医学講座

ワキガといじめ

 平成20年2月2日、朝日新聞夕刊の記事からの引用です。
 東京都内で行われている、日本教職員組合(日教組)の教育研究集会の分科会でのお話しです。
 福岡県内のある市立中学校での事件です。
 3年生の学年主任の教諭(44)が、「学校裏サイトとの闘い」を発表されました。
      ■         ■
 その中学校の学校裏サイトで、
 「○○(生徒の実名)体くさい」
 「あいつ死んだほうがいいよ 女子でいじめよう」
 「キモイ顔面しやがって」
 と書かれていました。
      ■         ■
 以下が朝日新聞からの引用です。
 (先生は)全クラスで道徳の授業を行い、裏サイトについて考えさせた。
 各クラスの担任は裏サイトの内容を黒板いっぱいに書き出した。
 書き込みの多さと内容の醜さ、ひどさに気づかせるためだ。
 書き込みが原因で殺人事件が起きたり、悪口を書かれた人が自殺したり、最悪の場合は死につながることも教えた。
      ■         ■
 主任は、その日の「帰りの会」(学年集会)でも訴えた。
「名前が出ないからと人を傷つければ、書き込むごとに自分の心がカサカサになる」
「嫌な書き込みをしたことがある人は今夜削除してほしい」
      ■         ■
 同時に、掲示板の管理人に誹謗中傷の書き込みの削除を要請した。
 ネット上に掲示板の場所を提供していたプロバイダーには、掲示板の閉鎖を依頼した。
 6月20日。
 授業参観後の父母らとの懇談会で書き込みの抜粋を示し、裏サイトで傷ついている生徒がいる現実を知らせた。
 「ひどい」。顔をしかめる親もいた。
      ■         ■
 プロバイダーが対応したのか、その後、掲示板は閲覧できなくなった。
 その後。3年生のあるクラスに新しい掲示板ができた。
 欠席したり早退したりした生徒のために、次の日の授業で準備が必要なことなどを書き込む場だ。
 生徒たちが自ら大事に運営し、「楽しい掲示板」になっているという。
      ■         ■
 主任は反省を込めて語る。
「教師は裏サイトのことを知らなさすぎる。もっと勉強しなければ。誹謗中傷があれば、削除や掲示板の閉鎖が必ずできる仕組みも必要だ」
 (以上、朝日新聞から記事の一部を引用しました。)
      ■         ■
 ワキガ体質の方は、思春期から症状が出始めます。
 女の子でしたら、12~13歳頃から、男の子は少し遅く、13~14歳頃から、というのが一般的です。
 ちょうど中学校入学の頃です。小学校までは制服がありません。
 中学校になると、制服を着るようになります。
      ■         ■
 私が、中学生だったのは、もう40年も前です。
 その頃は、男子はワイシャツに学ランと言われた学生服。
 女子は、ブラウスにブレザーかベストというのが一般的でした。
 ワイシャツもブラウスも白が基本。
 色柄物は、不可でした。
 白いワイシャツを着るようになって、自分も少し大人になったような気がしたものです。
      ■         ■
 ところが、ところが…
 白いワイシャツや白いブラウスは、ワキガ体質の方には過酷です。
 すぐに脇の部分が黄色く変色してしまいます。
 他人に敏感な年頃の子供たちです。
 『○○臭い(クサイ)』
 福岡の中学校で臭いといわれた子が、ワキガだったかどうかは不明です。
 ただ、誰かが『くさい』と言い出すと全体に広がります。
      ■         ■
 札幌美容形成外科を受診する方の中にも、ワキガが原因でいじめられた女子生徒がいます。
 もちろん、裏サイト対策も重要です。
 ワキガ以外が原因でいじめられることもあります。
 私も言語障害といじめられました。
 ただ、ワキガ体質の方は、社会に出てからも苦労します。
      ■         ■
 医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士、介護福祉士など
 医療分野で活躍する人は、白衣が制服です。
 他人と接触することが多い職種です。
 手を使う仕事なので、就職してからの手術はまず無理です。
      ■         ■
 私は、本人が気にしているなら手術を受けるべきだと思います。
 男の子でしたらお父さん
 女の子でしたらお母さん
 と同じ程度に腋毛が濃くなったら手術は可能です。
 高校生から大学生の間に手術を受ける方が多いです。
      ■         ■
 卒業式が終わってから、高校や大学へ進学するまでの間がチャンスです。
 高校3年生で、進路が決まっていて、2月に学校へ行く必要がない人は
 卒業式前もチャンスです。
 ワキガ手術は、一生に一度の手術です。
 健康保険も適用になります。
 いじめは中学校だけではありません。
 社会に出てからも、『くさい』と言われて気分がよい人はいません。
 時間がある時に、是非受けていただきたい手術です。

