昔の記憶

開業10年目の前日

 明日8月3日は札幌美容形成外科の開院記念日です。
 明日から10年目のスタートです。
 よく続いたものです。
 正直な感想です。
 自分との闘い。
 奥さんとの言い争いもありました。
      ■         ■
 苦労していますに書いてあります。
 私に八つ当たりしないでよ!
 少しはオレのことも考えろよ!
 そんなに言うなら、代わりに院長日記書いてよ!
 院長婦人の日記なら、みんな見たがってるょ!
 私にはそんなことはできません。
 できないって言う前にやってみたら…
 ボクだって最初から書けた訳じゃない。
      ■         ■
 結婚する前は…
 こんなに気の強い人だと思わなかった。
 自分で選んだ自己責任です
 ANA778便に…
 心をときめかせて搭乗した頃が…
 自分の人生で一番楽しかった頃です。
 結納の日の頃が最高でした。
      ■         ■
 開業してからは…
 慣れない事務仕事。
 労務管理
 税務調査
 社会保険も…
 雇用保険も…
 どこの役所に届けを出すかも知りませんでした
      ■         ■
 私もとしをとりました。
 じじいになりました。
 目は見えるし…
 手も動きます。
 60歳定年だったらあと一年ですが…
 もう少し働きなさいと奥さんに言われています
 先日のビジネス英語会話でも…
 60歳で退職するつもりだったが…
 65歳まで働くことにした米国人のことが出ていました。
      ■         ■
 開業10年目を前に…
 札幌美容形成外科に新しい機器を導入しました。
 一台目は…
 うちの奥さんのシミを治した…
 Qスイッチルビーレーザー。
 二台目は…
 韓国製のintragenという機器です。
 手術以外の治療法を増やしました。
 少しずつご紹介いたします。

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医学講座

加齢を治す⑤

 今日から8月です。
 早いもので札幌美容形成外科を開業して丸9年です。
 開業する前に、
 どんな医療機器を導入しようか?
 …といろいろ悩みました。
 私が充実させたのは手術機器です。
      ■         ■
 10年目に入っても…
 手術用顕微鏡や電気メス。
 高価な手術器具は活躍しています。
 ガス滅菌機は新しくなり、
 手術用顕微鏡も2台あります。
 毎日活躍しています。
      ■         ■
 開業前に『先生、すごい機器がある』
 …と私に紹介してくださったのが、
 株式会社ジェイメックの創業者で、
 初代社長の森下純一様でした。
 札幌のご出身で、
 私の父と同じ札幌工業高校の卒業生です。
 とても優秀な方でした。
 残念なことに2009年に肺がんでご逝去されました
      ■         ■
 森下社長は現社長の西村様と…
 毎年、米国の学会に視察に行かれていました。
 鋭い目で…
 最先端の医療用レーザー機器を見つけられ、
 日本に導入されました。
 森下社長の一番のヒット商品は脱毛用レーザーです。
 今でこそレーザー脱毛は当たり前ですが、
 当時は形成外科の偉い先生が、
 レーザーで毛が抜けるわけがない!
 どうせ、すぐに生えてくる!
 と言っていいました。
      ■         ■
 森下社長が紹介してくださった、
 すごい器械サーマクールでした。
 ほっぺに当てると、
 中でぐりぐりぐりと作用するのがわかる…
 そんなパワーで若返りさせる機器です。
 サーマクールは魅力的な機械でしたが、
 とても高価で…
 しかも消耗品も超高価でした。
      ■         ■
 保険診療でよいものを安く
 …という札幌美容形成外科では買えませんでした。
 森下社長には申し訳なかったのですが、
 限られた予算で私が選んだのは手術用顕微鏡でした。
 顕微鏡はランニングコストもかからず、
 高価な消耗品も不要です。
 10年たっても毎日活躍してくれています。
      ■         ■
 たるみ治療機器の原理は、
 電気やレーザーなどを皮膚表面から与えて
 皮膚の内側にある組織を引き締めます。
 私がよく患者さんに説明する例えです。
 どんなに高価な服でも…
 長年着ていると型くずれして伸びてしまいます。
 新品の服の『ぱりっと感』はありません。
      ■         ■
 伸びた服を仕立てなおすのが外科手術。
 フェイスリフトや
 皮膚切除をするたるみとり手術です。
 効果はありますが、
 時間がかかるし…
 腫れも出ます。
 お金もたくさんかかります。
      ■         ■
 高周波(RF)
 レーザー
 超音波
 さまざまな器械で『たるみ取り』が行われています。
 正直に申し上げると、
 『切る手術』が仕立て直しだとすると、
 機器を使った治療は、
 プレスやアイロンです。
 化粧品では伸びないシワを…
 ちょっとプレスして伸ばしてくれる程度とお考えください。

