医療問題

当直明けの事故

 昨日の朝日新聞の記事にあったような、
 激務の後の交通事故を、
 私も知っています。
 直接、面識があったのではありませんが、
 同僚の先生の同期でした。
 札幌市南区に、
 定山渓(じょうざんけい)という温泉があります。
 そこから先は山道で、
 中山峠という交通の難所です。
      ■         ■
 今でこそ道路が改良されていますが、
 昔はカーブが多く、
 トンネルもあり、
 死亡事故の多発地帯でした。
 その先生は、
 研修医時代に、
 当直明けに仕事をし、
 30時間以上の勤務後に、
 車を運転していました。
      ■         ■
 慎重な運転をする先生だったそうです。
 鳥取大学大学院生だった、
 前田伴幸先生(当時33歳)と同じように、
 対向車と衝突して亡くなりました。
 搬送されたのは、
 ご自分が勤務していた、
 救命救急センターでした。
      ■         ■
 私は、数多くの事故を見てから…
 衝突しても死なない車。
 安全性の高い車を選ぶようにしています。
 エアバッグも、
 オプションの時代から付けていました
 その代わりCDは無しでした。
 チャイルドシートも、
 25年以上前からつけていました。
      ■         ■
 若くても…
 当直明けは疲れます。
 救急の仕事は特に疲れます。
 疲れていると、 
 医療事故を起こす可能性もあります。
 当直明けで疲れている先生に、
 医療事故を起こされたら大変です。
 今の国の医療政策では、
 この辺の方針がまったくなっていません。
      ■         ■
 厚生労働省は、
 医療と労働を扱うお役所です。
 今の医師数では、
 絶対に労働基準法を守れないのに、
 都会も田舎も同じ基準で、
 医師に当直を義務づけています。
 緊急の患者さんを断れない、
 応召義務もあります。
 何とか考えてほしいものです。
      ■         ■ 
 私はお酒もあまり飲みません。
 風呂に入って寝るのが、
 唯一の楽しみです。
 当直明けに、 
 風呂にも入れずに、
 翌日の激務をこなすのが現実です。
 当直明けには、
 ゆっくり風呂に入って、
 熟睡できるようにしてくれると、
 救急医になる人も増えると思います。

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医療問題

高まる要求_疲れる医師

 平成22年9月21日、朝日新聞朝刊の記事です。
 興味深い内容だったので、長い文章ですが引用しました。
 医学部の学生さんや外科医に読んで欲しい内容です。
 働く_専門職エレジー①
 高まる要求_疲れる医師
 「悩み同じ」パイロットとシンポ
 「医師なら安心と思っていたのに」。鳥取県で飲食店を営む前田三女子(みなこ)さん(60)は、声をつまらせる。2003年、鳥取大の大学院生だった息子の外科医、伴幸さん(当時33)は運転中、対向してきたトラックに衝突して亡くなった。前日、同大大学病院で未明まで緊急手術の助手を務めた後、寝ずにアルバイト先の病院へ向かう途中だった。
 大学病院では実習として連日、早朝から夜9時ごろまで無給で診療や手術に携わり、さらに授業料や生活費を稼ぐため関連病院でアルバイト。事故前1週間の労働時間は約100時間。過労による居眠り運転だった。三女子さんらは損害賠償請求訴訟を起こし、昨秋、大学の安全配慮義務違反が認められた。
 事故後、大学院生の労働時間には気を使うようになったが、その分、医師の勤務が厳しくなったと間いた。裁判の過程で、研修医や麻酔科医、小児科医など、勤務医の過労死や過労自殺が各地で相次いでいることも知った。「現場がこんなに荒れていたとは」
  「このままでは体も家庭も危ないと思った」。今年春に外科医をやめた医師(33)は言う。週80~100時間労働は当たり前。夜中も頻繁に呼び出し電話がかかる。2006年、手術した患者が死亡したことで福島県の病院の医師が逮捕され、訴訟の不安が頭を離れなくなった。子どもが生まれたことをきっかけに他科に変わることにした。「人間らしい暮らしがしたかった」

