来なら1週間待ちのMRI検査をしてくださり、
 午後からは手術で先生が診察できないにも関わらず、
 時間を割いて結果を教えてくださいました。
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 中学2年生の子どもが
 『先生、ぼくの病気は治るんですか?』
 と医師に尋ねたところ、
 『あぁ、一生治りません。』
 と答えられた先生もいらっしゃいます。
 その先生は、
 札幌市内でも大きな病院の先生で、
 『一生治らない病気』の権威です。
 先生、本人は忘れていらっしゃると思いますし、
 別に悪気があって言ったとも思えません。
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 医師の立場から医師を弁護させていただくと、
 現在の保険医療制度では、
 時間をかけて外来で説明すればするほど、
 病院の赤字が増えます。
 次に待っていらっしゃる患者さんからは苦情が出ます。
 多忙な医師の代わりに、
 困っている患者さんに捕捉説明をしてくれる、
 看護師さんはいません。
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 一人で一日に何十人も外来を診るのは、
 正直なところ辛いものです。
 朝、8:30から診療をはじめて、
 お昼ごはんが15:00なんてこともあります。
 外来で待っていらっしゃる方がたくさんになると、
 必然的にスピードアップを迫られます。
 予約制をとっていて、
 予約時間を2時間以上過ぎても、
 順番が回ってこないこともあります。
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 医師免許がなくてもできるような、
 次回受診日の予約とか、
 手術日の調整など…
 すべて一人の医師がしなくてはなりません。
 電子カルテが導入されると…
 患者さんの方ではなく、
 パソコンの画面に向かって、
 慣れないキーボードと奮闘する先生もいます。
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 こんな混雑した外来で、
 お一人おひとりに丁寧に説明するのは、
 とても大変なことなのです。
 でも、
 一番の問題点は医師側の認識です。
 「お坊ちゃま成功者」
 「お嬢ちゃま成功者」
 として医学部へ入学された学生さんがいます。
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 センター試験で高得点を取った学生さんの、
 国語の能力は…
 マークシートでは良くても…
 実際の医療現場では役に立ちません。
 『おはようございます』
 も言えない医師がいます。
 医学部に入学後に、
 医学英語という科目はありましたが、
 正しい、
 美しい、
 医療用日本語会話なんて科目はありません。
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 私自身を含めて、
 医学部教育に携わる医師で、
 美しい日本語を指導できる教官がいません。
 私は札幌美容形成外科を開業してから、
 美しい敬語を身につける本
 ㈶NHK放送研修センター、日本語センター
 河路 勝 著
 中経出版
 ISBN 4-8061-2163-0
 を購入して日本語勉強しました
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 この本は、
 トヨタ自動車がレクサス販売店を立ち上げた時に、
 従業員の方が参考にしていらした本です。
 テレビでトヨペット店から
 レクサス店へ移動した女性スタッフが
 この本を片手に特訓を受けていました。
 それを東京のレクサス販売店に伺って、
 本を購入しました。
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 医師だけではなく、
 今年、社会人となられた新人さんにもおすすめです。
 名医になるのは難しいですが、
 患者さんにしっかり丁寧に説明できる医師を育てるには、
 日本語の教育が必要です。
 そのためには、
 受験にはない日本語の使い方が必要です。
 もちろん、一番大切なのはその医師の人間性です。

“医師の言葉”へのコメント

  1. 平松 奈緒美 より:

    私はスーパーでチェッカーを担当しています。お客様とお店の窓口のような場所です。お断りする時、お待ち頂く時、お客様が欲しいと思う商品がない時…いかにお客様に不快な思いをさせない言葉と態度で対応するか…毎日コレと戦っています。
    高校生のバイトに言葉遣いを教えるのも大変です。「申し訳ございません」が自然と出てくるまで何ヶ月もかかります。
    職業に関わらず、きれいな言葉を正しく使えることは大切ですね。
    その本を、私も読んでみようと思います。

  2. ヤッホー より:

    恵庭で大きな病院の医師が辞め開業を始めました
    主人の担当でもあった為、私たちも病院を変える事にしました

    個人病院ですが驚いた事に元の病院の看護師さん達が3~4人
    いました。
    人気のある先生だったのでかなりの患者さんが移動してました

    一番変わった事
    診察が丁寧で患者さんの話をじっくり聞いてくれるようになりました
    循環器の専門ですが胃の調子が悪いと胃カメラの検査までしてくれます(笑)
    内科医はどの部門でもできると聞いてはいましたが主治医としてとても
    心強いです

