医学講座

形成外科の進歩⑨【ケロイド】

 胸のにきびあとが、
 知らない間に、
 赤く盛り上がってしまう。
 耳のピアス穴がふさがり、
 耳たぶが親指より大きくなってしまう。
 こんな病気が、
 ケロイドです。
      ■         ■
 
 残念なことですが…
 形成外科が進歩しても、
 いまだにケロイドを防ぐことも…
 治すことも…
 とても難しいです。
 どんなに丁寧に手術をしても、
 キズが目立つ人がいます。
      ■         ■
 形成外科医は、
 ケロイド体質と呼びますが、
 形成外科学会用語集にはありません。
 体質が影響することや、
 遺伝的な要因があることは知られています。
 きょうだいがケロイドだったり、
 両親がケロイドだったりすると、
 ケロイドになる率が高くなります。
      ■         ■
 リザベンというお薬があります。
 ケロイドに効く薬ですが、
 100%完全に治すことは難しいです。
 耳にできたケロイドは、
 切除して放射線治療をすることもあります。
 それでも再発のリスクはあります。
 形成外科医にとっては難しい病気です。
      ■         ■
 第50回日本形成外科学会で、
 抗真菌薬により改善を認めたケロイド・肥厚性瘢痕の経験
 という発表が東邦大学からありました。
 私は注目していたのですが、
 その後、発表はないようです。
 形成外科医としては、
 何とかケロイドを…
 完治できる薬が開発されることを、
 切に願っています。

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医学講座

形成外科の進歩⑧【ボトックス注射】

 毛生え薬に匹敵するくらい、
 進歩したと思うのは、
 ボトックス注射です。
 私がはじめてボトックスを知ったのは、
 市立札幌病院に勤務していた20年前です。
 外傷で斜視になった患者さんを、
 札幌医大眼科の大庭正裕先生に、
 みごとに治していただきました。
      ■         ■
 ボトックスの効果は、
 約6ヵ月と言われていますが…
 その斜視が治った患者さんは、
 20年後も治っています。
 外傷性外転神経麻痺という、
 ふつうの斜視とは違う病態だから…?
 理由は私にもわかりません。
      ■         ■
 美容外科ではじめてボトックスを知ったのは、
 サフォクリニックの白壁征夫先生です。
 ご自身の額に、
 ボトックスを打って見せてくださいました。
 ボトックスは、
 上手に使うと…
 素晴らしい効果が得られる
 魔法の薬です。
      ■         ■
 シワの治療にも使いますが、
 脇の汗を止める注射として、
 抜群の効果があります。
 欠点は、
 保険が効かないこと、
 効果の持続が3~6ヵ月と、
 限られていることです。
 マンガでも解説しています。
      ■         ■
 シワの治療も、
 多汗症の治療も、
 神経終末という、
 神経の信号が出る部位にボトックスが作用して、
 筋肉の収縮を止めたり、
 汗腺から汗が出るのを止めたりします。
 30年前には考えられませんでした。
      ■         ■
 ボトックスは使い方を間違うと、
 こわい副作用もあります。
 日本では聞いたことがありませんが、
 米国では死者が出たという報道もあります。
 また中国製ボトックスなど、
 いろいろな製剤が出ています。
 ボトックスという名前は、
 米国アラガン社の商標です。
 アラガン社以外の製品は正確には、
 A型ボツリヌス毒素と呼びます。
      ■         ■
 札幌美容形成外科では、
 Dysport(ディスポート)という、
 英国イプセン社製の製品を使用しています。
 アラガン社の製品ではありませんが、
 有効性と安全性が確かな製品です。
 クール便で輸入しています。
 最近では、
 アレルギー性鼻炎にも、
 ボトックスが使われるようです。
 正しく使えば魔法の薬です。 
ボトックスの作用と仕組み

