医学講座

中学生のわきが手術

 毎年、春になると…
 次のようなご相談をいただきます。
 4月から中学生なる娘が、
 わきがで悩んでいます。
 いじめられたりするかと心配です。
 中学生活を楽しむにも、
 どうにかしてあげたいと考えています。
      ■         ■
 親としては…
 中学校に入る前に、
 なんとかしてあげたいと思います。
 お母さん自身が、
 昔…悩んでいたというケースもあります。
 中学生には制服があり、
 からだも成長します。
 臭いが強くならないうちに…
 手術してしまおうというお気持ちもわかります。
      ■         ■
 わきが手術と年齢①という、
 2009年4月30日の院長日記があります。
 マンガでわかる美容形成Chapter“38” に
 ワキガと手術の年齢
 というページもあります。
 はっきり申し上げて、
 中学生は、
 まだわきが手術には早いです。
      ■         ■
 よほど成長が早い方は別として…
 中学生はアポクリン腺が未発達です。
 ワキガ手術は、
 外科的にアポクリン腺を取り除く手術です。
 アポクリン腺が未発達な状態で手術をしても、
 その後にアポクリン腺ができる可能性があります。
 そうすると…
 せっかく手術をしたのに…
 また臭いがすることがあります。
      ■         ■
 また、思春期は、
 人生の中で一番成長する時期です。
 一年間に数センチも身長が伸びます。
 残念なことですが、
 この時期に手術をしても、
 キズが目立ちます。
 肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)という、
 赤いケロイドのようなキズになることがあります。
      ■         ■
 中学生の間は、
 こまめに下着を取り換えるとか、
 市販の制汗剤を使うとか、
 手術以外の方法を考えるべきです。
 わきが手術は簡単ではありません。
 再手術も難しいです。
 一度、手術を受けてからは、
 再手術をしてもなかなか改善しません。
      ■         ■
 中学校に入る前に…
 何とかしたいというお気持ちは、
 とてもよく理解できますが、
 一生に一度の手術ですから、
 よくお考えになってください。

中学生
中学生
腋毛はだいぶ生え揃うが、親に比べると薄く範囲も狭い。
アポクリン腺の発達
アポクリン腺も未発達

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昔の記憶

助け合いの心

 今回の東日本大震災で、
 死者行方不明者が2万人を超えています。
 地震→津波→原発事故と、
 今も不安な状態が続いています。
 何とお見舞いを申し上げたらよいか…
 肉親を亡くされて、
 家も財産も無くなってしまい、
 避難所生活をされている方に、
 かける言葉も見つかりません。
      ■         ■
 私は、
 美容形成外科医になる前に、
 病院勤務の形成外科医として、
 約25年間働きました。
 北大形成外科では熱傷治療をしていました。
 自宅の火災で、
 肉親を亡くされ、
 家も財産も無くなり、
 ご自身も大やけどで、
 何度も手術をした方を治療しました。
      ■         ■
 重傷のやけどの患者さん。
 自分のことよりも…
 ○○は大丈夫か?
 今、どんな状態?
 と家族のことを気にされます。
 とても、
 火災でお亡くなりになりました
 …とは言えません。
      ■         ■
 ご自身の治療が進んで、
 ある程度理解できるようになって、
 葬儀も済んでしまってから、
 お伝えしたこともありました。
 伝えた親族も、
 私たちもつらいものでした。
 救急医療の現場には、
 精神神経科のサポートが必要です。
 専門の先生に何度もお世話になりました。
      ■         ■
 そんなつらい患者さんを支えたのは、
 毎日、病院へいらしたご家族であり、
 周囲の人のあたたかい心でした。
 医師や看護師だけではなく、
 病棟の看護助手さんや、
 病室のお掃除をしてくださる方からも
 あたかかい心をいただきました。
      ■         ■
 私は、
 日本人には、
 あたたかい
 助け合いの心
 …があると思います。
 日本の医療保険制度が成功したのも、
 根底にある、
 助け合いの精神
 だと思います。
      ■         ■
 今はつらい毎日ですが、
 必ず復興できる日が来ます。
 それを信じて、
 正確な情報をしっかり得て、
 正しい判断で生きることです。
 悲観していても、
 キズは治りません。
 傷ついた日本の国土を、
 治すのは日本人の英知と努力です。
 最後まで諦めないことです。

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アンパンマンの歌

 今朝(平成23年3月26日)の朝日新聞朝刊に、
 アンパンマンの歌が、
 被災地の方を、
 元気づけているという記事がありました。
 さっそく、ネットで検索して、
 YouTubeで聴いてみました。
 いい曲です。
 歌詞もいいです。
      ■         ■
 【作詞】やなせたかし
 【作曲】三木たかし

 そうだ うれしいんだ
 生きる よろこび
 たとえ 胸の傷がいたんでも

 なんのために 生まれて
 なにをして 生きるのか
 こたえられない なんて
 そんなのは いやだ!

