医学講座

硫化水素自殺

 硫化水素による自殺が各地で問題になっています。
 報道すればするほど…
 硫化水素による自殺者が増えているような気がします。
 ネットで調べると…
 今でも‘簡単に’
 硫化水素の作り方を見つけられます。
 私だったら、次のような報道を考えます。
      ■         ■
 人間は誰でも、
 ‘死にたい’と思う瞬間があります。
 私も、思ったことがあります。
 ただ、本気で自殺してしまうかどうかが問題です。
 私を含めて、大部分の人は…
 ‘死ぬよりは…’
 と考え直して、
 自殺を思いとどまります。
      ■         ■
 また、‘死のう’と思っても…
 簡単に死ねないのも事実です。
 自殺しようと思った人でも…
 苦しんで死ぬのはイヤだ。
 痛い思いをして死ぬのはイヤだ。
 ぶざまな格好で死ぬのはイヤだ。
 汚くなって死ぬのはイヤだ。
 などなど…
 死ぬ間際まで、人間はワガママなものです。
      ■         ■
 私たち医師は、さまざまな自殺者を治療してきました。
 救命救急センターに搬送される患者さんの中には、
 多くの自殺未遂患者がいます。
 私たち形成外科医が一番多く経験したのが、
 焼身自殺による自殺者です。
 マスコミは、自殺の事実と、
 亡くなったか?
 意識不明の重体か?
 という程度までしか報道しません。
      ■         ■
 焼身自殺をして、死ねなかったらどうなるか?
 想像できますか?
 どのくらいの治療費がかかるか?
 想像できますか?
 これを報道するだけで、
 焼身自殺は減ると思います。
 それ位、焼身自殺は悲惨であり、
 元の美しい顔が台無しになってしまいます。
      ■         ■
 本題の硫化水素自殺に入ります。
 硫化水素を検索してください。
 Wikipediaにも書いてあります。
 硫化水素は悪臭防止法に基づく特定悪臭物質のひとつです。
 おならやウンコが臭いのは、硫化水素のためです。
 下水処理場、ごみ処理場などのにおいも、
 硫化水素が原因の一つです。
      ■         ■
 つまり、硫化水素で自殺をすると…
 臭くなります。
 それも、おならやウンコの臭いです。
 髪の毛や皮膚に臭いがつくととれません。
 硫化水素で自殺をすると…
 棺桶(カンオケ)の中まで臭くなります。
 棺桶の蓋をして、
 火葬場で焼かれるまで臭いのです。
 私は、これを報道すれば、
 明らかに、女性の自殺者は激減すると思います。
      ■         ■
 どんなに死にたい人でも…
 ウンコの臭いが身体に染み付いた状態で死ぬのはイヤです。
 ウンコ臭いまま、棺桶に入れられ…
 棺桶の蓋をする時に…
 参列者が、
 ハンカチで涙ではなく…
 臭いをガマンできなくて鼻に当てます。
 思わず言います。
 『くさい』
 専門家に出演していただき、
 硫化水素がいかに臭いかをお話ししていただくのが効果的です。
 ぜひ、ワイドショーで取り上げていただきたい話題です。

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院長の休日

心地よい疲労感

 美容外科・形成外科に限らず、
 外科系医師になってよかったと思う瞬間は、
 手術がうまく終了した時の、
 心地よい疲労感です。
 手術までは、緊張しています。
 もちろん、手術中も緊張しています。
      ■         ■
 手術が終了して…
 トラブルもなく、うまく終了した時には、
 何とも言えない、
 心地よい疲労感があります。
 登山で、頂上にたどり着いた時?
 何か、充実感とか満足感があります。
      ■         ■
 いつも感じるのではありませんが、
 難しい手術を、上手にこなした時など、
 ちょっとハイになって…
 何とも言えない、満足感があります。
 形成外科は作品を作る楽しみがあります。
 作った作品が、キレイな女性で…
 『ありがとうございました♪』といわれると、
 とてもよい気分です。
 他科の先生には、ない楽しみだと思います。
      ■         ■
 私は、ビールもあまり飲みません。
 家内と、350mlの缶ビールを、
 半分ずつ飲みます。
 飲んだらすぐに眠ってしまいます。
 心地よい疲労感がある時は、
 この175mlのビールが実に美味しいです。
 毎日、ビールを飲むのではありません。
 たまに飲むだけです。
      ■         ■
 私が、形成外科や美容外科が好きなのは、
 自分で、自分の満足が行くように…
 手術ができるからです。
 手術がうまくいって、キレイに仕上げるのが、
 私の生きがいであり、
 形成外科医としての醍醐味です。

