医学講座
硫化水素自殺
硫化水素による自殺が各地で問題になっています。
報道すればするほど…
硫化水素による自殺者が増えているような気がします。
ネットで調べると…
今でも‘簡単に’
硫化水素の作り方を見つけられます。
私だったら、次のような報道を考えます。
■ ■
人間は誰でも、
‘死にたい’と思う瞬間があります。
私も、思ったことがあります。
ただ、本気で自殺してしまうかどうかが問題です。
私を含めて、大部分の人は…
‘死ぬよりは…’
と考え直して、
自殺を思いとどまります。
■ ■
また、‘死のう’と思っても…
簡単に死ねないのも事実です。
自殺しようと思った人でも…
苦しんで死ぬのはイヤだ。
痛い思いをして死ぬのはイヤだ。
ぶざまな格好で死ぬのはイヤだ。
汚くなって死ぬのはイヤだ。
などなど…
死ぬ間際まで、人間はワガママなものです。
■ ■
私たち医師は、さまざまな自殺者を治療してきました。
救命救急センターに搬送される患者さんの中には、
多くの自殺未遂患者がいます。
私たち形成外科医が一番多く経験したのが、
焼身自殺による自殺者です。
マスコミは、自殺の事実と、
亡くなったか?
意識不明の重体か?
という程度までしか報道しません。
■ ■
焼身自殺をして、死ねなかったらどうなるか?
想像できますか?
どのくらいの治療費がかかるか?
想像できますか?
これを報道するだけで、
焼身自殺は減ると思います。
それ位、焼身自殺は悲惨であり、
元の美しい顔が台無しになってしまいます。
■ ■
本題の硫化水素自殺に入ります。
硫化水素を検索してください。
Wikipediaにも書いてあります。
硫化水素は悪臭防止法に基づく特定悪臭物質のひとつです。
おならやウンコが臭いのは、硫化水素のためです。
下水処理場、ごみ処理場などのにおいも、
硫化水素が原因の一つです。
■ ■
つまり、硫化水素で自殺をすると…
臭くなります。
それも、おならやウンコの臭いです。
髪の毛や皮膚に臭いがつくととれません。
硫化水素で自殺をすると…
棺桶(カンオケ)の中まで臭くなります。
棺桶の蓋をして、
火葬場で焼かれるまで臭いのです。
私は、これを報道すれば、
明らかに、女性の自殺者は激減すると思います。
■ ■
どんなに死にたい人でも…
ウンコの臭いが身体に染み付いた状態で死ぬのはイヤです。
ウンコ臭いまま、棺桶に入れられ…
棺桶の蓋をする時に…
参列者が、
ハンカチで涙ではなく…
臭いをガマンできなくて鼻に当てます。
思わず言います。
『くさい』
専門家に出演していただき、
硫化水素がいかに臭いかをお話ししていただくのが効果的です。
ぜひ、ワイドショーで取り上げていただきたい話題です。
院長の休日
心地よい疲労感
美容外科・形成外科に限らず、
外科系医師になってよかったと思う瞬間は、
手術がうまく終了した時の、
心地よい疲労感です。
手術までは、緊張しています。
もちろん、手術中も緊張しています。
■ ■
手術が終了して…
トラブルもなく、うまく終了した時には、
何とも言えない、
心地よい疲労感があります。
登山で、頂上にたどり着いた時?
