院長の休日

白い恋人~その後~

 今朝のがっちりマンデーで
 白い恋人のV字回復を放送していました。
 北洋銀行から送り込まれた、
 島田社長が、
 すいませんを連発しながら、
 会社の現況を
 ご説明なさっていらっしゃいました。
 賞味期限問題から、
 2年も経たずに業績が回復し、
 とてもよかったと喜んでいます。
      ■         ■
 過去の日記でも取り上げています。
 石屋製菓の石水社長は2代目。
 札幌市北区茨戸(ばらと)で、
 水飴(みずあめ)を作る
 お菓子屋さんとしてスタートした会社です。
 全日空の機内で、
 お客さんに配ったところ好評で、
 行列ができるほどの売上になった話しを
 今日のがっちりでも説明していました。
      ■         ■
 石水社長の講演をニトリ講座でお聴きしました。
 航空会社に何のつてもない石水社長が、
 千歳空港の全日空カウンターへ行って、
 このお菓子を機内で配ってください。
 とお願いしたのがはじまりです。
 当時、全日空の千歳にいらした担当者の方が
 話しをきいて下さらなければ、
 白い恋人はこれほど売れなかった?
 ともお話しされていました。
      ■         ■
 私はいつも全日空を利用しています。
 昔は、スーパーシートはありませんでした。
 どの席でも、
 朝はサンドイッチなどの軽食。
 食事時間以外は、
 コーヒーとお菓子が配られました。
 今のような割引運賃制度はなく、
 唯一安く乗れるのが、
 スカイメイトでした。
 スカイメイトで搭乗しても、
 コーヒーもお菓子もいただけました。
      ■         ■
 めったに飛行機には乗りませんでしたので、
 白い恋人を機内でいただいたことはありません。
 石水社長も、
 まだお若く…
 必死に白い恋人
 宣伝なさっていらしたのだと思います。
 白い恋人は、
 北海道内と成田空港でしか販売しなかったと
 伺いました。
      ■         ■
 他にはない、美味しいお菓子
 北海道でしか売っていないお菓子。
 そのような販売戦略が当たりました。
 賞味期限問題で、
 伊勢の赤福などといっしょに、
 大打撃を受けました。
 私は赤福も白い恋人も好きです。
 日本経済、世界経済も
 白い恋人のように回復してほしいと、
 せつに願っています。

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医学講座

目を丸くする

 驚いた時の表現として、
 目を丸くする
 という言葉があります。
 びっくりして、目を見開いて、
 目が丸くなります。
 黒目が上まで見えると、
 目は丸く見えます。
      ■         ■
 ところが…
 びっくりしても、
 目が丸くならない人がいます。
 眼瞼下垂症の方は、
 目を開ける筋肉が弱っているので、
 目を丸くできません。
      ■         ■
 ちびまる子ちゃんに出る、
 登場人物を見てみます。
 まるちゃんの目は、
 ●で描かれています。
 目が丸い人もいれば、
 目が平べったく描かれた人もいます。
 眼瞼下垂症の人の目は、
 平べったく描くと特徴が出ます。
      ■         ■
 美人といわれる方の目は、
 黒目が大きく出ています。
 眉毛(まゆげ)と睫毛(まつげ)の間は短く、
 黒目の面積が大きいのが特徴です。
 今年のミス日本グランプリは、

 東京都在住の高校2年生、
 宮田麻里乃さん(17)です。
 目がきれいで、
 眉はほぼ水平です。
      ■         ■
 顔の輪郭、
 鼻の形、
 歯ならび、
 目の形、
 どれをとっても申し分のない
 美しさです。
 さすがミス日本グランプリです。
      ■         ■
 美容外科で、
 二重埋没法をしても、
 この丸い目を作ることが
 できない人がいます。
 瞼が下がって黒目にかかっていると、
 眼瞼挙筋という筋肉を調節しないと、
 目を丸くできません。
 簡単にはできない難しい手術です。
      ■         ■
 一番難しいのが、
 生まれつき左右差がある方です。
 手術中に何度も確認して、
 筋肉の短縮量を調節します。
 少しでもミス日本に近づけるように、
 がんばって手術しています。
 17歳のミス日本のお嬢さんは、
 何もしなくても美しくキレイです。
      ■         ■
 でも、40年経つと… 
 57歳になります。
 57歳になると、
 どんなにキレイな方でも…
 皮膚が伸びて瞼が下がります。
 そんな時は、
 美容外科や形成外科で、
 ちょっとお直しをして差し上げます。
      ■         ■
 17歳に戻ることは無理ですが、
 37歳程度に見える方は、
 いらっしゃいます。
 若い時にキレイだった人ほど、
 もう一度キレイになりたいと思います。
 札幌美容形成外科では、
 目を丸くするほど高い料金はいただきません。
 保険診療で、
 目を丸くすることができる場合もあります。
 勇気を出していらしてください。
 ご予約をお待ちしております。
 

