医学講座
縫合の数はキレイと一致しません
よく、
何針縫いました?
…と聞かれることがありました。
傷の大きさを表現する単位として…
10針縫いました
…ということがあります。
正確な表現ではありません
■ ■
最近お問い合わせがあった質問です。
二重切開の修正を考えています
顕微鏡で何針も縫うと…
きれいに治りますか?
答えは
NOいいえです。
縫合の数と傷がきれいに治ることは、
必ずしも一致しません。
■ ■
よく形成外科に入りたての医師がやる間違いです。
先生、ばっちりです。
細かく…
がっちり縫いましたから…
大丈夫です。
自信あります。
■ ■
新人研修医が縫った傷を見ると…
あぁ~あ
なんてこった…
こんな縫い方じゃ…
傷ががっつり残るょ…
とほほ…
…ということがあります。
■ ■
私たち形成外科医は傷を丁寧に縫います。
縫合の数も多いです。
ですが…
数多く縫えばいいってもんじゃありません。
顕微鏡を使っても同じです。
きつく縫うのがよくありません。
糸の食い込みが…
傷あとになって残ります。
傷の横に小さな点々がついている人や、
はしごのようにきずあとが残っている人が…
このきつく縫いすぎです。
■ ■
傷をキレイになおすには…
もちろん縫い方の技術もありますが、
手術後の安静、
傷のケアー、
お化粧の時期と仕方、
体質などの影響を受けることがあります。
数多く縫ゃ~いいってもんじゃありません。
業務多忙で更新が遅くなりました。
申し訳ございません。
これから帰宅です。
院長の休日
大浦憲子様ご逝去から一ヵ月
大浦憲子様がお亡くなりになって…
早いもので一ヵ月になります。
今年も残すところ10日余りです。
大浦武彦先生にとって…
人生で一番大変だった年だと思います。
大浦憲子様も、
大浦武彦先生もカトリックの信者です。
■ ■
カトリックには月命日はないそうです。
私の義父が亡くなった時には、
浄土宗のお坊さんが自宅にいらしてくださり、
お経をあげてくださっていました。
私は法事の時だけ行きましたが、
仏教の習慣もわからず…
足がしびれたことくらいが記憶に残っています。
■ ■
カトリックでは、
ミサという儀式が教会で行われます。
お聞きしたところによると、
大浦先生は早朝から教会に行かれ、
お祈りをされたそうです。
大浦先生のご親戚は長崎で、
奥様も長崎に納骨されると伺いました。
ありし日をしのび、
心からご冥福をお祈りしています。
77歳とは思えない美しい方でした。
昔の記憶
赤ちゃんが生まれました2013
昨日の院長日記でご紹介した…
大浦憲子様からのお礼状は、
2年前の平成23年11月15日の消印がありました。
まさか2年後にお亡くなりになるとは…
夢にも思っていませんでした。
2年前は何をしていたか…?