何か、充実感とか満足感があります。
■ ■
いつも感じるのではありませんが、
難しい手術を、上手にこなした時など、
ちょっとハイになって…
何とも言えない、満足感があります。
形成外科は作品を作る楽しみがあります。
作った作品が、キレイな女性で…
『ありがとうございました♪』といわれると、
とてもよい気分です。
他科の先生には、ない楽しみだと思います。
■ ■
私は、ビールもあまり飲みません。
家内と、350mlの缶ビールを、
半分ずつ飲みます。
飲んだらすぐに眠ってしまいます。
心地よい疲労感がある時は、
この175mlのビールが実に美味しいです。
毎日、ビールを飲むのではありません。
たまに飲むだけです。
■ ■
私が、形成外科や美容外科が好きなのは、
自分で、自分の満足が行くように…
手術ができるからです。
手術がうまくいって、キレイに仕上げるのが、
私の生きがいであり、
形成外科医としての醍醐味です。
昔の記憶
昭和の日
今日は昭和の日です。
平成元年から平成18年までは、みどりの日でした。
私が子供の頃は、天皇誕生日でした。
結婚してからは、義父の誕生日でした。
以前にも書きましたが、家内の父は国鉄マンでした。
■ ■
平成5年4月6日に、心筋梗塞で急逝してしまいました。
今でも残念に思っています。
4月29日になると、義父のことを想い出します。
私は、義父に結婚を反対されました。
『北海道は遠い』
これが理由です。
確かに、関西から北海道は遠かったです。
■ ■
私が直接言われたのではありませんが、
『お医者さんは、看護婦(看護師)さんと浮気をする』
というようなことも…
理由に入っていたとか?
聞いた覚えがあります。
これは、お医者さんに限らず…
その人によると思います。
私の友人を見てもそうです。
義父に言われたためではありませんが…
私は一度も浮気をしていないし、
すすきのにもめったに行きません。
風俗にも行きません。
■ ■
うちのお父さんは、旅行に行っても…
必ず線路を見ている。
結婚する前に家内から聞いた言葉です。
義父は、国鉄の保線マンでした。
定年退職する前は、尼崎(アマガサキ)保線区長でした。
JR西日本で、大事故があった尼崎です。
■ ■
あの事故があった時…
義父が生きていたら、
どんなに悲しんだことかと、胸が痛くなりました。
事故があった線路は、義父の管轄でした。
当時は、福知山線(フクチヤマセン)と言っていました。
保線区は、線路の除草まですると教えてくれました。
■ ■
昔は、家が貧乏だと…
立身出世のために、
国鉄に入ったものだと聞いたことがあります。
私の祖父も、国鉄に勤めていました。
義父も島根県の農家の八男でした。
尋常小学校を卒業後に、大阪に出て、国鉄に入りました。
亡くなる前も、線路の仕事をしていました。
50年間も、線路一筋のおじさんでした。
■ ■
昔は、こうして…
この道一筋の、職人みたいな人が多かった気がします。
今は、多いのがフリーターやニート。
苦労して仕事を覚えるというのが、
若い人に受けないのかも知れません。
でも、安全に電車を運行するには、
線路がしっかりしていなければなりません。
■ ■
義父から聞いた印象に残っている言葉があります。
台風や大雨が降った時の列車の運行です。
保線区長がOKを出さなければ、
たとえ特急でも停止して待たなければならない。
それほど、自分の職務に自信と責任を感じていた人でした。
もう少し、いろいろなことを相談してみたかった…
じいちゃん、何でそんなに早く死んじゃったの?
というのが、義理の息子としての本音です。
医学講座
化粧はすれども
平成20年4月27日、朝日新聞朝刊、ひとときへの投稿です。
化粧はすれども
朝、いつものように洗面所で化粧水、乳液をペタペタとつけていると、
主人がのぞきにきた。
「どうですかなぁ、少しは直りますかなぁ?」。
私が「あきまヘーん、
土台がしわしわじゃけん。
どげんもなりまっせん」
と言って、
2人で大笑いになった。
主人93歳、
私85歳。
■ ■
主人は掃除、洗濯、庭いじり。
そして自転車でスイスイお買い物。
