医学講座
第23回基礎学術集会(松本)③
昨夜、札幌に帰って来ました。
札幌は寒いです。
『開瞼の生理学』を勉強するために、
松本まで行った甲斐がありました。
とても勉強になりました。
松尾清会長の講演は昨日ありました。
■ ■
松尾清先生は、
形成外科医に眼瞼下垂症手術を広めてくださった、
日本形成外科学会の功労者です。
私たちが、
毎日、眼瞼下垂症手術で、
ご飯を食べられるのは、
松尾先生のおかげです。
■ ■
眼瞼下垂症手術は、
やればやるだけ奥が深い手術です
ただまぶたを切って、
腱膜を固定するだけではうまくできません。
もう少し詳しく言うと、
固定するだけでよくなる患者さんが大部分です。
でもどうやっても…
うまくいかない患者さんがいらっしゃいます。
■ ■
松尾先生が、
『開瞼の生理学』を研究するきっかけは、
なぜうまくいかないのか?
なぜうまくいったのか?
…をとことん追求なさったからだと、
講演の最初に説明してくださいました。
■ ■
1時間の講演を聴くために、
3日間休診して行った甲斐がありました。
松尾会長の講演のほかにも、
たくさんのためになる発表がありました。
さっそく今日からの診療に役立てます。
信州大学形成外科のみなさん、
ありがとうございました。
医学講座
第23回基礎学術集会(松本)②
今回の基礎学術集会には、
松尾清会長の強い思いが込められています。
その一つがリンパです。
あまり知られていませんが、
リンパ浮腫という病気があります。
下肢が片方だけ、
ぱんぱんに膨れる病気があります。
放射線治療の後になることもあります。
■ ■
リンパというと、
リンパ節を思い浮かべます。
リンパ管という細い管があります。
肉眼で見てもわかりません。
私も今日まで知らなかったのですが、
リンパ管には、
平滑筋という筋肉があり、
心臓のように収縮するのだそうです。
■ ■
東京大学形成外科の光嶋教授は、
このリンパ管手術の権威です。
スーパーマイクロという、
細かい特殊な技術で、
リンパ管の手術をなさいます。
今までは、
リンパ管吻合の手術をしても、
なかなか良い結果が得られませんでした。
■ ■
大島先生の研究と、
光嶋先生の手術で、
リンパ浮腫の患者さんが、
劇的によくなっていました。
形成外科とリンパは、
関係が薄いように思われますが、
リンパ管移植の技術は、
形成外科のマイクロサージャリーです。
学会が終了して、羽田経由で札幌に帰ります。
モノレールから更新します。
医学講座
第23回基礎学術集会(松本)①
今日の松本は良い天気でした。
松本へ来るまでは、
御嶽山の噴火で、
松本空港が閉鎖になるのでは?
降灰があるのでは?
…とか心配していました。
来てみると松本もアルプスも無事でした。
■ ■
昨日、松本空港に着いた時に、
自衛隊の大型ヘリが御嶽山方向へ飛んで行きました。
自衛隊の松本駐屯地からは、
たくさんの方が救助に参加されています。
地元の信濃毎日新聞には、
頭から灰をかぶった自衛隊員が載っていました。
ほんとうにご苦労様です。
自衛隊員のみなさんに感謝です。
■ ■
松本は学問の街です。
信州大学の優秀な研究者だけではなく、
音楽のスズキ・メソードという教育法が、
松本と関係があると23年前に知りました。
ヴァイオリンの鈴木鎮一先生が、
松本音楽院ではじめられたようです。
街に塾や予備校が目立ちます。
■ ■
今日の学会では、
信州大学医学部の大橋俊夫先生が、
特別講演で『新しいリンパ管学の創生』について教えてくださいました。
その後のシンポジウムでは、
リンパ管学の研究がありました。
詳しい内容は難しすぎて、
私にもよくわかりません。
■ ■
印象に残ったのが、
大橋俊夫先生の電動車椅子でした。
先生は信州大学医学部長を歴任された、
高名な研究者です。
腰を悪くなさって、
車椅子を使っていらっしゃいました。
■ ■
大橋先生が講演の中で、
研究者は自らの手で実験をしなくてはダメ。
車椅子になっても、
ウサギを使った動物実験を、
ご自身の手でなさっていらっしゃる。
研究者の鏡のような先生です。
医学部教授に対する考えと指導も、
札幌医大で私をクビにした医学部長とは、
まったく違っていました。
素晴らしい研究が生まれるためには、
素晴らしい指導者が必要なことがわかりました。
松本まで来た甲斐がありました。


院長の休日
松本へ来ました
今日は、
第23回日本形成外科学会基礎学術集会に参加するため、
松本へ来ました。
23年前、
1991年5月に、
第34回日本形成外科学会で来て以来です。