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医学講座

加齢を治す④

 年齢とともに気になるのがしみです。
 うちの奥さんは、
 結婚した時(24歳)から…
 左頬にしみがあったようです。
 私はまったく気付きませんでした。
 本人はとても気にしていたようです。
      ■         ■
 いいものを安く
 健康保険で治せるものは保険診療
 …という方針の札幌美容形成外科でも、
 しみの治療は保険ではできません。
 あたりまえといえば当たり前のことです。
 厚生労働省からの通達です。
      ■         ■
 J 054-2 皮膚レーザー照射療法
 ◇皮膚レーザー照射療法について
 (1)単なる美容を目的とした場合は算定できない
 K 009 皮膚剥削術(ひふはくさくじゅつ)
 ◇皮膚剥削術(グラインダーで皮膚を剥削する手術)は、小腫瘍、丘疹性疾患および外傷性異物の場合に算定する。
 なお、単なる美容を目的とした場合は保険給付の対象とならない
 …と規定されています。
      ■         ■
 つまり単なる美容を目的とした場合は保険は使えません
 …という規定です。
 ごもっともです。
 ところが…
 D 282-4 ダーモスコピーには、
 ◇ダーモスコピーは、悪性黒色腫、基底細胞癌、ボーエン病、色素性母斑、老人性色素斑、脂漏性角化症、エクリン汗孔腫、血管腫等の色素性病変の診断の目的で行った場合に、初回の診断日に限り算定する。
 …と規定されています。
      ■         ■
 この老人性色素斑というのが、
 うちの奥さんに24才の時にあった『シミ』です。
 なんとも不名誉な名前です。
 脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)も…
 ふつうの人が見ると『しみ』に見えます。
 しみを正確に診断して治療するのは、
 しみ治療を得意とする医師にも難しいものです
 今はダーモスコピーという…
 とても便利な診断機器ができました。
 札幌美容形成外科にもある高性能の拡大鏡です。
      ■         ■
 うちの奥さんの『しみ』は、
 Qスイッチルビーレーザーというレーザーで治しました。
 最近また気になるというので…
 レーザーで治しました。
 高性能のUVカットテープのおかげで、
 前より照射後が楽だったようです。
      ■         ■
 加齢によってできたシミは治したいものです。
 新聞広告に大きく出ている、
 いろいろな化粧品では取れません。
 化粧品で白斑になっても困ります。
 しっかりとした皮膚科や形成外科にかかって、
 診察料を払って診ていただいてください。
 しみの診察は保険で受けられます。
 無料カウンセリングの美容外科や美容皮膚科は避けてください
 悪性黒色腫を誤診されると命にかかわります。
 先生やクリニックを選んでかかってください。