院長日記を読んでみました。
■ ■
PCでご覧いただいていいる方は、
院長日記の左側にカレンダーがあります。
そのカレンダーの下に、
過去の日記更新・情報があります。
2011年の11をクリックすると…
2011年11月の院長日記が出てきます。
カレンダーが2011年11月に変わります。
一日も休まず書いているので順番に読めます。
■ ■
形成外科医になってよかった
…という2011年11月14日の院長日記があります。
結婚式にご招待していただいたことが書いてあります。
形成外科医はつらいこともありますが、
この仕事を選んでよかったと思うこともあります。
私の人生で忘れられないよい記憶です。
■ ■
今年、若いお二人に赤ちゃんが生まれました。
たまたまLINEで知りました。
可愛い赤ちゃんです。
私はじいちゃんの心境で…
とても喜んでいます。
子育ては大変ですが…
がんばっていただきたいと思います。
じいちゃん先生も応援しています。
昔の記憶
大浦憲子様からのお礼状
さくらんぼさんにお願いして、
毎年、大浦武彦先生に果物をお送りしていました。
奥様から丁寧なお礼状をいただいていました。
果物が着いた翌日には…
もうお礼状が届いていました。
とても素晴らしいお手紙です。
おそらく…
大浦武彦先生もお礼状をご覧になったことはないと思います。
■ ■
平成23年11月15日の消印があるお手紙です。
暖かな日が続き家の回りの冬支度がらくな年です。
お変わりなくご活躍のご様子うれしく存じます。
平素お世話になり感謝いたしております。
只今は山形の高価なお品御恵送下さりありがとうございました。
果物の女王ラ・フランス 食べ頃楽しみにしております。
昨日より主人九州に行っており、おかげさまで元気に過ごしてます。
ようやくマンションに移る事に、一年先ですのでゆっくり整理します。
寒さに向かい御自愛下さいませ。
お心遣いありがとうございました。
かしこ
■ ■
この文章を入力していると…
奥様の声が聞こえてくるようです。
とても素敵な奥様でした。
11月19日にお亡くなりになって…
今週の木曜日で一ヵ月になります。
心からご冥福をお祈りいたします。
たくさんのことを教えていただき、
ありがとうございました。
大浦憲子様に感謝しております。
昔の記憶
良妻賢母
古い言葉です。
良妻賢母
亡くなられた、
大浦憲子様は、
誰もが口をそろえて…
良妻賢母のお手本のような女性
…と言われます。
■ ■
ある時、大浦先生の奥様から、
矢野雋輔先生のことを伺ったことがありました。
矢野先生が北海道社会貢献賞を受賞された時に、
藤学園の藤の実会がお祝いの会を開催されました。
その会のことです。
■ ■
私はその当時、形成外科専門医を取得し、
釧路労災病院形成外科で働いていました。
北海道新聞でお祝いの会があることを知りましたが…
勤務の都合で出席できませんでした。
手紙とお祝いを…
藤の実会事務局へ送りました。
■ ■
文面は忘れてしまいましたが、
矢野先生、北海道社会貢献賞受賞おめでとうございます。
私は今、道東の釧路労災病院で働いています。
私が医師として働けるようになれたのは、
予備校時代に矢野先生に教えていただいたおかげです。
先生が教えてくださった自然科学の素晴らしさは、
今までに聴いた講義の中で最高です。
ご恩は一生忘れません。
釧路労災病院形成外科医長
本間賢一
■ ■
こんな内容だったと思います。
もう30年以上前のことです。
この私の手紙を、
藤の実会事務局の方が会場で読み上げてくださったそうです。
藤学園の卒業生である、
大浦憲子様は会場にいらして、
私(本間賢一)のことだと気付き…
後日先生のお手紙素晴らしかったです
…と教えてくださいました。
■ ■
大浦憲子様は矢野先生の教え子だったのです。
きっと真面目な女子学生だったに違いありません。
自然科学の素晴らしさも…
栄養学もしっかり学ばれ…
大浦武彦先生を支えられ…
お二人のご子息を立派に育てられました。
とても字がきれいで美しい方でした。
■ ■
うちの奥さんは…
残念ながら…
良妻賢母ではありません。
よく私と喧嘩もしますし、
息子からは『お母さん何やってんの?』
…と言われています。
家内が大浦先生の奥様を、
見習おうとしているのはわかりました。