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昔の記憶

雪国の楽しみ

 北海道も山形も雪国です。
 1月は深い雪に覆われて
 あたり一面真っ白になります。
 私が子どもの頃は、
 冬の晴れた日に、
 家族で山へスキーに行きました。
 当時のスキー場には、
 リフトもゴンドラもありません。
      ■         ■
 もちろん圧雪車もありません。
 朝一番にスキー場に着いた人が、
 新雪を踏み固めて上へ上へと登ります。
 頂上といっても…
 そんなに高くはない山でした。
 それでも上に着いた頃には、
 汗で体がポカポカになっていました。
 一息ついて、下へ滑り降ります。
 頂上まで行けるのは、
 上手な大人だけでした。
      ■         ■
 スキー場では汗をかくので、
 家で背中一面に
 タオルを広げて入れました。
 汗をかいたら、
 そのタオルを首の後ろから
 引っ張り出しました。
 背中から身体中に、
 爽快感が広がったのを覚えています。
      ■         ■
 スキー場までは、
 スキーを担(かつ)いで、
 歩いて行きました。
 今のスキー場とはまったく違う、
 丘のようなスキー場でしたが、
 小学校のスキー授業も
 スキー大会もありました。
 雪国の人は、
 雪の中で楽しみを見つけて、
 上手に雪を利用して生きていました。
      ■         ■
 子どもだけでスキーに行く時は
 歩いて担いで行きましたが、
 家族で行く時は、
 ‘山越え’といって、
 自宅から山の中をスキーで行きました。
 大人がスキーで歩いた後を、
 子どもがついて行きました。
 私はこの‘山越え’が好きでした。
      ■         ■
 山の中には、 
 小動物の足跡がありました。
 一度見てみたいと思っていましたが、
 子どもの時から一度も
 雪の中の小動物を見たことがありません。
 大人の話しだと、
 ウサギの足跡だということでした。
 おそらく日中は行動しないので、
 小動物を見つけられなかったのか?
 と考えています。
      ■         ■
 山の中には、
 さまざまな木がありました。
 ‘たらの木’は見つけられませんでしたが、
 ネコヤナギの木がありました。
 木の芽から、
 白いネコの毛のような芽が出ます。
 新芽の頃だけですが、
 芽が白い毛のようになります。
      ■         ■
 少しあたたかくなると、
 ネコヤナギの芽が膨らみます。
 ちょっと白い毛が見えます。
 ネコヤナギの芽を見つけると、
 もうすぐ春がくるなぁ…
 といううれしい知らせです。
 私が今でも山が好きなのは、
 こうした子どもの頃の想い出があるからです。
 家内には不評ですが、
 また山に行きたいと思っています。


