医学講座

わきが手術と安静

 わきが手術については、
 HPに記載してあります。
 院長日記でも何度も取り上げています。
 PCの方は右上、
 携帯の方はメニュー下端に
 【検索】があります。
 ここに[ワキガ]または[わきが]と入力し、
 【検索】ボタンを押していただくと、
 過去の日記が出てきます。
      ■         ■
 [ワキガ]とカタカナで入力した方が、
 [わきが]とひらがなで入力するより、
 多くの日記が出てきます。
 わきが手術で満足度を高めるには、
 できるだけ広範囲に…
 皮膚を薄く削る必要があります。
 そうすると…
 ワキに大きなケガをしたのと同じになります。
 皮膚を剥がしていますから、
 くっつけるためには安静が必要です。
      ■         ■
 リンゴの木に‘接ぎ木(つぎき)’をした時に、
 テープでしっかり固定するのと同じです。
 女性週刊誌の広告を見ても…
 美容外科のHPを見ても…
 わきが手術で…
 一週間も仕事を休まなくてはならない
 とは書いてありません。
 通院不要
 次の日からお仕事ができます
 なんて平気で書いてあります。
      ■         ■
 これらはすべて誇大広告です。
 片方ずつの手術ならまだしも…
 両脇の手術を同時にすると…
 手術後は腕を動かせません。
 日常生活では…
 髪を洗うのも一苦労です。
 わきが手術を多くすればするほど、
 手術の難しさを痛感します。
      ■         ■
 私が手術をしても、
 ケロイド体質だったり、
 キズが治りにくい体質だったりすると…
 治療に長い時間がかかります。
 人によっては…
 色素沈着といって、
 手術した部分に色が長く残る方もいらっしゃいます。
 京都の冨士森先生が、
 生涯に悔いを残すわきが手術のキズ
 という学会発表を2007年になさいました。
      ■         ■
 他院で行われたワキガ手術で、
 生涯に悔いを残すキズの方がいらっしゃいました。
 形成外科医として、
 できるだけの手術をして
 治して差し上げたいと思います。
 でも、残念ながら…
 私がどんなにがんばっても、
 もとのキレイな皮膚には戻せません。
 わきが手術の後は、
 くれぐれも安静を守ってください。

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医学講座

日本形成外科学会2009-⑤

 今日の札幌は4月下旬なのに、
 なんと雪が降って寒い一日でした。
 日本形成外科学会報告の最終回です。
 今年の日本形成外科学会で、
 私が一番興味深かったのは、
 パネルディスカッションⅣ
 外形美へのこだわりと私の基準
 でした。
      ■         ■
 このパネルには、
 昨日、ご報告した
 京都の冨士森先生の他に、
 自治医科大学形成外科の菅原康志先生、
 ヴェリテクリニックの福田慶三先生、
 長崎大学形成外科の平野明喜先生、
 神戸大学形成外科の橋川和信先生
 がご発表になりました。
      ■         ■
 平野先生と橋川先生は、
 再建外科についてのご発表でした。
 菅原先生と福田先生が、
 美容外科に関係するご発表でした。
 菅原先生は自治医科大学の教授。
 福田先生はヴェリテクリニックの院長。
 どちらの先生も、
 美容外科医として超一流の先生です。
      ■         ■
 菅原先生はご自分でも、
 私は巷ではナチュラル派と呼ばれている
 講演中にお話しされていました。
 とても自然でキレイな輪郭を作られる…
 素晴らしい先生です。
 福田先生は、
 外人顔で有名な先生。
 日本人の顔を西洋人にしてしまうほどの、
 高度の技術をお持ちの先生です。
      ■         ■
 私自身は、
 札幌美容形成外科のHPに書いてあるように…
 イメージは自然
 自然な仕上がりを大切にします
 の
 超ナチュラル派だと、
 自分で勝手に思っています。
 時には、二重の幅が狭い!
 お叱りを受けることもあります。
      ■         ■
 福田先生が学会で見せてくださった症例は…
 どれも素晴らしい仕上がりでした。
 私は、福田先生のように、
 外人顔にする手術は、
 到底できません。
 外形美へのこだわりと私の基準が、
 福田先生とは違うからです。
 形成外科医・美容外科医としての基準が、
 一人ひとり違うのです。
      ■         ■
 福田先生は、
 患者さんのご希望があって、
 その希望を(技術的に)
 叶(かな)えてあげられるのでしたら…
 手術をお引き受けするとお話しされました。
 私は韓国の学会でも
 福田先生とご一緒でした。
 福田先生の技術は韓国でも認められています。
 ストレスの多い手術もあることと思います。
      ■         ■
 今回の日本形成外科学会では、
 こうしてさまざまな基準を持った先生が、
 討論を重ねて、
 とても興味深い内容でした。
 学会では、
 自由に意見を交換できて、
 それが学問としての
 形成外科学の発展につながることが理想です。
 学会長の東邦大学形成外科学講座、
 教授:丸山優先生、
 事務局長の大西清先生、
 有意義な学会をありがとうございました。

