医学講座
レーシック手術の前に読んでください2014
レーシック手術2014にコメントをいただきました。
僕たちは、レーシック大好きメガネ眼科医です! !
…というブログを書かれた読者の方です。
とても頭の良い方だと感じました。
書かれている内容も信頼できるものです。
レーシック手術を検討中の方に、
ぜひ読んでいただきたいブログです。
■ ■
レーシックは土曜日にというタイトルのブログでした。
レーシック推進派?
どこかのクリニックのやらせ?
…と一瞬疑ってしまいました。
申し訳ございませんでした。
とても真面目な方です。
♡信用できます♡
私の知らないことも書かれていました。
■ ■
ブログから引用させていただきます。
インターネットにはレーシック情報であふれかえっています。レーシック手術の成功談と失敗談がともに数多く出てきます。
自分も手術に成功するかどうか全く確信をもてません。「うーん、どうしようかなあ」と思ってたら昨日ひらめきました。
レーシック手術がうまくいっていない人の情報を集めて、レーシック手術に失敗する原因をつきとめればいいってことに。
毎週土曜日にレーシック情報を配信することを目標にしたいのでブログのタイトルを「レーシックは土曜日に」にしました。
■ ■
私はレーシック慎重派です。
レーシック手術2014
レーシック詐欺
レーシック手術のトラブル
安心LASIK
患者さんからよく相談を受けることがあるので、
過去の院長日記で何回も取り上げています。
■ ■
レーシックは土曜日にを読んだ感想です。
う~ん。
眼科専門医にも…
悪魔に魂を売って…
ひどいことをしやがる医者がいるもんだ。
レーシック手術を受ける前によ~く考えてください。
担当の先生が眼鏡をかけていらしたら…
先生はなぜレーシックを受けないのですか?
…と質問なさってください。
医学講座
誰に習ったかというのがとても大切です
最近とても印象に残ったお言葉です。
ある形成外科教授が、
形成外科を志す、
若い先生に送ったメッセージです。
私も同感です。
その通りだと思いました。
ご紹介いたします。
■ ■
形成外科の世界は、
誰に習ったかというのがとても大切です。
手技だけでなく、
患者に対する対応や、
患者に対する姿勢、
疾患に対する謙虚さ、
軟部組織に対しておごらなさ。
失敗したときの姿勢、反省、
周囲の医師に対する態度。
医師として責任をいかに取るかという医師としての基本的な態度。
さまざまなものを、良いことも悪いことも含めて見ることが大切です。
■ ■
形成外科は楽で儲かる科ではありません。
手術結果を評価してくれるのは、
患者さん本人です。
手術がうまくいくと、
喜びを共有できるますが、
うまくいかないこともあります。
■ ■
派手な科でもありません。
形成外科と美容外科は違います。
手術点数は他科と比較して低いと思います。
何時間もかけて手術をしても、
苦労が報われないこともあります。
細い一本の血管が詰まっただけで、
遊離皮弁があっという間に壊死になります。
■ ■
私は大浦武彦先生という素晴らしい恩師に恵まれました。
北大形成外科の先輩から、
手取り足取り教えていただきました。
形成外科医になってよかったと思っています。
保険診療でも自由診療でも、
患者さんの評価は厳しいです。
眼瞼下垂症手術も…
ちょっとした左右差でもクレームになります。
■ ■
医師として責任をいかに取るかという
医師としての基本的な態度。
これが欠如している先生も…
残念なことですがいるのが現実です。
このメールを受け取った若い先生が、
立派な形成外科医になることを祈っています。
医学講座
日本美容外科学会HPの自己紹介2014
2013年10月5日の院長日記でご紹介した、
日本美容外科学会HPの自己紹介
その後、修正してくださいという連絡はなく、
お正月に見てみたら…
私が書いた通りに掲載されていました。
■ ■
インターネット委員会の先生、
ありがとうございました。
私が一番入れたかった、
残念なことに札幌医科大学を追い出され、
48歳で職を失いました。
たくさんの人に助けていただき
中央クリニック札幌院院長に就任しました。
…が入っていました。
■ ■
私は札幌医科大学を追い出され、
チェーン店美容外科クリニックの院長になったことを、
恥じていません。
悔いてもいません。
たくさんのことを学ばせていただきました。
雇ってくださった社長様には、
ほんとうに感謝しています。
■ ■
48歳という年齢は、
人生で最もお金が必要な時期でした。
ブランド物を買うのではありません。
教育費がかかりました。
子ども2人を大学に進学させるのは、
ほんとうに大変でした。
そんな時期の失業は絶望でした。
■ ■
この院長日記や、
日本美容外科学会HPは、
同業の先生もたくさん見てくださっています。
自分がどういう人生を歩んだか?