 今を生きる ことで
 熱い こころ 燃える
 だから 君は いくんだ
 ほほえんで

 そうだ うれしいんだ
 生きる よろこび
 たとえ 胸の傷がいたんでも
 ああ アンパンマン
 やさしい 君は
 いけ! みんなの夢 まもるため

 なにが君の しあわせ
 なにをして よろこぶ
 わからないまま おわる
 そんなのは いやだ!

 忘れないで 夢を
 こぼさないで 涙
 だから 君は とぶんだ
 どこまでも

 そうだ おそれないで
 みんなのために
 愛と 勇気だけが ともだちさ
 ああ アンパンマン
 やさしい 君は
 いけ! みんなの夢 まもるため

 時は はやく すぎる
 光る 星は 消える
 だから 君は いくんだ
 ほほえんで

 そうだ うれしいんだ
 生きる よろこび
 たとえ どんな敵が あいてでも
 ああ アンパンマン
 やさしい 君は
 いけ! みんなの夢 まもるため
      ■         ■
 私の友人知人にも、
 ご両親が津波で行方不明になっている方がいます。
 何と言葉をかけたらよいかわかりません。
 でも今の時代に大切なことは、
 元気な人や
 元気な地域の人が、
 今まで以上に働いて、
 困っている人たちを助けることです。
 がんばって仕事をします。

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やっぱり必要な女性の力

 まみ子師長さん
 函館の元看護師さん
 ご声援ありがとうございました。
 やっぱり女性の力は偉大です。
 さくらんぼさん元気を出しましょう。
 確かに不安はありますが、
 日本沈没ではありません。
      ■         ■
 被災地から逃げて来て、
 北海道にいらしてください。
 広大な土地もありますし、
 緑も…
 水もあります。
 放射線の影響も少ないです。
      ■         ■
 北海道は、
 明治時代に、
 本州からの開拓団が開墾した土地です。
 私の先祖も、
 東北の出身のようです。
 へこたれていても、
 元気は出ません。
      ■         ■
 昔、形成外科医になって数年目の頃、
 手術結果が思わしくなくて、
 落ち込んでいたことがありました。
 そんな時に、
 私に声をかけてくださったのが、
 函館中央病院形成外科病棟の、
 藤井順子婦長さんでした。
      ■         ■
 先生…
 元気を出して…
 もう一度手術をしてください。
 患者さんだって…
 それを望んでいらっしゃいます。
 …と声をかけてくださいました。
 全層植皮術という、
 皮膚移植手術がうまくいかなかった時です。
      ■         ■
 私の元気がなかった時に、
 クリニックで心配してくれたのも、
 優しい女性職員でした。
 光希くんのお母さんにも、
 元気づけていただきました。
 女性の力は偉大です。
 考えてみると、
 何度も助けてもらいました。
      ■         ■
 世の中には…
 神様の存在を疑いたくなるほど、
 残酷な現実があります。
 一人ではダメでも…
 お互いに声をかけ合って、
 元気を出して、
 助け合うことです。
 確かに放射能はこわいですが、
 どうにかしなくては生きられません。
 人類の英知を集めて、
 なんとかしましょう。

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困りました…

 困難を乗り越える自信はあります。
 どんなことにも…
 へこたれずに…
 粘り強く…
 耐える自信もあります。
 自分は…
 もう56歳なので…
 たとえ犠牲になっても…
 悔いはありません。
      ■         ■
 私だけでしたら…
 東京の水も心配しませんし、
 福島や茨城の野菜も食べます。
 お腹が弱いので…
 もともと牛乳は…
 そのままでは飲めません。
 福島の牛乳でも…
 あたためて飲みます。
      ■         ■
 放射性物質は目に見えません。
 風評被害も怖いです。
 せっかく作った作物や牛乳を、
 廃棄しなければならない人を思うと…
 かける言葉もありません。
 運命とはいえ…
 あまりに残酷です。
      ■         ■
 ひとつだけ言えることは、
 私は日本が好きです。
 どんな外国より日本が好きです。
 正確な情報を得て、
 赤ちゃんや子供を守りたいです。
 早く放射性物質の恐怖から逃れたいです。
 事態が好転することを祈っています。 