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医学講座

日本形成外科学会2009-④

 昨夜、横浜から帰ってきました。
 札幌は少し寒いですが、
 やはり住み慣れた街
 住み慣れた自分の家はいいものです。
 電気かみそりもあるし…
 電動歯ブラシもあるし…
 出張にPCは持って行きますが、
 他のものはホテルのもので済ませます。
      ■         ■
 今回の学会で一番印象に残った発表が、
 京都の冨士森先生のご発表でした。
 パネルディスカッションⅣ
 外形美へのこだわりと私の基準
 冨士森先生のご発表は、
 顔の表情は眼が変える
 冨士森形成外科医院
 冨士森良輔
      ■         ■
 冨士森先生は京都大学のご出身で、
 元京都大学形成外科講師。
 私の恩師である大浦武彦先生と同年代です。
 現役で形成外科医を続けていらっしゃる、
 日本形成外科学会の中でも、
 最古参で、
 形成外科の草分け的存在の、
 重鎮の先生です。
      ■         ■
 今回の冨士森先生のご発表は、
 形成外科の中でも、
 もっとも難しいといわれる、
 義眼床再建(ぎがんしょうさいけん)
 についてでした。
 義眼床再建とは、
 病気で子どもの頃に眼球摘出を受けた方に
 義眼を入れるスペースを作る手術です。
      ■         ■
 眼球摘出となる原因の多くが、
 眼のがんであることが多いため、
 患者さんの多くは放射線治療を受けています。
 義眼を入れるスペースが小さくなるために…
 次第に義眼が入らなくなります。
 小学生くらいの小さな子どもさんから、
 思春期を迎えた頃の方が困っています。
      ■         ■
 ふつうの義眼は、
 ちょっと義眼とは気付かないこともあるくらい、
 よくできています。
 ただ、義眼床再建を必要とする方は、
 上まぶたも下まぶたも障害を受けるために、
 眼の形が変わってしまいます。
 義眼床再建をしても、
 結局…
 患者さんは、
 ずっとガーゼで目を隠し続けることがあります。
      ■         ■
 冨士森先生は、
 ご自分が昔、一生懸命手術をしたけれども…
 術式の誤りで、
 良い結果を出せなかったと…
 懺悔(ざんげ)とも受け取れるお言葉で
 私たちに教えてくださいました。
 私は、冨士森先生のお言葉とご発表に、
 深い感銘を受けました。
      ■         ■
 冨士森先生の半世紀以上にもわたる…
 手術方法の改良によって、
 最近の症例はとても素晴らしい結果でした。
 義眼床再建は、
 私たち形成外科医にとって、
 それほど多く診る機会はありません。
 義眼床再建でしたら、
 京都の冨士森形成外科医院
 をおすすめいたします。
 冨士森先生ありがとうございました
      ■         ■
 冨士森形成外科医院
 京都駅から約200m
 京都市下京区西洞院塩小路上ル
 日生三哲ビル2F
 電話 075-341-2160