左から、父、母、私、弟、友人たちです

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院長の休日

たらの芽

 さくらんぼさんから
 ‘たらの芽’を送っていただきました。
 山形もまだ雪のはずなのに…
 ‘たらの芽’が採れるのかなぁ…?
 と思っていました。
 想像していた‘たらの芽’とは違い、
 水耕栽培セットのような‘たらの芽’を
 送っていただきました。
      ■         ■
 私は小学校3年生から中学校3年生までを
 北海道の美唄(びばい)と夕張(ゆうばり)という
 山の中で過ごしました。
 山菜採りは大好きです。
 小学生でも春先のウドとか
 フキは簡単に採れました。
 学校が終わってから山によく行きました。
 実にのどかな時代でした。
      ■         ■
 ‘たらの芽’はタラノキの芽です。
 天ぷらにして食べると最高です。
 私が住んでいた
 美唄市茶志内(ちゃしない)では、
 炭鉱会社が作ったスキー場に、
 タラノキが自生していました。
 タラノキにはトゲがあるので、
 スキーをしている時に衝突すると危険です。
 毎年秋に、タランボ狩りといって、
 大きくなったタラノキを刈り取る作業がありました。
      ■         ■
 北海道の山に生えていたタラノキは
 あまり太くはなく、
 何本かが群生して生えていました。
 先日もスーパーで、
 生の‘たらの芽’を売っていました。
 スーパーで売っている‘たらの芽’は
 せいぜい大人の親指程度の太さです。
 たらの芽の天ぷらも売っています。
      ■         ■
 さくらんぼさんからいただいた‘たらの芽’には
 ひと足先に春をお届けします。
 最初はインテリアとしてやわらかな緑をお楽しみください。
 栽培方法
 暖かい場所に置き、水がなくなりそうな時入れてください。
 開いたらカッターで切り取り、
 てんぷら、和え物などにしてお召し上がり下さい。
 佐藤農園
 と書かれた紙がありました。
      ■         ■
 とにかく最高の‘たらの芽’でした。
 今までこんなに美味しい‘たらの芽’を
 食べたことがありませんでした。
 ‘たらの芽’が太くて大きいのでびっくりしました。
 柔らかくて美味しいのです。
 苦味もありませんでした。
 北海道の冬は緑がなくなるので、
 大根の頭を切ったものを、
 水耕栽培して育てたこともありました。
      ■         ■
 ‘たらの芽’の水耕栽培は、
 思いもよりませんでした。
 園芸店でも野菜売り場でも
 見たことがありませんでした。
 見た目もキレイで、
 食べても最高の味でした。
 このセットをお考えになられた、
 佐藤農園の方に脱帽です。
 さくらんぼさん
 ありがとうございました♪
 世界一の‘たらの芽’でした。

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未分類

お父さんのせい

 昨日の日記さくらんぼさんから、
 コメントをいただきました。
 お父さんが自分を責めてるのを
 聞いた事がないです
 いえいえ、お父さんも気にしています。
 私自身も、
 舌小帯だけではなく、
 歯並びが悪いのは父親似。
 私の責任だと感じていました。
 子どもには小さい時から、
 歯の矯正治療を受けさせました。
      ■         ■
 札幌美容形成外科には、
 たくさんの責任を感じたお父さん
 来院されます。
 娘のワキガは自分のせい
 まず、私が実験台になって手術を受けます。
 と自ら会社を休んで手術を受けられたお父さんも、
 何人もいらっしゃいます。
      ■         ■
 これならもっと早く手術を受ければよかった
 という方もいらっしゃいますし、
 手術後の大変さがわかりました
 とお母さんと協力して、
 手術後のケアーをお手伝いしてくださった、
 お父さんもいらっしゃいました。
 ワキガ手術は手術後の安静と、
 キズの管理が大切です。
      ■         ■
 ワキガ以外でも、
 娘はオレに似て毛深い
 とか
 娘の顔オレに似ているので…
 目が…
 鼻が…
 とかお父さんも悩みます。
 お母さんのように美人に生まれたかったとか…
 言われると…
 お父さんも責任を感じます。
      ■         ■
 私を含めて、
 男も自分の欠点を知っています。
 自分の悪いDNAをよくしたいという思いがあります。
 悪いDNAを
 よくしたいと思うかどうかは別として、
 自分にはないものを持った
 相手を選ぶことはよくあります。
      ■         ■
 脱毛に通っていらっしたお嬢さんで、
 娘が毛深いのは親のせいと…
 ご両親が脱毛代を援助してくださっている、
 ご家庭もありました。
 お父さんのせいと言われると、
 父親も責任を感じるものです。
      ■         ■
 親に内緒で…
 ワキガ手術を受けたいという方も
 少なからずいらっしゃいます。
 でも、ワキガ手術だけは、
 親に手術後の面倒をみてもらっても、
 罰(ばち)は当たらないと思います。
 その方がキレイに早く治ります。