大浦憲子様からいただいたお礼状は、
お手本として本間家に大切に保存しています。
院長の休日
奥さん大切に【大浦先生のお言葉】
昨夜は、
第27回北大形成外科アカデミーの後で、
北大形成外科忘年会がありました。
大浦武彦名誉教授のごあいさつで、
奥様の憲子様が、
11月19日にご逝去されたとお話しがありました。
■ ■
大浦先生のお言葉が…
とても心に残りました。
8月に一般病棟に移りリハビリがはじまりました。
それまで女房におんぶにだっこで…
(家のことは)何一つしていなかった私は…
市立札幌病院に通い食事の介助をしたり…
いっしょにリハビリをすることで…
とても充実した日々でした。
■ ■
今の若い人は奥さんを大切にして、
仲良しの人が多いと思います。
中高年以降の先生は、
私と同じように…
奥さんを大切にしていない人もいるかと思います。
『奥さんを大切にしてください』
私は毎日反省の日々です。
■ ■
大浦名誉教授に続き…
杉原平樹名誉教授も…
『私も女房孝行らしいことは何一つしていません』
…と懺悔のお言葉を述べられました。
お二人の元北大病院長のお言葉は…
とても真実味がありました。
■ ■
お二人の…
北大形成外科名誉教授のお言葉を…
真摯に受け止め…
不肖、本間賢一も…
奥さんを大切にしようと…
心を新たにした忘年会でした。
奥様粗末に扱ってませんか
…の2009年9月28日の院長日記を読み直しました。
医学講座
第27回北大形成外科アカデミー
今日は北大形成外科アカデミーと忘年会があります。
昨年12月は第25回でした。
吹雪で筑波大学形成外科の関堂教授が…
新千歳空港に着陸できませんでした。
昨年お聴きできなかった関堂教授の教育セミナーが、
今年もプログラムに掲載されています。
■ ■
昨日の新千歳空港は悪天候で欠航し、
JR北海道の快速エアポートも一部運休したようです。
今日は天気もいいので…
関堂教授のお話しを伺えると思います。
石川隆夫先生の…
『クリニック院長としての提言』もあります。
…どちらも楽しみな内容です。
■ ■
北大形成外科の忘年会に出席しても…
私が知っている先生は…
半分もいなくなってしまいました。
自分の子どもより若い先生もいます。
じじいになったものです。
じじいになっても…
好奇心旺盛に勉強したいと思っています。
私は形成外科が好きです。
医学講座
飼い犬に手をかまれる2013
昨日、うちの奥さんが…
そら君に手をかまれました。
嘔吐した食物残渣を…
そら君がまた食べようとしたので…
それを止めさせようとしたところ…
う~ぅ
…と言って右手の人差し指をがぶり。
■ ■
血が出て腫れているので、
晩ご飯の後片付けができません。
私が代わりに食器と鍋を洗いました。
後片付けは苦にならないのですが、
台所をピカピカにしないと気がすまないので…
ちょっと時間がかかりました。
お風呂掃除もしました。
■ ■
犬に咬まれる
…という2008年3月24日の院長日記があります。
釧路労災病院形成外科に勤務していた時に、
藤岡浩賢先生が学会で発表してくれました。
釧路労災病院形成外科を開設してから、
10年近くのカルテを丹念に調べてくれました。
その結果、釧路労災病院形成外科では、
毎年、春と秋に犬に咬まれてケガをし、
受診する人が多いことがわかりました。
■ ■
藤岡先生は詳しく調べてくれましたが、
春と秋に多い原因は不明でした。
当時は、まだ今ほど室内で飼うのは一般的ではなかったと思います。
ただ、犬の発情期と何らかの関係があるようでした。
犬に咬まれたキズで一番困るのが顔のケガです。
私もよくしていますが、
犬に顔を近づけてよしよしをします。
■ ■
顔を近づけた時に、
犬が間違って咬むと大変です。
口唇がちぎれてなくなった人もいます。
鼻の頭が、食いちぎられてしまった人もいます。
若い女性や子供さんは、
絶対に、
犬にペロペロは避けていただきたいです。
私が今までに診た患者さんの中で、
一番重症だったのは、
女性に鼻の頭を食いちぎられた男性でした。
■ ■
犬の口にも…
人の口にも…
バイ菌がいます。
化膿すると大変です。
飼い犬にかまれないように…
どうやってしつけをするかが一番の問題です。
犬は咬むものだと思ってください。
かまれると大変です。
飼い犬は手をかみます。
