医学講座
第85回日本形成外科学会北海道地方会②
昨日の札幌は雪でした。
今年の積雪は例年の1.5倍だそうです。
大雪の中を…
北海道内からたくさんの先生が参加しました。
地方会は会場が一つしかない小さな学会です。
大きな学会にはない魅力があります。
最近の形成外科学会は、
5つも6つも会場があります。
全部の会場は回れません。
地方会ではすべての発表が聞けます。
■ ■
キズを治すプロの形成外科医でも…
きれいに治すのが難しい疾患があります。
巨大色素性母斑という…
生まれつきの病気があります。
黒い大きなアザです。
身体の半分くらいが真っ黒…
…という赤ちゃんもいらっしゃいます。
■ ■
手術をしても…
レーザー治療でも…
治療が難しい病気です。
医学が進歩したんだから…
アザくらい簡単に消せないの…?
…と思われる方も多いと思います。
巨大色素性母斑だけは…
治療がとても難しいのです。
■ ■
昨日の地方会で…
北大形成外科の山尾健先生が、
巨大色素性母斑に対するパルス色素レーザーの効果とその組織学的検討
…を発表されました。
形成外科の先生が読まれると…
パルス色素レーザーは赤あざ用レーザーじゃない?
…と疑問に思われる方も多いと思います。
■ ■
発表の写真を見て驚きました。
私が今まで見た巨大色素性母斑のどの治療よりもよくなっていました。
真っ黒だった皮膚が…
ほぼ白くなっていました。
私が質問をして…
疑問が解けました。
この発表はすごいと思いました。
■ ■
私が知らなかっただけで、
この治療法はすでに英文論文として発表されていました。
Effectiveness of combined pulsed dye and Q-switched ruby laser treatment for large to giant congenital melanocytic naevi.
Funayama E, Sasaki S, Furukawa H, Hayashi T, Yamao T, Takahashi K, Yamamoto Y, Oyama A.
Br. J. Dermatol. 2012 Nov;167(5):1085-91.
治療法の発案者は、
こちらの院長日記でご紹介した、
KKR札幌医療センター斗南病院形成外科科長、
佐々木了(ささきさとる)先生です。
■ ■
佐々木先生が北大形成外科に在職中、
レーザー機器は…
パルス色素レーザーしかなかったそうです。
巨大色素性母斑の患者さんを何とか治療してあげたい…
…という思いではじめられたそうです。
佐々木先生の発言によると、
巨大色素性母斑には、
真っ黒になっている母斑細胞の他に…
休止期で色がついてない母斑細胞存在します。
この色がついていない母斑細胞を治療することにより、
黒い細胞だけ治療するレーザー機器より効果が出たそうです。
巨大色素性母斑で悩んでいる方は、
北海道のKKR札幌医療センター斗南病院形成外科、
佐々木了(ささきさとる)先生をおすすめします。
信頼できる先生です。
医学講座
第85回日本形成外科学会北海道地方会①
平成25年2月16日(土)13:30~16:50まで、
札幌医科大学記念ホールで、
第84回日本形成外科学会北海道地方会が開催されました。
今日の札幌は朝は雪でした。
お昼近くになってから晴れました。
北海道各地から形成外科医が集まる会なので、
天候が気になります。
■ ■
地方会は…
若い先生が学会デビューをする会です。
私も一番最初に発表は…
地方会だったと記憶しています。
上の先生に指導していただきました。
昔はスライドを使った発表でした。
■ ■
私はやっていませんが…
何人かの先生は…
発表スライドを忘れて来る…
…という大失敗をしていました。
とても緊張して…
発表原稿ばかり気にして…
大切なスライドを忘れた先生がいました。
■ ■
今は学会直前までノートパソコンで修正ができます。
USBでデーターを持ち込むとか…
Macの先生は直接Macを接続しています。
形成外科にも…
かなりMac派の先生がいらっしゃいます。
Macで発表する先生には…
こだわり派の先生もいらっしゃいます。
■ ■
私は…
もう地方会で発表することはありません。
聴きに行くだけです。
この歳になっても…
じじいになっても勉強になります。
開業医とは直接関係のないこともありますが、
若い先生の発表をお聞きすると刺激になります。
休診でご迷惑をおかけてして申し訳ございません。
明日の日曜日は診療いたします。
院長の休日
雪まつりのあと…
うちの奥さんは関西から来ました。
30年以上前です。
北海道は好きだけど…
1月の雪が降って一日中暗い日は嫌。
雪まつりが済んで…
2月後半になると…
日差しが明るくなる
…とよく言っていました。
■ ■
生まれ育った関西より…
北海道が長くなった奥さんですが…
自分の母親としゃべる時は…
関西弁になります。
私は北海道生まれの北海道育ちです。
雪が降って暗い一日も…
子どもの頃からこんなものと思ってきました。
■ ■
今はマンション住まいなので除雪とは無縁ですが…
