医学講座

良いものを安く2014

 良いものを安く
 …という2007年7月21日の院長日記があります。
 私が札幌美容形成外科を開業する時に考えたことです。
 2005年から北海学園大学で、
 ニトリ寄附講座を聴講させていただき
 その思いを強くしました。
      ■         ■
 私が開業する時に、
 できるだけ多くの人に安心して手術を受けていただきたいと考えました。
 美容整形というと、
 いかにも高くて高級そうで手が出ないと思いがちです。
 東京では、安売り店と高級店に二分化され、
 倒産する美容外科も多いと聞いています。
 数年前に韓国へ行った時も、
 廃業したり身売りする美容外科が多いと聞きました。
      ■         ■
 私はもともと形成外科医だったので、
 総合病院の形成外科で長らく診療を担当しました。
 夏休み前になると、
 ワキガ手術をしていますか?というお問い合わせをたくさんいただきました。
 総合病院の形成外科では、
 だいたい一週間の入院治療が標準でした。
 朝8:30から外来診療をはじめても、
 終わるのは早くて午後1:00、
 遅いと午後3:00まで外来です。
 それでも、2時間待ちの3分診療なんてよく言われました。
 そんな混雑している外来で、
 わきが手術なんて到底できませんでした
      ■         ■
 私がワキガ
 眼瞼下垂
 陥没乳頭は保険診療と看板に書いているのは、
 それだけ需要が多いからです。
 美容整形というと、
 二重や脂肪吸引が多いと思いがちですが、
 隠れたベストセラーがワキガです。
 患者様は、
 30分でできるワキガ手術という広告を信じて受診します。
 早い、簡単、通院不要という言葉を入れるとお客様が増えます。
 実際はそんな手術でワキガは治りません
 わきが手術は大変です
      ■         ■
 私ができることは、
 現在の保険制度を使って最大限にキレイに仕上げる手術です。
 保険でも保険外でも使う糸は一緒です。
 手術をする医師も同じです。
 現在の医療保険制度がいつまで続くかはわかりませんが、
 高い保険料を苦労して払っているのです、
 それを利用しようではありませんか!

      ■         ■
 北海道は不景気です。
 アベノミクス効果も感じられません。
 不景気の北海道で成功するビジネスモデルは、
 全国どこに行っても通用するという鉄則があるそうです。
 札幌美容形成外科が全国展開する予定はありませんが、
 私が開業してから変わったことがあります。
      ■         ■
 保険診療で眼瞼下垂症手術をしたり、
 わきが手術をする形成外科開業医が増えました。
 残念なことですが、
 いい加減な手術もあります。
 保険診療だからといって安心はできません。
 先生の考えも技術も違います。
 卒後3年目の先生がしても、
 経験35年の私がしても同じ料金です。
 良いものを見つける目が必要です。
 良い先生を見つける目も必要です

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医学講座

わき汗ボトックスへの企業努力

 札幌美容形成外科は、
 平成25年度決算が赤字になりました
 ボトックスの購入代金が高く、
 薬問屋さんへの支払いが増えたからです。
 薬価が下がって、
 患者さんの負担は減りましたが
 注射手技料は180円のままです。
      ■         ■
 私が一人30分くらいかけて、
 両脇に注射して、
 技術料が180円です
 180円というのは…
 看護師さんが外来で…
 『ちょっとちくっとしますょ…』
 『はい、終わり』
 …という簡単な皮下注射の料金です。
 医師が…
 30分もかかってするわきボトックスが…
 180円では完全に赤字です。
      ■         ■
 注射料の他に…
 初診料なども請求できますが…
 それでも赤字です。
 どう考えても国が決めることは変です(怒!)
 怒っていても赤字は減らないので、
 さまざまな企業努力をしています。
 医療の質は低下させないで、
 少しでも赤字にならないように、
 企業努力を重ねています。
      ■         ■
 そのひとつが注射針です
 私はけちな男ですが
 使うものにはこだわりがあります。
 通常の皮下注射に使う27G(にじゅうななげーじ)という針だと、
 ワキ汗ボトックスには太すぎます。
 自由診療で8万円で注射していた時と同じ針を使っています。
      ■         ■
 脇汗注射に使う針は、
 日本国内で売られている針ではありません。
 極細の輸入品です。
 札幌美容形成外科ではドイツ製の針を使っています。
 業者さんを通して買うと高価です。
 針一本が180円以上になります。
 最低でも2本使っています。
     ■         ■
 ドイツ製の針を海外から直接購入しています。
 注射針は薬事法で医療機器に分類されます。
 輸入には、 
 医薬監証明という許可が必要です
 厚生労働省、関東信越厚生局に書類を送って、、、
 許可をもらわないと通関できません。
 私はこの書類を自分で作っています。
 自分でさいたま市まで送っています。
 そうすると輸入消費税を払うだけです。
 円安で輸入は厳しいですが、、、
 安全快適な医療のため、
 企業努力を重ねています。