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医学講座

赤ちゃんに異常があったら

 私が勤務していた1980年当時の北大病院は
 南病棟6階に形成外科病棟がありました。
 通称6-6(ろくのろく)と呼ばれていました。
 6階が最上階で、
 病棟の窓からは、
 美しい北大構内の、
 イチョウ並木や、
 できたばかりの京王プラザホテル。
 東急デパートのネオンサインなどが見えました。
      ■         ■
 形成外科には、
 6人部屋の大部屋が4室ありました。
 男部屋、
 女部屋、
 学童部屋、
 ベビー部屋、
 と呼んでいました。
 男部屋_601号室、
 女部屋_602号室、
 学童部屋_603号室、
 ベビー部屋_604号室、
 だったと記憶してます。
      ■         ■
 604号室には、
 常時6人の赤ちゃんが入院していました。
 ほぼ全員が唇裂や口蓋裂の赤ちゃんでした。
 唇裂(しんれつ)は生後3ヵ月、
 口蓋裂(こうがいれつ)は生後1年6ヵ月で
 それぞれ手術をしていました。
 口蓋裂の子どもさんには、
 唇裂の手術を生後3ヵ月で済ませていた子も
 多数いらっしゃいました。
      ■         ■
 くちびる(口唇)が割れているのが唇裂。
 口の中の上あごが割れているのが口蓋裂。
 (前歯の後ろから口蓋垂(のどちんこ)まで)
 くちびるから口蓋垂まで割れているのが
 唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)です。
 この赤ちゃんたちが、
 約2週間の入院生活で手術を受けます。
 当然、お母さんもいっしょに入院して、
 ミルクをあげたり手術後のケアーを学びます。
      ■         ■
 不安いっぱいで入院されてきたお母さん。
 入院後に医師や看護師が説明するより、
 先輩のお母さんと赤ちゃんとご対面。
 先輩からのアドバイスが何よりの励みになりました。
 口蓋裂で入院したお母さんに、
 小学生程度に成長した、
 学童部屋のお姉ちゃんが
 仲良く話しかけている姿もありました。
      ■         ■
 形成外科は
 体表面の先天異常を手術で治す科です。
 内蔵の異常よりも、
 余計に気になるのが、
 赤ちゃんの顔の異常です。
 待望の赤ちゃんに異常があったら、
 お母さんは衝撃を受けます。
 産んでしまった私の責任と…
      ■         ■
 せっかく赤ちゃんが生まれたのに…
 写真も撮れず…
 親戚や友人にも見せられない…
 お母さんの悩みは深く、傷つきます。
 前にも書きましたが、
 現在の医学でも
 はっきりとした原因はわかっていません。
 お母さんの責任ではありません。
      ■         ■
 お母さんの責任は生まれたあとです。
 赤ちゃんにしっかりと治療(手術)を受けさせ、
 その後もしっかりと通って治療を続けます。
 私が感激したことに、
 口蓋裂の子どもさんのお母さんが、
 子どもに一本も、
 むし歯を作らなかったことがありました。
 そのお母さんは、
 むし歯もつくらず、
 娘を立派に育て、
 お嬢さんは看護師さんになりました。
      ■         ■
 もし万が一、
 生まれてきた子どもに…
 異常があったら…
 泣いていてもダメです。
 自分を責めてもダメです。
 いいお医者さんを見つけて、
 ちゃんと手術を受けて
 キレイに治してもらうことです。
      ■         ■
 美容外科の先生を見つけるより大変です。
 どの先生に手術をしていただくかで
 その子の将来が決まります。
 産んだ責任は
 立派に育てることでとるのです。
 赤ちゃんは可愛いです。
 立派に成長した先輩が何人もいます。
 安心して大丈夫です。