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医学講座

形成外科の進歩⑦【わきが手術】

 わきが手術は進歩しました。
 日本はわきが手術先進国です。
 ワキガ手術を進歩させたのは、
 形成外科の先生ではありません。
 形成外科医ではない美容外科医が、
 わきが手術を進歩させました。
      ■         ■
 ワキガ手術は進歩しましたが、
 まだまだ問題が多いのも事実です。
 東京でクロスクリニックを開業していらっしゃる、
 石川浩一先生が、
 腋臭症の治療という本に書かれています。 
 治療効果は真皮内の汗腺組織をより完全に切除することにより得られるが,
 皮膚を薄くすればそれだけ術後合併症の危険性や瘢痕拘縮の可能性が増える。
      ■         ■
 どんなに手術法が進歩して、
 汗腺を上手に切除できるようになっても、
 回復させるのは…
 患者さん自身です。
 汗腺を広く…
 皮膚が薄くなるまで取れば…
 手術による効果は増しますが、
 治りが悪くなります
      ■         ■
 汗も臭いも完璧に取りたい!
 だけど…
 休みは2日しかない
 …という患者さんの要望を満たす手術法はありません。
 私が手術をしても、
 手術後の安静を守らなければ…
 禁煙を守らなければ…
 キズが大きく残ることがあります。
      ■         ■
 30年前のわきが手術は、
 スクーグ法という方法でした。
 スウェーデンの、
 TORD SKOOG先生という、
 有名な先生が本を書きました。
 その中に腋窩多汗症の手術として書かれています。
 英語でAxillary Hyperhydrosisと言います。
      ■         ■
 私も先輩に指導していただき、
 何例かこのスクーグ法で手術をしました。
 正直に申し上げて…
 大変申し訳ないことをいたしました
 おそらく、
 現在、スクーグ法で手術をする医師は、
 日本にはいないと思います。
 キズが残る手術でした。
      ■         ■
 ワキガは、
 大きな病院の形成外科にはかかりにくい疾患です。
 市中の美容外科でワキガ手術が進歩したのは、
 それだけ患者さんが多いからです。
 札幌美容形成外科を開業して7年になります。
 それまで20年以上、
 形成外科医としてワキガ手術をした件数より、
 この7年間の数がずっと多いです。
      ■         ■
 ワキガ手術には、
 さまざまな方法があります。
 …ということは、
 どの方法にも問題があるということです。
 どんなに完璧に手術をしても、
 手術後の安静とケアーがなければ、
 決してきれいには治りません。
 時間がある時に、
 信頼できる先生に手術を受けてください。
 手術後は指示をしっかり守ってください。

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医学講座

形成外科の進歩⑥【豊胸術】

 遊離皮弁(ゆうりひべん)による、
 乳房再建は飛躍的に進歩しました。
 健康保険も使えるようになりました。
 これからも進歩すると思います。
 残念なことですが、
 それに比べて…
 豊胸術はまだまだです。
      ■         ■
 30年前には、
 現在と同じような、
 シリコン製バッグがありました。
 安全性が問題になり、
 製造中止となった経緯があります。
 その後、
 生理食塩水を入れるバッグが普及しました。
      ■         ■
 生理食塩水が漏れて…
 バッグがぺしゃんこになる事故が、
 少なからず起きるようになりました。
 その後、再度、安全性の調査が行われ、
 一度はシリコンバッグを禁止した、
 米国FDAが、
 メンター社とアラガン社が作ったシリコンプロテーゼを、
 条件付きながら認可しました。
      ■         ■
 残念なことですが、
 厚生労働省に関しては…
 日本は美容外科後進国です。
 日本の厚生労働省が認可した、
 美容外科用の豊胸用バッグはありません。
 世間では一般的になっている、
 コラーゲンやヒアルロン酸ですら、
 日本国内で、
 美容外科用に認可された製品はありません。
      ■         ■
 世の中には、
 女性同士ですら、
 絶対胸を見られたくない!
 …という平らな胸の女の人がいます。
 美容外科の歴史を見ても、
 胸を大きくしたい…
 という希望を持っていたのに…
 とんでもない結果になった人がたくさんいます。
      ■         ■
 日本の厚生労働省は及び腰です。
 私から見ると…
 危ないものには手を出さない主義です。
 日本では、
 製造も販売も認可しない。
 豊胸をやりたい人は、
 医師が個人の責任で輸入して、
 勝手にやってもらったら…?
 …というふうにも感じます。
      ■         ■
 豊胸用バッグは、
 表面がざらざらした(テクスチャードタイプ)で、
 シリコンが漏れ出しにくい、
 コヒーシブタイプのシリコンバッグが主流です。
 ただ、
 今年の日本形成外科学会でも、
 FDAから認可を受けたアラガン社の、
 テクスチャードタイプのバッグで、
 ダブルカプセルという、
 副作用が出たという報告がありました。
      ■         ■
 一部の医療機関で行われている、
 自分の脂肪を注入する豊胸術や、
 ヒアルロン酸による豊胸術も、
 まだまだ100%完全とは言えません。
 30年前と比べて、
 良くはなっていますが…
 まだまだ解決しなければならないのが、
 豊胸術です。
      ■         ■
 一つ言えることは、
 30年前に豊胸術を受けた女性が、
 全員不幸になってるのではありません。
 世の中には、
 平らだった胸を膨らませて、
 副作用もなく、
 幸せな人生を送っていらっしゃる女性も、
 たくさんいらっしゃいます。
 豊胸術ももっと進歩してほしいです。