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医学講座

【値下】わき汗ボトックス【値下】

 4月から消費税が上がって、
 何でも高くなった気がします。
 購買意欲が低下します。
 ひとつだけ朗報があります。
 わき汗ボトックスの料金が下がりました。
 私が身銭を切って下げたのではありません。
 国が決めた薬価のためです。
      ■         ■
 保険診療の料金は、
 原則として日本中どこでも同じです。
 厚生労働省が決める、
 診療報酬(しんりょうほうしゅう)と
 薬価(やっか)で決まります。
 世界一ボトックスが高い国にっぽんですが
 その価格が少し下がりました。
      ■         ■
 健康保険で使える薬は、
 日本の厚生労働省が認可した薬だけです。
 ワキ汗ボトックスの薬は、
 グラクソ・スミスクラインという会社が販売しています。
 ボトックス注射用100単位という商品名です。
 この薬の薬価が92,249円でした。
 4月からは87,536円になりました。
 単純に計算して4,713円安くなりました。
      ■         ■
 3割負担の方の自己負担分は、
 1,414円安くなる計算です。
 実際には初診料の改定もあったため、
 4月に受診なさった方を見ると…
 昨年より1,360円安くなっていました
 値上げ値上げの世の中で、
 1,360円でも安くなるのはありがたいことです。
      ■         ■
 私に言わせると、
 これでもまだ高いです。
 世界一ボトックスが高い国にっぽんは、
 まだまだボトックスの薬価を引き下げられます。
 世界標準の2倍以上します。
 厚生労働省のお役人には、
 もっと勉強して欲しいです。
 健保の赤字を減らす方法は、
 まだまだあります。
 霞ヶ関から外に出て、
 現場のお医者さんの意見を聞くべきです

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医学講座

下眼瞼変形の原因④(注入物)

 下まぶたの変形シリーズ4です。
 どんなに上手な形成外科医でも…
 治療に難儀するのが…
 注入物による変形です。
 注入異物の研究では、
 日本医大形成外科が有名です
      ■         ■
 私が北大形成外科でコラーゲンの担当をした30年前から、
 下まぶたに注入が行われていました。
 もっと昔から…
 さまざまな治療が繰り返されてきました。
 下まぶたのシワは…
 昔から女性の悩みの種です。
      ■         ■
 若い先生はご存知ないでしょうが…
 さまざまな異物が注入された歴史があります。
 オイル状のシリコンや…
 パラフィンなどという…
 絶対に注射してはいけないものを…
 素人が注射したこともあります。
 高須先生が苦労して治療なさった扇風機おばさんも有名です
      ■         ■
 私は…
 下まぶたには…
 ボトックス以外の注射はしていません。
 後遺障害が怖いからです
 慣れない先生が注射をして…
 コラーゲンでも凹凸になった人がいました。
 コラーゲンのいいところは、
 吸収されると戻るところでした。
      ■         ■
 吸収されない注入剤が出て、
 しこりが残って困る人が出てきました。
 アクアミド、
 ダーマライブ、
 いろいろな材料が輸入されていました。
 現在はヒアルロン酸が主流です。
 若い女性がよく涙袋を作っています。
      ■         ■
 ヒアルロン酸は吸収されると言われてきました。
 私は吸収されないと思います。
 コラーゲンとはまったく違った変化をします。
 長く残っています。
 一番問題なのは、
 いろいろなクリニックで、
 いろいろなものを注入された患者さんです。
 ご自身でもいつ何を入れたか覚えていません。
 偽名で受診する人もいます。
      ■         ■
 私が一番危惧するのは、
 フィブラストスプレーの注射です
 さまざまな名前で呼ばれています。
 自分の血小板を注射したつもりが…
 フィブラストスプレーが入っていることもあります。
 劇的な変化が長く続くのが怖いです
 副作用が出ても長く続きます
      ■         ■
 問題なのは…
 ヒアルロン酸注射を受けた人に
 フィブラストスプレー入りの注射をすることです
 患者さん本人が、
 ヒアルロン酸のことを言わなかったり、
 忘れていることもあります。
 残っているヒアルロン酸に、
 フィブラストスプレーが入ると、
 通常よりもずっと長く作用時間が延びることがあります
      ■         ■
 ドラッグデリバリーシステム(DDS)という研究があります。
 ある種の薬剤と、
 ヒアルロン酸を混ぜることにより、
 通常よりも作用時間を延長させる効果です。
 ヒアルロン酸注射を受けた人に
 フィブラストスプレーを注射すると
 しこりになったり腫れが出ることが
 業界の裏話しとして語られています
 どんなに優秀な形成外科医でも、
 神の手の美容外科医でも、
 フィブラストスプレーの副作用を治すのは難しいです。
 くれぐれも注意なさってください。 