 「医師の過重労働~小児科医療の現場から」の著者で医師の江原朗さんは、高齢化で医療の需要が増え、医療技術の高度化で患者の要求度が高まる一方、自治体の財政難や診療報酬の抑制で医師数は追いつかず、労働強化が進んだと分析する。医師にも労働基準法は適用されるが、医師法の「正当な理由がなければ応召を拒めない」との条項が壁になっているという。
 2005年の日本小児科学会報告書では、夜間の小児救急を行った医師の9割が翌日も引き続き勤務し、連続32時間働いていた地域もあることが示された。「米国では医師の長時間労働と医療ミスの相関関係を示す研究もある。安全な医療に必要な医療費負担を引きうける覚悟があるのか、社会が問われている」
 昨年、そんな医師たちが「全国医師ユニオン」を結成した。一人で加入できる初の医師のための全国労組だ。
 「医師も労働者として支えないと医療の安全も保てない」と楠山直人代表は話す。
 
 その動きに、思わぬ人々が注目した。大手航空会社の機長らが加入する日本乗員組合連絡会議だ。この7月、都内で「命と安全を守り労働のルールを考えるシンポジウム」を共催した。
 規制緩和で地方空港の開港時間が延び、今年10月からは羽田空港の24時開化も始まる。企画者の一人、全日空の機長(46)は「疲労がたまる24時間体制の職場で顧客の生命を守らなければならない仕事。技術の高度化で、顧客の間にできて当たり前という意識が強まっているのも医師と共通の悩みだ」と話す。
 機長はシンポの会場で、2000年、先輩機長が佐賀空港に着陸直前に操縦席内で脳出血で倒れ、着陸後に亡くなった事を思い出していた。
 先輩機長は倒れる前日、羽田から佐賀、佐賀から伊丹と飛んだ後、翌日の乗務をこなすため乗客として仙台に移動。仙台で1泊し、翌朝、仙台から名古屋、名古屋から青森、青森から名古屋へと飛び、さらに名古屋から佐賀に向かうところだった。
 前日の朝から翌日の夕方までの長い拘束に加え、名古屋空港では大型台風による風雨の中で着陸するという緊張を強いられた。名古屋で体調悪化を訴えたが交代要員がいないため、勤務を続けた結果だった。だが過労死に認定されるような残業はなかったとして労災申請は却下された。遺族は国に労災認定を求めて今も係争中だ。
 この事件のころから機長の欠勤発生率は上昇傾向をたどり、高止まり状態が続く。航空分野の規制緩和で、90年代半ばごろから機長の乗務時間の制限が緩和された。客室乗務員らの非正規化が進み、機長の負担は重くなっている。「一般の働き手とは異なるストレスがかかる機長という仕事に見合った疲労度テストや、労働時間制限が必要だ。専門職のやる気と責任感だけに依存し続ける時代ではない」と、機長は言う。
     ◇
 資格や技能で社会に貢献でき、不況にも強いといわれてきた専門職が、揺らいでいる。規制緩和や財政難で負担増に悩むその素顔を追う。
 (編集委員・竹信三恵子)


「いのち」の文字を背景に、人の生命を守る専門職の労働条件のあり方について、医師ユニオンと航空機の機長らの労組が共催したシンポジウム=7月31日、東京都内

 
 ご意見や「職場のホンネ」へのご投稿は連絡先を明記して〒104・8011朝日新聞経済グループ労働チームまで。ファクス03・5540・7354、メールt-rodo@asahi.com
      ■         ■
 