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医学講座

形成外科の進歩⑤【乳房再建】

 田中好子さんが、
 55歳の若さで亡くなったことは、
 とても残念です。
 幅広い世代の人から、
 愛されていた女優さんだと、
 あらためて思いました。
 心からご冥福をお祈りしています。
      ■         ■
 皮弁や筋皮弁の進歩とともに、
 乳房再建は進歩しました。
 30年前と比べると、
 夢のような世界になりました。
 乳房再建は、
 米国で発展しました。
 それを日本で改良して…
 より良いものにしています。
      ■         ■
 北大形成外科で乳房再建を担当されたのが、
 野平久仁彦先生です。
 米国留学から帰国されて…
 室蘭の日鋼記念病院で、
 素晴らしいおっぱいを作りました。
 野平先生の後輩が、
 北大形成外科の山本有平教授です。
      ■         ■
 山本有平教授も、
 米国留学でたくさんの技術を習得され、
 英文論文も多数書かれました。
 野平先生も、
 山本教授も、
 乳房再建がお上手です。
 筑波大学へ行かれた、
 関堂教授も乳房再建がお上手です。
      ■         ■
 大学の形成外科で行う乳房再建は、
 皮弁(ひべん)という…
 自家組織を使う方法が大多数です。
 乳房インプラントなど人工物を使う方法は、
 保険外診療になるため、
 大学病院では難しいことがあります。
 厚生労働省が、
 乳房インプラントを認可していないためです。
      ■         ■
 30年前と比べると…
 技術的には進歩しましたが、
 実際に手術を受けることになると、
 かなり不自由な部分があります。
 たとえば…
 乳輪を作るのは、
 刺青が主流です。
 この乳輪をつくる刺青には保険が効きません。
      ■         ■
 乳癌でない側のおっぱいと、
 形が合わなくなることもあります。
 健側のおっぱいを手術しようとしても、
 形をそろえる手術は自費になります。
 乳房再建は、
 形成外科医でも、
 得意とする先生が限られる手術です。
 できあがったおっぱいにも差があります。
 ネットなどで調べて上手な先生を見つけてください。

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医学講座

形成外科の進歩④【再建手術】

 元キャンディーズの、
 田中好子さんが55歳で亡くなりました。
 私たちおじさん世代には、
 アイドルだった女優さんです。
 乳癌だったと報道されています。
 再発を繰り返し、
 病気と闘っていらっしゃいました。
 すてきな女優さんで、
 すてきな女性でした。
 ご冥福をお祈りしています。
      ■         ■
 形成外科は、
 癌の再建手術をします。
 乳癌の手術後に、
 おっぱいを再建する手術もあります。
 乳癌のように、
 形を再建する手術もあれば、
 癌を取ってしまった欠損を
 埋めるための再建手術もあります。
      ■         ■
 私自身が一番多く再建したのは、
 口の中や、
 咽頭(いんとう)と呼ばれる、
 のどの奥の癌です。
 癌を切除して、
 穴が開いたままでは、
 生活ができません。
 穴をふさぐ手術が必要になります。
      ■         ■
 この再建手術が、
 30年の間にとても進歩しました。
 私が学生の頃は、
 胸や腕の皮膚を、
 血管をつけたまま移動する手術でした。
 DP(ディーピー)皮弁などという名前で、
 おそらく今の医学生は、
 見たことがない人もいると思います。
      ■         ■
 再建手術が進歩したのは、
 マイクロサージャリーという技術で、
 細かい血管を縫うことができるようになったからです。
 指を切断した時に、
 再接着といって、
 指をつなぐのにも使う技術です。
 私も、
 30台半ばから、
 40台後半で大学を追い出されるまでは、
 この再建手術をしていました。
      ■         ■
 形成外科の進歩①~③の、
 レーザーや毛の治療は、
 薬や医療機器の発達で達成されました。
 この再建手術は、
 もともとあった顕微鏡を使う技術を、
 形成外科に応用したものです。
 遊離皮弁(ゆうりひべん)と呼ばれます。
 以前にもご紹介しましたが、
 この技術を世界ではじめて成功させたのが、
 波利井清紀先生です。
      ■         ■
 波利井(はりい)先生は、
 東大を退官後に、
 杏林大学で形成外科教授をなさっていらっしゃいます。
 今も、
 日本形成外科学会の重鎮です。
 日本が生んだ世界の技術です。
 これからも、
 日本はこの分野で世界をリードできると思います。 