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医学講座

下眼瞼変形の原因③(にきびダニ)

 第57回日本形成外科学会のパネルディスカッション、
 二次的下眼瞼形成術で、
 PD3-1 変形に対する下眼瞼形成術
 北里大学北里研究所病院形成・美容外科
 佐藤英明先生
が、
 原因不明の下眼瞼外反の患者さんを調べたら、
 下まつげにニキビダニがいたという症例を報告してくださいました。
 抗生剤の内服で治療されたそうです。
      ■         ■
 ニキビダニというのを、
 恥ずかしながら知りませんでした。
 この院長日記を書くために、
 あらためてにきびだにを調べてみました。
 特別なダニではなく、
 誰にでもいるようです。
 過剰増殖することがあり、
 その時に悪さをするようです。
      ■         ■
 原因はよくわかりませんが、
 下まつ毛が毛のう炎のようになった人を、
 一度診たことがあります。
 ちょっと睡眠不足だと話されていました。
 ひょっとすると…
 睫毛の毛根で…
 にきびダニが増えていたのかも?
 …と発表を聞いていて思い出ししました。
      ■         ■
 原因不明の眼瞼外反は、
 めったに診ることはありません。
 私が診た患者さんは若い女性でした。
 変形するまでにはなっておらず、
 手術をしなくても治りました。
 もし同じような病気で困っていらしたら、
 北里研究所病院形成外科の佐藤先生に相談なさってください。

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医学講座

下眼瞼変形の原因②(美容外科手術の失敗)

 アッカンベーの手術
 …という2007年9月26日の院長日記があります。
 私たち形成外科医はあっかんべー手術のスペシャリストです。
 重症のヤケドで目がアッカンベーになります。
 私はロシアから来た子どもの手術を担当しました。
 ヤケドであっかんべーになるのは、
 皮膚が焼けて、
 皮膚が縮み(ちぢみ)、
 まぶたが引っ張られることによります

      ■         ■
 下まぶたの『たるみ』とり手術で、アッカンベーになることがあります。
 初心者の先生が手術して、
 皮膚を取りすぎたり、脂肪を取る時に止血が不十分だったりすることが原因です。
 かなりベテランの先生が手術しても、ちょっとしたアッカンベーが気になることがあります。
 私が大学病院に勤務していた時に、ある美容外科で手術を受けて、
 その後、軽度のアッカンベーになり、
 不眠症になって精神科から紹介された方がいらっしゃいました。