 パイロットへの夢という院長日記を、
 2009年1月6日書いています。
 私の夢はパイロットになることでした。
 私と高校の同期の友人は、
 大手航空会社の機長です。
 家内の友人のご主人にも、
 機長さんがいます。
      ■         ■
 機長さんに聞いたことがあります。
 ベテラン機長として、
 定年まで勤めるのは…
 大変なこと。
 航空身体検査があり、
 心身ともに健康でなければ、
 ストレスの多い機長は務まらないそうです。
      ■         ■
 何度も書いたことがありますが、
 医療の安全と航空機の安全には、
 共通することがあります。
 私が30代~40代で、
 総合病院の形成外科に勤務していた時です。
 緊急の手術が夜間に入って、
 次の日も、長い手術があると、
 とても困りました。
      ■         ■
 搬送された急患は断れないし…
 翌日にはまた長い手術です。
 56歳の今は、
 体力的に、到底無理です。
 医療とか…
 航空機とか…
 安全が最優先される職種では、
 格安とか激安は、
 合わないと思います。
      ■         ■
 最近は、
 アジア圏の航空会社に、
 格安のところが出ています。
 私は…
 いくら安くても
 当分の間は利用しないと思います。
 医療にかける国のお金の使い方も、
 もっと工夫すれば、
 お医者さんの将来も明るくなると思いますが…
 今の国の政策では…
 将来は暗いです。
 激安安全買えません

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院長の休日

「さようなら」に笑顔

 平成22年9月21日、朝日新聞朝刊、ひとときへの投稿です。
 「さようなら」に笑顔
 マンションの駐車場で、同年代の女性とすれ違った。ベビーカーを押したその人は、「こんばんは」と私が言うと、携帯電話を取り出し、下を向いた。
 一戸建ての家からマンションに引っ越して2年。一戸建てに住んでいたころはあり得なかったことだ。あいさつをするのは当たり前だと教えられて育った。ここではあいさつを無視する人が多い。私と同世代の、子を持つ親たちだ。私は未婚だが、そんな親にはなりたくないと思う。
 先日、エレベーターを待っている少年がいた。
 「こんばんは]。私は声をかけた。小学4年生くらいのその少年は、はにかんだように「こんばんは」と答えた。私は2階、少年は4階のボタンを押した。狭い空間に2人きり。数秒聞、エレベーター内は無言だった。
 2階に着くと、少年に軽く会釈し、私はエレベーターを降りた。その時、背後から「さようなら」という少年の声が聞こえた。私は振り向き、「さようなら」と笑顔で返した。
 最後に「さようなら」と言葉にしたのはいつだっただろう。友達が転校した日か、卒業式だったか。悲しいはずの「さようなら」の響き。しかし、少年と交わした「さようなら」は私の心を温かくした。10年後、20年後もあいさつのできる大人でいてほしいと願う。
 (千葉県 流山市 高橋いづみ 会社員34歳)
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 私が住んでいるマンションに、
 ご婦人と娘さんがいらっしゃいます。
 毎朝、小太郎くんという、
 黒と白のポメラニアンが、
 散歩へ出かけます。
 朝、エレベーターで、
 小太郎くんと会うのが楽しみです。
      ■         ■
 小太郎くんは元気なわんこです。
 通勤途中で会っても、
 「おはようございます」と挨拶をします。
 札幌市内のマンションでは、
 住人同士が挨拶をするところが多いです。
 あいさつは大切で、
 気分をよくしてくれます。
      ■         ■
 最近の子どもは、
 見知らぬ人にあいさつをしないように、
 学校で教育しているのかも知れません。
 一人だとあいさつは気恥ずかしいですが、
 ペットを連れていると…
 気軽
 あいさつができます。
 私は住人があいさつをする
 今のマンションを気に入っています。