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医学講座

舌小帯の手術

 昨日の日記appleさんからコメントをいただきました。
 舌小帯のオペはそれ以外に、
 口腔(こうくう)外科でも可能なはずですが、
 どこの科で手術を受けるかによって
 微妙に料金が変わりそうですよね?
 でもきちんとした判断と診断ができて、
 上手に行ってくれるのがなによりも1番ですが。
      ■         ■
 確かに口腔外科でも、
 耳鼻科でも手術は行っています。
 口腔外科の先生は、
 大部分が‘歯科医師’の先生で、
 ごく一部の先生が‘歯科医師’と‘医師’の
 両方の免許を持っていらっしゃいます。
      ■         ■
 今の日本の法律では、
 歯科医師が舌小帯の手術を、
 歯科医師の先生に全身麻酔をかけていただき、
 手術をしても違法ではありません。
 実際に歯科医師でも、
 ‘医師’よりも
 舌小帯の手術が
 上手な先生がいらっしゃいます。
      ■         ■
 昔の舌小帯の手術は、
 泣き叫ぶ子どもを押さえつけて、
 舌の下をチョンと切る手術でした。
 ちょっと切ればいいから…
 お考えになっていらっしゃる先生がまだいます。
 厚生労働省が定めた、
 医科点数表という料金表でも
 それがよくわかります。
      ■         ■
 K419_頬、口唇、舌小帯形成手術_450点
 という手術点数と
 K418-2_舌繋瘢痕性短縮矯正術_2,650点
 という2つの料金があります。
 ふつうの人は、 
 舌小帯短縮症の手術は、
 舌小帯形成手術だと考えます。
 料金は4,500円です。
      ■         ■
 4,500円の手術はチョンと切るだけです。
 泣き叫んで暴れている子どもを
 押さえつけてする手術でしたら、
 切ったところを縫うことはできません。
 そうすると、手術をしても治らないことがあります。
 もう一つの舌繋瘢痕性短縮矯正術は
 Z形成術(ぜっとけいせいじゅつ)のことです。
 こちらは26,500円です。
      ■         ■
 この手術は全身麻酔で、
 舌がくっついている部分を切り、
 さらに拘縮(こうしゅく)といって、
 スジになっている部分を治します。
 切ったところの周囲に切れ目を入れて
 縫い目がZ型になるように縫い上げます。
 こうすると手術をした後で、
 再びくっついてしまうことを防ぎます。
      ■         ■
 舌の下には、
 舌下腺があります。
 その開口部もあります。
 その辺のことをしっかり知らなければ
 手術は形成外科医でも難しいのです。
 チョンと切る簡単な手術では、
 手術をしても…
 十分に舌が伸びないことがあります。
      ■         ■
 さくらんぼさんからご質問をいただきました。
 残念なことに、私は手術を受けていません。
 私の舌はW型にはなっていません。
 小学校の時には放送部員だったこともあります。
 教科書の朗読でも、
 国語の時間に叱られたことはありません。
 朝日新聞に出ていた耳鼻科の先生によると…
 私は手術適応がないことになります。
      ■         ■
 私は自分に時間があれば、
 手術を受けてみたいと思っています。
 それは長時間話したり、
 学会の準備をしていると、
 舌が疲れるからです。
 この手術を受けた私の子どもは、
 舌が十分に伸びています。
 私は子どもの手術をして
 よかったと思っています。