いたって元気で、目の悪い私を支えてくれる。
私も一通りの家事には不自由しない。
介護を一切受けず、2人で何とか暮らしている。
■ ■
自分の顔が気になるようになったのは、
弟ががんで亡くなった2年前。
悲しみからか、10㌔もやせた。
玉手箱を開けた浦島太郎みたいに
髪は真っ白、
顔はシワシワの
ばあ様になった。
■ ■
母が84歳で亡くなった時の死に顔が余りにも哀れで、
悲しかったことが忘れられない。
自分はふっくらとした優しい顔で死にたいと願っていた。
それなのに、
何と生身の私の顔が母のその時とそっくりになり、
やつれ果てた顔が鏡に映っているではないか。
■ ■
ファンデーションを塗り、
紅をさして小学校や女学校の同窓生と会うと、
スタイルが良かった人は背中が曲がり、
美しかった人は顔がしわくちゃになってしまっていた。
仕方がないことだ、と納得はしているのだが……。
福岡県新宮町 山田とみえ 主婦85歳
(以上、朝日新聞から引用)
■ ■
これは、私の勝手な想像です。
この85歳のご婦人は、きっと美しい方です。
身なりも、しゃきっとしていらして…
85歳より、ずっとお若く見えると思います。
85歳になっても…
化粧水・乳液をペタペタとつけて…
ファンデーションを塗り…
紅をさして…
小学校や女学校の同窓生と会う…
というのが、推定の根拠です。
■ ■
キレイにして、お化粧をしていると…
ボケないそうです。
高齢化社会になりました。
特別養護老人ホームに勤務されている、
看護師さんにお聞きしました。
特養に限らず、
高齢者専用マンションなどに入居されているのは…
圧倒的に女性が多いそうです。
■ ■
私を含めて、男は短命で長生きできません。
どうせ長生きしているのだったら…
いくつになっても、キレイでいたいと願うのが…
女心です。
85歳のこの投稿者の女性は…
きっとキレイな方です。
■ ■
投稿に書いてありましたが、
人間は悲しみや苦しみがあると…
急にトシをとることがあります。
この女性のように、身内が急死した…
なんてことは、耐えられないことです。
玉手箱を開けた浦島太郎みたいになる
ことも実際にあることです。
■ ■
浦島太郎の時代には、美容外科はありませんでした。
現代医学は、浦島太郎も治せます。
浦島花子さん、
是非、美容外科にいらしてください。
手術が無理なら、切らない治療もできます。
手術ができる方でしたら…
保険適応になる眼瞼下垂症手術もあります。
■ ■
私は何人も、
浦島花子さんを治療した経験があります。
悲しい事実は、覆す(クツガエス)ことはできません。
ただ、悲しくて…
シワシワになってしまった顔を治すと、
元気になります。
内科や精神神経科ではできない治療です。
■ ■
今日は家内の誕生日です。
私は、朝日新聞の投稿者のご主人のように
93歳までは生きられません。
元気でいられる自信もありません。
私が亡くなったら…
どこかの美容形成外科へ行って…
治してもらってください。
いつまでも、若く美しくいることは、
ボケ防止にも役立ち、いいことだと思います。
未分類
医療費控除
さくらんぼさんからご質問をいただきました。
①美容外科の領収書は医療費控除外なんですか?
②母のように くも膜下出血の後遺症での瞼の垂れも だめなのですか?
①美容外科の領収書は、医療費控除の対象になりません。
豊胸術、レーザー脱毛などの保険外診療は、
どんなに高価でも、
‘医療費控除’の適用になりません。
■ ■
②は‘病気’なので、健康保険で手術を受けていれば、
医療費控除の対象となります。
ただ、残念なことですが……
大手美容外科で、自由診療で手術を受けていると、
おそらく100%、美容整形と判断され、
医療費控除の対象とはならないと考えられます。
■ ■
私のように、個人経営の診療所でしたら、
わきが、眼瞼下垂症は保険診療で手術をしています。
大学病院や公立病院の形成外科でも同じです。
HPにも記載しているように、
‘病気’の治療には、健康保険を適用できます。
健康保険が適用されたら、
医療費控除も受けられます。