学生の頃、除雪は私の仕事でした。
試験勉強をしていても…
雪かきは体操代わりにしていました。
雪が降って暗い日は…
何度、雪かきをしてもすぐに積もりました。
■ ■
2月は試験の季節です。
大学受験の他に…
国家試験もあります。
今年は
第107回医師国家試験
平成25年2月9日(土)10日(日)11日(月)
第102回看護師国家試験
平成25年2月17日(日)
第48回理学療法士・作業療法士国家試験
平成25年2月24日(日)平成25年2月25日(月)
体調に気をつけてがんばってください。
院長の休日
いい歯医者さんのご紹介
今日は休診日だったので…
北ビル歯科で…
歯のお手入れをしていただきました。
一日3回以上歯磨きをしています。
口臭にも気をつけています。
美容整形の‘先生’が…
臭かったら…
‘失格’だと思っています。
北ビル歯科の先生と衛生士さんから…
私の院長日記を読んで来院してくださった方がいらしたと伺いました。
お役に立てて嬉しいです。
■ ■
私は反対咬合でした。
子どもの頃に矯正治療を受けました。
途中で止めてしまったため、
咬み合せは治りましたが、
歯ならびはガタガタのままです。
ガタガタの部分に、
歯石(しせき)や
歯垢(しこう)がたまります。
気をつけていても、
取れない部分があります。
これを3ヵ月毎に歯科医院で、
キレイにしていただいています。
■ ■
今、通院しているのは、
札幌駅北口で、
亜麻が咲いている近くのビルです。
四谷学院という予備校の裏の…
パストラルビルN8というビルの2階です。
ここの歯科衛生士さんは、
とてもお上手です。
痛みはほぼゼロです。
保険適応で約3千円でした。
■ ■
札幌美容形成外科の近くでしたら、
二期会歯科クリニックをご紹介しています。
北大歯学部二期生の先生たちが創立されました。
口腔外科も矯正科も専門医の先生がいらっしゃいます。
自分の家族もお世話になりました。
信頼できる歯科総合診療所です。
■ ■
私はヒアルロン酸注射を希望されて受診した女性でも…
歯が原因で法令線が目立っている方には、
ヒアルロン酸は一時的なものですが…
歯を治していただくと一生ものです。
まず、歯を治してください。
…と二期会歯科クリニックをご紹介しています。
若い方から年配の方まで…
PMTC(プロによる歯磨き)をおすすめします。
とても口の中がすっきりとして…
歯がつるつるになります。
医学講座
博士(医学)と医師としての腕
札医志望の学生さんから…
医学博士についてのご質問をいただきました。
質問の要旨は…
医学博士を取るのが遅いor持っていないと
大学病院では何か不利な事などはあるのでしょうか…?
大学病院での序列は、
助教→講師→准教授→教授と上がります。
大学にもよりますが…
講師以上になるには…
博士(医学)の学位が必要です。
■ ■
今はどうかわかりませんが、
私が研修医だった頃の北大には…
医学博士でない講師の先生も…
たくさんいらっしゃいました。
私より10年上くらいの先生たち…
もう定年退官なさった先生もいらっしゃいますが…
大学紛争で大学院をボイコットしていました。
■ ■
博士号を持っていない先生がたくさんいました。
医師としての腕と…
医学博士の学位は…
まったく関係ありません。
人間的にも…
医師として尊敬できる先生でも…
医学博士を持っていない医師はたくさんいらっしゃいます。
■ ■
私が博士(医学)の学位を取得したのは、
頭が悪くて、
北大医学部へ入学できなかったので、
せめて博士号は
北大からいただきたいと思ったのです。
大学院へ進む道もありましたが、
当時は私のように研究生となって働きながら勉強して、
博士号を取得する人もいました。
■ ■
私が博士(医学)の学位をいただいたのは…
論文博士と呼ばれる制度でした。
大学院へ進学しなくても…
働きながら研究をして…
論文を書いて審査していただき…
合格すると学位記がいただけました。
働きながら学ぶ定時制高校のようです。
■ ■
現在の北大形成外科では、
大部分の先生が大学院へ進学されています。
卒後10年以上経過して…
地方病院の主任医長まで経験してから…
大学院生となっていらっしゃる立派な先生もいます。
大学院では基礎研究をするので、
医師としの腕を磨くというより…
研究者になります。
■ ■
誤解しないでいただきたいのは…
大学院へ進学したら…
自動的に博士(医学)の学位がいただけるとか…
博士号を持っている人は…
臨床医としの腕がいいとか…
そんな大きな誤解です。
医学博士の学位と…
外科医としての腕はまったく別です。
外科医は板前のようなものです。
良い師匠について一生懸命修行を積んだ先生が…
腕の良い外科医になれます。
昔の記憶
家柄とか気にしません
結婚の条件
…という2008年8月10日の院長日記に書きました。
家内は、私とはじめて会った時に、
聞いたそうです。
『マージャンがお好きですか?』と。
私はマージャンはしません。
同級生には、麻雀が好きで
雀荘(じゃんそう)に
よく行っていた人もいました。
私は、
マージャンが好きかどうか?