■ ■
FDA(フジドリームエアラインズ)の飛行機で、
新千歳空港から来ました。
はじめて搭乗しました。
小さな飛行機でした。
一日一便しかないので、
帰りは東京経由で札幌に戻ります。
■ ■
今年の第23回基礎学術集会、
会長の松尾清教授は、
眼瞼下垂症の権威です。
今回は、
会長講演、
『開瞼の生理学』を聴くために、
札幌から信州までやってきました。
■ ■
私の眼瞼下垂症を、
一番先に診断してくださったのが、
松尾先生でした。
先生は覚えていらっしゃらないでしょうが、
平成14年6月に開催された、
大阪の日本熱傷学会の時でした。
立ち話で『先生にも(眼瞼下垂)がありますょ』
…と診断してくださいました。
人生で一番困っていた時期でした。
松尾教授の診断のおかげで、
手術を受けて快適になりました。
『開瞼の生理学』を勉強して帰ります。
■ ■
補足です。
FDAの飛行機は快適でした。
小さな飛行機は揺れて、
狭いというイメージがありました。
FDAのブラジル製の機体は、
天井が高く、
足元が広い快適なシートでした。
もう一つ、
静岡の航空会社なので、
機内の静岡茶(あたたかいお茶)が、
とても美味しかったです。
FDAをおすすめします。


医療問題
日本の医療問題2014
昨日の院長日記北電の社長交代で、
世界一高いボトックスのため、
薬問屋さんへの支払いが昨年は1000万円を超え
私の役員報酬を大幅に下げました。
…とちょっと愚痴を書かせてもらいました。
もう少し書かせてください。
■ ■
保険診療で使うアラガン社のボトックスと、
自由診療で使うアラガン社のボトックスビスタは同一製剤です。
それなのに、
保険診療で使うボトックスの薬価は、
自由診療のボトックス流通価格の2倍以上します。
これは明らかに異常です。
■ ■
少子高齢化で日本の医療財源は大変です。
原発依存度44%だった北電が、
最近の円安もあって、
火力発電所の燃料費が高騰し、
最後に料金値上げという、
最悪の事態になっています。
医療費もこのままだと自滅します。
赤字再建団体になります。
■ ■
30年以上保険医をやってきて思うことです。
日本は許認可にかかわる人が多すぎます
薬や医療機器の許認可を変えて
世界標準の価格にすると…
医療財政は好転します。
もっと議論すべきだと思います。
■ ■
ボトックスも高いですが、
心臓ペースメーカーも高いと言われています。
心臓ペースメーカーの価格は高いのに、
医師の技術料が低いのが日本の特徴です。
メーカー側にも、
いいたいことはあると思います。
これだけ技術が発達した日本なのに、
ペースメーカーは外国製です。
■ ■
世界経済では、
ビッグマック価格が参考にされます。
2014年10月、
世界経済のネタ帳によると、
日本:370円で35位
1位:ノルウェー788円
2位:スイス693円
3位:ベネズエラ692円
20位:アメリカ487円
28位:韓国407円
です。
■ ■
ビッグマックとボトックスを同一には扱えませんが、
世界標準と比べて明らかに高いボトックスや、
同じ製剤なのに、
保険診療で使う薬剤価格が、
異常に高い事態はおかしいと思います。
ボトックスの注射手技料は180円です。
ビッグマックより安いのには、
正直、とほほ、、、です。
厚生労働省の病院でやってほしいです。
院長の休日
北電の社長交代 道民に寄り添う姿勢を
平成26年10月6日、北海道新聞朝刊の記事です。
北電の社長交代 道民に寄り添う姿勢を
経済部 今川勝照
急きょ副社長から昇格した北海道電力の真弓明彦新社長。電気料金の大幅な再値上げに厳しい視線を向ける道内企業や道民の声にどう応じていくか、経営姿勢が問われている。
北海道電力の 電気料金 再値上げに対する国の認可手続きが大詰めに入った2014年9月25日、川合克彦社長が急きょ退任した。真弓明彦新社長は就任会見で、川合氏退任の理由は「持病の治療だ」とし、再値上げや経営悪化に対する引責辞任を否定した。川合氏の健康悪化は疑うべくもないが、こうあっさりと経営責任を否定されると違和感を感じる。再値上げで多大の負担を被る道内企業や道民からは今なお「北電は経営努力が足りない」との反発が渦巻く。北電経営陣にはあらためて影響の大きさをどう認識しているか問いたい。
川合氏自身、記者会見でたびたび経営責任を問われ、再値上げ申請直後の今年7月末には「大きなミスリードはない」と言い切った。確かに北電が再値上げに至った直接の原因は、 東京電力福島第1原発事故 を受けて国の原発規制が強化され、 泊原発 (後志管内泊村)が停止して火力発電所の燃料費負担が増大したことにある。