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医学講座

形成外科の進歩③【脱毛治療】

 4月下旬というのに…
 札幌では寒い日が続いています。
 昨日に引き続いて、
 形成外科の進歩について書きます。
 毛が少なくて悩む人がいれば、
 多くて悩んでいる人もいます。
 男性にも多毛で悩む人がいます。
 世の中うまくいかないものです。
      ■         ■
 私が形成外科医になった30年前、
 形成外科で脱毛を専門にしている先生は、
 お一人しか覚えていません。
 浜松の小林敏男先生です。
 古い日本医学脱毛協会HP
 紹介されています。
 当時の脱毛は、
 針を使って電気で毛根を焼いていました。
      ■         ■
 針に電気を通して焼くのです。
 この時に皮膚も焼けてしまい、
 脱毛後に赤くなったり、
 色素沈着になったりするのが難点でした。
 小林先生は、
 針をコーティングして、
 針先だけに通電する工夫をしていらっしゃいました。
      ■         ■
 学会で、
 針のコーティングを先から何㎜からにするとか、
 どうしたらコーティングが剥がれない?
 というご発表を聞いたことがありました。
 一本いっぽん毛穴に針を刺して、
 フットペダルを踏んで、
 通電するという治療でした。
      ■         ■
 今のレーザー脱毛と比べると、
 とても時間がかかっていました。
 熟練した看護師さんが施術しても、
 通電する時には痛みがありました。
 料金も高く、
 両脇を脱毛すると、
 数十万円もかかっていました。
      ■         ■
 この脱毛を夢のように変えたのが、
 平成9年(1997年)に、
 輸入された医療用脱毛レーザーです。
 株式会社ジェイメックの創業者で、
 初代社長の森下純一さんと、
 現社長の西村浩之さんが、
 三井物産と米国から輸入されました。
      ■         ■
 (平成9年)1997年2月2日に、
 東京都渋谷区千駄ヶ谷の津田ホールで
 札幌スキンケアクリニックの松本敏明先生が
 日本医学脱毛学会を開催されました。
 この時に、
 米国製のレーザー脱毛機をはじめて見ました。
 私の左腕と、
 左すねに照射しました。
 今でも毛が生えていません。
      ■         ■
 当時のレーザー脱毛器はとても高価でした。
 一ドル130円以上だったと記憶しています。
 日本に輸入すると、
 一台3,000万円以上しました。
 札幌で一番早く導入されたのが、
 皮膚科の山家英子先生でした。
 私と武藤靖夫先生が、
 札幌で2番目でした。
      ■         ■
 今では、
 レーザー脱毛があたりまえですが、
 当時は、形成外科の偉い先生から…
 レーザーで毛が抜けるわけがない!
 絶対にまた生えると言われました。
 その後、
 レーザー脱毛機も進歩しました。
 札幌美容形成外科で使っているのは、
 冷却ガスが出るタイプのGentle Lase(キャンデラ社製)
 という機種です。
      ■         ■
 レーザー脱毛は驚くほど普及しました。
 同じ機械を使っても、
 照射方法によって効果が微妙に違います。
 エステでも、
 光脱毛やレーザー脱毛をしているところがあります。
 厚生労働省は、
 エステで毛乳頭を破壊する治療を禁止しています
 脱毛治療は、
 信頼できる医療機関で受けてください。