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医学講座

多汗症、吸引法で効果なし

 最近、ご相談にいらした方です。
 多汗症で、数年前に吸引法による手術を受けました。
 手術による効果はなく、すぐに汗が出るようになりました。
      ■         ■
 手術をしてくれた、クリニックへ相談に行きました。
『手術では、これ以上改善しないので、ボトックス注射をしましょう。』
『今だったら、お試しキャンペーン価格で、○万円です。』
 その日に、注射を受けました。
 若い先生が、片ワキ5箇所くらい注射してくれました。
      ■         ■
 少し汗が減ったような気がしますが、
 まだ汗は出ます。
 ボトックスもあまり効果がありませんでした。
      ■         ■
 私が、ワキを診察すると、確かに汗が出ていました。
 私:『何というボトックスを、何単位注射しましたか?』
 『……?』
 『何も聞いていません…』
 同じボトックス注射でも、注射する範囲と量によって効果が異なります。
      ■         ■
 ワキボトックス:キャンペーン価格、○万円
 二重埋没法:一点留め(保証なし)○○千円
 などなど、
 美容外科の価格はクリニックによってさまざまです。
      ■         ■
 同じようなメニューでも、中味が違います。
 安く見えても、効果がなければ、結局高いものにつきます。
 医療の安全性は、価格だけではわかりません。
 100万円もする、二重埋没法もあります。
 高ければよいというものでもありません。
      ■         ■
 中味が見えないものは、慎重に選ばなくてはなりません。
 私は、施術を迷っていらっしゃる方には、
 他の信頼できるクリニックへも、相談に行くように話します。
 こうして、毎日、日記を書いていると、
 遠方の方からも、ご相談を受けます。
      ■         ■
 美容外科選びは難しいものです。
 先生との相性もあります。
 私は、遠方の方から、ご相談を受けた時には、
 できる限り、信頼できる先生をご紹介するようにしています。
 同じように見えても、中味は違います。
 慎重にクリニックを選んでください。

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医療問題

中国製への信頼

 中国製のギョーザによる健康被害が問題になっています。
 被害を受けられた方へ、心からお見舞い申し上げます。
 一日も早く、健康を回復なさることを祈念しています。
      ■         ■
 私たちの身の回りには、たくさんの中国製品があります。
 これは、日本だけではなく、米国でも同様です。
 食品、衣料品、電化製品、医薬品まであります。
 米国では、昨年、中国産製品の安全性が次々と問題になりました。
 朝日新聞によると、1月31日付のニューヨークタイムズ紙は、
 上海にある中国国有の大手製薬会社が製造した白血病治療薬の汚染による薬害事件が起きていることを紹介し、
 この会社が米国への経口中絶薬の唯一の納入元であると報じました。
      ■         ■
 美容外科の分野でも、中国製薬品があります。
 以前にも書いていますが、ボトックスの中国版がBTXAです。
 BTXAは香港のHugh Source (Int’l) Ltd.社が販売権を持つ製品です。
 1993年に中国保健省によって眼瞼痙攣や 片側顔面痙攣、斜視の治療用製剤として認可されました。
 中国製のA型ボツリヌス毒素製剤です。
      ■         ■
 米国製、アイルランド製、英国製に比較して
 価格が安いのが特徴です。
 安全面でも、問題がないという‘先生’が数多くいらっしゃいます。
 確かに、餃子(ギョウザ)と一緒にするのは、申し訳ない気がします。
      ■         ■
 私は、ユニクロが好きですし、中国製品のすべてが悪いとは思っていません。
 ただ、自分の体の中に入るものは、
 食品でも医薬品でも、‘安全’を第一に考えています。
 ‘安全’にはお金がかかります。
      ■         ■
 札幌美容形成外科でも、一番、手間隙(テマヒマ)をかけているのが、
 消毒や滅菌という作業です。
 信じられないことですが、日本の美容外科でも、
 抜糸に使う、鋏やピンセットを『使いまわし』するところがあります。
 手術器械も、たくさん揃えるとお金がかかるので、
 一つの器械を、イソジンという消毒薬で、‘消毒’しただけで
 次の手術にまわすクリニックがあります。
      ■         ■
 食の安全、医療の安全は
 私たちが、健康に暮らすための必要最低限の条件です。
 毎日新聞によると、
 問題となった、中国河北省の天洋食品は
 「利益偏重」で元従業員から批判が相次いでいるそうです。
 人為的に、農薬をかけられた疑いもあります。
      ■         ■
 私たちは、自分の健康は自分で守る必要があります。
 確かに、中国産の食材は安い魅力があります。
 一個10円程度の餃子は、安くて魅力的です。
 ただ、私は少しくらい高くても、安全な日本製を食べようと思います。
 美容外科も同じです。
 あまりにも安すぎるところは、何か変です。
 

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医学講座

美と健康の維持

 ミス日本「空の日」に北大経済学部の八木菜摘さん(20)
 ミス札幌に、北大大学院生の中寺さくらさん(23)と北大生の佐藤由佳さん(21)が選出されました。
 北海道大学といえば、北海道の中では、一番の難関です。
 私は、高校・予備校の時に、北大に入りたかったのですが、学力が及びませんでした。
      ■         ■
 北大に入るには、小さい頃から、毎日勉強しなくては、なかなか合格できません。
 毎日の勉強の積み重ねが、合格への第一歩です。
 北大より、もっと難しい大学があります。
 北大に入れば、それで人生がバラ色になるというわけでもありません。
 大学は学問の場ですから、毎日の勉強が大切です。
      ■         ■
 大学に合格しただけで、毎日の勉強を続けなければ、卒業はできません。
 楽しいことばかりではなく、辛い定期試験もあります。
 ちょうど、冬の今頃は、定期試験の時期です。
      ■         ■
 ミスコンテストで入賞するには、生まれつきの才能もあります。
 ただ美人に生まれただけでは、入賞できません。
 本人の努力が必要です。
 あるミスコンテストの候補者が、コンテスト終了後に…
 『あぁ!これで、美味しいケーキが食べられる!』
 と言われたそうです。
 そばにいたお母さんが、
 『よく頑張ったね。好きなものもガマンして、偉かったね』
 と言葉をかけていたそうです。
      ■         ■
 美と健康の維持は、簡単なようで難しいものです。
 20歳前後のお嬢さんは、若いというだけで美しい時期です。
 同時に、ケーキ、アイス、お菓子などなど
 甘くて美味しいものが大好きで、食べたい時期でもあります。
      ■         ■
 毎日、ケーキや甘いものを、好きなだけ食べていると…
 あっという間に、体重が増えてしまいます。
 美容外科に来て、○○万円もかけて、脂肪吸引をしても…
 体重は簡単には落ちません。
 チョコをいっぱい食べると、ホッペにニキビがたくさん出てきます。
      ■         ■
 自分で自分をしっかりコントロールできないと、体重の管理はできません。
 100円でできるダイエットに書いたように、
 やせるためには、自分がどのくらい食べているかを、
 客観的に、しっかり管理しないとダメです。
      ■         ■
 ミスになられた方は、これから一年間、ミスとしての業務が待っています。
 美と健康を維持して、学問もしっかりしなくてはなりません。
 美しい女優さんやモデルさんは、しっかりと自己管理をなさっています。
 美と健康の維持は、簡単なようですが、
 自分との戦いであることも事実です。
      ■         ■
 優秀な北大生のミスが増えるのは、嬉しいことです。
 しっかりと自分を磨いて、一年間、元気で活躍していただきたいと願っています。
 たまには、美味しいケーキも食べてください。
 もし、体重が気になれば、半分は残して、彼とか家族に食べてもらってください。
 これが、太らないコツです。
 