子孫にもよくわかってもらえると思います。
子どもの教育費がかからなくなった今は、
それほど無理に働かなくても食べて行けます。
無理な手術、
危険な手術はすすめません。
偏屈ながんこおやじで結構です。
自分の信じる手術をしていきます。
院長の休日
高齢者に厳しいWindowsXP終了
昨年のお正月は、
実家の母親が病気になり、
皆様にもご心配をおかけしました。
ご迷惑をおかけしました。
今年は元気です。
■ ■
今年は、
道新(北海道新聞)を読んだら…
パソコンが使えなくなる…?
…って書いてあったんだけど
…どうしたらいい?
WindowsXPサポート終了のことです。
■ ■
85歳の母親が使っているのは、
WindowsXPです。
主にネットとメールです。
母親の弟も使っています。
母親の弟が、
パソコンを変えたら…
設定に手間どって…
しばらく使えなかった…
…となげいていたそうです。
■ ■
高齢者にとって、
OutloookExpressというメールソフトを、
WindowsLiveメールにするのは、
かなり大変だと思います。
設定をサポートしてくれるサービスもありますが、
毎日使うので、
返信ボタンの位置が変わるだけでも大変です。
設定を自分でするのはまず不可能です。
■ ■
とりあえず、
サーバーでウイルスをチェックしてもらうサービスに加入し、
安全なサイトしか見ないように言ってきました。
親のパソコン設定は私がしていますが…
高齢者にも優しいネット環境を…
是非、国の政策として実施していただきたいです。
医学講座
2014年仕事はじめ
札幌美容形成外科は今日から仕事はじめです。
年末に手術を受けていただいた方の抜糸、
遠方から来てくださる方の手術があります。
2014年も…
安全
あんしん
きれいに元気!
…を目指した治療をします。
■ ■
昨年も書きました。
このコピーは、
ANAのファンですに書いた、
ANAのAnother skyというビデオの中に出てくる…
ANAの
あんしん、
あったか、
あかるく元気!
…を真似したものです。
■ ■
私は安全を第一に考えます。
私は医療は、
困っている人の役に立つのが原点。
金儲けの道具ではなく、
人を幸せにする…
人の苦痛を取り除く…
そういう業種だと思います。
偏屈ながんこおやじですが、
今年も自分の健康にも気をつけてがんばります。
医学講座
美容外科2014年の予測
札幌美容形成外科は今日までお正月休みです。
明日から2014年の診療を開始します。
私なりに2014年の予測を立ててみました。
厳しい見方ですが…
4月からの消費税UPで…
景気は悪くなると予測しています。
外れるといいですが…
■ ■
アベノミクス効果で、
確かに株価は上がり、
一部の人たちは給与もUPしています。
医療業界を見てみると…
4月に診療報酬改定があります。
消費税UPで仕入原価は上がるのに…
医療機関の収入は増えません。
総医療費を抑制したい国の方針です。
■ ■
経営が厳しくなる医療機関が増えると思います。
病院勤務の先生が開業したり…
楽で儲かりそうな…
♡なんちゃって美容外科医♡
…になろうと考える人が増えると思います。
美容外科ではなく、
♡なんちゃって美容皮膚科医♡
…になる女性医師も増えると思います。
■ ■
レーザーぱしぱしで、
簡単にキレイになって、
簡単にお金儲けができる?
…と考える先生も増えると思います。
世の中そんなに甘くはありません。
ちょっと出力を間違えると…
キレイになるどころか…
Ⅱ度熱傷になってあとが残ります。
■ ■
どうしてくれるんですか!
休業補償をしてください!