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医学講座

加齢を治す③

 この10年の間に…
 急激に成長したのがボトックスです
 ボトックス
 …という2008年3月6日の院長日記があります。
 5年前と比べて…
 世界中の販売数量が増えています。
      ■         ■
 日本で多く使われていると思うのが、
 韓国製のNeuronoxです。
 札幌美容形成外科では使っていませんが、
 多くの美容外科で使われています。
 理由は価格です。
 厚生労働省が認可したボトックスの10分の1以下の価格です。
      ■         ■
 ボトックスが特に有効だと思うのは…
 目尻の笑いじわ、
 眉間のしわ、
 額のしわなどです。
 加齢とは関係ありませんが…
 咬筋肥大症にも効きます。
      ■         ■
 重度の原発性腋窩多汗症には…
 厚生労働省が保険適応を認可しました
 私は正しく使えば…
 劇的に効く魔法の薬だと思います。
 目尻の笑いじわなど…
 顔に使う時に一番大切なのは…
 欲張らないことです。
      ■         ■
 表情が無くなってしまうと…
 こわい顔になります
 ただ注射すればいいってものではありません。
 いかに自然な表情を残して…
 しわを自然に減らすかが問題です。
 正しい使い方をすればこわい薬ではありません
      ■         ■
 ウイズ・エイジング
 …という考えもあるようです。
 どんな老化現象にもそっと寄り添い、生活上の不自由さはなるべく生じないよう知恵を絞る。
 たとえ認知症や寝たきりになっても、排泄や食事がなるべく自然に近い状態でできるよう配慮することで、その人らしさを保つ工夫をする。
 死の際に、額のシワに言葉にならない高齢者の人生を実感できる。
 鳥羽研二(とぱ けんじ)
 医師、杏林大教授(高齢医学)
 (朝日新聞より引用)
 最先端の医学を利用して…
 ちょっとしわを少なくするのは…
 私は良いことだと考えて美容外科という仕事をしています。

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医学講座

加齢を治す②

 美容外科にいらっしゃるお客様。
 よく耳の前に指をあてて…
 ご自分の指で引っ張ってみて…
 『先生、ここをちょっと上げてほしいのょ…』
 ここ
 『ちょっとでいいの…』
 …というご希望をうけたまわります。
      ■         ■
 指で引き上げるちょっとが、
 手術で上げるにしても…
 いろいろな機器で上げるにしても…
 実に難しいのです。
 医学が進歩したのだから…
 そんなの簡単じゃん!
 …というお気持ちもよく理解できます。
      ■         ■
 実際に患者さんのご希望通り…
 法令線を消すほど引き上げるのは…
 たとえフェイスリフトの名医でも無理です。
 2011年の第34回日本美容外科学会(福岡)でも、
 シンポジウム4
 フェイスリフト:東洋人に適した術式
 効果を得るための工夫
 …でディスカッションがありました。
      ■         ■
 年齢とともに目だってきた法令線を治すには、
 ヒアルロン酸注射をおすすめします。
 私が開業して9年になります。
 美容外科をはじめてから…
 11年になりました。
 この間にコラーゲン注入剤は衰退しました。
 今の主流はヒアルロン酸です。
      ■         ■
 よく『ヒアルロン酸は吸収されるから…』
 …という方がいらっしゃいます。
 逆に言うと…
 吸収されるから安全なのです。
 ヒアルロン酸は…
 整形外科では関節に入れています。
 目薬にも使われています。
 それだけ安全性が高い証拠です。
      ■         ■
 ヒアルロン酸にもいろいろな種類があります。
 上手な先生に…
 しっかりと治していただくのが良い方法です。
 加齢による法令線には、
 歯が原因のこともあります
 何でもかんでもヒアルロン酸注射ではなく、
 しっかり原因を診てくださる先生をおすすめします。

若い顔
老化した顔

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医学講座

加齢を治す①

 自分がじじいになったと思います。
 頭髪は自分ので…
 毛は植えていませんが…
 白くなりました。
 目は眼瞼下垂症手術のおかげで…
 若々しくなりました。
 手術をしてくださった大竹先生に感謝しています
      ■         ■
 FaceBookのページができました
 …に書いたように…
 目を治していただいただけで…
 印象はかなり変わりました。
 札幌美容形成外科のFaceBook
 …には新しい顔が載っています。
 年齢を感じさせるのは…
 顔だけではなく体型や姿勢も影響します。
      ■         ■
 最近、美容外科学会に出席して思うことです。
 昔は若返りといえば…
 フェイスリフトが定番でした
 確かに効果はありますが…
 手術時間は長いし…
 腫れが取れるまでの時間もかかります。
 最近の傾向は…
 効果はそこそこでも…
 切らない治療が好まれています。
      ■         ■
 働く女性が増えているのと…
 長期の休みが取りにくい職種の方でも…
 ちょっと若くなりたい女性
 …に好まれる治療がヒットしています。
 札幌美容形成外科では…
 『切って治す治療』を主にしていましたが…
 時代の流れに従って…
 『切らない治療』をはじめます。
 何回かに分けてご紹介いたします。