2008 雪の女王・ミスさっぽろ
宮原里奈さん(21)(会社員)(左)
中寺さくらさん(23)(大学院生)(中央)
佐藤由佳さん(21)(大学生)(右)

さっぽろ雪まつりHPより引用

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医療問題

医師ドラフト制?

 平成20年1月28日、朝日新聞朝刊の社説です。
      ■         ■
 希望社会への提言(14)―医療の平等を守り抜く知恵を
 ・ドラフト制をヒントに、医師を公的に配置
 ・運営を県単位にして、診療報酬を決める権限も
      ■         ■ 
 社会保障の各論として、まず崩壊が心配されている医療から考えたい。
 「薬指だけなら1.2万ドル、中指は6万ドル。どっちにします?」。
 事故で指を2本切断した無保険者は手術に入る前、医者からこうたずねられる……
 昨夏、米国の医療の実態を描いたマイケル・ムーア監督の「シッコ」は、日本でも大きな衝撃を与えた。
      ■         ■
 公的な医療保険は高齢者と低所得者に限られ、民間保険に入れないと無保険者になる。
 米国ならではの光景だ。
 日本では、すべての人が職場や地域の公的医療保険に入る。
 いつでも、どこでも、だれでも医者に診てもらえる。
「皆保険」は安心の基盤である。
 シッコの世界にしないよう、まず医療保険の財政を確かなものにする必要がある。
      ■         ■
 患者負担を除いた医療費は、高齢化で2006年度の約28兆円から2025年度には48兆円へ跳ね上がる、と試算されている。
 それをまかなうため、保険料と税金がともに10兆円前後増える計算だ。
 試算では、サラリーマンの月給にかかる保険料率は平均して約1ポイント上がる程度だが、
 自営業者や高齢者が入る国民健康保険は、いまでも保険料を払えない人が多く、限界に近い。
 患者負担を引き上げるのはもう難しかろう。
 皆保険を守るためには、保険料と患者負担の増加を極力抑え、そのぶん税金の投入を増やさざるを得ないのではないか。
      ■         ■
 社会保障を支えるためには消費税の増税も甘受し、今後は医療や介護に重点を置いて老後の安心を築いていこう、と私たちは提案した。
 医療は命の公平にかかわるだけに、優先していきたい。
 もちろんムダもある。
 ・治療が済んでも入院を続けて福祉施設代わりにする。
 ・高齢者が必要以上に病院や診療所を回る。
 ・検査や薬が重複する。
 こんなムダを排していくことが同時に欠かせない。
      ■         ■
 医療保険の財政基盤が固まったとして、医療の現場は大丈夫か。
 そこが最近は怪しくなってきた。
 ・病院から医師がいなくなっている。
 ・患者のたらい回しもよく起きる。
 ・このままでは産科や小児科だけでなく、外科や麻酔科も足りなくなる。
 ・近ごろ医師の不足や偏在が目にあまる。
      ■         ■
 医師は毎年4,000人ほど増えているが、人口1,000人当たりの医師は2人だ。
 このままいくと韓国やメキシコ、トルコにも抜かれ、先進国で最低になるともいう。
 先進国平均の3人まで引き上げるべきだ。
 医師の養成には10年はかかる。
 早く取りかからなければならない。
      ■         ■
 医師が充足するまではどうするか。
 産科や小児科など、医師が足りない分野の報酬を優遇する。
 あるいは、医師の事務を代行する補助職を増やしたり、
 看護師も簡単な医療を分担できるようにしたりして、
 医師が医療に専念できる環境をつくることが大切だ。
      ■         ■
 そのうえで、診療科目の選択や医師の配置に対して、公的に関与する制度を設けるよう提案したい。
 医師の専門分野が偏らぬよう、診療科ごとの養成人数に大枠を設ける。
 医師になってからは、一定期間、医師の少ない地域や病院で働くことを義務づける、というものだ。
      ■         ■
 配置を受ける時期は、研修時や一人前になったとき、中堅になって、といろいろありうるだろうが、義務を果たさなければ開業できないようにする。
 医師は命を預かるかけがえのない仕事である。
 だから私立医大へもかなりの税金を投入している。
 収入が高く、社会的な地位も高い。
 たとえ公立病院に勤務していなくても、公的な職業だ。
      ■         ■
 自由に任せていては、医師の偏在は解消できない。
 社会の尊敬と期待にこたえて、このように一時期の義務を受け入れることはできない相談だろうか。
 以上の制度ができたとき、医師を計画的に養成するのは中央政府の仕事だ。
 しかし、それ以後は思い切り分権を進め、地域政府にまかせるべきだ。
      ■         ■
 前述した配置も、都道府県が地元の病院や医学部、医師会、市町村などと相談しながら決める。