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昔の記憶

昭和の日

 今日は昭和の日です。
 平成元年から平成18年までは、みどりの日でした。
 私が子供の頃は、天皇誕生日でした。
 結婚してからは、義父の誕生日でした。
 以前にも書きましたが、家内の父は国鉄マンでした。
      ■         ■
 平成5年4月6日に、心筋梗塞で急逝してしまいました。
 今でも残念に思っています。
 4月29日になると、義父のことを想い出します。
 私は、義父に結婚を反対されました。
 『北海道は遠い』
 これが理由です。
 確かに、関西から北海道は遠かったです。
      ■         ■
 私が直接言われたのではありませんが、
 『お医者さんは、看護婦(看護師)さんと浮気をする』
 というようなことも…
 理由に入っていたとか?
 聞いた覚えがあります。
 これは、お医者さんに限らず…
 その人によると思います。
 私の友人を見てもそうです。
 義父に言われたためではありませんが…
 私は一度も浮気をしていないし、
 すすきのにもめったに行きません。
 風俗にも行きません。
      ■         ■
 うちのお父さんは、旅行に行っても…
 必ず線路を見ている。
 結婚する前に家内から聞いた言葉です。
 義父は、国鉄の保線マンでした。
 定年退職する前は、尼崎(アマガサキ)保線区長でした。
 JR西日本で、大事故があった尼崎です。
      ■         ■
 あの事故があった時…
 義父が生きていたら、
 どんなに悲しんだことかと、胸が痛くなりました。
 事故があった線路は、義父の管轄でした。
 当時は、福知山線(フクチヤマセン)と言っていました。
 保線区は、線路の除草まですると教えてくれました。
      ■         ■
 昔は、家が貧乏だと…
 立身出世のために、
 国鉄に入ったものだと聞いたことがあります。
 私の祖父も、国鉄に勤めていました。
 義父も島根県の農家の八男でした。
 尋常小学校を卒業後に、大阪に出て、国鉄に入りました。
 亡くなる前も、線路の仕事をしていました。
 50年間も、線路一筋のおじさんでした。
      ■         ■
 昔は、こうして…
 この道一筋の、職人みたいな人が多かった気がします。
 今は、多いのがフリーターやニート。
 苦労して仕事を覚えるというのが、
 若い人に受けないのかも知れません。
 でも、安全に電車を運行するには、
 線路がしっかりしていなければなりません。
      ■         ■
 義父から聞いた印象に残っている言葉があります。
 台風や大雨が降った時の列車の運行です。
 保線区長がOKを出さなければ、
 たとえ特急でも停止して待たなければならない。
 それほど、自分の職務に自信と責任を感じていた人でした。
 もう少し、いろいろなことを相談してみたかった…
 じいちゃん、何でそんなに早く死んじゃったの?
 というのが、義理の息子としての本音です。