■ ■
高齢で瞼が下がってものが見にくいと…
転倒してケガをするおそれもあります。
実際に札幌美容形成外科で治療を受けた方です。
自宅が高校の通学路にあり、
細い道を自転車がビュンビュン通ります。
瞼が下がって横から来る自転車が見えません。
今まで何度もぶつかりそうになりました。
是非、手術をしてください…
というご婦人がいらっしゃいました。
■ ■
わきが手術を受けられた場合も、
当院で健康保険で治療を受けた時は、
当然、医療費控除の対象となります。
ワキガ手術を受けたことを…
税務署に知られたくないというお気持ちはわかります。
ご安心ください。
領収書に、ワキガ手術とは書かれません。
また、何の手術かも申告する必要はありません。
■ ■
しつこく税務署に聞かれたら、
個人情報だと突っぱねるべきです。
痔の手術なんかも知られたくありませんね。
大企業の経営者や大物政治家が
ガンの手術を受けたとします。
税務署に申告して、どこかでバレたら大変なことになります。
対立政党の候補者が補欠選挙の準備を始めるかも知れません。
ライバル会社が乗っ取りの準備を始める可能性もあります。
病気や病名は大切な個人情報です。
税務署といえども、簡単には調べられません。
どうしても困ったら、弁護士さんに相談しましょう。
未分類
さくらんぼさん
2日間ほど、悪徳美容外科だの脱税だの…
イヤな日記が続いたので、
今日は嬉しい話題を一つ書きます。
私の院長日記は、
札幌美容形成外科HPの他に
美容の杜というHPに載せていただいています。
■ ■
札幌美容形成外科HPの日記は、
サーバー容量の関係で
コメントはできない設定になっています。
美容の杜には、コメントをいただけます。
この美容の杜に、
毎日コメントをくださる方がいらっしゃいます。
さくらんぼさんという女性読者さんです。
ご主人と果樹園を経営なさっていらっしゃいます。
■ ■
毎日、日記を書くのは大変です。
毎日、コメントをいただくと、
とても励みになります。
私が毎日続けられるのは、
たくさんの方に読んでいただけるからです。
アクセス数と
来院していただく方から、
『日記を読んでいます』と
言っていただけるのが
続けられる原動力です。
■ ■
さくらんぼさんは、美容外科のお客様ではありませんが、
ご自身の手術や家族のご病気で医療を受けた経験が豊富です。
私自身にも参考になることがたくさんあります。
一般庶民の目で見た、医療の問題点がよくわかります。
私も、いままで胡散臭い(ウサンクサイ)と思っていた…
新聞の書籍広告があります。
■ ■
『手術しないで治せる腰痛』の本が…
高価なサプリメント販売が目的
とは知りませんでした。
新聞社も購読者数が減り、
広告収入に頼っていると聞いたことがあります。
自分の会社が宣伝した本が、
悪徳商法の片棒を担いでいることは、
おそらく100も承知なのでしょう。
■ ■
そういえば…
新聞一面の下に出ている書籍広告には、
ふつうでは考えられないような言葉が並んでいます。
ガンが治ったとか…
○○せずに治ったとか…
結局、試してみて騙されたとわかります。
新聞記事と広告は、
分けて考えなければならないのでしょう…
■ ■
コメントを読んでいると、その方の性格がわかります。
さくらんぼさんは、
正直で…
曲がったことが大嫌いで…
正義感に満ち溢れていて…
素敵な女性だと思います。
■ ■
さくらんぼさんが送ってくださった、
果樹園の写真です。
ラ・フランスの木と花です。
今日、掲載許可をお願いしたら…
さっそく、サクランボの写真を送ってくださいました。
ありがとうございました。
美味しい果物をたくさん作ってください。

ラ・フランスの木(4月6日)

ラ・フランスの花 (4月25日)

サクランボの花 (4月26日)
昔の記憶
脱税と美容外科医
昨日の日記に、脱税で捕まった先生のことを書きました。
今から10年前です。
札幌と大阪で日美クリニックという美容外科を開業していた、
N先生がいました。
当時、私は帯広厚生病院形成外科に勤務していました。
ちょうど、帯広厚生病院を退職して、