 医師の多い県から出してもらう必要も生じるだろう。
 その際には、プロ野球のドラフト制度をヒントにしてみてはどうだろうか。
 新人だけでなく中堅の医師を含めて、医師不足の県が、医師の多い県から優先的に採用できるようにするのだ。
      ■         ■
 4月からは、75歳以上の高齢者が入る県単位の高齢者医療制度が始まる。
 中小企業のサラリーマンが入る政府管掌健康保険は全国一本だったが、これも10月から県ごとに運営される。
 市町村の国民健康保険や小さな健保組合も、県単位への統合を進めている。
      ■         ■
 したがって、医療の負担と給付を決めるのも県の仕事にするのが自然だ。
 医療への診療報酬は政府の審議会で決めている。
 これを、政府が決めるのはその基準にとどめ、知事が最終的に決めるようにしたっていい。
 必要とされる医療は地域によってさまざまなので、地域の実情に合わせやすくなるだろう。
      ■         ■
 長野県は、予防に力を入れて高齢者の医療費を全国最低に抑えつつ、長生きを実現している。
 県が責任をもつことで、そんな工夫が広がるよう期待したい。
 (以上、朝日新聞社説より引用)
      ■         ■
 医療問題への提起は、面白くない日記で、申し訳ありません。
 私としては、ちょっと看過できない社説でしたので、あえて引用させていただきました。
 医師のドラフト制?はどんなものでしょうか?
 何度も書いていますが、医療行為は自動車の運転に似たところがあります。
      ■         ■
 最初に習った‘先生’に影響されます。
 自動車学校で、乱暴な運転を教えるところはないと思いますが…
 繰り返し、慎重な運転を教えられた生徒は、事故率が低いと聞いたことがあります。
 自動車学校毎の、事故率が異なるとも聞いたことがあります。
      ■         ■
 形成外科に関していうと、最初に上手で慎重な‘先生’についた人は、
 キレイに丁寧に縫うクセがつきます。
 外国では、履歴書に、誰について何年間修行をしたか?
 という、経歴が重要視されます。
      ■         ■
 2年間の臨床研修で、いろいろな科を回るのが今のシステムです。
 各科の‘技術’を身につけることの重要性が叫ばれています。
 形成外科で3ヵ月間研修したとします。
 確かに、縫合法についての知識は増えますが、上手に縫えるまでにはなりません。
 研修医に、女性の顔を縫わせることはできません。
 現在の臨床研修制度による問題が、臨床現場を混乱させています。
 教えながら、診療するのは、想像以上に大変なことです。
 疲れ果てて、臨床研修指定病院を去る、指導医がいます。
      ■         ■
 数ヵ月~数年程度、形成外科研修をして、専門医も取得していない先生がいます。
 ○○大学医学部、形成外科卒業なんて…
 経歴に書いてあります。
 実際に○○大学医学部形成外科の先生にお聞きすると…
 あぁ、そんな奴いたかもしれないが、何もできませんよ。
 という答えが返ってきます。
      ■         ■
 もし、医師ドラフト制ができたら…
 医師は、自分の希望とか、適性とか、と関係なく
 『はい、本間賢一さん』
 『あなたは、北海道知事が決めた、択捉(エトロフ)国保診療所に勤務』
 『専門科目は、神経内科』
 『義務年限は10年間』
 『5年間皆勤すると、義務年限が7年に短縮されます』
 てな、ことになりませんか?
      ■         ■
 医師としての仕事は、肉体的にも精神的にも厳しいものです。
 自分の、夢とか、希望とか、ロマンがなければ続けられません。
 いくら高給を出しても、長続きしません。
 一番重要なのは、若い先生から、年輩の先生までが
 夢とロマンを持って働けることです。
 朝日新聞社が考える、ドラフト制がどんな仕組みかわかりませんが、
 簡単には解決できない問題だと思います。

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ミス日本「空の日」

 第40回2008年度ミス日本グランプリ決定コンテスト(スポーツニッポン新聞社後援)が1月28日、東京・新宿の京王プラザホテルで行われました。
 北海道地区代表として出場した、北海道大学経済学部2年生の八木菜摘さん(20)が、ミス日本「空の日」に選出されました。
      ■         ■


八木菜摘さん
北大経済学部2年生


ミス日本の各賞受賞者
写真中央、グランプリ鈴木恵理さん(20)
写真右から二人目「空の日」八木菜摘さん(20)
写真左から二番目「海の日」都甲奈央さん(17)
写真右ミス着物石井佑貴美さん(22)
写真左ネイチャー岡田亜沙美さん(21)
東京・新宿の京王プラザホテルで
ミス日本HPより引用