すみません、
メーカーのマニュアル通りにしたんですけどぉ~…
私、使ったことがなかったのでぇ~…
申し訳ございません…
…と言っても許してもらえません。
■ ■
私の美容外科2014年の予測は、
安売り美容外科
安売り美容スキンクリニックが増えて、
それの伴うトラブルが増えると懸念します。
ほんとうに良心的な美容外科クリニックを見つけるのが、
難しくなると思います。
■ ■
私の考えです。
美容外科価格破壊の弊害に書いたように…
医療というのは、
金儲けの道具ではなく、
人を幸せにする…
人の苦痛を取り除く…
そういう業種だと思います。
金儲けを考えると、
効率主義や
一人当り単価が
気になるようになります。
こうしていると、
いつか
取り返しがつかない
事故が起こる気がします。
■ ■
交通事故と同じで、
医療にはある確率で事故が起こります。
航空機事故も同じです。
絶対に墜落しない飛行機はありません。
事故が起こらないように、
安全対策にお金も時間もかけます。
安全で快適な空の旅には、
それ相応のお金がかかります。
■ ■
私の懸念が杞憂に終わると良いのですが、
日本の厚生労働省は美容医療に及び腰です。
日本国が認可した美容医療用薬剤はほぼありません。
認可された美容医療用ヒアルロン酸、
認可された美容医療用レーザーはありません。
すべて未承認です。
脱毛用に使っているレーザーですら、
認可したのは脱毛ではなく色素性病変です。
エステのレーザー脱毛は禁止しているのに、
TVで堂々と宣伝しています。
これが日本の現状です。
これだけ美容医療が巷にあふれているのですから、
国としていいものはいい、
悪いものは悪いという指針を作るべきです。
2014年に期待するところです。
医学講座
レーシック手術2014
昨日の院長日記美容外科選びのポイント2014、
ラズベリーさんからのコメントに、
レーシック手術について書かれていました。
平成25年12月4日に消費者庁国民生活センターが発表した資料です。
レーシック手術を安易に受けることは避け、リスクの説明を十分受けましょう!
-希望した視力を得られないだけでなく、重大な危害が発生したケースもあります-
事故情報データバンク1には、レーシック手術2を受けて危害が発生したという情報が80 件寄せられています(平成25年11月8日までの登録分)。発生している症状は、過矯正による遠視が最も多く、それに伴う頭痛や吐き気等の体調不良により日常生活に支障を来しているケースがみられます。また、乱視、光をまぶしく感じる、ドライアイ、目の痛みなどの症状が発生しているケースもあります。
レーシック手術については、ハロー・グレア3や不正乱視4、ドライアイなど、手術後に様々な合併症が起こり得ることが知られていますが、手術による様々なリスクについて医療機関から十分に説明を受けていないおそれのある消費者もみられます。
また、消費者がレーシック手術を受けるきっかけとなった情報の約4割は医療機関がインターネットで発信する情報(医療機関のウェブサイト及びインターネット広告)でしたが、これらの情報の一部には、関係法令に抵触するおそれがあるものもみられました。
レーシック手術を検討する際は、安易に手術を受けることは避け、インターネット等から得られる情報を十分に吟味しましょう。また、手術を受ける際は、リスクについて医療機関から十分な説明を受けて理解した上で、本当に手術が必要かどうか、よく検討する必要があります。
■ ■
私は眼科専門医ではありません。
レーシック手術についてもよく知りません。
ただ、
レーシック手術の広告には、
目に余るものがあります。
簡単にすぐできる、
特別割引価格、
友人紹介割引価格、
美容室でもしないような割引には要注意です。
■ ■
この国民生活センターの発表には、
レーシック推進派の眼科医から批判が出ています。
安売りレーシックと
まっとうなレーシックをいっしょにしないでくれ。
われわれはちゃんとしている。
…というメッセージに聞こえます。
ご意見は理解できます。
■ ■
私にはたくさんの親しい眼科医がいます。
男性眼科医も女性眼科医も、
私の親しい先生たちはみな眼鏡です。
レーシック推進派の先生はいません。
レーシック推進派の有名大学眼科教授も、
HPでは眼鏡をかけていらっしゃいます。
どうしてご自身はレーシックを受けないのか不思議です。
■ ■
過去の院長日記でも何回も取り上げています。
レーシック詐欺
レーシック手術のトラブル
安心LASIK
私はレーシック慎重派です。
友人の眼科医が、
全員レーシック手術をすすめるまでは、
自分の身内にはすすめません。
いろいろな考えがあると思います。
ネットの広告にだまされないでください。
医学講座
美容外科選びのポイント2014
新春から難しいテーマです。
美容外科選びのポイント2013に、
ラズベリーさんからコメントをいただきました。
とても参考になるご意見です。
全文を掲載させていただきます。
■ ■
美容外科医は増えてる(都心部、都市部)のではないかと思います。自由診療なので個人院はワンマンになりやすく、整形難民、レーシック難民(後遺症)が今増えてきているんだと思います。
他科から転科の医師、研修医卒業後の医師がリスキーな手術を行い後遺症が出たというケースだけではないようです。
重鎮だが古いお堅い。また50代、60代の医師による部位による得意、不得意がある。若すぎる医師は避ける。
非侵襲のものと異なる場合は信頼出来る先生が良いと思います。前にも書きましたが、技術だけでなく人柄(人格) も大事になってきます。どうやって見極めるかですが、ネットや本をを活用したほうがいいと思います。どんな分野をやられていているのか?