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院長の休日

富良野に行ってきました2013

 先日の休診日に富良野に行ってきました。
 今年は7月下旬になってしまいました。
 例年と違って…
 赤いポピーは終わっていました。
 オカムラサキという品種が満開でした。
 とても良い香りがしました。
      ■         ■
 写真を撮ってきました。
 濃い紫色のラベンダーがオカムラサキです。
 香りが良く、
 オカムラサキから抽出したオイルは…
 他のラベンダーオイルより高価です。
 高いだけあって…
 香りも高いです。
      ■         ■
 自分の写真を出してみて…
 つくづくじじいになったと思います。
 よく美容外科へ来院されるお客様が…
 写真を見てがっかりしたと言われます。
 お気持ちがよく理解できます。
 こんなじじいの先生で申し訳ございません
 ラベンダーで癒されたので…
 元気なふりをしてがんばって働きます

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医学講座

美白の医療

 昨日の院長日記、化粧品による白斑に、
 さくらんぼさんからコメントをいただきました
 私も美白という言葉に弱い一人です。
 幸い カネボウは使ってませんが、
 紫外線に当たる仕事のせいで
 カバーマークの下地には
 美白の化粧水、乳液や
 日焼け止めクリームを使ってもます。
      ■         ■
 意外なことと思いますが…
 医学部皮膚科の講義で…
 美白剤のことは聞きません。
 医師国家試験にも出ません。
 悪性黒色腫などの病気は出ますが…
 お肌を白くきれいにするという講義は、
 今の日本の医学教育ではないと思います。
      ■         ■
 厚生労働省が認可した、
 美白目的の薬剤もありません。
 とにかく日本国は…
 美容の二文字がつくと逃げ腰です。
 とんでもないものを認可してしまって…
 何かあって国の責任を問われると大変だからだと…
 私は想像しています。
      ■         ■
 うちの奥さんも…
 化粧品販売のお嬢さんにすすめられて…
 美白効果のある化粧水を買ったそうです。
 とにかく…
 美白と名前がつくだけで…
 ちょっと高くなるようです。
 それだけ需要も多いのだと思います。
      ■         ■
 形成外科では、
 外傷や熱傷後の色素沈着。
 あざ治療後の色素沈着。
 レーザー治療後の色素沈着。
 植皮後の色素沈着。
 さまざまな色の治療をしてきました。
      ■         ■
 一番最初に教わったのが…
 遮光(しゃこう)でした。
 とにかく…
 紫外線を当てないように、
 アルミ箔をガーゼに挟んで…
 患部にテープで固定しました。
 アルミ箔はすぐに破れるけど…
 トンガリコーンの袋だと破れない
 …と患者さんから教えていただいたこともありました
      ■         ■
 形成外科で使っていたのが…
 ハイドロキノンという美白剤です。
 濃度を薄くして使うと…
 白斑になることもなく…
 少しずつ白くなっていました。
 認可された薬剤にはないので…
 院内製剤として薬剤部で作っていただいていました。
      ■         ■
 今はクリニック向けの製剤として…
 数社から販売されています。
 重要なのは…
 ちょっとでもおかしいと思ったら使用を中止し、
 専門医に診ていただくことです。
 絶対にネットで買ったりしないでください。
 美白の医療は難しいです。 