      ■         ■

 以下は、平成20年1月29日のスポーツニッポンに掲載された記事です。
 ミス日本「空の日」八木さん
 夢は道知事
      ■         ■
 ミス日本「空の日」には北海道大学経済学部2年、八木菜摘さん(20)が選ばれた。
 外見の美しさに加え、機転の利く賢さと度胸の良さを審査員が絶賛。
 生まれも育ちも北海道で、将来の夢は
「北海道のみんなのために頑張ります。北海道知事になること」
 と大きな目標を掲げた。
      ■         ■
 八木さんは受賞が決まると、しばらく口を開けたまま。
「まさかここに立つなんて思ってなかった」と、ぼう然とした。
 応募の動機は「毎日が学校とアルバイトの繰り返しで(ぐうたら生活を送る)“干物女”でした。
 そんな自分を磨きたいと思ったんです」とハキハキと笑顔で答えた。
      ■         ■
 着物審査で扇を使い自分を表現する時に、扇が開かず慌てる場面もあった。
 それでも「私の緊張度を表しました」と機転の利いたコメントで、会場を笑いに包んだ。
 審査委員長の酒井政利氏は
「知性が光り、コメントが凄く生きている。
 将来、政治家になるんじゃないでしょうか」
 と大物ぶりを指摘。
      ■         ■
 ゲスト審査員を務めた弁護士で自民党参院議員の丸山和也氏も
「表情が硬いけど、何かのために戦う決意が出ている。
 将来、もしライバルになったら強敵だね」
 と太鼓判を押した。
      ■         ■
 そんな周囲の声を伝えると
「実は北海道知事になるのが夢なんです」
 と遠慮がちに告白。
 生粋の道産(どさん)子で、27日に行われた激励会では
「日本ハム、
 コンサドーレ、
 洞爺湖サミット、
 ノリにノっている北海道の力を借りて頑張ります」
 とあいさつしたほど郷土愛が強い。
      ■         ■
 政治・経済に興味があり
「政治の番組を見て文句を言うのが好き」
 という異色の女子大生。
 貧困層削減のためのNPO(非営利団体)を設立することも目標の1つだ。
      ■         ■
 知事になった際の政策を尋ねると
「公務員の給料を減らすのはおかしい。
 職員のやる気がなくなったら町全体の雰囲気が悪くなる。
 それは間違ってると思うんです」と真剣な表情。
「タレント議員にはなりたくない。
 信念を持って、大好きな北海道に恩返ししたい」
 ときっぱり。
 「空の日」。
 北の大地で育った美女にふさわしいタイトルだ。


チョイ苦戦の扇子アピールでしたが、
巧みに切り抜けた八木菜摘さん
撮影 豊田和夫
(以上、スポーツニッポンより引用)

      ■         ■

 ミス日本「空の日」選ばれた八木菜摘さんに、心から祝福のエールを送ります。
 北海道経済は、拓銀破綻以来、元気がありません。
 今年の冬も、灯油の値上がりで、庶民の心まで冷え込んでいます。
      ■         ■
 北海道大学経済学部で、経済学を専攻している八木さんが、ミス日本「空の日」に選ばれて、とても嬉しく思います。
 北海道新聞の記事によると、
 ミス日本コンテストは今回で40回目。
 今年は2,941人の応募があり、決定選考には27人が進出。
 水着審査やスピーチで、ミス5人と準ミス5人を決めた。
      ■         ■
 八木さんは釧路市出身。
 留萌管内小平町の鬼鹿中時代、同管内の中学生英語スピーチ大会で最優秀賞を受賞したほか、
 剣道も三段の腕前。
 北海道大学で、しっかり経済学を学んで、
 北海道経済を立て直すような、女性になっていただきたいと願っています。 