ただ、その背景には2009年に泊原発3号機の運転を始め、発電量に占める原発比率を全国10電力会社で最高の44%まで高めたことがある。原発依存度が高かった分、停止による反動が大きくなった面は否めない。
消費者団体などは原発に過度に依存して他の電源開発が遅れた、と北電の経営責任を問う。経済産業省の公聴会などでも原発依存の見直しを求める意見が相次いだ。しかし、北電側の回答は「泊が稼働すれば電気料金は安くなる」に行き着く。
北電役員経験者は「原発比率が高い北電は国の原発政策の模範生。国が補助して経営の面倒を見てもいいくらいだ」という。北電は国の政策に従ってきたのだから、責任を取らなければならないようなことは何もしていないとの論理が透ける。
北電など大手電力会社は電力販売を地域で独占し、費用と利益を確実に回収できる国の電気事業制度に安住してきた、と多くの有識者が指摘する。経産省の再値上げ審査でも委員から「電力業界の常識は必ずしも世間の常識ではない」との声が上がった。
再値上げで億単位の負担増を強いられる道内有力企業のトップは「北電の経営を守るために北海道が被る損失は甚大だ。これでいいのか」と憤る。北電経営陣に再値上げは当然で、道内経済や道民生活への影響は「人ごと」との意識はないか。合理化策を小出しにし、役員報酬一つとっても、率先して身を切るつもりがあるのか疑わざるを得ない。
北電は歴代の道経連会長を輩出してきた道内トップ企業として地域経済を守る使命を担ってきたはずだ。経営陣はいま一度、そうした社会的責任をかみしめ、道内企業や道民に寄り添う姿勢を示してほしい。
(以上、北海道新聞より引用)
■ ■
2014年11月から、
北海道電力の電気料金が上がります。
原発依存度44%の北電が、
原発を止めて2年半です。
毎月2億円の赤字らしいです。
円安もあって、
火力発電所の燃料を買うのも大変です。
■ ■
電気料金値上げは最後の手段。
原発を動かせば値下げできますと言っているようです。
北電従業員の冬のボーナス。
今年はゼロと報道されています。
北海道で、
北電に就職は、
優秀な人たちです。
■ ■
私が納得できないのは、
社長の役員報酬です。
私の記憶が正しければ、
減額前が年収約4200万円。
減額後で年収約2000万円です。
はっきり言って、
経営責任を感じられません。
■ ■
医療法人札幌美容形成外科も、
国の政策で、
世界一高いボトックスを購入しています。
ほくやくさんという、
薬問屋さんへの支払いが、
昨年は1000万円を超えました。
今年はもっと払うことになります。
■ ■
私の役員報酬を大幅に下げました。
半分以下です。
あまり下げたので、
社会保険事務局に標準報酬月額変更届けを出したら、
議事録の提出を求められました。
社会保険の規定らしいです。
■ ■
会社が赤字になったら、
まず真っ先に減らすべきなのが、
役員報酬です。
社長は1000万円以上もらっているのに、
従業員の冬のボーナスがゼロでは、
正直言ってやってられません。
社長の役員報酬は、
半分以下にすべきです。
それじゃないと道民は納得しません。
今日も札幌は寒いです。
院長の休日
もう一枚着たら
今日は2014年10月5日です。
札幌は気温が下がってきました。
朝起きた時、
室温は20℃程度です。
寒がりの私は、
寒い寒いを連発。
暖房を入れたいなぁ~
…と思いながら、
奥さんの目を恐れて入れられません。
■ ■
関西生まれの奥さんと、
私の体感温度が違います。
職場でも、
体感温度が違う人と同じ部屋だと、
いろいろ大変なことが多いです。
私は暑がりで、
寒がりです。
苦労しています。
■ ■
病院というところは、
患者さんが裸になったり、
薄い術衣一枚で、
手術や検査を受けるところです。
基本的に、
薄い術衣一枚で、
寒くないように温度調節をします。
■ ■
私が医師になったのが1980年です。
当時、北海道の病院には、
病室に暖房はあっても、
冷房はありませんでした。
手術後の回復室など、
限られた部屋にだけ、
エアコンがついていました。
■ ■
一番空調が完備されていたのが、
病院の手術室でした。
暑すぎず、
寒くなく、
快適な温度を保っていました。
私が手術室が好きになったのは、
この快適な温度のためもあります。
■ ■
今年は大変な年です。
電気料金値上げと
リッター100円以上する灯油
…のために、
家では寒くてもがまんの生活です。
奥さんには、
(寒いんだったら)
もう一枚着たら?