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院長の休日

敬老の日2010

 今日は敬老の日です。
 私も、56歳になり、
 あと何年かしたら…
 敬老を祝ってもらう側になりそうです。
 私の父、本間寛(ほんまゆたか)84歳。
 私の母、本間瑞子(ほんまみずこ)82歳、
 家内の母、片寄登喜子(かたよせときこ)76歳。
 私の両親と家内の母は、
 札幌に住んでいます。
      ■         ■
 敬老の日に、
 一番欲しいものは…
 電話で声を聞けることだと、
 昨日の新聞に書いてありました。
 幸い、今日は休診日でした。
 私の両親と、
 家内の母へ電話をしました。
 健康であることが、
 親にも私たちにも一番です。
      ■         ■
 私はあまり親孝行な息子ではありません。
 両親を連れて旅行に行ったこともないですし、
 高価なものも買ってあげた記憶はありません。
 親孝行といえば、
 平凡に結婚して、
 孫が生まれて、
 ちゃんと仕事をしていることくらいです。
      ■         ■
 あたり前のことですが、
 元気で働いていることが、
 一番の親孝行のようにも思います。
 医者をしていると、
 親の死に目に会えない
 と先輩から言われたことがあります。
 確かに、
 自分の患者さんを放り出して、
 親の臨終に立ち会う先生はいませんでした。
      ■         ■
 私の院長日記は、
 両親もPCで見ています。
 毎日、朝から夜まで働いていると、
 なかなか親に電話することもありません。
 たまに電話をしても、
 用件だけで済ませます。
 親は高齢なのに、
 PCでメールを送ったり、
 写真を添付して送ったりしているようです。
 いつまでも元気でいて欲しいと願っています。

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医学講座

快適な生活のための手術

 医学は進歩しました。
 糖尿病などは…
 職場の健康診断で見つかり、
 早期に発見して、
 早期に治療すると、
 糖尿病そのものも、
 目や
 腎臓に起こる、
 さまざまな合併症を減らすことができます。
      ■         ■
 眼瞼下垂症は、
 まだまだ知られていない病気です。
 信州大学形成外科の、
 松尾清教授が、
 ためしてガッテンで広めてくださいました。
 一部の眼科医には、
 批判的な意見があることは知っています。
 日本だけではなく、
 海外でも眼科形成外科の間で、
 論争が起こることもあります。
      ■         ■
 2010年5月5日の院長日記、
 眼瞼下垂症講座③【小さな目】に、
 さくらんぼさんがコメントをくださいました。
 たぶん 医学が進歩した今も
 ほとんどの方は極端な場合を除き
 遺伝と片付けていると思います。
 眼瞼下垂症であると
 ほとんどの方が思わないと思います。
 私自身 形成外科の事も、
 眼瞼下垂症の事も先生のblogを拝見するまで
 まったく知りませんでした。
      ■         ■
 もうひとつ
 美容外科は保険が利かないし
 高いと思っていた誤解です。
 このご意見が、
 ごく普通の人が考える、
 世間の常識です。
 私たち形成外科医ですら、
 松尾先生が熱心に啓蒙されるまでは、
 認識不足でした。
      ■         ■
 私は開業して6年が過ぎました。
 他の美容外科二重全切開をしたのに、
 二重になれずに、
 高額のローンと
 まぶたの傷だけが残った方の手術をしました。
 埋没法で二重になれなかった方や、
 埋没法が取れた
 眼瞼下垂症の方の手術をたくさんしています。
      ■         ■
 美容目的で二重の手術をしたのに、
 二重になれないのは、
 まぶたを上げるモーターである、
 眼瞼挙筋が弱いことが一因です。
 残念なことですが、
 医学部でも詳しく教えていません。
 医師国家試験にも出ません。
 なんちゃって美容外科医の中には、
 このことを知らない人もいます。
      ■         ■
 年齢とともに、
 まぶたが下がってくるのは、
 トシだから仕方がないと…
 諦めないでください。
 私は…
 まぶたが下がって見にくいのに、
 無理して外出して、
 横から来た自転車が見えなくて…
 衝突した人を知っています。
      ■         ■
 転倒して骨折でもすると、
 高齢者はとたんに弱ります。
 下がったまぶたで転倒して…
 骨折しないように
 垂れ下がったまぶたをお直ししましょう。
 すっきりとした目で、
 快適に老後を過ごすのは、
 良い考えだと思います。
 加齢遺伝だと諦めないで…
 勇気を出して手術を受けてください。