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医学講座

日本形成外科学会2009-③

 学会報告③は美容外科についてです。
 日本形成外科学会の中で、
 美容外科が占める部分は、
 多くはありません。
 全体で500件近い
 口演(こうえん)
 (壇上で話して発表する分)があります。
      ■         ■
 私たちが発表する、
 一般演題の他に、
 特別講演、招待講演、教育講演、
 招待教育セミナー、
 教育セミナー、
 シンポジウム、
 パネルディスカッション、
 モーニングセミナー、
 ランチョンセミナー、
 イブニングセミナー、
 などたくさんあります。
 さくらんぼさんの目に留まった、
 荻野利彦先生は、
 2007年の特別講演でした。
      ■         ■
 この他に、展示演題というのがあります。
 ポスターセッションとも呼ばれます。
 壇上で発表する代わりに、
 自分の発表内容を紙にプリントしてきて、
 それを決められた場所に貼ります。
 その前で時間を決めて討論を行います。
 発表内容をじっくり見ていただけます。
 原稿をしっかり作る必要があります。
 その原稿を元に、
 論文執筆をすることもあります。
 今回の学会では展示は181題ありました。
      ■         ■
 合計700題近い演題の中で、
 美容外科の一般演題は27題でした。
 関連する発表を含めても
 全体の5%程度ですから
 まだまだ多いとは言えません。
 今年の傾向は、
 大学病院からの
 美容外科に関する演題が増えたことです。
      ■         ■
 2009年4月23日(木)のランチョンセミナーで、
 大阪大学_美容医療学寄附講座
 矢野健二教授の
 美容医療の現状と今後
 というご発表がありました。
 国民生活センターへ寄せられた、
 美容医療に関する届け出を調査されました。
 美容医療に関しての、
 さまざまなトラブルが紹介されました。
      ■         ■
 矢野教授は、
①チェーン店:19店
 (全国に5箇所以上のクリニックを展開している美容外科)
②美容外科学会役員をしている
 美容外科開業医:25軒。
③美容外科を標榜している大学病院、
 24大学の価格調査をされました。
 意外と高いのが大学病院でした。
 私のように、
 腋臭症手術を保険診療でしているのは、
 大学病院が65%、
 開業医では10%
 チェーン店では0%でした。
      ■         ■
 私は、全国24もの大学病院に、
 美容外科があるのを知りませんでした。
 いつの間にか増えたものです。
 形成外科すらない国立大学もあるのに…
 独立行政法人になったので、
 自由診療がしやすくなったのでしょうか?
 それでは…
 大学病院の美容外科は、
 安心してかかれるのでしょうか?
      ■         ■
 残念ながら…
 大学病院の美容外科だから、
 安くて安心ではなさそうです。
 ある有名大学の先生が、
 フェイスリフトの発表をなさいました。
 私たち美容外科医が見たら…
 どう見てもクレームになりそうな症例を、
 たるみが取れていると
 ご発表なさっていらっしゃいました。
      ■         ■
 会場にいらした、
 高須克弥先生が、
 その術式で
 マリオネットラインが改善する理由を
 教えてください。
 とご質問なさっていらっしゃいました。
 よほど心が広い人でないと
 高いお金と時間をかけて
 この程度の結果では…
 とも言われていました。
 私もまったくその通りだと思いました。
 美容外科を選ぶのは、
 まだまだ難しいようです。