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士気を高める女性の力

 東京都の石原慎太郎知事が、
 東京消防庁の隊員が長時間連続の放水を強制され
 『実施しなければ処分する』
 と言われた
 菅首相に抗議していました。
 石原知事が言われるように…
 隊員は命がけで取り組んでいます。
 『処分』などと言ってはいけません。
      ■         ■
 今も危険な、
 福島原発で、
 懸命に作業をしてくださっているみなさん。
 被災地で、
 遺体の収容作業や、
 検死活動をしてくださっているみなさん。
 ほんとうにご苦労様です。
 女性の方も大勢がんばっていらっしゃいますが、
 一番、危険なところにいるのは、
 男性です。
      ■         ■
 東京消防庁に限らず、
 業務命令だから、
 処分が怖いから、
 危険な任務に就いているのではありません。
 がやらなければ、
 日本が危ない
 日本を助けなければ
 という高い使命感が、
 隊員や作業する人の士気を高めます。
      ■         ■
 内閣総理大臣から任命されたから、
 国民栄誉賞が欲しいから、
 危険な任務を、
 命をかけてできるのではありません。
 日本の救世主になってくださいという、
 奥さんからのメールが士気を高めます。
 恋人や彼女からの、
 がんばってというメッセージが、
 の士気を高めます。
      ■         ■
 私だけかも知れませんが…
 男なんて単純なものです。
 男を励ます、
 女性の力がなければ、
 命がけの作業はできません。
 奥さんや彼女がいない隊員もいます。
 危険な作業から帰って来たら、
 飲みに出かけて、
 女性から、
 お疲れさまでした
 慰労していただいてください。
      ■         ■
 私たち日本人にできることは、
 力を合わせてピンチを乗り切ることです。
 詐欺と泥棒以外は、
 どんな職種の人も
 できるだけ仕事を続けることです。
 これから日本を再建するには、
 士気を高めてくれる女性の力が必要です。
 夜の街で働く女性にも、
 大切な役割があります。

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医学講座

残された人への支援

 東日本大震災の死者・不明が
 2万人を超えています。
 遺体安置所へ足を運んで、
 親族を確認する映像が放送されています。
 一瞬の天災で、
 親族を失い、
 茫然としている人に、
 遺体の確認はつらいものです。
      ■         ■
 不謹慎な言い方ですが、
 ご遺体も傷みます。
 生のお肉を、
 10日間も放置したことを考えてください。
 TVからはわかりませんが、
 遺体安置所は、
 とても臭いがきついと思います。
      ■         ■
 変わり果てた姿といっても、
 あまりに残酷すぎます。
 中には妊婦さんもいらっしゃいます。
 ご遺体を処置したことがある、
 私たちですら…
 思わず目をそらして…
 涙が出ることもあります。
      ■         ■
 任務にあたる、
 警察の鑑識官や、
 自衛隊員、消防の捜索隊の方。
 がれきの下から見つかった遺体は、
 とても見ることができないと思います。
 そのご遺体を、
 親族が確認するのは、
 ほんとうにつらいことです。
      ■         ■
 残された人が、
 回復なさるのは大変です。
 時間がかかります。
 仕事も手につかないと思います。
 がんばろうなんて、禁句です。
 考えただけで涙が出ます。
 残された人への支援は…
 私たちの心のあたたかさです。
      ■         ■
 元気な私たちは、
 今まで以上の働いて、
 元気をなくしている人の分もがんばります
 災害救助で疲れた人が帰っていらしたら、
 あたたかく迎えてあげて、
 ゆっくり休んでいただきます。
 その分…
 私たちががんばります
 日本を救うのは相互扶助(そうごふじょ)
 の精神です。