    大病院では出来なかった地域医療に全力を尽くすそうです
    やはり信頼できる開業医と出会う事が大切ですね

    本間先生の医療(技術)はある意味心療内科も兼ね備えているように思えます
    綺麗になった患者さんは人生をもっと楽しく過ごせるでしょう
    私達の年代は美容整形を隠さずむしろ自慢すると思いますよ(笑)

    すべては先生のおっしゃる通り人間性ですね

  3. まみ子 より:

     医師としては頭も良く、論文も沢山書き、学会でも発表し質問にもバリバリ答えられる・・・でも人としてどうだろう・・・と考えた時に首を傾げてしまう医師は何人も見ています。

     医者も看護師も医療事務も接遇セミナーを受けてお勉強して、患者さんが気持ち良く診療が受けれるように、患者さんが安心できる言葉をかける事が必要ですね。

     私も気をつけなければ・・・と思います。

  4. さくらんぼ より:

    私も 以前アルバイトで スーパーのチェッカーをしていました。(冬期 間) 厳しい お客様への挨拶指導は毎日受けましたが、敬語の使い方がまったくだめで 先生へのメールなどいたらぬ点お許しください。
    実は 今日も 痛くて腹ばいになっていないと夕飯の支度ができないくらいになり 近くの整体に行ってきました。 これは 言わないでおこうと思いましたが、実際にあった事なので 私の母方の親戚は癌末期で痛みに 苦しんでいました。先生がガムを噛みながら 連休あけだったか 回診にこられて 「あれ まだ 生きてたの?」と家族に言われたそうです。家族は悔しくて看護師さんに言ったそうです。そしたら「アメリカ帰りだから・・」と言われたそうです。今でもあの時の悔しさは忘れられないと伯母は語ります。でもそんな 先生ばかりではなく 私の主治医他、荻野先生、高原先生はとても患者思いの良い先生です。
    これから医学部に入学され 希望に満ちた方の前で こんな内容のcommentは絶対もう書くまいと思いましたが悔しくて 書きますのて、 大学にあるかも知れない白い巨塔に負けないで 頑張ってください。北大卒の現山大荻野教授・高原准教授 ・・以前の私の教授という地位のイメージは違っていました。が・・現実は なんとか お二人とも 契約があり 診療を続ける事ができる事になりました。が 、上部の方の中間審査で二人だけ「 劣っている」と評価を受けたそうです。 教授になっても 成績がつけられます。 世界的な 手の名医 荻野先生のどこが 劣っているのか 、山形大学の上層部の方!患者にわかるように説明していただきたいとおもいます。
    正義は必ず勝つと信じています。
    まだまだ 地位を戻す裁判は続くと思いますが、どこも 落ち度のない 二人の医師を今までと変わらず応援してくださるよう お願い致します。 みなさんも お体に留意され ご活躍ください。 本間先生!ご恩は一生忘れません。 ありがとうございました。 さくらんぼ

  5. ユキ より:

    私は幸い、内臓が丈夫です。少々風邪をひいても市販の風邪薬で治ります。しかし、命に関わる程ではないけど、定期検診が必要な箇所が何ヵ所かあり、今、数えてみただけでも6人のお医者様にお世話になっています。

    6人の先生は皆、私にとって「かかりつけの先生」です。
    その先生に出逢うまでに別な先生の一言で「何か違う、このままでは治らない。」と感じ、別な先生に診て頂こうと決心した事もありました。

    基本的に私は先生の話に素直に耳を傾けるように気を付けています。「次は○年後に来て下さい。」と言われたら必ず行ってます。
    ある日、私はある先生との約束どおりに診察に行きました。
    その先生は札幌で開業されていてそのクリニックは道内唯一の甲状腺専門の内科のクリニックです。
    その先生は私の顔を見るなり、「真面目だね〜」とおっしゃいました。
    私は「真面目だねって…先生が○年後においで!って言ったから来たんですよ。」とつっこみたくなりましたがその時はやめておきました(笑) その日の定期検診では異常がなく、私も嬉しかったのですが、先生も嬉しそうに感じました。

  6. 岩沢君 より:

    自分も一生治らないと言われた病気で地域で一番という病院(クリニック)に行ってみましたが、全く会話が成立せず、すべてに否定され3か月かけて他の病院を探し転院しました。
    ちょっとした言葉でとても傷つくことはあるようです。
    患者さんや医師の関係だけでもなく、普段の日常会話でも人を傷つけてしまう言葉には注意が必要ですね。
    メールやインターネットを介すとなおさら、誤解が生じることがあります。

    人を傷つけず、しかも丁寧に話しても表情に出てしまったりと、難しいのは事実です。

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