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医学講座

日本形成外科学会2009-②

 昨日の日記に書いた、
 多摩美術大学教授、
 岩倉信弥先生の特別講演、
 直伝(じきでん)・本田流ものづくり
 が私が尊敬する、
 塩谷信幸先生のブログでも取り上げられていたので
 驚きました。
 塩谷先生は私の2つ前の席
 (前から5列目あたり?)
 (S席に相当:学会では全席自由です)
 にいらっしゃいました。
 (先生はお気づきではないと思います)
 感動を与えてくださった岩倉先生に感謝いたします。
      ■         ■
 私は、勤務医の時には、
 日本形成外科学会で毎年発表していました。
 学会発表をしないと…
 学会の認定施設を維持できず…
 後輩が専門医を取得できないのです。
 大学に所属していたので、
 研究成果を発表する‘義務’もありました。
 美容外科医になってからは、
 2つの日本美容外科学会のこともあり、
 国際学会以外では発表していません。
      ■         ■
 らずべりーさんごめんなさい。
 今日の学会報告は私が勉強したことの報告です。
 まず、昨日の眼瞼(まぶた)の発表です。
 昨年の『ためしてガッテン
 の影響で眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)の手術が
 全国的に増えました。
 今回の学会でも、
 たくさんの眼瞼下垂症の発表がありました。
      ■         ■
 形成外科学会のよいところは、
 必ず手術前後の写真を出します。
 どんなに有名な大学の先生が発表をしても、
 結果が良くなければすぐにわかります。
 それぞれの先生は、
 自分のベストの写真を出します。
 正直に申し上げて…
 結果には優劣があります。
 一人の先生が何度も発表している施設は、
 その先生が上手になったと
 わかることもあります。
      ■         ■
 眼瞼下垂症が圧倒的多いのは、
 やはり『ためしてガッテン』に出た、
 信州大学形成外科の松尾清教授です。
 信州大学では、
 眼瞼下垂症に関する、
 さまざまな研究もなされています。
 その松尾先生でも
 苦労なさっていらっしゃる例があることを知りました。
 なかなか難しいものです。
      ■         ■
 今回の学会で目立ったのが、
 眉の下を切って皮膚を切除し、
 眼瞼下垂症を治す手術法です。
 私の記憶が正しければ、
 京都の冨士森先生が、
 以前から推奨なさっていらっしゃいました。
 眉の細い、『京美人』には、
 優れた方法だと思っていました。
      ■         ■
 今回の学会では、
 高齢者に、積極的に、
 この眉下切開を行っている施設が増えました。
 『京美人』だけではなく、
 眉が太い男性にもこの手術をしていました。
 眉の中に切開線をもってきても、
 眉で隠れて目立たないことがわかりました。
 二重になりたくないけれど…
 眼瞼下垂症を治したい人には
 よい手術法だと思いました。
      ■         ■
 もう一つは…
 眼瞼下垂症に対する診断基準の発表でした。
 黒目の出かたや、
 眉の上がり、
 おでこの『しわ』、
 などで眼瞼下垂症を診断するのが一般的です。
 コンピューターで解析して、
 黒目の何%が出ていると、
 軽度~中等度~重度と
 分類するか?
 という発表がありました。
      ■         ■
 今は、軽度~重度の診断も
 先生によって違います。
 日本形成外科学会として、
 眼瞼下垂症の診断基準や、
 手術法についての細かな分類を
 確立するのがよいと思いました。
 眼瞼下垂症は奥が深い疾患です。
 患者さんに喜んでいただけるように、
 形成外科医として
 がんばりたいと思いました。

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医学講座

日本形成外科学会2009-①

 今日から横浜で
 第52回日本形成外科学会です。
 横浜は暖かで、
 北海道とは一ヵ月の差があるように感じます。
 今日は朝から夕方まで、
 学会に参加していました。
 午前9:00から眼瞼(まぶた)の発表がありました。
 信州大学形成外科の先生のご発表が
 たくさんありました。
      ■         ■
 午後は、美容外科の発表を聴きました。
 学会の内容については、
 明日の日記でご報告いたします。
 今日は特別講演でお聴きした、
 多摩美術大学教授、
 岩倉信弥先生の講演について書きます。
 岩倉先生は元本田技研工業㈱
 常務取締役(商品担当)。
 本田技研でデザインを担当されたデザイナーです。
      ■         ■
 講演のタイトルは
 直伝(じきでん)・本田流ものづくり
 岩倉先生は1964年に本田技研工業㈱に入社されました。
 講演の中で、
 創業者の本田宗一郎さんに、
 ホンダの中で一番多く叱られたとお話しくださいました。
 乗用車の天井には、
 両サイドに一本ずつレールのようなものがついています。
 これをモヒカンモールと呼びます。
      ■         ■
 ある日、Honda1300を作っている、
 鈴鹿工場で、
 本田宗一郎さんが、
 かんかんに怒っているので、
 すぐに来るように呼ばれました。
 本田技研が、
 乗用車の生産をはじめた頃です。
 それまで二輪車では、
 スーパーカブなどヒット商品を出していましたが、
 乗用車の生産には慣れていませんでした。
      ■         ■
 当時の乗用車の天井は、
 金属をつなぎ合わせて、
 ハンダ付けをしていました。
 ハンダ付けの部分がガタガタになるので、
 職人さんがその部分を削っていました。
 鉛(なまり)が入ったハンダを削ると、
 職人が鉛中毒になって死んでしまう。
 すぐにやりなさい!
 と真っ赤な顔で、
 社長に怒られました。
      ■         ■
 すぐにということは、
 翌朝には結論を持って
 社長に報告しなければなりません。
 苦心して考えたのが、
 金属の接合部につけるモールでした。
 今の乗用車にはすべてついている、
 天井のモールは、
 本田宗一郎さんに怒られてできた、
 岩倉先生のアイデアでした。
      ■         ■
 本田技研工業㈱は、
 岩倉先生が在籍した35年の間に、
 会社が潰れるかもしれないという危機が
 3度ありました。
 それを支えたのが
 ホンダの原点である、
 買って喜び、
 売って喜び、
 つくって喜ぶ
 という
 3つの喜びです。
      ■         ■
 心をこめて商品をつくる
 (ものづくりを)心底愛し
 信じて身をゆだねる
 難しいほど楽しい
 毎日(いいアイデアやデザインを)考えて、
 そのことを想(おも)っていると…
 ふっといいアイデアが生まれてくる。
 そのことを
 想(そう)なくして創(そう)なし
 講演でお話しくださいました。
      ■         ■
 形成外科や美容外科も、
 デザインをして美を創る仕事です。
 車づくりに通じる部分があります。
 岩倉先生のお話しをお聴きして、
 この大不況の時代に、
 ヒット商品を生み出す、
 ホンダの力の原点がわかりました。
 自分の手術で、
 喜んでいただく
 のが自分の喜びとなることを
 再認識いたしました。
 