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医学講座

まぶたの形と遺伝②

 お母さんが眼瞼下垂だと…
 おばあちゃんや…
 お母さんの姉妹にも…
 眼瞼下垂が多いのは事実です。
 札幌美容形成外科では、
 親子や姉妹で…
 手術を受けてくださる方も
 たくさんいらっしゃいます。
      ■         ■
 親子や姉妹の場合は、
 術後の経過も良くわかっていらっしゃいます。
 ただ…
 お嬢さんより、
 お母さんが回復に時間がかかります。
 下垂の程度が大きく…
 皮膚切除の必要があるからです。
      ■         ■
 一般的なことですが、
 どんなに美しい方でも…
 年齢とともに皮膚が伸びます。
 眼瞼下垂症講座⑨【切開の長さ】という、
 2010年5月11日の院長日記に書いてあります。
 加齢による眼瞼下垂症では、
 皮膚が余って伸びています。
 どんなに高価な…
 カシミヤのセーターでも…
 長年着ていると…
 伸びてしまうのと同じです。
 人間の皮膚も…
 加齢とともに伸びます。
      ■         ■
 眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)
 なんて病気は、
 中学校でも高校でも習いません。
 医学部の講義ですら、
 ちょっと触れるられる程度です。
 看護学部の講義や、
 看護師さんの国家試験問題にも、
 まず登場しません。
      ■         ■
 札幌美容形成外科へいらっしゃる患者さんは、
 ネットで調べいたら…
 娘さんが偶然に見つけて…
 こんな病気があったんだ!
 …とまず驚かれます。
 丹念にHPをご覧になって…
 Chapter“27” 二重埋没法手術と眼瞼下垂手術
 …のマンガを見て!
 これってのことじゃん!
      ■         ■
 おそるおそるクリニックを受診なさって…
 いっしょにいらしたお母さんも、
 眼瞼下垂症診断されることもあります。
 昔は、
 ご高齢で…
 目がまったく開かない人しか
 この手術を受けていませんでした。
 今は、若い方でも手術をしています。
      ■         ■
 手術を受けられる年齢は、
 10台~80台まで。
 年齢に応じて手術方法も異なります。
 若い頃は下垂の症状がなかったのに、
 ハードコンタクトを長期間使用していると、
 30代後半でも下垂症状が出て来ることもあります。
 まぶたの力が弱い家系の方は、
 特にお気をつけください。
 

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医学講座

まぶたの形と遺伝①

 顔の形や体質は遺伝します。
 お父さんも…
 お母さんも…
 おじいちゃんも…
 おばあちゃんも…
 兄弟も…
 同じ血筋の人は、
 同じような病気になりやすいです。
      ■         ■
 昔から、
 家系によって…
 糖尿病になりやすいとか、
 高血圧になりやすいとか、
 がんになりやすい…
 ということが経験的に知られています。
 診察前の問診で、
 家族歴(かぞくれき)というのを伺います。
      ■         ■
 DNAによって、
 病気になりやすい体質が、
 遺伝することが一つの原因です。
 形質(けいしつ)といいます。
 そのほかに…
 家族はだいたい同じものを食べます。
 塩分が多い食事を摂る家庭。
 甘いものを多く摂る家庭。
 食生活も病気に影響します。
      ■         ■
 眼瞼下垂症講座⑤【学生証】という
 2010年5月7日の院長日記に書いてあります。
 眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という
 瞼を上げる筋肉(モーター)が
 生まれつき弱い人がいます。
 目を開けることはできますが…
 黒目の半分程度までしか…
 開きません。
      ■         ■
 小学校へ行くと…
 黒板の字が見づらい…
 いつもあごを上げている。
 あいてるの…?という言葉で傷つき…
 何か変…?
 と思いながら…
 遺伝だから
 …と諦めている人もたくさんいらっしゃいます。
      ■         ■
 アトピーや花粉症で
 まぶたをこする習慣がある人は、
 眼瞼下垂症になることがあります。
 コンタクトレンズ(特にハードコンタクト)で
 まぶたを開く筋肉が弱くなり
 眼瞼下垂になることがあります。
 このような体質や習慣は、
 親から子供へ遺伝することもあります。
      ■         ■
 瞼の形が遺伝するのは、
 写真で見ると一番よくわかります。
 葬儀や法事で親族が集まります。
 自分の兄弟だけではなく、
 ふだん会わないような親戚にも会います。
 私には、
 弟が一人います
 3歳年下です。
      ■         ■
 先日、
 法事で弟に会いました。
 私以上に眼瞼下垂の症状が見られました。
 兄弟で手術が必要な状況です。
 遺伝とは、
 恐ろしいものです。