家内に聞かれた記憶がまったくありません。
もし、マージャン好きだったら、
一発で×だったそうです。
■ ■
私は知らないところで、
テストされていました。
マージャンには合格したようですが、
お互いに知らないところはたくさんあります。
私は、
どこまで許容できるか?
が一番のポイントだと思います。
お互いの価値観を
よく確認して、
慎重に決めてください。
返品・交換はできません。
ノークレーム・ノーリターンです。
■ ■
2013年2月4日の
弁護士の高橋智(さとる)先生の日記に…
次のことが書かれていました。
合理的と言えば、
お香典袋に中身の金額を書いて、
領収書をもらうというのも北海道ならではですね。
そういえば、
戸籍を取り寄せるのに手間がかからないようにと、
住民票を移すのと一緒に戸籍も移していくのが北海道です。
これは本州ではあり得ないことのようです。
■ ■
私はお香典の領収書をいただきます。
結婚した時に住民票といっしょに…
本籍も移しました。
本州では…
本籍は移さないのが常識と…
かなり後になってから親戚に教えられました。
家内の実家では…
本籍は島根県から移していません。
■ ■
うちの奥さんは、
麻雀をしない男性が…
♡結婚の条件♡だったそうです。
さいわいにも…
私はこの試験に合格しました。
私は自分の目にコンプレックスがあったので…
目が美しい女性にあこがれていたようです。
■ ■
本州で結婚をする時には…
家柄とか出身地を気にすると聞いたことがあります。
本籍を移さないのも…
自分の家柄を知られたくないから…
本籍を移した
…と勘ぐられないという理由があるそうです。
■ ■
北海道はもともと…
明治時代に…
本州からの移民でできた土地です。
私の先祖も…
何かあって…
北海道に移り住んだのかもしれません。
北海道の人は家柄とかは気にしません。
■ ■
もう少し言うと…
北海道の人は…
美容整形にも寛容だと思います。
私自身は…
目が小さいとくよくよ生きている人より…
医学の力を借りてでも…
♡明るくいきいき♡
♡元気な女性♡が好きです。
自分の力ではどうにもできないことは…
他人の力を借りてでも何とかして…
自分でできることを精一杯する人が美しいです。
昔の記憶
本間紀一の誕生日
今日(2月11日)は、
私の祖父、
本間紀一(ほんまきいいち)の誕生日です。
明治21年2月11日生まれ。
1888年生まれなので、
生きていれば125歳です。
■ ■
今から43年前の…
昭和45年(1970年)1月28日に…
81歳で亡くなりました。
私は夕張市の鹿島中学校3年生でした。
高校受験を控えていたので、
私と弟は葬儀には参列しませんでした。
■ ■
昔の紀元節に生まれたので、
紀元節の紀をとって…
紀一という名前になったそうです。
祖父のことはあまりよく知りません。
郵便局勤務で樺太に住んでいて…
そこで私の父(本間寛ゆたか)が生まれたそうです。
戦後は札幌で国鉄に勤めていたとも聞きました。
■ ■
本間家の先祖
本間家のルーツ
…という日記に書きました。
本間家の先祖は佐渡島の出身だそうです。
私が覚えている祖父の本間紀一は、
クリスチャンだったということ。
お葬式は札幌豊平教会でしたこと。
北大の宮部金吾先生のお墓の清掃を…
ボランティアでしていたこと…
どうしてお墓の掃除をしていたのか?