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昔の記憶

仕事と家庭の両立

 よく家内と喧嘩になります。
 『メールの返事書いているから静かにして!』
 『考えているから黙っていて!』
 家内も負けじと反論します。
 『あなたは四六時中仕事をしている。』
 『家庭の団欒(だんらん)というのがない。』
 『じゃぁ、あんた代わりに書いてょ!』
      ■         ■
 私は働き者の頑固おやじです。
 メールのご返事も…
 ためてしまうと書けなくなるので、
 時間がある時に…
 すぐに、ご返事をするようにしています。
 返事に困るメールもいただきます。
 できる限り、
 ‘親切に’ご返事を書くようにしています。
      ■         ■
 海の向こうからでも…
 私を頼ってメールをいただいたのですから…
 できる限りのご返事を差し上げようと思っています。
 世の中には、
 思いもかけずに、
 悲惨な結果に困っていらっしゃる方も…
 少なからずいらっしゃいます。
 私の拙い(つたない)文章を読んで、
 ご相談をいただいたら、
 できる限りお力になりたいと思っています。
      ■         ■
 私は形成外科も美容外科も好きです。
 まだ目も見えるし…
 手も動くので…
 細かい手術もしています。
 一番楽しいのは、
 手術でキレイになっていただいた時です。
 嬉しそうな笑顔を見ると…
 よかったなぁと思います。
      ■         ■
 先日の日記でご紹介した、
 サントリーの広告の文章が気に入っています。
 職場とは
 ともに働き、
 生きる家である。
 仕事は長く厳しいが、
 いつか誇りと品格を得る時が必ずくる。
      ■         ■
 仕事は楽しいことばかりではありません。
 人生も同じだと思います。
 人生で最良の時は…
 長くは続きません。
 若くてキレイだった奥さんも歳をとりました。
 私も今年は55歳になります。
 残された人生を…
 他人に迷惑をかけずに生き、
 少しでも人のお役に立ちたいと思っています。
      ■         ■
 昔は、こんなに仕事も忙しくなく、
 一時間でも一緒にいたいと思ったものです。
 年齢とともに…
 仕事も変わりました。
 こんな私でも頼ってくださる方がいらっしゃると、
 老体に鞭打ってがんばっています。
 日本形成外科学会で横浜へ来ました。
 ホテルで無線LANの設定に手間取り、
 更新が遅くなりました。
 申し訳ございませんでした。