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医学講座

化粧はすれども

 平成20年4月27日、朝日新聞朝刊、ひとときへの投稿です。
 化粧はすれども
 朝、いつものように洗面所で化粧水、乳液をペタペタとつけていると、
 主人がのぞきにきた。
 「どうですかなぁ、少しは直りますかなぁ?」。
 私が「あきまヘーん、
 土台がしわしわじゃけん。
 どげんもなりまっせん」
 と言って、
 2人で大笑いになった。
 主人93歳、
 私85歳。
      ■         ■
 主人は掃除、洗濯、庭いじり。
 そして自転車でスイスイお買い物。
 いたって元気で、目の悪い私を支えてくれる。
 私も一通りの家事には不自由しない。
 介護を一切受けず、2人で何とか暮らしている。
      ■         ■
 自分の顔が気になるようになったのは、
 弟ががんで亡くなった2年前。
 悲しみからか、10㌔もやせた。
 玉手箱を開けた浦島太郎みたいに
 髪は真っ白、
 顔はシワシワの
 ばあ様になった。
      ■         ■
 母が84歳で亡くなった時の死に顔が余りにも哀れで、
 悲しかったことが忘れられない。
 自分はふっくらとした優しい顔で死にたいと願っていた。
 それなのに、
 何と生身の私の顔が母のその時とそっくりになり、
 やつれ果てた顔が鏡に映っているではないか。
      ■         ■
 ファンデーションを塗り、
 紅をさして小学校や女学校の同窓生と会うと、
 スタイルが良かった人は背中が曲がり、
 美しかった人は顔がしわくちゃになってしまっていた。
 仕方がないことだ、と納得はしているのだが……。
 福岡県新宮町  山田とみえ 主婦85歳
 (以上、朝日新聞から引用)
      ■         ■
 これは、私の勝手な想像です。
 この85歳のご婦人は、きっと美しい方です。
 身なりも、しゃきっとしていらして…
 85歳より、ずっとお若く見えると思います。
 85歳になっても…
 化粧水・乳液をペタペタとつけて…
 ファンデーションを塗り…
 紅をさして…
 小学校や女学校の同窓生と会う…
 というのが、推定の根拠です。
      ■         ■
 キレイにして、お化粧をしていると…
 ボケないそうです。
 高齢化社会になりました。
 特別養護老人ホームに勤務されている、
 看護師さんにお聞きしました。
 特養に限らず、
 高齢者専用マンションなどに入居されているのは…
 圧倒的に女性が多いそうです。
      ■         ■
 私を含めて、男は短命で長生きできません。
 どうせ長生きしているのだったら…
 いくつになっても、キレイでいたいと願うのが…
 女心です。
 85歳のこの投稿者の女性は…
 きっとキレイな方です。
      ■         ■
 投稿に書いてありましたが、
 人間は悲しみや苦しみがあると…
 急にトシをとることがあります。
 この女性のように、身内が急死した… 
 なんてことは、耐えられないことです。
 玉手箱を開けた浦島太郎みたいになる
 ことも実際にあることです。
      ■         ■
 浦島太郎の時代には、美容外科はありませんでした。
 現代医学は、浦島太郎も治せます。
 浦島花子さん、
 是非美容外科にいらしてください
 手術が無理なら、切らない治療もできます。
 手術ができる方でしたら…
 保険適応になる眼瞼下垂症手術もあります。
      ■         ■
 私は何人も、
 浦島花子さんを治療した経験があります。
 悲しい事実は、覆す(クツガエス)ことはできません。
 ただ、悲しくて…
 シワシワになってしまった顔を治すと、
 元気になります。
 内科や精神神経科ではできない治療です。
      ■         ■
 今日は家内の誕生日です。
 私は、朝日新聞の投稿者のご主人のように
 93歳までは生きられません。
 元気でいられる自信もありません。
 私が亡くなったら…
 どこかの美容形成外科へ行って…
 治してもらってください。
 いつまでも、若く美しくいることは、
 ボケ防止にも役立ち、いいことだと思います。

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医療費控除

 さくらんぼさんからご質問をいただきました。
 ①美容外科の領収書は医療費控除外なんですか?
 ②母のように くも膜下出血の後遺症での瞼の垂れも だめなのですか?
 ①美容外科の領収書は、医療費控除の対象になりません。
 豊胸術、レーザー脱毛などの保険外診療は、
 どんなに高価でも、
 ‘医療費控除’の適用になりません。

      ■         ■
 ②は‘病気’なので、健康保険で手術を受けていれば、
 医療費控除の対象となります。
 ただ、残念なことですが……
 大手美容外科で、自由診療で手術を受けていると、
 おそらく100%、美容整形と判断され、
 医療費控除の対象とはならないと考えられます。

       ■         ■
 私のように、個人経営の診療所でしたら、
 わきが、眼瞼下垂症は保険診療で手術をしています。
 大学病院や公立病院の形成外科でも同じです。
 HPにも記載しているように、
 ‘病気’の治療には、健康保険を適用できます。
 健康保険が適用されたら、
 医療費控除も受けられます。
      ■         ■
 高齢で瞼が下がってものが見にくいと…
 転倒してケガをするおそれもあります。
 実際に札幌美容形成外科で治療を受けた方です。
 自宅が高校の通学路にあり、
 細い道を自転車がビュンビュン通ります。
 瞼が下がって横から来る自転車が見えません。
 今まで何度もぶつかりそうになりました。
 是非、手術をしてください…
 というご婦人がいらっしゃいました。
      ■         ■
 わきが手術を受けられた場合も、
 当院で健康保険で治療を受けた時は、
 当然、医療費控除の対象となります。
 ワキガ手術を受けたことを…
 税務署に知られたくないというお気持ちはわかります。
 ご安心ください
 領収書に、ワキガ手術とは書かれません。
 また、何の手術かも申告する必要はありません