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医療問題

たらい回し診療の背景

 週刊文春、1月31日号、病院情報ファイル2008の記事です。
 取材・構成 恵原真知子さん
 医療ユーザー編
 たらい回し診療の背景
 医師の過酷な勤務状況を改善し、
 安全な医療を実現するために必要なこと。 
      ■         ■    
 緊急治療を要する産科や外傷患者の救急受け入れがスムーズにいかず、手遅れになる。
 この急患たらい回しの報道が目立つ。
 保険証があればいつでもどこでもある程度の医療が受けられるはずだが、その常識はもはや幻想かもしれない。
 背景には深刻な医師不足がある。
      ■         ■
 本質的な問題として医師の過酷な勤務実態や責任に比して低い報酬、あるいは医学教育と医療の制度疲労などがあげられる。
 医療が限界状況にきているのだ。
 患者側では手出しできない問題ばかりだが、医師が働きやすい環境が担保されなければ、安全な医療など望めない。
 医師の仕事や働き方は、ユーザーの問題でもあるはずだ。
      ■         ■
 現在、多くの病院ではリスクマネジメント会議などで
「急患は、スタッフなどの受け入れ態勢が不十分な場合は、無理せずに断る」
 旨を話し合っているという。
 不十分な人員や機材のまま患者を受け入れ、不満足な結果になれば、訴えられ敗訴するからだ。
 不眠不休で働こうと誠意を尽くそうと、ミスになる確率が高い以上、診療回避が当然の判断であり、合法的だ。
      ■         ■
 しかも、例えば未熟児網膜症により失明した責任を問うた訴訟事例では、被告病院が、治療能力のある病院に転院させなかった落ち度を問われている。
 医師の数が十分で、医療レベルが周知されているならそれも正しいだろう。
 だが、そのような体制が不備な現状では、我々はいつ診療回避で医療難民になっても不思議はない。
      ■         ■
 必要に応じて難なく治療を受け、治る病気を治したいという患者の願いは、医師の願いでもあるはずだ。
 もはや他人任せにはしておけないという思いをもった医師たちが、その実現に向けて具体的に動き出した。
 そのーつが勤務医を中心とする新しい団体(全国医師連盟設立準備委員会・黒川衛代表世話人)の設立だ。
 新団体は、医療崩壊を食い止めるためにも医師の労働環境改善を図るべきとし、本年5~7月頃に千人規模での設立を目指す。
 目下の会員数は約420人、平均年齢は約43歳と若い。
      ■         ■
 医療の中核的担い手の出番
 医師不足に対しては今年から医学部の定員が増えるが、産婦人科医や救急医療専門医が増える保証はない。
 また、診療点数は一律で、医師の経験や専門医資格の有無や技術格差は反映されない。
 少しずつ定額制が導入されているが、基本的には個々の医療行為ごとに点数が定められているので、検査や処方薬の多い医師のほうが稼ぐなどの矛盾も孕(ハラ)んでいる。
 さらに定価になる診療点数が逆手に取られ、ペースメーカーや人工内耳など輸入医療機器は世界一高い価格で買わされている。
      ■         ■
 「医師を悪者にして叩いても何も解決しない。
 患者と医師は治療の共同体で、敵対関係になるほど不毛なことはない」
と『医療崩壊』の著者で虎の門病院泌尿器科の小松秀樹部長はいう。
 そもそも患者を“様”づけし、
 「医療も教育もサービス業の一種」
 という考え方が示された(「サービス」の誤訳という説も)頃から、
 患者側の勘違いも目立ってきた。
      ■         ■
・マナー違反、
・医療費踏み倒し、
・医療スタッフの使用人扱いや
・タクシー代わりの救急車利用
 などの事態が、病院の混乱や疲弊に拍車をかけている。
 まず一刻も早い医療の総点検が求められる時期なのだ。
 医療費を抑制するべきかどうかなどもその後の問題だろう。
 たらい回しや高齢者の切り捨てがなく、さらに医療スタッフが落ち着いて働ける医療環境が整うよう、
 私たちも関連報道などに注目していこう。
      ■         ■
 医療問題の理解に役立つホームページ
・現場からの医療改革推進協議会:
http://plaza.umin.ac.jp/~expres/genba/index.html
・周産期医療の崩壊をくい止める会:
http://perinate.umin.jp/            
・ロハス・メディカルブログ:          
http://www.lohasmedical.jp/blog/
・医学研究情報所のメールマガジン:
http://mric.tanaka.md
(以上、週刊文春より引用)
      ■         ■
 国が進めた医療制度改革で、保険医療機関も保険医も疲弊しています。
 私などが、とやかく言うと…
 美容整形の医者が何を言ってるんだ!
 と、お怒りの電話を受けそうです。
 (美容外科医は、悪徳医師の代表のような印象があります。)
      ■         ■
 北海道では、平成19年に
 五輪橋内科病院/民事再生法 負債41億/H19年1月
 北斗循環器病院/破産 負債16億/H19年4月
 パーク歯科医院/医療法人白歯会/破産 負債1.7億/H19年5月
 松井病院/医療法人円友会/破産 負債2.7億/H19年5月
 三恵病院/医療法人社団和城会/民事再生法 負債13.3億/H19年9月
 の医療機関が倒産しています。
      ■         ■
 昔は、
 お医者さん=お金持ち
 というイメージがありました。
 今は、
 お医者さん=休みがない
 いつも疲れている。
 激務
 過労死
 などなど…
 あまり良いイメージがありません。
      ■         ■
 私は、長い間、勤務医をしていました。
 総合病院の診療科長会議なんていうと…
 格調高い、医学のお話しなんて、イメージをもちそうですが…
 実際のところは、経営が苦しいので、皆様のご協力を…
 てな、会議が大部分です。
      ■         ■
 一般に、勤務医は、いくら働いて‘売上’が多くても、
 お給料は上がりません。
 せいぜい、増えるのが、時間外手当でした。
 それも、出なくなっている病院が多いと聞いています。
      ■         ■
 診療科によって、忙しい科と、比較的ヒマな科があります。
 9:00~17:00までで、定時に終わる科の医師と
 7:00~22:00まで、働いている医師の給与差が、ほとんどないことがあります。
 若手の働き者の医師の給与が低く、
 あまり働かないで、
 ‘医局で昼寝’なんかしている医長クラスの給与が高いこともあります。
 そうすると、
 『こんなところで働いていられるか!』
 とキレる医師が出てきます。
      ■         ■
 総合病院の院長職の仕事は、優秀でよく働くお医者さんを
 いかに多く確保するかに翻弄されます。
 医師の給与を、出来高払いにする必要はありませんが、
 一生懸命働いた医師が
 夢も希望もなくするような病院はダメです。
 健康で文化的な生活を営む権利は
 憲法で保障された、基本的人権です。
 為政者は、この憲法の規定を守るような政策を立てる必要があります。
 このままだと、本当に日本の医療は崩壊します。
 