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医学講座

化粧品による白斑

 平成25年7月25日、朝日新聞朝刊、天声人語です。
 鉛を使った中国大陸風の白粉(おしろい)が日本ではじめてつくられたのは、飛鳥時代も終わり頃、持統天皇の治世だったとされる。日本書紀に〈其(そ)の造れる鉛粉(えんふん)を美(ほ)めたまへり〉とある。僧が献上し、女帝はとても喜んだという記述である。
 ▼時代は下り、宮仕えに出たばかりの清少納言は不慣れでつらい思いをしていた。思いがけず大納言と対座することになり、身がすくむ場面を枕草子は描く。〈袖をおしあててうつぶしゐたり、裳(も)・唐衣(からぎぬ)にしろいものうつりて、まだらならんかし〉。
 ▼恥ずかしくて顔を見せたくない。扇もないので袖で隠して突っ伏していたので、白粉がとれてまだら顔になっているに違いない、と。化粧崩れなら直せば済む。しかし、化粧品のせいで肌の方がまだらに白くなってしまったのだという。
 ▼その「白斑(はくはん)」の原因が、こともあろうに美白の効果をうたうクリームや乳液というのだから、被害者の方々には手ひどい裏切りだろう。カネボウ化粧品によれば、白斑が大きかったり、たくさんできたりという重症の人が2250人もいる。メーカーとしては決定的な信用の失墜である。
 ▼どんな仕組みで発症したのかもわかっていない。使うのをやめれば治るのか。医薬部外品として承認した厚生労働省に手抜かりはなかったのか。疑問は尽きない。カネボウには全員の完治まで責任をもってもらわなければならない。
 ▼人にもよるのだろうが、清少納言は化粧を「こころときめきするもの」と書いた。それが、台無しになった。
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 カネボウ化粧品で白斑の被害に遭われた方に、
 お見舞い申し上げます。
 まみ子師長さんから、
 カネボウの美白化粧品をつかっていた患者さんが
 けっこうな人数受診しています。
 …とコメントをいただきました
      ■         ■
 白斑の診断や治療は難しいです。
 もし私が化粧品による白斑を診察したとしても…
 見逃していたかも知れません。
 化粧品でかぶれることはあっても、
 まだらに白くなるのは…
 聞いたことがありませんでした。
      ■         ■
 天声人語の最後の方に…
 医薬部外品として承認した厚生労働省に手抜かりはなかったのか。
 疑問は尽きない。
 …と書かれています。
 化粧品に入れてもいい成分は、
 薬事法で規定されています。
      ■         ■
 私が声を大にして言いたいのは、
 厚生労働省は…
 美容医療に用いる薬剤などは…
 何一つ承認していないのが現状です。
 ボトックス-未承認薬が9割
 …という院長日記に書きました。
      ■         ■
 化粧品はもとより、
 美容外科で使うヒアルロン酸やボトックスなど、
 女性週刊誌で一般的に【宣伝】されている薬剤について、
 もう少し日本国として取り組んでいただきたいです。
 日本での承認に時間もお金もかかるので、
 技術や知識がありながら、
 美容医療で使う薬や機器の開発は、
 日本ではほぼゼロなのが現状です。 

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医学講座

第117回日本美容外科学会(大阪)⑤

 第117回日本美容外科学会(大阪)で気になった発表が、
 PRP+b-FGF局注療法の追試
 カメイクリニック
 亀井康二(かめいこうじ)先生のご発表です。
 カメイクリニックの亀井康二先生は、
 第33回日本美容外科学会(京都)の会長です。
      ■         ■
 PRP療法というのは…
 自分の血から…
 血小板(けっしょうばん)という成分を取り出し…
 それを注射する治療です。
 第116回日本美容外科学会(東京)①でも、
 パネルディスカッション
 『PRP療法のコツとピットフォール』がありました。
      ■         ■
 亀井先生が見せてくださった、
 b-FGFを入れたPRPの注射は…
 劇的な効果が出ていました
 亀井先生によると、
 この注射をするようになってから、
 下まぶたの『たるみ取り手術』が不要になったそうです。
 それほど劇的な効果でした。
      ■         ■
 形成外科系の日本美容外科学会(JSAPS)では、
 b-FGFに慎重な先生と、
 積極的な先生の2派に分かれます。
 私は超慎重派です。
 これをやれば…
 クリニックの売上は何倍にもなります。
 でも…
 やりません。
      ■         ■
 慎重派の先生の共通した意見は、
 大手美容外科で定番のプレミアムPRPを受けて、
 顔にしこりができた人を何人も診た
 カネボウの美白化粧品以上の被害が出たら…
 誰が責任を取って…
 どう治すんだ?
 …という慎重論です。
      ■         ■
 きれいになる
 若返る
 …という希望はわかります。
 でも…
 もし副作用が出たらどうする?
 …というところでためらいます。
 私は石橋をたたいて渡らない人間なので…
 少なくとも学会で指針ができるまでは…
 どんなに効果があってもb-FGFは入れません。

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