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医学講座

形成外科の進歩②【薄毛治療】

 30年の間に形成外科は進歩しました。
 昨日は胃潰瘍の薬について書きました。
 形成外科が関係する薬で、
 私が一番進歩したと思うのは、
 毛生え薬です。
 昔から…
 毛生え薬を発明したら、
 ノーベル賞と言われていました。
      ■         ■
 一般の方に関係があり、
 多くの人が悩んでいるのが薄毛です。
 男性だけではなく、
 女性でも、
 たくさんの人が薄毛に悩んでいます。
 薄毛治療の指針という院長日記を、
 2010年4月14日に書いています。
 日本皮膚科学会が提唱した指針です。
      ■         ■
 プロペシアという商品名で、
 フィナステリドという成分のお薬があります。
 その他に、
 ミノキシジルという成分のお薬があります。
 プロペシアは内服薬。
 ミノキシジルは外用薬です。
 海外ではミノキシジルの内服もあります。
      ■         ■
 プロペシアは男性用の薬で、
 閉経後の女性が内服しても、
 効果がなかったと、
 プロペシアと女性薄毛という、
 2010年4月12日の院長日記で紹介しました。
 今年の日本形成外科学会では、
 効果が認められた女性もいると聞きました。
 女性の薄毛治療は、
 これからもっと進歩しそうです。
      ■         ■
 形成外科の技術で進歩した、
 薄毛治療は、
 何と言っても自毛植毛です。
 高度な専門的な技術です。
 素晴らしい結果が出ています。
 美容外科のお医者さんが、
 自毛植毛を受けています。
 30年前には、
 考えられなかった効果です。
      ■         ■
 私がおすすめするのは、
 何度もご紹介している、
 横浜の今川賢一郎先生です。
 美容外科医、
 御用達の植毛医が、
 ヨコビクリニックです。
 私が知っているだけで、
 何人もの偉い先生が手術を受けています。
      ■         ■
 残念なことですが、
 薄毛治療では、
 おすすめできないところもたくさんあります。
 TVで有名な女性が宣伝しているところは、
 お金ばかりかかって、
 とても推奨できません。
 正しい知識を得て、
 ふさふさになっていただきたいです。

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医学講座

形成外科の進歩①【あざのレーザー治療】

 私が形成外科医になって30年です。
 この間に、
 医学は進歩しました。
 30年前は、
 胃潰瘍で手術がありました。
 今は、
 薬が進歩したので、
 薬局で胃潰瘍の薬が買えます。
 胃潰瘍の手術は激減しました。
      ■         ■
 形成外科も進歩しました。
 昔は、
 太田母斑という顔のあざを手術していました。
 手術して、
 皮膚移植をしても、
 移植した皮膚にあざが再発しました。
 手術痕も目立ちました。
      ■         ■
 今は、
 太田母斑に手術をすることは、
 まずありません。
 レーザー治療が、
 健康保険で受けられます。
 一度で消えるのではありませんが、
 30年前と比べると…
 画期的に進歩しました。
      ■         ■
 レーザー機器のように、
 機械が進歩したので、
 治療法が変わることがあります。
 機器があれば、
 誰でも治療できるわけではありません。
 病気のことをよく理解して、
 正しく使う必要があります。
 レーザーの専門医もあります。
      ■         ■
 札幌美容形成外科では、
 あざのレーザー治療は行っていません。
 ご希望があれば、
 専門医をご紹介しています。
 形成外科の進歩について、
 何回か書きたいと思います。

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医学講座

学会出席の意義

 形成外科専門医としての資格は、
 毎年、学会に出席して、
 勉強を続けなければ維持できません。
 現在の形成外科専門医制度では、
 学会出席や論文執筆により、
 点数が得られます。
 毎年、一定の点数を得ていないと、
 専門医の更新ができません。
      ■         ■
 私は、
 日本形成外科学会と
 日本熱傷学会の専門医です。
 両方の専門医とも、
 学会出席による点数がなければ、
 専門医資格を失います。
 どの学会も似たような制度です。
      ■         ■
 私が認定医(昔は認定医といっていました)を取ったころは、
 点数制度はありませんでした。
 のどかな時代でした。
 医師免許を取得してからも、
 点数をゲットするために、
 学会へ出るのは
 何となくさびしい気もします。
      ■         ■
 医師も年代によって、
 学会出席の意義が違ってきます。
 若い頃は、
 学会を聴いていても…
 わからないことだらけです。
 あの先生は、
 何を言っているのだろう…?
      ■         ■
 専門医試験を受ける頃は、
 形成外科のことを必死に勉強しています。
 おそらく、
 一番、広く浅く知識がある頃です。
 自分で研究をするようになると、
 同じ研究者同士が仲良くなります。
 ノーベル賞を取るのとは違って…
 秘密にすることもないですし、
 共通の苦労や悩みがあります。
      ■         ■
 お互いに論文を引用したりして、
 研究者としての仲間意識ができます。
 私が親しくしていだいている先生は、
 昔、研究をしていた頃に
 知り合った先生が多いです。
 教授として活躍している人も、
 いらっしゃいます。
      ■         ■
 私くらいの年代になると、
 学会に出席する意味は、
 ふだん疑問に思っていることを、
 直接、他の先生に聞けることです。
 今回の学会でも、
 信州大学の松尾清先生に、
 眼瞼痙攣の患者さんのことを
 教えていただきました。
      ■         ■
 世代によって学会出席の意義は違いますが、
 いくつになっても新しいことに興味を持って、
 勉強をつづけることが、
 大切だと思います。
 点数のためではなく、
 形成外科が好きだから、
 学会へ出ると楽しいです。

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