      ■         ■
 しつこく税務署に聞かれたら、
 個人情報だと突っぱねるべきです。
 痔の手術なんかも知られたくありませんね。
 大企業の経営者や大物政治家が
 ガンの手術を受けたとします。
 税務署に申告して、どこかでバレたら大変なことになります。
 対立政党の候補者が補欠選挙の準備を始めるかも知れません。
 ライバル会社が乗っ取りの準備を始める可能性もあります。
 病気や病名は大切な個人情報です。
 税務署といえども、簡単には調べられません。
 どうしても困ったら、弁護士さんに相談しましょう。

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さくらんぼさん

 2日間ほど、悪徳美容外科だの脱税だの…
 イヤな日記が続いたので、
 今日は嬉しい話題を一つ書きます。
 私の院長日記は、
 札幌美容形成外科HPの他に
 美容の杜というHPに載せていただいています。
      ■         ■
 札幌美容形成外科HPの日記は、
 サーバー容量の関係で
 コメントはできない設定になっています。
 美容の杜には、コメントをいただけます。
 この美容の杜に、
 毎日コメントをくださる方がいらっしゃいます。
 さくらんぼさんという女性読者さんです。
 ご主人と果樹園を経営なさっていらっしゃいます。
      ■         ■
 毎日、日記を書くのは大変です。
 毎日、コメントをいただくと、
 とても励みになります。
 私が毎日続けられるのは、
 たくさんの方に読んでいただけるからです。
 アクセス数と
 来院していただく方から、
 『日記を読んでいます』と
 言っていただけるのが
 続けられる原動力です。
      ■         ■
 さくらんぼさんは、美容外科のお客様ではありませんが、
 ご自身の手術や家族のご病気で医療を受けた経験が豊富です。
 私自身にも参考になることがたくさんあります。
 一般庶民の目で見た、医療の問題点がよくわかります。
 私も、いままで胡散臭い(ウサンクサイ)と思っていた…
 新聞の書籍広告があります。
      ■         ■
 『手術しないで治せる腰痛』の本が…
 高価なサプリメント販売が目的
 とは知りませんでした。
 新聞社も購読者数が減り、
 広告収入に頼っていると聞いたことがあります。
 自分の会社が宣伝した本が、
 悪徳商法の片棒を担いでいることは、
 おそらく100も承知なのでしょう。
      ■         ■
 そういえば…
 新聞一面の下に出ている書籍広告には、
 ふつうでは考えられないような言葉が並んでいます。
 ガンが治ったとか…
 ○○せずに治ったとか…
 結局、試してみて騙されたとわかります。
 新聞記事と広告は、
 分けて考えなければならないのでしょう…
      ■         ■
 コメントを読んでいると、その方の性格がわかります。
 さくらんぼさんは、
 正直で…
 曲がったことが大嫌いで…
 正義感に満ち溢れていて…
 素敵な女性だと思います。
      ■         ■
 さくらんぼさんが送ってくださった、
 果樹園の写真です。
 ラ・フランスの木と花です。
 今日、掲載許可をお願いしたら…
 さっそく、サクランボの写真を送ってくださいました。
 ありがとうございました。
 美味しい果物をたくさん作ってください。


 ラ・フランスの木(4月6日)


 ラ・フランスの花 (4月25日)


 サクランボの花 (4月26日)