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医学講座

赤ちゃんの舌先がW字形

 平成21年1月25日(日)朝日新聞朝刊の記事です。
 どうしました
 赤ちゃんの舌先がW字形
 さかもとひろかず
 阪本浩一さん
 兵庫県立こども病院耳鼻咽喉科医長=神戸市
 1歳半になる孫の男児
 舌を前に出すと丸くU字形になるはずの舌先が、Wのようにみえます。舌の動きが不自由なので、言葉の発音がきちんと出来るよう手術が必要になると聞きました。今は赤ちゃん言葉でよく話すのですが、早く手術した方が良いのでしょうか。 (兵庫県・S)
 Q 舌を出すとWのようにみえるそうです。
 A 舌の裏と口の中の下側をつなぐ舌小帯という薄い膜が生まれつき短いと、舌の先端が下側に引っ張られWのようにみえることがあります。舌小帯短縮症と呼ばれ、軽度も含めると新生児の数%にみられるという報告もあります。
 Q 哺乳への影響は。
 A 以前は、舌の動きが不自由になり母乳がうまく吸えなくなるとの見方もありましたが、舌小帯がよほど短い場合を除き、哺乳に影響がないとわかりました。心配な場合は、小児科の受診をお勤めします。呼吸障害との関係が指摘されることもありますが、直接的な因果関係を示す報告はまだありません。
 Q発音への影響は。
 A 舌を前に出して下唇を超えるようなら、まず影響はありません。舌小帯がそれより短いと、まれにラ行の発音などに影響が出ます。ただ、日本語の発音を習得し終えるのは6歳ごろ。それまでは、発達過程なのか、舌小帯の影響なのか判断は難しいです。
 Q しばらく様子をみていいのですか。
 A はい。発音は、成長とともに改善する子が多いので、ラ行の音を習得する4、5歳まで経過をみます。それ以降も発音に障害があれば、言語聴覚士がいる耳鼻咽喉科の受診をお勤めします。難聴がないかを検査して確かめ、発音の障害だけなら言語聴覚士による訓練が勧められます。その結果を踏まえて手術が必要か判断します。
 Q どんな手術ですか。
 A 舌小帯を切開し、再癒着がないよう舌の裏や口の傷跡を縫い合わせます。耳鼻咽喉科や形成外科で手術ができます。9歳で手術を受けて発音障害がなおった子もいますので、急ぐ必要はありません。だが、発音が気になるようなら、小学校入学前に手術の判断も含め、受診すると良いでしょう。
 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 私自身がこの舌小帯短縮症でした。
 見つかったのは、札幌医大の学生の時です。
 6年生で耳鼻科のポリクリという実習がありました。
 学生同士が、指導教官の下で、
 お互いのベロを引っぱって、
 ノドの奥の声帯を見る実習があります。
 教官が私の舌を引っぱって、
 『舌小帯があるね』
 と指摘してくれました。
      ■         ■
 医学部でも舌小帯短縮症の講義は
 あっても数分です。
 医師国家試験には、まず出ません。
 どんな手術をするかも習いません。
 この手術はZ形成術という、
 舌の裏側をZ型に切って縫う手術で治します。
 形成外科での手術がベストです。
      ■         ■
 私は中学校の時に
 英語の時間にRとLの発音がうまくできず。
 言語障害と英語の先生に言われました。
 英語の先生に悪気はなく、
 私があまりにできないので、
 『キミは言語障害か?』
 とボソッと呟(つぶや)いたのです。
 それが原因で花田雅喜君という子が
 本間は言語障害だと言い出しました。
      ■         ■
 転校生で勉強ができるので、
 気に入らなかったのでしょう、
 私はことあるごとに花田君からいじめられました。
 それを助けてくれたのが、
 お助けマンの飛田君でした。
 今にして思うと、
 私の言語障害の原因は舌小帯短縮症でした。
 私の周囲の誰もが気付きませんでした。
 もちろん私の舌は下口唇まで伸びます。
      ■         ■
 私はラ行の発音が苦手です。
 ‘ラルズ’というお店の名前は発音しにくいし、
 英語のRとLの発音にも苦労しました。
 私は自分の子どもが生まれた時に
 舌をチェックしました。
 残念なことに、
 私に似て舌小帯短縮症がありました。
 子どもが幼稚園の時に、
 お父さんはこれで苦労したので手術をしよう!
 と説明して市立札幌病院で私が手術をしました。
      ■         ■
 赤ちゃんのうちに手術をする必要はありませんが、
 小学校へ入る前には手術をおすすめします。
 入院して全身麻酔でする手術なので、
 乳幼児医療制度が使えるうちに手術をすると、
 自己負担分の免除を受けられる自治体もあります。
 赤ちゃんの舌の先がW型だったら、
 可愛いとか言わないで形成外科です。
 Z形成術の手術は耳鼻科より形成外科が上手です。