病院のHPの症例やブログなどを拝見し、方向性や医師の性格を推察し参考にする、その先生の本や医学雑誌を大書店でチェックするのもよいのかもしれないですね。長い事教授やっている(やっていた)先生は一般の患者にとってみると敷居が少し高い印象を受けるかもしれません。近年、若い教授も増えているので一概には言えません。手術などは準教授(助教授)や講師の方が良い場合もあります。総合病院なら治療実績がHPに掲載されている場合があり参照する。形成外科的な技術を必要とするならそこを選ぶ。
一般的にはチェーン店より個人クリニックの方が望ましい。カウンセラーや医師が色々勧めてくる所は要注意。
もしチェーン店なら医師を選ぶようにした方が良い。CMがかなり流れていて経費がかかってる所は避ける。セレブしか相手にしていないと思われる所は避ける。都心超一等地で駅前30秒位の所は賃料が高いためよく考える。全くアフターケアのないところは避ける。
カウセリングは3~5ヵ所に絞る。医師によって考え方が多少異なる場合があり、手術提案も様々な場合がありメモをとるなどし、どれがベストが帰って考えるようにした方が良い。
ただし、事前に手術方法について医療的な事を多少なりと調べて軸を持っとかないとどれがベストか迷う場合がある。
など、一般的な事をまとめてみました。
■ ■
とても参考になるご意見です。
私は治療法を選択する時に、
自分の家族や身内ならできるか?
…を基準としています。
フィブラストスプレー入PRPなど、
劇的な効果を謳う治療法があります。
■ ■
自分の血から作ったPRP。
単品では効果が出ません。
薄い濃度のフィブラストスプレーを混ぜると…
劇的な効果が出ます。
今、PRPで検索してヒットする美容外科で、
満足度98%なんて広告を出しているのは、
このフィブラストスプレー入りです。
■ ■
細胞成長因子添加
プレミアム…
…とうのがフィブラストスプレー入りの可能性があります。
何度も院長日記でご紹介しているように、
フィブラストスプレーを注射で使うことは、
メーカーが禁止しています。
国の承認も得られていません。
添付文書には発癌の危険性が書かれています。
■ ■
私は癌になることはないと思いますが、
現実にフィブラストスプレー入PRPで健康被害が出ています。
【金】売上第一【儲】のチェーン店ではなく、
しっかりとした個人のクリニックで受けてください。
私は勉強は続けますが、
学会としての指針が出るまでは実施しません。
美容整形で不幸にしてしまっては困るからです。
今年も正しい情報発信のために院長日記を続けます。
院長の休日
謹賀新年2014
あけましておめでとうございます。
札幌は初日の出は見えましたが、
その後は雪の元日です。
みなさまお元気で新年をお迎えのことと思います。
年賀状をたくさんいただき、
ありがとうございました。
■ ■
本間家恒例の新春記念撮影。
日本の将来を象徴するかのように…
高齢者集団です。
私の父:本間寛(ほんまゆたか)2014年3月4日で満88歳。
私の母:本間瑞子(ほんまみずこ)2014年4月20日で満86歳。
家内の母:片寄登喜子(かたよせときこ)2014年1月20日で満80歳。
■ ■
私が今年9月で60歳。
家内が今年4月で58歳です。
子どもたちは家にいません。
私と家内とそら君だけです。
仔犬だった2009年生まれのそら君も、
2014年6月24日で満5歳になります。
私は筋金入りのがんこじじいなので、
若い人にめんこがられるじじいを目指します。
今年もよろしくお願いいたします。
医学講座
美容外科選びのポイント2013
今日は大晦日です。
2013年で私が一番嬉しかったことは、
週刊文春の病院情報ファイル2013で、
私の院長日記を紹介していただいたことです。
筆者の恵原真知子さんには、
以前にも取材していただいています。
医師以上に医療に詳しい方で、
とてもよく勉強していらっしゃいます。
■ ■
今年は、
美容外科選びに、
私の院長日記を紹介してくださいました。
毎日苦労して書いていても、
どなたが読んでくださるのか…?