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昔の記憶

脱税と美容外科医

 昨日の日記に、脱税で捕まった先生のことを書きました。
 今から10年前です。
 札幌と大阪で日美クリニックという美容外科を開業していた、
 N先生がいました。
 当時、私は帯広厚生病院形成外科に勤務していました。
 ちょうど、帯広厚生病院を退職して、
 美容外科医になろうと思った時です。
 43歳でした。
      ■         ■
 テレビで
 ‘♪ニチビにちびー♪’
 ‘♪ニチビしましょうー♪’
 という軽快な音楽で宣伝をしていました。
 ‘♪昨日までの私…♪’
 ‘♪…明日からの私……♪’
 というキャッチコピーも上手な宣伝でした。
 北海道で一番‘有名’なクリニックだったかもしれません。
      ■         ■
 その、日美クリニックのN先生が、
 所得税法違反で逮捕されそうになり…
 隠していた金塊をモーターボートに積んで…
 琵琶湖に逃げたと、ワイドショーで盛んに放送されました。
 脱税だけではなく、逃走の仕方が派手でした。
 私が美容外科医になろうとした時だったので、
 周囲の人から、
 美容外科医は変な目で見られました。
      ■         ■
 他にも、過去に脱税で逮捕された…
 ‘有名な’
 美容外科の先生がいらっしゃいます。
 美容外科に来て、領収書をくださいという人はいません。
 美容外科の領収書は医療費控除にもならないので、
 税務署に申告する人もいません。
 現金で料金をいただき、
 その収入を隠してしまうのが手口です。
      ■         ■
 脱税は厳しく処罰されます。
 脱税→医業停止(医師免許停止)→刑務所となります。
 意外なことに、医療事故で不幸にして患者さんが亡くなっても、
 医業停止(医師免許停止)→刑務所
 となる先生は少ないのです。
 不可抗力とか、最初からリスクがある場合があるからです。
 脱税は、大部分が故意犯なので、重罰となります。
      ■         ■
 この脱税で逮捕されたN先生が、
 手術をされた患者さんを診察する機会があります。
 脱税で逮捕されたという、
 悪いイメージがありました。
 ところが…
 この先生が手術をされたワキガの患者さんは、
 まず100%臭いがありません。
 汗腺はキレイに取り除かれています。
 昨日の先生とエライ違いです!
      ■         ■
 臭いがすると、受診される方でも…
 汗腺はわずかに残っているか、
 臭いがしても、ワキガの臭いではなく、
 汗の臭いがする程度でした。
 また、目や鼻の手術を受けた患者さんも
 診察する機会がありました。
 手術を受けて幸せになられた方が大部分です。
 大きな修正手術を必要とした方は経験していません。
      ■         ■
 確かに、一時期…
 このクリニックで手術をして、
 トラブルになった患者さんが報道されたことがありました。
 私はTVや新聞で、N先生のことを読んで…
 きっと悪い先生だと…
 勝手に想像していました。
 ところが、実際に患者さんを診察してみると…
 昨日書いた先生とは違い…
 患者さんはハッピーなのです。
 つまり、診療や手術は真摯にしていたと考えられます。
      ■         ■
 脱税で捕まるくらい、所得があったのは、
 宣伝もさることながら…
 手術はしっかりしていた?
 と善意に解釈しています。
 それにしても、脱税で逮捕は…
 どう考えても割りに合わないと思います。
 せっかく苦労して手にした医師免許証です。
 私は脱税で取り上げられたくないので…
 しっかり申告と納税をしています。

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医学講座

30分で治らないワキガ

 平成20年4月24日、北海道新聞一面の下に、
 書籍広告が出ています。
 ワキガ・多汗症セラピー
 「読めば納得!」
 30分で悩み解決!
 ワキガ・多汗症治療はここまで進化した!
 「汗とニオイいつまで悩み続けるの?」
 あらゆる不安を解決した最先端治療!
 医学博士○◎○◎著
 ◆定価/1680円(税込)

      ■         ■
 札幌美容形成外科には、
 この本に出てくる東京のクリニックへ行って、
 手術を受けたけれど、臭いが取れなかったと…
 来院なさる患者さんが何人もいらっしゃいます。
 しかも…
 「あなたは範囲が広いから、手術料金は100万円です」
 と医師に診断され、
 100万円のローンを組んで…
 臭いと借金だけが残った、
 大変お気の毒な方もいらっしゃいます。
      ■         ■
 私たちが北海道新聞に広告を出そうとすると…
 何回も審査を受けます。
 北海道新聞社の広告規制はかなり厳しく、
 NTTの電話帳よりも厳しい部分があります。
 それなのに…
 書籍広告に名を借りた、
 悪徳クリニックの宣伝は、
 一切、規制がないようです。
 広告代理店が違うのかもしれません。
      ■         ■
 北海道新聞は北海道では最も購読者が多い新聞です。
 道民の心情として、
 『道新に出ていた病院』だから『安心』
 という心理が働くことが考えられます。
 30分で悩み解決の‘先生’は…
 過去に脱税で逮捕されたこともあります。
 美容外科業界では、
 知らない人がいないくらい有名です。
      ■         ■
 私は一人の医師として、
 美容外科医として、
 この広告を許せません。
 何度も書いているように…
 ワキガ手術はワキの皮膚を傷つける手術です。
 深く擦りむいた膝のキズは、30分では治りません。
 形成外科医や美容外科医であれば、
 誰でも知っていることです。
      ■         ■
 私が手術をしても、キズがキレイに治らない人もいます。
 同じ手術をしても、
 ワキガ手術ほど
 キズの治りやキズの色が違う手術はありません。
 治りが悪いと、色素沈着が長く残る方もいらっしゃいます。
 ワキガは、
 わきがは、
 決して30分では治りません。