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医学講座

妊娠・授乳と薬

 平成21年1月24日(土)朝日新聞朝刊、生活欄の記事です。
 子ども
 妊娠・授乳と薬
 自己判断せず専門機関へ
      ■         ■
 妊娠中、薬を飲んだけれど大丈夫かな。母乳育児はできないのだろうか--。そんな妊娠・授乳と薬に関する相談に乗ったり、景新情報を病院で提供したりする動きが広がっています。むやみに薬を控えて病気を悪化させるより、心配を取り除くことが先決です。 (森川敬子)
      ■         ■
 千葉県我孫子市の会社員ロビンソン恵子さん(30)は、じんましんのため10年以上前からアレルギー症状を抑える薬を毎日飲んでいる。最近妊娠がわかり、複数の皮膚科や産婦人科の医師に相談した。「安全性はわからない。覚悟して飲むか、やめるしかない」と言われた。
      ■         ■
 薬をやめるとかゆみが激しく、一日おきに飲むことにしたが、不安でたまらない。そんなとき、インターネットで国立成育医療センター(東京都世田谷区)の「妊娠と薬情報センターを知った。問診票を送ると、日時を指定され、先週、電話相談することができた。
      ■         ■
 生まれてくるすべての赤ちゃんの3%程度には統計的になんらかの奇形がある。担当した薬剤師はそのことを話した上で「この薬を飲んだ方の出産の統計も同程度なので、薬が危険だとは言えません」。説明を受けたロビンソンさんは「飲んだ人の子がどうだったか知りたかったので、安心した。受話器を置いた途端、うれしくて泣いてしまった」と話す。
      ■         ■
 センターは国の事業として2005年に開設された。世界中のデータを集めて薬の安全性を評価し、主治医や相談者に伝えている。母性内科医長の村島温子さんは「最新の客観的情報を提供することで不安をなくしたい」と話す。相談者のアンケートによると、妊娠に気づかず薬を飲んだ人は妊娠を続けるかどうか迷って来るが、相談後は迷いがふっきれる人が多いという。
       ■         ■
 虎の門病院(東京都港区)では1988年から産婦人科医と薬剤師による「妊娠と薬相談外来」を開いている。これまでに延べ約一万人の相談を受けた。その9割はほとんど問題のないケースだという。
      ■         ■
 薬剤部長の林昌洋さんは「妊娠と気づかず市販のかぜ薬を飲んでも赤ちゃんをあきらめるほどのリスクはまずない」と言う。妊娠2、3ヵ月は要注意だが、前回の生理から一カ月以内は影響がない。
 最近は不安神経症や精神病の薬の相談が急増しているという。「奇形との関連が指摘される薬もあるが、比較的安全な薬もある。自己判断せず、ぜひ相談してほしい」
      ■         ■
 両病院とも、母乳と薬の質問にも答えている。薬の成分は母乳に出るが、林さんは「体重あたりの移行量を計算すると、影響が少ないと思われる場合もある」と話す。妊娠と薬情報センターのサイトには、インフルエンザ治療薬のタミフルなど授乳中でも問題ないとされる薬と、抗がん剤や麻薬など使用してはいけない薬の代表例の一覧表が載っている。
      ■         ■
 母乳育児を支援するNPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会代表で産婦人科医の涌谷桐子さんは「赤ちゃんに必ず薬の影響があるわけではない。必要な薬は飲みながら母乳を続けると、母と子の双方に恩恵がある。小児科医に赤ちゃんの状態を確認してもらうと安心」と話している。
      ■         ■
●国立成育医療センター「妊娠と薬情報センター」(03-5494-7845 http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html)問診票を郵送すると、全国10ヵ所の協力病院の専門外来か、主治医のもとで説明を受けられる。
●虎の門病院「妊娠と薬相談外来」薬剤部医薬情報科(03-3588-1111、内線3410)に電話で予約。
NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会 (http://jalc-net.jp/)母乳育児Q&Aにインフルエンザや花粉症と授乳について解説している。


(以上、朝日新聞より引用)