美容外科医になろうと思った時です。
43歳でした。
■ ■
テレビで
‘♪ニチビにちびー♪’
‘♪ニチビしましょうー♪’
という軽快な音楽で宣伝をしていました。
‘♪昨日までの私…♪’
‘♪…明日からの私……♪’
というキャッチコピーも上手な宣伝でした。
北海道で一番‘有名’なクリニックだったかもしれません。
■ ■
その、日美クリニックのN先生が、
所得税法違反で逮捕されそうになり…
隠していた金塊をモーターボートに積んで…
琵琶湖に逃げたと、ワイドショーで盛んに放送されました。
脱税だけではなく、逃走の仕方が派手でした。
私が美容外科医になろうとした時だったので、
周囲の人から、
美容外科医は変な目で見られました。
■ ■
他にも、過去に脱税で逮捕された…
‘有名な’
美容外科の先生がいらっしゃいます。
美容外科に来て、領収書をくださいという人はいません。
美容外科の領収書は医療費控除にもならないので、
税務署に申告する人もいません。
現金で料金をいただき、
その収入を隠してしまうのが手口です。
■ ■
脱税は厳しく処罰されます。
脱税→医業停止(医師免許停止)→刑務所となります。
意外なことに、医療事故で不幸にして患者さんが亡くなっても、
医業停止(医師免許停止)→刑務所
となる先生は少ないのです。
不可抗力とか、最初からリスクがある場合があるからです。
脱税は、大部分が故意犯なので、重罰となります。
■ ■
この脱税で逮捕されたN先生が、
手術をされた患者さんを診察する機会があります。
脱税で逮捕されたという、
悪いイメージがありました。
ところが…
この先生が手術をされたワキガの患者さんは、
まず100%臭いがありません。
汗腺はキレイに取り除かれています。
昨日の先生とエライ違いです!
■ ■
臭いがすると、受診される方でも…
汗腺はわずかに残っているか、
臭いがしても、ワキガの臭いではなく、
汗の臭いがする程度でした。
また、目や鼻の手術を受けた患者さんも
診察する機会がありました。
手術を受けて幸せになられた方が大部分です。
大きな修正手術を必要とした方は経験していません。
■ ■
確かに、一時期…
このクリニックで手術をして、
トラブルになった患者さんが報道されたことがありました。
私はTVや新聞で、N先生のことを読んで…
きっと悪い先生だと…
勝手に想像していました。
ところが、実際に患者さんを診察してみると…
昨日書いた先生とは違い…
患者さんはハッピーなのです。
つまり、診療や手術は真摯にしていたと考えられます。
■ ■
脱税で捕まるくらい、所得があったのは、
宣伝もさることながら…
手術はしっかりしていた?
と善意に解釈しています。
それにしても、脱税で逮捕は…
どう考えても割りに合わないと思います。
せっかく苦労して手にした医師免許証です。
私は脱税で取り上げられたくないので…
しっかり申告と納税をしています。
医学講座
30分で治らないワキガ
平成20年4月24日、北海道新聞一面の下に、
書籍広告が出ています。
ワキガ・多汗症セラピー
「読めば納得!」
30分で悩み解決!
ワキガ・多汗症治療はここまで進化した!
「汗とニオイいつまで悩み続けるの?」
あらゆる不安を解決した最先端治療!
医学博士○◎○◎著
◆定価/1680円(税込)
■ ■
札幌美容形成外科には、
この本に出てくる東京のクリニックへ行って、
手術を受けたけれど、臭いが取れなかったと…
来院なさる患者さんが何人もいらっしゃいます。
しかも…
「あなたは範囲が広いから、手術料金は100万円です」
と医師に診断され、
100万円のローンを組んで…
臭いと借金だけが残った、
大変お気の毒な方もいらっしゃいます。
■ ■
私たちが北海道新聞に広告を出そうとすると…
何回も審査を受けます。
北海道新聞社の広告規制はかなり厳しく、
NTTの電話帳よりも厳しい部分があります。
それなのに…
書籍広告に名を借りた、
悪徳クリニックの宣伝は、
一切、規制がないようです。
広告代理店が違うのかもしれません。
■ ■
北海道新聞は北海道では最も購読者が多い新聞です。