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医療問題

ボトックスで死者16人

 平成20年1月27日の北海道新聞朝刊に、
 毒素の美容注射で死者
 米消費者団体が警告
 という記事が掲載されていました。
      ■         ■
 この記事は、共同通信が配信した記事です。
 同じ内容の記事をネットで検索したところ、スポーツニッポンの記事が詳しかったので、以下に引用します。
 スポニチの記事は、ロイター通信社の配信記事です。
      ■         ■
 米国の有力な消費者団体「パブリック・シティズン」は1月24日、
 顔のしわを取る美容外科や筋肉を弛緩(しかん)させる治療で使うボツリヌス菌毒素の注射薬で、
 16人の死者が出るなど重大な副作用が発生しているとして、
 医師や患者に警告を出すよう米食品医薬品局(FDA)に要請したと発表した。
      ■         ■
 対象の薬は「ボトックス」と「マイオブロック」で、
 特にボトックスは日本でも美容外科でよく使われている。
      ■         ■
 同団体によると、これらの薬のメーカーがFDAに自主的に提出した報告書から、
 米国内で1997年11月から2006年末までに658件の副作用例があり、
 うち180件は、ものがのみ込みにくくなる障害や肺炎などの呼吸器関係だった。
      ■         ■
 87人が入院し、
 注射後に呼吸器の障害で死亡したケースはボトックスで12人、
 マイオブロックで4人。
 ボトックスの少なくとも1件は美容目的だった。
      ■         ■
 ボトックスの製造元の米アラガン社は
「患者自身の神経的な病状やリスク要因が重大な結果をもたらすことがあり、
 必ずしもボトックスと因果関係があるわけではない。
 過去17年間で重大な副作用は極めてまれだ」
 とコメントしている。
      ■         ■
 ロイター通信によると、
 FDAは「要請の内容を検討してからコメントする」としている。
 (以上、スポーツニッポンHPから引用)
      ■         ■
 ボトックスはHPにも詳しく記載してあるように、
 正しい使い方をする限り、安全で有用な薬剤です。
 ただ、どんなに優れた薬でも、使い方を誤ると重大な副作用が起こります。
 この新聞記事に掲載された内容は、誤りではありませんが、
 いたずらに不安を煽る(アオル)書き方はよくないと思います。
      ■         ■
 札幌美容形成外科のHPにも記載してありますが、
 この薬はもともと斜視の治療に用いられました。
 その後、眼瞼痙攣、片側顔面神経麻痺などの治療に使われ、
 美容外科で使われるようになったのは、ずっと後です。
 日本で最初に使って紹介してくださったのは、
 サフォクリニックの白壁征夫先生だったと記憶しています。
 白壁先生が、ご自身の額に注射して、学会の時に見せてくださいました。
      ■         ■
 米国では、日本よりずっと多くのボトックスが使われています。
 PRSという、米国形成外科学会雑誌に特集号が出たくらいです。
 数多く使われるようになると、不慣れな医師が使って、事故も起こるようになります。
 米国では、歯科医師が‘歯軋り(ハギシリ)’の治療に使うこともあります。
      ■         ■
 死亡事故の原因となった、
 ・ものがのみ込みにくくなる障害
 ・肺炎
 ・呼吸器の障害による死亡
 は、いずれもボトックスを過剰に注射して、
 呼吸筋が麻痺したか
 血管内に注射してしまった事故だと、推測されます。
      ■         ■
 もし、血管内に入って、呼吸障害を起こした時は、
 麻酔器や人工呼吸器で酸素を投与すればよいことです。
 決して、死ぬようなことは起こりません。
 薬の作用機序から考えても、
 致死的な副作用は考えられません。
      ■         ■
 不慣れな医師が、安易に使うと事故になります。
 どんな薬剤にも副作用はあります。
 よく効く薬ほど、使い方が難しいのです。
 そこに、医師の腕が必要になります。
      ■         ■
 米国で大ヒットしたので、
 中国や韓国でも、コピー商品が出ています。
 中国製は、名前まで似ています…
 今回、報告された副作用は、コピー商品ではなく
 本家本元の正規品です。
      ■         ■
 正規品ですら、副作用が問題になっています。
 どんなハイテク航空機でも…
 パイロットが下手だと墜落します。
 乱気球に巻き込まれて、機体が傾いても
 未熟なパイロットは機体を立て直せません。
      ■         ■
 医療も同じです。
 経験を積んだ医師と…
 免許取立ての医師は違います。
 万一の事態に対処できるかどうかで、生命の危険が左右されます。
 安全性からいえば、ボトックスより脂肪吸引の方がずっと危険です。
      ■         ■
 形成外科の専門誌には、
 まだ、ボトックスで死者が出たことは掲載されていません。
 以前にも書いていますが、
 脂肪吸引による重大事故は、文献的にも紹介されています。
 私は、自分の身内にも、ボトックスを注射しています。
 自分の身内に使えないような薬剤は、‘絶対に’使いません。
 ボトックスは、正しく使えば、怖い薬剤ではありません。