24歳の時です。
この頃は喧嘩はしませんでした。

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院長の休日

赤ちゃんが大きくなりました

 産休中の職員が、
 赤ちゃんを連れてクリニックに来てくれました。
 赤ちゃんは生まれた時の体重が…
 2倍になっていました。
 『孫は文句なしに可愛い』
 とはよく言ったものです。
      ■         ■
 妊娠中も働くのは大変なことだと…
 あらためてわかりました。
 私には有給休暇もなく、
 代診も頼めないと偉そうに書きましたが…
 おかあさんも…
 24時間、あかちゃんから目が離せません。
 おっぱいも待ってくれません。
 子どもを育てるのは大変なことです。
      ■         ■
 日本の少子化率は世界でもトップクラスで…
 このままだと国が滅びることになります。
 経済政策も大切ですが、
 子どもを産んで育てるという、
 種の保存にとって大切なことを、
 もう少し真剣に考える時期だと思います。
 私のようなじいちゃん
 ばあちゃんが頑張って働いて…
 子どもを育てやすい社会をつくることが
 大切だと思いました。
 さくらんぼさん
 安産のお守りありがとうございました♪

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医学講座

医師の言葉

 医師の言葉について、
 平松様からのコメントをいただきました。
 日常生活に困ってるかい?
 と聞かれたので
 「それほどでもありませんが、曲げ伸ばしが辛い…」
 まで言いかけたときに、
 だから。困ってるかいって聞いてるの
 と言葉をかぶせられ、違う病院を受診してみようと考えました。
      ■         ■
 「痛い」事に困っているから1年も通い続けているのです。
 日常生活に支障があるからではなく、
 痛い事に困っているのです。
 原因のわからない痛みの辛さを切々と訴えました。
 「こちらでわからなかったら諦めようと思って受診させていただきました」
 と言うと、
 本来なら1週間待ちのMRI検査をしてくださり、
 午後からは手術で先生が診察できないにも関わらず、
 時間を割いて結果を教えてくださいました。
      ■         ■
 中学2年生の子どもが
 『先生、ぼくの病気は治るんですか?』
 と医師に尋ねたところ、
 『あぁ、一生治りません。』
 と答えられた先生もいらっしゃいます。
 その先生は、
 札幌市内でも大きな病院の先生で、
 『一生治らない病気』の権威です。
 先生、本人は忘れていらっしゃると思いますし、
 別に悪気があって言ったとも思えません。
      ■         ■
 医師の立場から医師を弁護させていただくと、
 現在の保険医療制度では、
 時間をかけて外来で説明すればするほど、
 病院の赤字が増えます。
 次に待っていらっしゃる患者さんからは苦情が出ます。
 多忙な医師の代わりに、
 困っている患者さんに捕捉説明をしてくれる、
 看護師さんはいません。
      ■         ■
 一人で一日に何十人も外来を診るのは、
 正直なところ辛いものです。
 朝、8:30から診療をはじめて、
 お昼ごはんが15:00なんてこともあります。
 外来で待っていらっしゃる方がたくさんになると、
 必然的にスピードアップを迫られます。
 予約制をとっていて、
 予約時間を2時間以上過ぎても、
 順番が回ってこないこともあります。
      ■         ■
 医師免許がなくてもできるような、
 次回受診日の予約とか、
 手術日の調整など…
 すべて一人の医師がしなくてはなりません。
 電子カルテが導入されると…
 患者さんの方ではなく、
 パソコンの画面に向かって、
 慣れないキーボードと奮闘する先生もいます。
      ■         ■
 こんな混雑した外来で、
 お一人おひとりに丁寧に説明するのは、
 とても大変なことなのです。
 でも、
 一番の問題点は医師側の認識です。
 「お坊ちゃま成功者」
 「お嬢ちゃま成功者」
 として医学部へ入学された学生さんがいます。
      ■         ■
 センター試験で高得点を取った学生さんの、
 国語の能力は…
 マークシートでは良くても…
 実際の医療現場では役に立ちません。
 『おはようございます』
 も言えない医師がいます。
 医学部に入学後に、
 医学英語という科目はありましたが、
 正しい、
 美しい、
 医療用日本語会話なんて科目はありません。
      ■         ■
 私自身を含めて、
 医学部教育に携わる医師で、
 美しい日本語を指導できる教官がいません。
 私は札幌美容形成外科を開業してから、
 美しい敬語を身につける本
 ㈶NHK放送研修センター、日本語センター
 河路 勝 著
 中経出版
 ISBN 4-8061-2163-0
 を購入して日本語勉強しました
      ■         ■
 この本は、
 トヨタ自動車がレクサス販売店を立ち上げた時に、
 従業員の方が参考にしていらした本です。
 テレビでトヨペット店から
 レクサス店へ移動した女性スタッフが
 この本を片手に特訓を受けていました。
 それを東京のレクサス販売店に伺って、
 本を購入しました。
      ■         ■
 医師だけではなく、
 今年、社会人となられた新人さんにもおすすめです。
 名医になるのは難しいですが、
 患者さんにしっかり丁寧に説明できる医師を育てるには、
 日本語の教育が必要です。
 そのためには、
 受験にはない日本語の使い方が必要です。
 もちろん、一番大切なのはその医師の人間性です。