      ■         ■
 2000年8月のPlastic and Reconstructive Surgery という米国形成外科学会雑誌(106(2):438-53)に、
 The evaluation and management of lower eyelid retraction following cosmetic surgery.という論文が出ています。
 『美容外科手術後の下眼瞼外反(あっかんべー)の評価と治療法』というタイトルです。
 冒頭の文章に、
 Lower eyelid retraction is a common complication after cosmetic surgery of the lower eyelids.
 …と書いてあります。
 下まぶたの美容外科手術であっかんべーはよく起こる合併症です。という意味です。
      ■         ■
 美容外科の宣伝やホームページでは、
 手術は簡単ですぐに治ります
 お化粧すれば翌日からでも仕事ができます
 …なんて平気で書いてあります。
 アッカンベーになるなんて書いたら、、、
 お客さんが来なくなってしまいます。

 手術は飛行機と同じで安全第一です
 慎重すぎて後悔することはありません。
 美容外科手術で失敗したら、
 腕のよい形成外科医にかかってください
 なんちゃって美容外科医には治せません

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医学講座

下眼瞼変形の原因①(脂腺癌)

 昨日の院長日記、
 下まぶたの修正手術2014に、
 なっちゅんさんからコメントをいただきました
 下まぶたの変形はどうしたらなるんですか?
 それとも先天的な病気なのでしょうか?

 先天的な病気は少ないです。
 形成外科で扱う下まぶたの変形で一番多いのが癌です。
      ■         ■
 信じられないかも知れませんが、
 まぶたにも癌ができます。
 私が経験した中で一番多かったのが、
 脂腺癌(しせんがん)というまぶたの癌です。
 まぶたの脂腺にできる癌です。
 上まぶたにも…
 下まぶたにもできることがあります。
      ■         ■
 眼科でものもらいとして治療したけれど…
 治らないので組織検査をしたら癌だった…
 …という患者さんもいらっしゃいました。
 まぶたの癌を切除した後には、
 必ず再建しなくてはなりません。
 形成外科で手術をしています。
 上まぶたに…
 下まぶたから瞼の組織を移植することもあります。
      ■         ■
 高度な知識と手技が必要です。
 重要なのは…
 まぶたにも癌ができるという知識です
 治らない
 変だ
 もう2ヵ月も薬をつけているのに…
 しこりが大きくなってきている

 こんな時は要注意です
 不思議と脂腺癌は痛くありません。
 気をつけてください。

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医学講座

下まぶたの修正手術2014

 3日間の第57回日本形成外科学会、
 学会最終日の最後、平成26年4月11日(金)に、
 二次的下眼瞼形成術という、
 パネルディスカッションがありました。
 変形してしまった下眼瞼(下まぶた)を、
 治す手術です。
      ■         ■
 PD3-1 変形に対する下眼瞼形成術
 北里大学北里研究所病院形成・美容外科
 佐藤英明先生
 PD3-2 二次的下眼瞼外反の治療
 福岡大学医学部形成外科
 大慈弥裕之先生
 PD3-3 下眼瞼変形に対する治療方針
 市立池田市民病院形成外科
 福田健児
 PD3-4 二次的下眼瞼外反症・内反症、兎眼症の治療方針
 神戸大学大学院医学研究科形成外科学
 一瀬晃洋先生
 PD3-5 二次的下眼瞼形成術
 医療法人冨士森形成外科医院
 冨士森良輔先生

 5人の先生が発表してくださいました。
      ■         ■
 さまざまな原因で生じた変形を治すのが、
 形成外科の仕事です。
 5人の先生のご発表の中には、
 他の美容外科で手術を受けた後で、
 不幸にして変形してしまった例がありました。
 どの先生も苦労して手術していました。
 下まぶたの手術は難しいです。
      ■         ■
 ちょっと取りすぎると、
 あっかんべーになります。
 取りすぎた組織(皮膚)を、
 戻すことはできません。
 変だと思った時には遅いです。
 どこで治していただくかも問題です。
 手術を受けた美容外科が倒産してないこともあります。
      ■         ■
 美容外科で失敗された下まぶたの変形、
 治すのにも費用がかかります。
 あっかんべーになっていて、
 流涙や充血などの症状があれば、
 保険で治してくれる施設があります。
 福岡大学医学部形成外科(大慈弥裕之先生)では、
 症例によっては健康保険で治してくれることがあります。
 困っている方は…
 福岡まで行って相談なさってください。