      ■         ■
 京都の冨士森先生が、
 生涯に悔いを残すわきが手術のキズという
 学会発表をなさっています。
 広告に惑わされて、手術を受けないで下さい。
 わきが手術は簡単ではありません。
 北海道新聞社の方に、
 是非、
 東京まで行って手術を‘体験’してきていただきたいです。
 新聞社は、広告にも責任があります。

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チューリップ開花

今年の札幌は、異常なくらい早く春が来ました。
例年は、5月上旬に開花する桜がもう咲いています。
札幌では、毎年エゾムラサキツツジがまず開花します。
枝だけの低木に、紫の花がつきます。
同じ頃に、チューリップの芽が大きくなってきます。
      ■         ■
今年は、エゾムラサキツツジも
チューリップも
サクラも
今、同時に咲いています。
札幌駅前通りは、地下歩道の工事中です。
西武デパート前と北3条西3丁目に
少しだけ残っている花壇があります。
そこで白いチューリップが開花しています。
      ■         ■
今朝、通勤途中にチューリップの写真を撮ってきました。
私は花が好きです。
絵画とか彫刻などの美術は全くダメ。
ですから美術館めぐりなんてのは苦手。
歴史もダメ。
神社仏閣にもあまり興味はありません。
ただ、自然とか花とか生き物は大好きです。
動物園と植物園でしたら、
私が好きなのは植物園です。
札幌には、
北海道大学植物園という立派な植物園があります。
      ■         ■
各地で、住民が丹精込めて育てた花が
無残に折られたり、切られたりする事件が報道されています。
むしゃくしゃする時や、
イライラする時もあります。
ただ、罪のない花に八つ当たりはやめて欲しいです。
せっかく、キレイに咲いているのに…
一年に一度しか開花のチャンスはないのです。
私のように通勤途中に楽しみにしている人もいると思います。
花は大切にしましょう!
心が和み(ナゴミ)ます。