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昔の記憶

お母様からのコメント

 4月1日の日記で引用させていただいた、
 北海道新聞の『いずみ』の、
 平松奈緒美様からコメントをいただきました。
 コメント:
 こんばんは。
 札幌医大について色んなサイトを見ていましたら、偶然こちらに辿り着きました。
 ヒットしたタイトルの最後に「四浪」と書かれていたのを見つけ、もしかしたらこの先生も四浪だったのかしら…と思い、早速開いてみましたら、自分が投稿した記事が目に入り驚きました…。四浪は先生ではなく、自分の息子でした…失礼致しました。
 自分の知らないところで、お医者様からこんな有難いお祝いのお言葉を頂いていたなんて感激致しました。メールでやり取りしていた息子にすぐに知らせました。本人もすぐに拝見させて頂き、同様に驚き、そして感激していました。本当にありがとうございます。
 息子は生後7ヶ月で小児喘息の宣告を受けました。小学校高学年までは何度も何度も入退院を繰り返しました。最後の入院は一昨年の10月…医学部を目指して勉強している最中でした。
 発作がおきて時間外に病院に駆け込み、先生の顔を見た時の「やっと楽になれる」と言う安心感が忘れられないと話しておりました。
 まだ漠然としているのでしょうが、小児科医を目指したいと言うのも、そんな経験からなのだと思います。
 息子はこの4年間で、勉強以外のとても大切な事をたくさん学びました。私達親は普通の公務員とスーパーのパートです。してやれる事は限られていましたが、その中で最大限の努力をしてくれたと思っています。私達は医師になって欲しかったのではなく、努力の結果は報われる…人生に無駄はないんだと言う結果と感動を味わってほしいと思い続けていました。それが、息子の願っていた結果に繋がった…と言う事だと思っています。
 長々と失礼いたしました。私も今違う感動を味わっています。本当にありがとうございました。
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 お母様からのコメントは、
 2009年4月18日午前2時32分に着信していました。
 夜遅くまでスーパーで働き、
 深夜にネットで私の日記をご覧いただいたのでしょうか?
 コメントをいただきありがとうございました。
 あらためておめでとうございます
 ご子息は新入生オリエンテーションが終わり、
 講義がはじまった頃でしょうか?
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 今頃の時期は、
 各クラブからの勧誘が盛んで、
 新歓(しんかん)と呼ばれる、
 新入生歓迎のコンパが行われている…?
 のだろうと推測します。
 平松様のご子息だけではなく、
 今年、入学した多くの学生さんが
 新生活をはじめられています。
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 平松様が書かれていたように、
 努力の結果は報われる…
 人生に無駄はないんだと言う結果と感動を
 味わってほしいと思い続けていました。
 私も、まったくその通りだと思います。
 私が尊敬する、
 予備校時代にお世話になった、
 矢野雋輔先生は、
 受験生は厳しいけれど…
 夢がある人生で最もロマンチックな時期だと、
 18歳の私に教えてくださいました。
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 医師になっても…
 仕事はきついし…
 自分の技量に限界を感じることもあるし…
 最善の努力をしたつもりでも、
 最悪の結果となり、
 裁判所で被告席に座らされる医師もいます。
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 私の人生も平坦ではありません。
 かつては同僚に裏切られ
 実の娘にも信頼の絆を切られました。
 ビルの改築問題などで…
 夜も眠れないことがあります。
 でも、こうして嬉しいお便りをいただくと、
 元気を出して働こうという気持ちになれます。
 平松様ありがとうございました。
 ご多幸を祈念しております。

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