孫の私にはわかりません。
医療問題
医療とキャンペーン価格
‘整形’低価格のワナ
…という2008年8月5日の院長日記に書きました。
美容外科の二重まぶたは、
安売りのティッシュとは違います。
ティッシュは特売でも中味は同じですが、
低価格の整形にはワナがあります。
丁寧に二重の幅を決めて、
丁寧に手術をすると、
どんなに慣れた先生でも、
ある程度の時間がかかります。
9,800円では絶対に採算が取れません。
美容外科を選ぶ時には、
くれぐれも注意なさってください。
■ ■
美容形成外科を経営するのに…
一番お金がかかるのは人件費です。
優秀な先生を雇って…
丁寧な手術をしてもらうには…
お金がかかります。
札幌美容形成外科には私一人しか医師はいません。
アルバイトの先生もいません。
いい先生を雇うのは大変だからです。
■ ■
従業員の人件費も同じです。
優秀な人を雇うには…
それ相当のお金がかかります。
残念なことですが…
美容医療にはキャンペーン価格があります。
私から見て…
採算度外視の赤字価格があります。
■ ■
札幌美容形成外科でも開院直後には…
キャンペーン価格がありました。
でも…
その後はありません。
今後も無いと思います。
良質な医療とキャンペーン価格はなじまないからです。
人間は不思議なものです。
一度、安い価格を目にすると…
それ以上の価格では購買意欲が低下します。
■ ■
私は困っている人の役に立つのが…
医療者としての仕事だと思います。
美容整形なんて医療じゃないとか、
わきがなんて病気じゃないとか、
眼瞼下垂なんて病気じゃないという人もいます。
確かにおっしゃることもわかります。
でもキャンペーン価格で適当な手術をされるより、
保険診療でしっかり治すほうが、
国民の福祉の向上に役立つと私は信じています。
医療とキャンペーン価格はなじみません。
医療問題
乳房除去手術受け死亡
平成25年2月8日、朝日新聞夕刊の記事です。
乳房除去手術受け死亡、性同一性障害の個人診療所
性同一性障害(GID)の人を治療する東京・歌舞伎町の個人診療所で昨年5月、乳房を取り除く手術を受けた女性(21)が死亡していたことが、捜査関係者などへの取材でわかった。新宿区保健所は7月に立ち入り検査し「衛生管理に問題がある」と改善を指導。警視庁は業務上過失致死の疑いがあるとみて、執刀した院長(36)などに事情を聴いている。
執刀の院長聴取
診療所はGID治療を専門とし、相場の半額以下の低料金で手術を行っていた。乳房の除去手術や、体を心の性と一致させる性別適合手術は保険が適用されず高額なため、国内に数万人いるとも言われるGIDの人たちの間では、こうした零細な医療機関も一定の受け皿となっている。
捜査関係者や女性の知人らによると、女性は心と体の性が一致しないことに悩み、診療所に1年半ほど通いホルモン療法を受けていた。昨年5月30日、乳房を除去する手術中に意識不明になり、搬送された別の病院で同日死亡が確認された。
手術は院長が1人で担当し、看護師はいなかった。医療資格のない院長の父親が「助手」として加わっていた。司法解剖で死因は「不詳」とされた。
院長は2004年に中国地方の国立大医学部を卒業し医師免許を取得。2009年に開業後、GIDの人に対し主にホルモン注射による治療を行っていた。乳房の除去手術を始めたのは昨年5月で、亡くなった女性への手術は2例目だった。警視庁は、麻酔薬の過剰投与などによって容体が急変した可能性がないかや、その後の処置に問題がなかったかなどを中心に調べている。
院長は昨年8月、診療所の従業員に暴行を加えたとして警視庁に逮捕され、今年1月、暴力行為等処罰法違反の罪で懲役1年(執行猶予3年)の有罪判決を受けた。昨年10月、保健所に診療所の廃止届が提出されている。
院長「全力尽くした」
院長は昨年11月、勾留中の警察施設で朝日新聞記者の面会に応じた。主な一問一答は次の通り。
-手術費がかなり安かった。
「無駄な費用をそぎ落としたからだ」
-死亡時の状況は。
「手術を終え10分後に容体が急変した。すぐに酸素を注入し心臓マッサージをしたが救急隊が搬送に手間取った。私は医師として全力を尽くした。亡くなったのは搬送先の落ち度だ」
-手術は何人で。
「私1人。1人で十分だ」
亡くなった女性
「安さに不安、でも本当の体を」
院長は「キャンペーン」と銘打って25万円という低料金で乳房の除去手術を行っていた。