どんな反響があるかもわかりません。
ネット時代には、
正しい情報もあれば、
間違った情報もあります。
素人には判断できないこともあります。
■ ■
毎日書いていると、
いいこともあるものです。
テストで100点をいただいた気分です。
これを励みに来年もがんばります。
恵原さんありがとうございました。
週刊文春、平成25年11月7日号です。
病院情報ファイル2013
医療ユーザー編
美容外科の選び方
再生医療の導入、切らない治療法なども次々登場。
医師の技術や美感が響く分野。
取材・構成恵原真知子
容姿のコンプレックス解消やアンチエイジング目的に、美容整形治療を考えたことはおありだろうか。
美容外科は形成外科を母体とする外科の一分野であり、この十数年の外科の進歩に相侯って、メスを使わない治療や使用機材、注入物質、あるいはモニター上で仕上がりを検討できる技術の開発などもあり、努力すれば満足度の高い治療を選択しやすくなってきた。
醜形恐怖症(赤面恐怖症などと同種の心の病気)に陥って積極性を損なうくらいなら、原因部分を改善解消することも一案だろう。
さてその診療内容だが、薄毛や目鼻立ちの改善、刺青を消す、妊娠線や肉割れを消す、黒子を取る、しわ・しみ・たるみの軽減、顔の輪郭修正、乳房を大きく・小さくする、陥没乳頭、脚を細くする……と多岐に渡る。
治療を受けたい人は、まず目的の治療について、ネット検索により情報を集めよう。そこで、隠れた疾患がある可能性があれば、先に適切な診療科の受診を優先するべきだ。例えば眼瞼下垂などは、先に眼瞼診療を得意とする眼科医に相談したほうがよい。また、陥没乳頭は授乳障害を来すので、美容外科でも健保扱いがあれば保険が適用されるが、自由診療のみの施設では使えない。先に乳腺外科や形成外科、一般外科で相談を。
ともかく美容外科を目指すような問題は、治療の遅れが生命に響く心配もなく、あくまでも生活の質の向上に向けた治療で、時間的にも余裕がある。しかも大部分がほぼ100%保険外の自己負担だ。治療後に不満なく満足度の高い治療に辿り着く、賢い選択に力を尽くそう。プチ整形などの軽い言葉に惑わされず、慎重に。
治療費相場は比較して把握
美容外科の仕事は患者をきれいに変えることだが、安全性や確実性が重要なのは一般外科と変わらず、医療の基本だ。ところが数年前、一種の美容整形ともいえる近視手術において多数の感染被害が発生した。激戦区の大都市で値下げ競争の果てに、衛生管理や消毒等に不備が生じたためだ。
安すぎる治療費や割引の誇大広告を掲げる施設(ポイント付与や紹介に対する謝礼的割引など)は要注意!
日本の保険診療における技術評価は、ピンからキリまであるはずの医師の技量にかかわらず一律で、かつ全般的に低く、ゼロといってよい。しかも手術の不具合により追加治療が生じても健保は適用され、病院にとっては下手な医師のほうが利益を上げるといった珍現象も起きうる。美容外科は、そうした矛盾に縛られず、医師の専門性を発揮できる世界だが、最近では救急など様々な外科で技術を習得し、きれいに治すことに腕を振るおうと美容外科を目指す医師も少なくない。治療費は技術に対する自信の表明という一面もあるので、HPの医師略歴や治療の考え方なども熟読を。
格差は医師の腕だけでなく、再生医療の導入や、「大きく・高く」する治療の注入物にも表れる。例えば豊胸手術に異物であるシリコンを使わず自分の脂肪に幹細胞を加えて使うなどの先進的な医療も数年前から一部施設で行われている。また、メスなしの隆鼻治療も注入物が色々ある。医師はすべての治療法を説明するよりは、自分が得意で施設で採用しているものを勧める。数十施設のHPから治療法を探し、吟味のうえ目指す医師へ。なお札幌美容形成外科のHP内の「院長の日記」は八年に及ぶ日記で、治療法の解説や変遷、美容外科医の情報などが書かれていて参考になるところ大。学会HPとともに拾い読みだけでもぜひ!
美容外科選びのポイント
・日本形成外科学会専門医か日本美容外科学会専門医である
・総合病院形成外科等で数年以上の勤務経験がある
・HPに略歴や治療実績を開示し、治療法の解説などにも熱心である
・治療費は多様な情報から相場を把握したうえで、診療の特色や得意分野の明記(範囲が広いので万能ではあリ得ないから)と比較してみる
・できれば一般診療科の同世代医師や看護師に評価を尋ねてみる

(以上、週刊文春より引用)