院長の休日
お寂しゅうなりましたなぁ
平成25年12月12日、朝日新聞朝刊、天声人語です。
苦楽をともにしてきた老妻が死んで、葬式もすんだ。隣家の奥さんが通りかかって「お寂しゅうなりましたなあ」。「一人になると急に日が長(なご)うなりますわい」。つぶやく夫の向こうに瀬戸内の海――。変哲もないシーンながら、映画「東京物語」のラストは何回見ても胸にしみ入る。
▼監督の小津安二郎は「映画ってのは、あと味の勝負だと僕は思ってますよ」と後に語っている。その術に心ふるわせたファンは多かろう。世界的な巨匠の、きょうは誕生日にして命日。生誕から110年、没して50年にあたる。
▼作品の多くは、家族や人のつながりを「無常の相」としてとらえる。古き良きものが崩れていく現実が淡々と示される。作詞家の故・阿久悠さんは小津映画を見ながら、家の間取り図を描いたことがあったそうだ。
▼そこでは家族それぞれが、他の家族を見るともなく目の端に入れながら暮らしている。盆栽をいじる父、料理をする母、本を読む妹、グローブに油を塗る弟――。「絆」という語をあまり叫ばずにすんだ時代かもしれない。
▼いま、「孤」という字が社会にのさばる。むろん家族にも地域にも煩わしさや重荷はある。それを嫌って、つながりを断ち切る方向にアクセルを踏みすぎて来なかったか。功と罪を、古い映画は問うているかのようだ。
▼「おれは豆腐屋だから豆腐しか作らない」と言って作風を変えなかった。今ならどんな映画を撮るだろう。その墓は鎌倉の円覚寺にあって、「無」の一文字が刻まれている。
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
私はこの天声人語を読んで、
大浦武彦先生と、
高木章好先生を思い出しました。
どんなに偉い先生でも、
配偶者の死はつらいです。
大浦憲子様がお亡くなりになって、
来週で1ヵ月になります。
■ ■
映画「東京物語」を見たことはありません。
天声人語に書いてあった…
家族それぞれが、
他の家族を見るともなく
目の端に入れながら暮らしている。
…という文章が気に入りました。
■ ■
今の本間家には、
私と奥さんと犬だけです。
居間でノートPCでメールの返信を書いている私。
犬がちょろちょろと餌をねだってきます。
時には、
メールの返事書いてるから
静かにしてょ!
…と私の怒り声が響きます。
■ ■
疲れて、
居間のソファーで居眠りすることもよくあります。
こんな日常が、
幸せでありがたいことなのだと思います。
奥様を亡くされた大浦先生に、
少しでも元気になっていただきたいと願っています。
院長の休日
美容形成外科開業医の悲哀2013
少し古い院長日記です。
勤務医の5割「職場辞めたい」
2007年2月23日に書きました。
2007年2月20日の朝日新聞朝刊に勤務医の5割が「職場辞めたい」と考えている。
と掲載されていました。
過酷な勤務
人手不足で疲弊する勤務医の実態
…は変わっていないと思います。
医療関係者の間では…
病院という名のブラック企業という言葉もあります。
■ ■
私の院長日記は、
同業の先生にもたくさん読んでいただいています。
勤務医の先生に申し上げます。
♡美容形成外科♡は、
楽でもうかるなんてお考えなら、
絶対に止めるべきです。
楽ではありません。
下手をすると倒産の危機です。
■ ■
美容外科医の悲哀という院長日記を、
2009年4月14日に書いています。
美容外科の先生は、
高給で…
当直がなくて…
優雅な生活は大きな誤解です。
倒産している美容外科はたくさんあります。
ちょっとでも気を抜くと…
あっという間に倒産の危機です。
■ ■
繁盛している帯広の高木皮膚科と違い、
美容外科はクチコミで患者さんは増えません。
札幌美容形成外科に行ったら、
♡健康保険できれいに治してくれる♡
…なんて宣伝はできません。
せいぜい親子でいらしてくださるくらいです。
よほど仲の良いお友だちでも言いません。
■ ■
景気に左右されるのも美容外科です。
すすきのが寒風なら、
札幌の美容外科も寒風です。
経営者には有給休暇もありません。
気力体力が衰えてモチベーションが下がることもあります。
さくらんぼさんから毎日励ましていただき、
この院長日記を続けています。
さくらんぼさんに感謝しています。