厚生労働省によると、2011年の統計でGIDの人は国内に約4千人。これは医療機関で診断を受けた人のみの数字で、GID学会会長の石原理・埼玉医大教授は「実際は数万人いるだろう」と言う。
日本精神神経学会は1997年、カウンセリングによる精神療法と、体を変えるホルモン療法や乳房の除去手術を施したのち、必要な人に性別適合手術を施すというガイドラインを定めた。国内では現在、ガイドラインに沿って埼玉医大や岡山大などで手術が行われている。
精神療法から手術まで通常2年程度を要するが、診療所での治療がガイドラインにのっとっていたかは不透明だ。石原教授によると、手術を急ぎたいと希望する人は多い。「手術を受けることを人生の目標にしている人もいる」。料金の安いタイなどで手術を受ける人が多いという。
国内では大学病院など以外でも手術は行われている。都内のある男性医師は乳房の除去手術を約50万円でしているという。石原教授は「25万円は『バーゲン価格』と言ってもいい」と話す。
院長は来院者らに、自身もGIDで、男性から女性に性転換したと説明していた。「この人なら自分たちのことをわかってくれると思った」。診療所でカウンセリングを受けたことのある女性(28)は言う。
亡くなった女性の友人(22)によると、女性は手術前、「安さは不安。でも、本当の体が手に入ったら美容師になる夢に向けて頑張りたい」と話していたという。
(今村優莉、宮山大樹)
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
残念な事故です。
河北新報のサイトには、
湊川クリニックと名前が掲載されていました。
現在は廃院されているそうです。
■ ■
司法解剖の結果、
死因は「不詳」なので…
手術との関連はわかりません。
一般的なことですが…
女性→男性への乳房切除は…
簡単な手術ではありません。
■ ■
手術を安全に行うためには…
術者の技量や経験が重要です。
設備も必要です。
過去に札幌市内であった死亡事故では…
術者が患者さんの異常に気づいていませんでした。
気づいた時には心肺停止状態でした。
■ ■
乳房切除手術では…
的確に止血をして…
乳房の上の皮膚と脂肪…
乳腺組織…
乳腺の下にある筋膜を…
丁寧にはがす操作が必要です。
■ ■
手術中にはモニターで患者さんの状態をチェックします。
止血には電気メスを使います。
どちらの機器も最低100万円はする高価な医療機器です。
手術を安全に行うには…
医師の技量も大切ですが…
設備も必要です。
■ ■
性同一性障害で悩む人は多いのに…
公立病院などではなかなか対応してくれません。
私は、
精神神経科もあるような大きな病院で、
もっと安全に手術が受けられるようになると良いと思います。
お気の毒な死を増やしたくないです。
心からご冥福をお祈りいたします。
医学講座
皮膚縫合
昨日の院長日記、
真皮縫合に…
さくらんぼさんからコメントをいただきました。
真皮縫合でテープで貼る事はないのでしょうか?
脊髄脊椎の手術を3回しましたが
髄膜はどうやって縫ったのでしょうか?
脊髄腫瘍は抜糸がありましたが
頚椎も昨年の変性測わん症もテープでした。
■ ■
真皮縫合に対して…
皮膚表面の縫合は…
表皮縫合とはいいません。
皮膚縫合がふつうです。
私たちは…
『上は○○で縫う…』というような言い方をします。
■ ■
皮膚表面の表皮を縫う時は…
糸は真皮までかかるためなのか?
昔は真皮縫合なんてしないで…
皮膚を縫合したので…
皮膚縫合(ひふほうごう)というのか…
その辺の理由はよくわかりません。
■ ■
荷物の紐(ひも)を結ぶ時…
ほどけないように結ぶには…
何度もきつくガッチリ結びます。
初心者の先生が間違いやすいのは…
皮膚も何度も…
細かく…
ガッチリ縫うと…
ほどけないという誤りです。
■ ■
皮膚表面を…
細かく…
きつく…
がっちり…
縫合すると治りません。
キズあとがばっちり残ります。
■ ■
理由は…
皮膚は紐で結ぶのとは違って…
自分の組織同士がくっつかなければ…
治らないからです。
細かくきつく縫うと…
皮膚血流が障害されます。
循環障害になって…
組織がくっつかないのです。
■ ■
さくらんぼさんのように…
整形外科や外科の先生も…
最近は真皮縫合を上手にしてくれるようになりました。
真皮縫合でしっかりくっつけてあるので…
皮膚表面はテープだけでも大丈夫なのです。
形成外科以外でも…
キズをきれいに縫合してくれる先生が増えています。
うれしいことです。