道民の心情として、
『道新に出ていた病院』だから『安心』
という心理が働くことが考えられます。
30分で悩み解決の‘先生’は…
過去に脱税で逮捕されたこともあります。
美容外科業界では、
知らない人がいないくらい有名です。
■ ■
私は一人の医師として、
美容外科医として、
この広告を許せません。
何度も書いているように…
ワキガ手術はワキの皮膚を傷つける手術です。
深く擦りむいた膝のキズは、30分では治りません。
形成外科医や美容外科医であれば、
誰でも知っていることです。
■ ■
私が手術をしても、キズがキレイに治らない人もいます。
同じ手術をしても、
ワキガ手術ほど
キズの治りやキズの色が違う手術はありません。
治りが悪いと、色素沈着が長く残る方もいらっしゃいます。
ワキガは、
わきがは、
決して30分では治りません。
■ ■
京都の冨士森先生が、
生涯に悔いを残すわきが手術のキズという
学会発表をなさっています。
広告に惑わされて、手術を受けないで下さい。
わきが手術は簡単ではありません。
北海道新聞社の方に、
是非、
東京まで行って手術を‘体験’してきていただきたいです。
新聞社は、広告にも責任があります。
未分類
チューリップ開花
今年の札幌は、異常なくらい早く春が来ました。
例年は、5月上旬に開花する桜がもう咲いています。
札幌では、毎年エゾムラサキツツジがまず開花します。
枝だけの低木に、紫の花がつきます。
同じ頃に、チューリップの芽が大きくなってきます。
■ ■
今年は、エゾムラサキツツジも
チューリップも
サクラも
今、同時に咲いています。
札幌駅前通りは、地下歩道の工事中です。
西武デパート前と北3条西3丁目に
少しだけ残っている花壇があります。
そこで白いチューリップが開花しています。
■ ■
今朝、通勤途中にチューリップの写真を撮ってきました。
私は花が好きです。
絵画とか彫刻などの美術は全くダメ。
ですから美術館めぐりなんてのは苦手。
歴史もダメ。
神社仏閣にもあまり興味はありません。
ただ、自然とか花とか生き物は大好きです。
動物園と植物園でしたら、
私が好きなのは植物園です。
札幌には、
北海道大学植物園という立派な植物園があります。
■ ■
各地で、住民が丹精込めて育てた花が
無残に折られたり、切られたりする事件が報道されています。
むしゃくしゃする時や、
イライラする時もあります。
ただ、罪のない花に八つ当たりはやめて欲しいです。
せっかく、キレイに咲いているのに…
一年に一度しか開花のチャンスはないのです。
私のように通勤途中に楽しみにしている人もいると思います。
花は大切にしましょう!
心が和み(ナゴミ)ます。

開花したチューリップ
北3条西3丁目
NORTH33前
医療問題
町立厚岸病院黒字化
平成20年4月21日、北海道新聞朝刊の記事です。
町立厚岸病院6年ぶり黒字
地域に密着目配りこまやか
信頼回復、患者2割増
医師定着、“お茶懇で”健康指導
■ ■
【厚岸】全国の自治体病院の経営が悪化する中、
釧路管内厚岸町の町立厚岸病院(98床)が、
この2年間で患者数を2割も増やし、
経営を好転させている。
佐々木暢彦院長(54)をはじめとする勤務医たちが
地域に根ざした診療方針を打ち出し、
患者の信頼を取り戻したことが大きい。
■ ■
病院会計の経常収支は、
町からの補助金上乗せもあるが、
2006年度以降、単年度で黒字転換。
自治体病院再建のモデルケースとして注目されそうだ。
(厚岸支局 中川大介)
■ ■
「○○ちゃんのお兄ちゃんだね」。
診察室で、
小児科医の佐々木院長が患者の子供に優しく語り掛ける。
町内の主婦(38)が
「昨年、子供の通院先を釧路の病院から切り替えました」
という通り、
家族構成や生活環境まで目配りする医師たちの姿勢が
じわじわと町民の支持を得て患者数が増えた。
■ ■
佐々木院長が着任した2006六年度の患者数(入院、外来)は
85,300人で前年度比18%の増加だ。
同年度から小児科を再開したこともあるが、
道内自治体病院の患者総数が同6.3%減る中で