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医療問題

本人確認

 保険医療機関では、健康保険証を提示していただき、本人確認をいたします。
 美容外科では、自由診療のため、本人に申告していただきます。
 原則として、運転免許証などで、本人確認はいたしません。
 法律で義務付けられていることもございません。
 ホテルや旅館で、チェックインの時に、住所と名前を書くのと一緒です。
      ■         ■
 法律で義務づけられているのは、診療録(カルテ)の記載と保存です。
 カルテは5年間の保存義務があります。
 実際には、5年以上、保存している医療機関が多いと思います。
 大学病院や大病院では、カルテの保存や管理が大変です。
 現在は、電子カルテも認められており、将来的には電子カルテになると思います。
      ■         ■
 電子カルテにしても…
 紙カルテにしても…
 カルテ入力する、
 ・氏名
 ・生年月日
 ・住所
 ・電話番号
 などは、本人の自己申告です。
      ■         ■
 もし、他人の保険証を借りて、
 医療機関を受診して…
 保険診療を受けたとすると…
 これは、立派な‘犯罪’です。
 刑法の詐欺罪になります。
 外国人が他人の国民健康保険証を借りて、逮捕された事件がありました。
      ■         ■
 美容外科の自由診療では、保険証の提示は求められません。
 ご本人に記入していただく、問診票だけです。
 今までにお一人だけ、
 名前も住所も書きたくないという方が来院されました。
 医療法の規定で、
 名前も住所もわからなければ、
 記録を残せませんので、
 診療をお断りいたしました。
      ■         ■
 以前、勤務していたクリニックでのことです。
 30年前に、豊胸術を受けました。
 当時は、偽名で受診しました。
 何という名前で受診したか、覚えていません。
 でも、この病院で受けたのは確かです。
      ■         ■
 偽名の他に、
 妹さんの名前で受診した…
 生年月日を10歳若くした…
 (実際に10歳以上、若く見えました…)
 などなど、美容外科ならではの‘偽装’もあります。
      ■         ■
 これも、以前勤務していた時のことです。
 ある、大手美容外科が近くに出店する前です。
 美しい女性が、相談にいらっしゃいました。
 素人ぽく、質問をされます…
 こちらがどういう説明をするか…
 チェックされている様子がわかりました。
 私も気付かぬフリをして…
 ふつうにご説明をいたしました。
 変だなぁ…
 と思いながら…
      ■         ■
 豊胸術を受けたい…
 と相談にいらして、
 ご自分の胸まで出されて…
 こちらの、
 ・料金
 ・方法
 ・アフター
 などを、細かくチェックなさる方もいらっしゃいました。
      ■         ■
 問診票に記入された、
 氏名・生年月日・住所・電話番号は、
 本人が記入したものを、そのままカルテに使用します。
 ですから、19歳の方が20歳と記載した場合は、
 申告通り、20歳として受け付けます。
 20歳でしたら、
 本人の手術承諾書だけで手術をお引き受けすることになります。
      ■         ■
 明らかに、未成年と思われる人を、
 保護者の承諾なく手術することはありません。
 ただ、24歳でも、
 未成年に見える方もいらっしゃれば…
 18歳でも、20歳過ぎに見える…
 方もいらっしゃいます。
      ■         ■
 自由診療では、この辺の本人確認が、しっかりしていないのが‘実情’です。
 これは、札幌美容形成外科に限ったことではなく、どこの美容外科でも同じだと思います。
 保険証の不正使用は、もっと重大な問題です。
 こちらは、立派な犯罪ですが、医療機関としては確認のしようがありません。
      ■         ■
 不正使用が発覚した場合は、医療機関も医療費を本人に請求し直す必要があります。
 せめて、健康保険証に写真が貼付してあれば、不正使用は少なくなると思います。
 健康保険証は、公的な証明書として利用されます。
 それなのに、住所の記入も本人ができます。
 厚生労働省は、せめて写真の貼付など、保険証をもう少し改善すべきだと思います。
 

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医学講座

献血とHIV

 平成20年1月24日、朝日新聞朝刊の記事です。
 献血でHIV判明100人超
 日赤「検査目的やめて」
      ■         ■
 献血時にエイズウイルス(HIV)感染が判明した人が2007年に初めて100人を超えたことが1月23日、日本赤十字社の調べで分かった。
 感染者増に加え、検査目的で献血をする人が後を絶たないためとみられる。
 日赤は「感染直後は検査をすり抜けて輸血で感染してしまう恐れがある。
 検査目的の献血はやめてほしい」と呼びかけている。
      ■         ■
 2007年の献血者総数延べ約494万人のうち、HIVが検出されたのは102人で前年比15人増。
 献血者10万人あたり2.065人で、初めて2人を超えた。
 (以上、朝日新聞から引用)
      ■         ■
 HIV検査は、保健所では、無料で実施してくれます。
 匿名でもOKです。
 でも、いくら匿名でも…
 保健所に行くのは本人です。
 いかにも…
 という目で見られる?
 と考えるとイヤなものです。
 (実際には、そんなことはないと思いますが…)
      ■         ■
 私が、HIV検査を手術を受ける方全員に行うようになったのは、
 帯広厚生病院時代からです。
 院内感染対策委員会の委員でした。
 当時の院内感染対策委員会の委員長が
 現在、JA帯広厚生病院院長の川口勲先生です。
      ■         ■
 川口先生は、産婦人科のベテラン医師です。
 帯広厚生病院は、北海道内の病院でも、早くからHIV検査を実施しはじめました。
 HIV検査の重要性を一番強く認識されているのが、臨床検査技師の方です。
 われわれ医師は、担当した患者様の結果しかわかりません。
 臨床検査技師は、すべての方の検査結果がわかります。
 院長より、よく知っています。
      ■         ■
 私は、臨床検査技師の方から、HIV検査をすすめられました。
 毎日、たくさんの検査をしていると、たとえ10万人に2人でも、陽性者に遭遇する確率は高くなります。
 HIV陽性者の増加を、肌で感じているのが臨床検査技師さんです。
      ■         ■
 現在、問題になっている肝炎は、血液製剤で感染しました。
 医師・看護師などの医療従事者は、血液を通じて感染するリスクがあります。
 私の知人の医師でも、誤って針を刺してしまい肝炎になってしまった人がいます。
      ■         ■
 同じことが、HIVでも起こる可能性があります。
 将来、何の罪もない人が、HIVに感染してしまう可能性があります。
 献血に行って、HIV陽性だったとしても、結果は教えてくれません。
 ブラックリストに載るだけです。
      ■         ■
 HIVに感染する可能性があるようなことは、しないのが一番です。
 ただ、もし、HIV感染が心配なら、
 絶対に献血はやめてください
 HIVに感染していたとしても、検査で見つからない時期があります。
 ウインドウピリオドといいます。
 ここのHPに詳しく書かれています。
 HIV検査は、札幌美容形成外科でも、他の医療機関でも受けられます(有料:当院は1,050円)。
 心配な方は、保健所や医療機関で検査を受けてください。 

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