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医学講座

第57回日本形成外科学会【長崎】⑤

 長崎の日本形成外科学会で勉強になったのは、
 やはり眼瞼下垂症です。
 やればやるほど難しい手術だと思います。
 学会2日目の平成26年4月10日(木)に、
 信州大学医学部形成再建外科学講座
 松尾清教授の教育セミナーがありました。
      ■         ■
 眼瞼下垂症治療のピットフォール
 ~機能的眼瞼形成外科のすすめ~
です。
 松尾先生といえば…
 NHKのためしてガッテンで、
 眼瞼下垂症を広く世の中に広めてくださった
 形成外科学会の功労者です。
      ■         ■
 今回の学会でも…
 たくさんのことを教えてくださいました。
 昨年の第56回日本形成外科学会でも教えていただいた、
 縄文人と弥生人です
 手術をしていると瞼の中に…
 白い線維性のひものような組織がある人がいます。
 これが平べったい目の原因です。
      ■         ■
 教育セミナーの司会をしていただいた、
 日本医科大学形成外科の百束比古教授が、
 松尾先生が、
 眼瞼下垂の研究を進められたきっかけは何ですか?
 …と講演の最後にご質問されました。
 松尾清先生の回答は、
 従来の筋膜前転などの手術をしても…
 目が開かない患者さんがいたからです
 …とお答えになりました。
      ■         ■
 私も開業して10年になります。
 ふつうの手術で治る方が大部分です。
 ただ…
 ふつうに手術をしても、
 改良した手術をしても、
 再手術をしても、
 なかなかよくならない患者さんがいらっしゃるのも事実です。
      ■         ■
 眼瞼下垂症は、
 単に腱膜固定をすればいいとか…
 皮膚切除をすればいいとか…
 そんなに簡単な手術ではありません。
 その人の目をよく観察して、
 左右差もよく見て、
 慎重に手術をすることが大切です。
 私の勉強はこれからも続きます。

縄文人

弥生人

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医学講座

第57回日本形成外科学会【長崎】④

 早朝の飛行機で東京から帰って来ました。
 早起きは苦手ではないですが、
 6:25発の便に搭乗するため…
 4:30起きでした。
 さくらんぼさんは毎日早起き、
 尊敬いたします。
 航空会社の方、
 空港で働く方も早起き。
 ありがたいことです。
      ■         ■
 冨士森先生に学会ではお聞きできないことを、
 一時間のバスの中でお聞きしました
 私がお聞きしたかったこと?
 先生の健康法は何ですか?
 どうしたら…
 長く形成外科を続けられるのですか?
      ■         ■
 冨士森先生のお話しです。
 特別な健康法はありません。
 長く仕事を続けるから、
 元気なんじゃないですか?
 なるほど…
 たくさんの患者さんが先生を頼って来院されます
 今回も発表してくださった、
 義眼床形成という難しい手術は
 他の先生にはできません
      ■         ■
 日本形成外科学会には、
 たくさんの優秀な先生がいらっしゃいます。
 ただ残念なことに、
 理事長経験者ですら…
 冨士森先生のように毎年学会に出席され、
 80歳を超えて発表なさる先生はいません
      ■         ■
 冨士森先生が学会で見せてくださる
 一人の患者さんが赤ちゃんの時から、
 20歳を超えて成長されるまでの経過など、
 どんなに大学病院の先生ががんばっても無理です。
 一人の形成外科医が、
 何人もの人生を助けています
      ■         ■
 冨士森先生は、
 形成外科医の社会的地位向上も考えていらっしゃいます。
 若い先生が糸でひっぱったり…
 レーザーを当てて…
 (お金儲けだけを考えて)
 雇われて(美容外科で)働いている。
 まじめな形成外科医が、
 (他の美容外科で失敗したのを)
 安いお金で治してあげているのは不合理
 もっと考えなくてはいけない。
      ■         ■
 冨士森先生のように…
 何でもはっきりおっしゃる先生が、
 他にはなかなかいらっしゃいません。
 京都駅前で、
 長い間ご開業され、
 たくさんの形成外科医を育てられた先生、
 これからも私たちにたくさんのことを教えてください。
 冨士森先生とお話しができて、
 60歳の還暦を前に、
 引退時期を考えていた私は
 83歳で現役の先生から元気をいただきました。
 冨士森先生ありがとうございました。

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