全道一の伸びを見せ、
経常収支は6年ぶりの黒字(3,000万円)に。
2007年度は患者数がさらに同3%増えて
5,000万円の黒字を見込んでいる。
■ ■
以前は2004年度が3億7千万円、
2005年度が2億5千万円の赤字。
同年度の不良債務は5億円を超えた。
町が各地から「一本釣り」した医師が定着せず
一年ごとに入れ替わり、
病院内部に不協和音も生じて
患者は車で一時間の釧路市に流れた。
■ ■
そうした中、
町の求めで札医大の地域医療総合医学講座助教授から転じた
佐々木院長が着任し、
患者に対する「信頼再生」に力を注いだ。
総合医を目指す同講座所属の医師らが定着し、
現在は内科、外科など6科で常勤医5人、
研修医1人の体制で二次救急も引き受ける。
■ ■
医師が地域に出向く
「お茶の間健康づくり医療懇談会」は
この二年間で26回、
検診結果を医師が地域で報告する相談会も10回を数える。
一方で支出削減を徹底し、
収入で費用を賄えた比率を示す医業収支比率は
2006年度で95.1%と前年同期比で15ポイントも上昇。
全道の町村立病院ではトップ級だ。
■ ■
病院会計に対して同町は
法定基準を上回る補助金を一般会計から交付。
2006年度の黒字転換も、
実際は前年度より1億円多い3億円の交付を受けてのことだが、
若狭靖町長は
「増額は病院への町民の信頼回復があってこそ可能」
と強調する。
■ ■
佐々木院長は札幌出身で自治医大卒。
「地方住民の役に立ちたい」
と東京の八丈島などで勤務し、
大学時代の恩師が院長を務めた町立厚岸病院を実践の場に選んだ。
札医大と連携して地域医原を志す研修医や実習生も受け入れ、
「医師を増員できれば往診もしたい」と意欲を見せる。

診察する佐々木暢彦院長。
「きちんと話を聞いてくれて、説明が丁寧だ」と患者の評判も上々だ
(以上、北海道新聞より引用)
■ ■
佐々木暢彦先生は、
私が昭和49年に自治医大を受験した時に
ご一緒だった先生です。
受験で、2日ほど栃木県の田舎の同じ宿の泊まっただけですが、
30年前から、実に誠実でお優しい先生でした。
この新聞記事を見て、とても嬉しくなりました。
■ ■
当時、自治医大の受験生は
都道府県毎に同じ宿に泊まって、
自治医大で2次試験を受験しました。
私の他は
北大循環器外科の松居喜郎教授、
札幌市北区麻生で、
あさぶ小児科を開業している由利賢次先生
内科の佐藤信司先生など、
現役と浪人の受験生が、同じ宿に泊まって、
仲良く受験した楽しい想い出があります。
私が札幌医大、
松居先生と由利先生は北大医学部、
へ進学しました。
佐々木先生と佐藤先生が自治医大へ行かれました。
■ ■
私も、せっかく合格させていただいたので
自治医大へ行こうか?とずいぶん悩みました。
授業料は貸与されるので、実質負担はゼロ。
生活費約6万円/月も貸与されました。
卒後9年間の義務年限があり、
そのうち半分を僻地勤務するという条件でした。
もちろん勤務先からお給料をいただけます。
■ ■
いろいろな先生のところへ相談に行きました。
最終的に、予備校でお世話になった
生物の矢野先生にご相談して、
札幌医大へ入学することに決めました。
もし、自治医大へ進学していたら…
美容外科医には、絶対になっていなかったと思います。
■ ■
佐々木先生は、当時からとても温厚なお人柄でした。
自治医大は、国の医療政策の中では
唯一ともいえるくらい、僻地医療に貢献していると思います。
自治医大出身の先生は、とても信頼できる先生が多いです。
佐々木先生も義務年限の僻地勤務を終えられ、
その後、札幌医大の助教授になられたとお聞きしていました。
■ ■
厚岸町立病院は、私が釧路労災病院に勤務していた頃は
北大から医師が派遣されていた記憶があります。
佐々木先生が院長になられて、
佐々木先生に賛同する、
夢とロマンを持った先生が黒字経営を支えているのだと思います。
医療業界では、暗いニュースが多い中で、
佐々木先生のニュースはとても嬉しく読ませていただきました。
これからも、頑張っていただきたいと願っています。