hoji
私56歳、弟53歳

私3歳、弟3ヵ月

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院長の休日

リカちゃん衣装愛らしく

 平成22年9月15日、朝日新聞朝刊_『ひととき』への投稿です
 リカちゃん衣装愛らしく
 小学2年生のみことちゃんとお友達です。みことちゃんは、私が週1回通っているデイサービスで会う、介護士さんの娘さんです。時折、お便りやビーズのネックレスをもらいます。
 先日、みことちゃんからリカちゃん人形のドレスの注文がありました。人形を借りておよその寸法で布を裁断し、手縫いで3着ほど作りました。
 一着は、ピンクの繻子地(しゅすじ)の端布にピンクのレースをあしらい、肩ひものついたドレス。後ろ身ごろにスリットを長く入れ、あでやかに仕上げました。
 もう一首は盛夏用。白いレースのボレロに水玉模様のフレアスカートと、さわやかな組み合わせです。
 3着目は浴衣。綿の水色の生地を選び、継ぎ目は腰揚げ風にしました。たもとは元禄袖、帯は朱色の羽二重の布で貝の口むすび。帯は面ファスナーで留めるようになっており、適当な肩揚げでいっそう愛らしくなりました。
 3着とも、きちんとできました。みことちゃんからは「ありがとう」と、お礼状が届きました。
 「こんなドレスがいいかな」 「あんなドレスはどうだろうか」と理想を思い描いたり、空想を交えたり。思いつくままにリカちゃんのファッションで遊びました。うれしい数日をみことちゃん、ありがとう。秋にはケープを作りましょう。
 (山形市_鏡チヱ子_無職_96歳)
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 96歳の鏡チヱ子さんに拍手です。
 専門的?な言葉が多く、
 恥ずかしながら…
 繻子地(しゅすじ)とか…
 元禄袖(げんろくそで)とか…
 よくわかりませんでした。
 市販品にはない、
 特別仕立てのリカちゃんは、
 さぞ愛らしいことと想像しました。
      ■         ■
 96歳になられても…
 理想を思い描いたり
 空想を交えたり
 できることが、
 健康で長生き
 秘訣なのだと思います。
 次のケープは、
 どんなに素敵なことでしょうか。
 いつまでもお元気で、
 リカちゃんとお遊びになってください。