…と言われます。
もう一枚着ても寒いので、
今年はもう2枚着ることにします。
医学講座
女の子が生まれたら
男の子が生まれたら
立派な息子に育てる方法
…という院長日記があります。
昔、泌尿器科の先生から教えていただいた、
秘策です
ぜひ若いお母さんに覚えていただきたいです。
将来ご子息から感謝されます。
■ ■
あかちゃんのちんちんは…
おむつを替えるたびに…
少しずつ引っ張って…
皮を剥いてあげる
そうすると…立派になる
皮膚が薄い赤ちゃんのうちに、
包皮を亀頭からすこしずつはがしてあげるのです。
■ ■
はじめての赤ちゃんはわからないことだらけです。
今は紙おむつです。
いろいろな紙おむつが市販されています。
日本製の紙おむつが優秀なので、
外国でも大人気です。
一部の商品は品薄らしいです。
■ ■
どんなに高性能の紙おむつでも、
必ずかぶれや赤味がでます。
どんな処置をしたらいいのか?
どんな軟膏を塗ったらいいのか?
小児科でいいのか?
皮膚科へ行くべきなのか?
新米ママにはわからないことだらけです。
■ ■
私は、
ちょっと重症のおむつかぶれは、
皮膚科専門医を受診することをおすすめします。
皮膚科医は、
皮膚や軟膏の専門家です。
医院に在庫している、
軟膏の種類も多いです。
ベテラン看護師さんがいる医院もあります。
■ ■
女の子で気をつけていただきたいのが、
外陰部の重度の皮膚炎です。
悪化したまま放置されると、
小陰唇がくっつくことがあります。
軽度でしたら、
簡単にはがれます。
軟膏を塗って、
くっつかないようにするべきです。
■ ■
ネットで見てもあまり書かれていないのが、
クリトリス周囲のことです。
小陰唇縮小手術2014
という2014年1月16日の院長日記に書きました。
大人の女の人でも、
陰核包茎(クリトリス包茎)はふつうです。
ただ男性の真性包茎と同じように、
包皮と陰核亀頭が癒着していて、
中に直径0.5㎜程度の小さな白い粒が、
たくさんできている人がいます。
女性にも男性にもいます。
角化物という垢のようなものです。
■ ■
女の子でも、
将来のために、
陰核包皮の部分を、
ちょっとだけ見てあげてください。
もし炎症を起こしたりすると、
癒着してしまうことがあります。
早く見つけるとすぐに治ります。
■ ■
男の子と同じように、
おむつを替えるたびに…
少しだけ引っ張って…
ちょっと皮を剥いてあげて
垢がたまらないようにしてください。
女性器の手術をたくさんしていると、
包皮と陰核亀頭が癒着して、
つぶつぶがたまっている人が、
意外とたくさんいらっしゃいます。
医学講座
赤ちゃんの肌に保湿
平成26年10月2日、
朝日新聞の記事です。
保湿、アレルギー防ぐ効果?