      ■         ■
 私たち医師は製薬会社から提供される、
 薬剤の添付文書に従って、
 患者さんへ薬剤の情報をお知らせします。
 大部分のお薬には、
 妊婦,産婦,授乳婦等への投与
 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,
 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
 妊娠中の投与に関する安全性は確立していない
 と書かれています。
      ■         ■
 私は約20年の間、
 形成外科医として、
 数多くの先天異常の赤ちゃんを手術してきました。
 生後間もない赤ちゃんの時に…
 外来で診た子が、
 もう多数、
 成人して立派になっています。
 赤ちゃんに何らかの異常があると、
 おかあさんは悩みます。
      ■         ■
 本来、人生で一番幸福で、
 一番、楽しいはずの…
 赤ちゃんの誕生が…
 一転して、不幸のはじまりとなることがあります。
 先天異常の子どもの治療は
 お母さんへの教育からはじまるという、
 外国の有名な形成外科医の言葉があります。
      ■         ■
 唇顎口蓋裂をはじめとする、
 体表面の先天異常の大部分は、
 現代医学でもはっきりとした原因はわかっていません。
 妊娠初期に何らかの異常が起こり、
 正常な発達が妨げられて、
 唇裂や口蓋裂となります。
      ■         ■
 私が在籍していた時の北大形成外科では、
 形成外科病棟を見学していただきました。
 実際に手術を受けられたお母さんから、
 手術の体験記をお聞きして、
 辛いのは自分だけじゃないと知るだけでも、
 どんなに心強かったことでしょうか?
 私の患者さんの中には、
 今でもお母さん同士が仲良しで、
 交流が続いていらっしゃるご家庭もあります。
      ■         ■
 国立成育医療センターには金子剛先生という、
 すばらしい形成外科の先生がいらっしゃいます。
 妊娠・授乳に限らず、
 こうした国の施設は是非ご利用していただき、
 少しでも健やかな子どもの成長を
 助けていただきたいと思います。

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院長の休日

最高の人生とは?

 最高の人生とは何か?
 ちょっと考えてみました。
 私が子どもの頃、
 近所のお医者さんの家は、
 裕福で、
 テレビも
 ピアノも
 自動車も
 自分の家にないものが、
 お医者さんの家には何でもありました。
      ■         ■
 私の母親は、
 私の父親が薬剤師で、
 お医者さんの方が、
 薬剤師の倍もお給料がもらえるから、
 家にないものが、
 お医者さんの家には、
 『何でもある』と
 子どもの私に教育しました。
      ■         ■
 裕福になりたいから…
 お金持ちになりたいから…
 子どもの頃から勉強して、
 お医者さんになったのかも知れません?
 確かに、
 医師免許証があれば、
 生活に困ることはありません。
 雇用保険も、
 一度もいただいたことはありません。
      ■         ■
 研修医の頃は、
 貧乏だったこともありますが、
 結婚して子どもが生まれてからは、
 生活に困ったことはありません。
 分不相応な家を建てて、
 住宅ローン地獄になった時以外は、
 同世代の友人たちより
 ‘よい暮らし’
 をしていたと思います。
      ■         ■
 私が子どもだったころから、
 50年が経ちました。
 両親は83歳と81歳になります。
 年齢相応に衰えていますが、
 まだ元気です。
 両親は私が札幌医大に合格した時、
 医師免許証を取得した時、
 とても喜んでくれました。
      ■         ■
 世間から見ると、
 順風満帆な人生で、
 最高の人生かも?知れません。
 50年経ってみると、
 父より高給だったお医者さんは、
 父よりずっと短命でした。
 お金をたくさん残された先生もいらっしゃいます。
 でも残された奥様は…
 お一人で寂しく余生を送っていらっしゃいます。
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 薬剤師の父親は、
 つい数年前まで、
 調剤薬局のピンチヒッターとして、
 働くことができました。
 私はどう頑張っても、
 父親の年齢まで生きられる自信がありません。
 父親よりずっと短命だと思います。
 形成外科医としての寿命は、
 もっと短いと思います。
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 最高の人生とは、
 函館の看護師さんが書いてくれた、
 100歳のおばあちゃんが言われた、
 「100年生きてきたら楽しいことより苦しい時代が多かった。
 でも苦しいと感じた時に
 必ず目の前に蜘蛛の糸みたいな紐が下りてきて
 その紐をたどったら
 必ずどん底から這い上がれたと・・・」
 だから目の前に本当に蜘蛛の糸が下りてくるわけじゃないけど
 自分が不幸なんだとか苦しいと感じたら
 目の前に蜘蛛の糸が下りてきていると思って
 必ず這い上がってごらんなさい。
 と100歳になって言えるような人生かなぁ…
 と思っています。
 私には到底無理でしょうけど…

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