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医療問題

山の中の交通事故

 北海道は広大です。
 携帯電話の電波状況は、
 かなり良くなりましたが、
 山の中では通じないところがあります。
 札幌→富良野へ向う道路ですと、
 三笠市(みかさ)を過ぎると…
 山中に入ります。
 携帯の電波は通じなくなります。
      ■         ■
 札幌→帯広へ向う道路でも、
 夕張を過ぎて山中に入ると…
 携帯のアンテナが…
 圏外になります。
 携帯電話が通じないところは…
 事故に遭っても通報できません。
 通りがかりの車に…
 助けてもらうしかありません。
      ■         ■
 札幌市内や、
 札幌近郊で事故に遭った場合は、
 札幌消防に防災ヘリがあります。
 ドクターヘリも飛んできてくれます。
 ただし、条件があります
 ヘリが飛べるのは、
 視界が良い日中だけです。
 雲や霧がかかると、
 ヘリは飛べません。
      ■         ■
 交通事故は、
 霧や雪など、
 視界が悪い時に起こります。
 北海道の山中で事故に遭い、
 瀕死(ひんし)の重症になったとします。
 一刻も早く、
 救助に来て欲しいです。
 ところが…
 山の中には救急車がいません。
      ■         ■
 運良く…
 携帯が通じて…
 救助を要請したとします。
 119番です
 どうなさいましたか?
 交通事故です。
 助けてください。
 場所はどちらですか…?
 夕張と日高の間です。
 詳しくわかりません。 
      ■         ■
 最近の携帯には、
 GPS機能がついているので、
 運が良ければ…
 位置情報を発信してくれます。
 うまく伝わらなければ…
 だいたいの場所を伝えることになります。
 救急車は、
 その土地を管轄する、
 消防から助けに来てくれます。
      ■         ■
 事故に遭った場所で、
 患者さんの運命が分かれることがあります。
 北海道には、
 形成外科医が勤務する病院が、
 まだ多くはありません。
 救命救急センターも限られています。
 日勝峠の十勝側、
 つまり清水町側でしたら、
 JA帯広厚生病院という…
 頼りになる病院があります。
 形成外科医もいます。
      ■         ■
 鹿と衝突して、
 フロントガラスから…
 鹿が飛び込んできて、
 顔に大けがをしたとします。
 札幌→帯広の間に、
 形成外科医が常勤している病院は、
 ありません。
 地元消防の救急車は、
 顔の大けがでは、
 おそらく
 札幌までは搬送してくれません。
      ■         ■
 脳挫傷など、
 もっと瀕死の状況だったとします。
 ドクターヘリに来て欲しくても…
 山の中には着陸できません。
 夜間は飛べません
 山の中を走行する時は、
 夜間や、
 視界が悪い時こそ、
 慎重に運転してください。
 携帯の電波が通じないところは、
 救助にも時間がかかります。 
 気をつけてください
 

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昔の記憶

鹿と交通事故

 私は北海道内の大きな病院に勤務していました。
 札幌医大病院
 JA帯広厚生病院
 市立札幌病院
 函館中央病院
 釧路労災病院
 美唄労災病院
 短期間でしたが、
 JA旭川厚生病院にも勤務しました。
      ■         ■
 自分が勤務していた時には、
 札幌と道内各地を
 自動車で往復しました。
 30年前に比べると、
 道路は格段に良くなりました。
 昔は、
 札幌→帯広へ行くには、
 砂利道の日勝峠がありました。
      ■         ■
 今は、
 期間限定ですが…
 高速道路も無料区間があります。
 本州からいらっしゃると…
 北海道の一般道は、
 信号もなく高速道路みたいです。
 高速道路も…
 めったに渋滞しません。
 一見、快適に思えます。
      ■         ■
 本州の道路と違って、
 北海道の道路には危険がたくさんあります。
 北海道で多いのが、
 動物との衝突です。
 最近の北海道では、
 えぞ鹿が増えています。
 私は、 
 釧路に住んでいた時に
 野生の鹿を道路で数回見ました。
 しかとの衝突は大変です。
      ■         ■
 シカと衝突すると…
 車は大破します。
 運転者も同乗者もケガをします。
 私自身は診たことはありませんが、
 鹿と衝突して、
 顔にケガをした人もいると思います。
 動物を避けようとして、
 ハンドルを切ったために、
 事故に遭って亡くなった方も知っています。
 秋の紅葉が始まったようです。
 しかとぶつからないように、
 スピードは控えめにしてください。
 形成外科医としてのお願いです。

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