皮膚の防御機能守る 国立成育医療研究センター発表
生まれた直後から皮膚の保湿を続けることで、アトピー性皮膚炎だけでなく、食物アレルギーなどのアレルギー疾患の発症を抑えられる可能性があると、国立成育医療研究センターが1日発表した。皮膚の防御機能が守られ、アレルギー疾患につながる原因物質が体内に入るのを防ぐためとみている。
同センターで生まれ、アトピー性皮膚炎になった家族がいる118人の赤ちゃんを、1日1回以上全身に保湿剤を塗る子と、ほとんど保湿剤を塗らない子に、くじ引きで半分に分け、生後約1週から32週まで経過をみた。この結果、アトピー性皮膚炎になったのは、保湿剤を塗った子が19人、塗らなかった子が28人で、塗った子はアトピー性皮膚炎の発症リスクが32%低かったという。また、アトピー性の湿疹がある子とない子を比べると、湿疹がある子の方が卵アレルギーを発症している割合が高かった。
アトピー性皮膚炎は、皮膚の乾燥などによって防御機能が壊れ、アレルギーの原因物質が体内に入りやすくなって起きるという説が有力だ。アトピーを入り口に、食物アレルギーやぜんそく、花粉症に移っていくと考えられており、保湿でアトピーを防ぐことで、その後のアレルギー疾患の発症も抑えられるのではないかとしている。
センターの大矢幸弘アレルギー科医長は「今後、より大規模な研究を長期的に行い、アレルギー疾患を完全に予防できる治療法につなげたい」と話す。(岡崎明子)
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
北海道新聞など他紙でも取り上げています。
私は正しい治療だと思います。
形成外科医から見ると、
赤ちゃんの皮膚はとても薄いです。
同じ程度の傷なら、
思春期より、
赤ちゃんの時がずっと目立たないです。
■ ■
赤ちゃんの肌はとてもすべすべしています。
すべての女性のあこがれの肌です。
でも、
中にはがさがさ肌の赤ちゃんがいます。
ちょっと軟膏を塗ってあげると、
とてもよく治ります。
軟膏の選択が大切です。
■ ■
注意していただきたいのが、
ステロイド軟膏です。
大人の軟膏を、
そのまま赤ちゃんに使うと、
強すぎます
赤ちゃん用のステロイド軟膏があります。
■ ■
赤ちゃんの肌はとても薄いので、
すぐに傷つきます。
爪がのびてくると、
ちょっと爪があたっただけで傷になります。
保湿してあげると、
皮膚がかゆくなくなります。
かゆくなくなると、
傷つくことも減ります。
■ ■
私は市販のワセリンだけもいいと思います。
医療機関で処方するなら、
ヒルドイドローションもいい選択だと思います。
ステロイド軟膏は、
おむつかぶれなど、
炎症が強い時だけ使います。
私が使う時には、
赤ちゃん用のステロイド軟膏、
キンダベート軟膏です。
それをワセリンで薄めて使います。
それでちゃんと効きます。
赤ちゃんの肌トラブルは、
皮膚科専門医を受診してください。
まちがっても、
なんちゃって美容皮膚科には行かないでください。

(以上、朝日新聞より引用)
医学講座
困難な時代に原点に立ち返る
私は不遇な青春時代でした。
いじめられたこともあります。
中学一年生の時には、
警察に相談に行ってみようかとも思いました。
中学校でいじめられている女子もいました。
私も他の人と同じように、
その子を避けていました。
申し訳ないことをしました。
■ ■
中学校時代の私のあだ名は、
イカリヤ長介でした。
私の下くちびるが少し出ていて、
当時はやっていたドリフターズの長さんこと
イカリヤ長介さんの下口唇と同じだという理由です。
中学校時代の学級写真を見ると、
下くちびるをかんでいます。
気にしていました。
■ ■
美容整形という言葉が、
田舎の中学生にも認識されはじめた時代でした。
私は、
札幌の美容整形に行けば、
出た下くちびるを手術で治してもらえる?
…と考えたこともありました。
後に形成外科や美容外科を志す、
原点になったのかもしれません。
■ ■
私は形成外科が好きです。
自分には何の責任もないのに、
生まれつき(他の人と)、
ちょっとだけ見かけが違う人がいます。
そんなの気にしなくてもいいじゃん、
…という人がいても、
本人が気にしていて、
手術で治してあげると改善できる人には、
できるだけ力になってあげようと思っています。
■ ■
美容整形の開業医も増えました。
チェーン店も増えました。
倒産するところもあります。
価格破壊もあります。
はっきり言って、
競争が厳しくなりました。
経営が楽ではないことは事実です。
■ ■
最近残念に思うことです。
昔、
表示価格以上には請求しません
追加料金もありません
価格が安くて、
それなりの治療をしていた、
美容外科チェーン店がありました。
■ ■
ここ2年くらいでしょうか?
無料クーポンが来たので
○○美容外科に行ったら、
100万円も取られそうになった。
二重埋没法の手術で行ったのに、
脂肪を取って、
眼瞼下垂症手術をして、
50万円も取られたのに、
片目だけ開かなくなった。
■ ■
こんな患者さんが、
一人や二人ではないのです。
私がメール相談を受けたり、
実際に患者さんを診たりするのは、
ほんの一部の方だけです。
いくら競争が激しくて、
売上目標が達成できなくても、
幸せをつくる美容外科で、
患者さんを不幸にするのはだめです。
原点に立ち返って、
困難な時代を乗り越えるべきです。