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医学講座

再建方法

 形成外科は、
 再建外科です。
 交通事故などで…
 原型をとどめないほど…
 ぐちゃぐちゃになってしまった顔を、
 なんとか再建するのが、
 形成外科医です。
      ■         ■
 30年も形成外科をしていると、
 どうしよう…
 …と思ったことも何度かありました。
 車が壊れた時は、
 部品の交換ができます。
 人間の顔が壊れた時は、
 今までの医学では、
 他人の顔をもってくることはできません。
      ■         ■
 瞼(まぶた)の皮膚が失われた時は、
 反対側の瞼の皮膚を移植します。
 そうすると…
 一番きずが目立ちません。
 同じ組織を使って、
 再建するのが一番よい方法です。
 元気な組織を使って、
 壊れた部位を再建します。
      ■         ■
 癌などで…
 組織が大きく欠損してしまった場合は、
 組織を採取しても、
 障害が残りにくい部位から採取します。
 背中やおなかなど、
 組織にゆとりがある部位から採取して、
 その組織を移植します。
      ■         ■
 今回の日本の大災害は、
 想像を絶する規模です。
 ただ幸いなことに、
 東北地方以外の、
 北海道、
 東海、
 関西、
 中国、
 四国、
 九州は元気です。
      ■         ■
 人間の再建方法とは違いますが、
 元気なところに住んでいる人は、
 今まで以上に働いて、
 災害に遭った東北地方の再建に、
 自分たちの力を発揮すべきです。
 どの職種の人も、
 自分たちができることを、
 最大限にやるべきです。
      ■         ■
 活躍してほしくないのは…
 泥棒や詐欺だけです。
 義援金をだましたり、
 泥棒をすると罰(ばち)があたります。
 みんなで力を合わせて、
 壊れた日本を再建しましょう。
 やればできるものです。

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日本の救世主に感謝

 TVで東京消防庁、
 ハイパーレスキュー隊の記者会見を見ました。
 危険な任務を遂行して…
 みごとに放水を命中させてくださった、
 隊員の皆様に感謝します。
 危険な原発で、
 作業をしてくださっている、
 すべての方に感謝します。
      ■         ■
 隊長の奥様がメールなさった、
 日本の救世主という言葉に感動しました。
 若い部下に、
 危険な任務を命じて、
 確実に遂行してくれる。
 任務を命じる隊長の気持ちが、
 実によくわかります。
 この記者会見で、
 多くの国民が勇気づけられました。
      ■         ■
 TVには出ていませんが、
 地震以来、
 原発に残って作業をしてくださっている、
 東京電力の方、
 関連会社の方、
 原発関連の日立、東芝の方、
 自衛隊、警察、消防の方。
 全員が必死で作業してくださっています。
 危険だった温度も下がってきました。
 もう少しです。
      ■         ■
 日本は必ず助かります。
 今回の地震と津波でできた傷は深いです。
 この深い傷から、
 いかに回復するかが勝負です。
 歴史に残る出来事です。
 原発事故からの回復は、
 世界中に役立ちます。
 チェルノブイリの教訓も役立ちます。
      ■         ■
 灯油も電力もなくて、
 寒い避難所暮らしを続けている皆様。
 さぞお疲れのことと思います。
 3月も下旬になりました。
 これから寒い冬に向かうのではなく、
 あたたかい春がやってきます。
 もう少しの辛抱です。
 知恵を出して、
 力を合わせて、
 がんばる時です。
 日本の救世主が助けてくれます。

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日本は必ず復興します

 福島原発で懸命の作業が続いています。
 命がけで作業をしてくださっている、
 すべての方に感謝します。
 あらためて…
 非常時への備えが、
 いかに大切であるか知りました。
      ■         ■
 平和に電気を使えて、
 水道から水が出て、
 水洗トイレが使えることが、
 どんなに贅沢なことか知りました。
 日本の電気の3割は、
 原子力発電所で作られています。
      ■         ■
 原発が良いとか悪いとかは、
 今は論議の対象から外すべきです。
 現実に、
 原発があり、
 そこから電力を得ています。
 事故が起きた時に…
 どう対処するかが問題です。
      ■         ■
 形成外科学は、
 再建外科学です。
 ぐちゃぐちゃになってしまった顔でも…
 癌で切除してしまった部位も…
 何とか再建するのが…
 形成外科です。
      ■         ■
 形成外科が発展したのは、
 戦争があったからです。
 負傷した兵隊さんを…
 懸命に治療して…
 何とか治そうとして
 再建術が進歩しました。
      ■         ■
 今回の災害は、
 想像を超えた規模と被害です。
 原発の事故も想定外です。
 ここが日本人の力の見せどころです。
 日本人には…
 知識も…
 技術も…
 勇気も…
 あります。
      ■         ■
 日本は必ず復興します。
 この復興で得られた知識と技術は、
 世界で役立ちます。
 後世のためになります。
 今はつらい時ですが、
 じっと辛抱しましょう。
 お互いに助け合いましょう。
      ■         ■
 日本人には、
 ノーベル賞の頭脳があり、
 すべての国民が読み書きができ、
 勤勉で、
 隣近所が助け合うという、
 素晴らしい国民性があります。
 日本を復興させるために、
 一致団結してがんばる時です。

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