開花したチューリップ
北3条西3丁目
NORTH33前

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医療問題

町立厚岸病院黒字化

 平成20年4月21日、北海道新聞朝刊の記事です。 
 町立厚岸病院6年ぶり黒字
 地域に密着目配りこまやか
 信頼回復、患者2割増
 医師定着、“お茶懇で”健康指導
      ■         ■
 【厚岸】全国の自治体病院の経営が悪化する中、
 釧路管内厚岸町の町立厚岸病院(98床)が、
 この2年間で患者数を2割も増やし、
 経営を好転させている。
 佐々木暢彦院長(54)をはじめとする勤務医たちが
 地域に根ざした診療方針を打ち出し、
 患者の信頼を取り戻したことが大きい。
      ■         ■
 病院会計の経常収支は、
 町からの補助金上乗せもあるが、
 2006年度以降、単年度で黒字転換。
 自治体病院再建のモデルケースとして注目されそうだ。
  (厚岸支局 中川大介)
      ■         ■
 「○○ちゃんのお兄ちゃんだね」。
 診察室で、
 小児科医の佐々木院長が患者の子供に優しく語り掛ける。
 町内の主婦(38)が
 「昨年、子供の通院先を釧路の病院から切り替えました」
 という通り、
 家族構成や生活環境まで目配りする医師たちの姿勢が
 じわじわと町民の支持を得て患者数が増えた。
      ■         ■
 佐々木院長が着任した2006六年度の患者数(入院、外来)は
 85,300人で前年度比18%の増加だ。
 同年度から小児科を再開したこともあるが、
 道内自治体病院の患者総数が同6.3%減る中で
 全道一の伸びを見せ、
 経常収支は6年ぶりの黒字(3,000万円)に。
 2007年度は患者数がさらに同3%増えて
 5,000万円の黒字を見込んでいる。
      ■         ■
 以前は2004年度が3億7千万円、
 2005年度が2億5千万円の赤字。
 同年度の不良債務は5億円を超えた。
 町が各地から「一本釣り」した医師が定着せず
 一年ごとに入れ替わり、
 病院内部に不協和音も生じて
 患者は車で一時間の釧路市に流れた。
      ■         ■
 そうした中、
 町の求めで札医大の地域医療総合医学講座助教授から転じた
 佐々木院長が着任し、
 患者に対する「信頼再生」に力を注いだ。
 総合医を目指す同講座所属の医師らが定着し、
 現在は内科、外科など6科で常勤医5人、
 研修医1人の体制で二次救急も引き受ける。
      ■         ■
 医師が地域に出向く
 「お茶の間健康づくり医療懇談会」は
 この二年間で26回、
 検診結果を医師が地域で報告する相談会も10回を数える。
 一方で支出削減を徹底し、
 収入で費用を賄えた比率を示す医業収支比率は
 2006年度で95.1%と前年同期比で15ポイントも上昇。
 全道の町村立病院ではトップ級だ。
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 病院会計に対して同町は
 法定基準を上回る補助金を一般会計から交付。
 2006年度の黒字転換も、
 実際は前年度より1億円多い3億円の交付を受けてのことだが、
 若狭靖町長は
 「増額は病院への町民の信頼回復があってこそ可能」
 と強調する。
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 佐々木院長は札幌出身で自治医大卒。
 「地方住民の役に立ちたい」
 と東京の八丈島などで勤務し、
 大学時代の恩師が院長を務めた町立厚岸病院を実践の場に選んだ。
 札医大と連携して地域医原を志す研修医や実習生も受け入れ、
 「医師を増員できれば往診もしたい」と意欲を見せる。

 診察する佐々木暢彦院長。
 「きちんと話を聞いてくれて、説明が丁寧だ」と患者の評判も上々だ
 (以上、北海道新聞より引用)
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 佐々木暢彦先生は、
 私が昭和49年に自治医大を受験した時に
 ご一緒だった先生です。
 受験で、2日ほど栃木県の田舎の同じ宿の泊まっただけですが、
 30年前から、実に誠実でお優しい先生でした。
 この新聞記事を見て、とても嬉しくなりました。
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 当時、自治医大の受験生は
 都道府県毎に同じ宿に泊まって、
 自治医大で2次試験を受験しました。
 私の他は
 北大循環器外科の松居喜郎教授、
 札幌市北区麻生で、
 あさぶ小児科を開業している由利賢次先生
 内科の佐藤信司先生など、
 現役と浪人の受験生が、同じ宿に泊まって、
 仲良く受験した楽しい想い出があります。
 私が札幌医大、
 松居先生と由利先生は北大医学部、
 へ進学しました。
 佐々木先生と佐藤先生が自治医大へ行かれました。
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 私も、せっかく合格させていただいたので
 自治医大へ行こうか?とずいぶん悩みました。
 授業料は貸与されるので、実質負担はゼロ。
 生活費約6万円/月も貸与されました。
 卒後9年間の義務年限があり、
 そのうち半分を僻地勤務するという条件でした。
 もちろん勤務先からお給料をいただけます。
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 いろいろな先生のところへ相談に行きました。
 最終的に、予備校でお世話になった
 生物の矢野先生にご相談して、
 札幌医大へ入学することに決めました。
 もし、自治医大へ進学していたら…
 美容外科医には、絶対になっていなかったと思います。
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 佐々木先生は、当時からとても温厚なお人柄でした。
 自治医大は、国の医療政策の中では
 唯一ともいえるくらい、僻地医療に貢献していると思います。
 自治医大出身の先生は、とても信頼できる先生が多いです。
 佐々木先生も義務年限の僻地勤務を終えられ、
 その後、札幌医大の助教授になられたとお聞きしていました。
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 厚岸町立病院は、私が釧路労災病院に勤務していた頃は
 北大から医師が派遣されていた記憶があります。
 佐々木先生が院長になられて、
 佐々木先生に賛同する、
 夢とロマンを持った先生が黒字経営を支えているのだと思います。
 医療業界では、暗いニュースが多い中で、
 佐々木先生のニュースはとても嬉しく読ませていただきました。
 これからも、頑張っていただきたいと願っています。

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