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医療と観察・分析・判断

 私は昭和57年に札幌医科大学麻酔学教室で麻酔科研修をさせていただきました。北大から札幌医大へ研修へ行くのは珍しいことでした。恩師である大浦武彦教授と札幌医大の高橋長雄教授のトップ会談で‘特例’として認められました。
 私が札幌医大の卒業生だったことも幸いしたようです。当時、私を指導してくださった先生は、現在も日本麻酔学会の要職に就かれ、現役の麻酔学教授もたくさんいらっしゃいます。
 私の医師としての四半世紀にわたる人生の中で、札幌医大麻酔科で研修を受けたことはとても意義深く、私の貴重な財産となっています。
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 昨日の日記で、医療でも観察・分析・判断が必要と書きました。麻酔学は手術の麻酔をかけて、手術を安全・快適に受けていただくための学問です。
 私は麻酔科研修で、この観察・分析・判断の重要性をしっかり叩き込まれました。
 麻酔をかけた後も、常に患者さんの状態を観察し、モニターの音、血圧、脈拍数、酸素飽和度などをしっかり観察します。何か異常があれば、即座に分析し、麻酔濃度の調節などの判断をします。
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 医療のどの分野でも、この観察・分析・判断をしっかり行わないと医療事故が起こります。
 全身麻酔で豊胸手術を受けた後に植物状態になった医療事故の例を書きました。これは典型的に観察・分析・判断が悪かった例です。
 美容外科では医療事故なんて起こらないとお考えかもしれません。確かに産科などよりリスクは少ないと思います。でも実際にこのような事故が起こっています。
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 観察するには、観察できる目が必要です。医師免許をとって日が浅い先生では、観察力が不足していることも考えられます。
 厚生労働省の決めた2年間の臨床研修だけでは、的確に観察できる目はできません。
 流通業でも、店長クラスになるには本人の努力と10年近い経験が必要と伺いました。もちろん教育も大切です。
 医療は航空業界と同じで、安全・快適に‘飛行’することが何よりも大切です。免許取立てのパイロットには大型旅客機は操縦できません。ところが医療では卒後数年の先生がジャンボジェットを操縦しているようなこともあります。
 観察・分析・判断が的確にできる‘先生’を選ぶことが、安全に手術を受ける上でとても大切なのです。

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観察→分析→判断

 今日は北海学園大学のニトリ寄附講座に行ってきました。講師は安孫子尋美先生です。5月末から6月末まで、約1ヵ月間、米国ロサンゼルス地区で調査・セミナーをなさって、帰国されたばかりでした。お忙しいのに、札幌までいらしていただきありがとうございました。
 米国では、成人女性の86%近くが就業しており、夫婦ともに働いている家庭が多くなっています。必然的に、買い物にかける時間が短くなり、short time shoppingという、短時間で楽しく買い物ができるショッピングセンターが増えています。
 従来のショッピングセンターと比較して、駐車場が整備されています。自分の行きたい店の前に車をとめて、すぐにお店に入れる環境作りがされています。
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 今日のテーマは観察→分析→判断の手法です。流通業では、効率的に業務を遂行し、それを数字として業績に反映させることが大切です。
 毎日、同じような仕事をしていても、その中から問題点を発見し、改善することで、業績も収益も改善します。
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 常にメモとボールペンを持ち歩き、気付いたことをメモすることで観察ができます。
 毎日、A4の日報に観察(問題点、不明な点)をできるだけ具体的に記入します。
 さらに、問題点について原因と思われることを‘分析’し、箇条書きに記入します。
 最後に、改善・改革のための提案として‘判断’を記載します。そしてその期限を具体的に記載します。この日報を毎日記入します。慣れてくると5分以内で記入できるそうです。
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 例として寝坊をして遅刻した例が紹介されました。
 ×悪い例
 観察:遅刻をした。
 分析:寝坊をしたからだ。
 判断:今後、絶対に寝坊はしません。
 この例では具体的な改善策がないため、また寝坊をして遅刻する可能性が大です。
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 ◎良い例
 観察:寝坊をして30分遅刻をした。
 分析:目覚ましが壊れていた。それに気がつかなかった。
 判断:新しい目覚ましを今日中に買う(期限がついている)。
 具体的な対策が期限付きで出来ているので、もう、寝坊をして遅刻する可能性は少ない。
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 この観察→分析→判断は流通業に限らず、日常診療や受験生にも応用できそうです。
 毎日の生活を見直して、問題点を発見し、それを分析して、応急措置と制度変更計画を立てる。
 似鳥社長のように夢とロマンを実現するため、自分たちの生活を改善するために、私も今日から観察→分析→判断にチャレンジしてみます。

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院長の休日

ラベンダー刈取り

 今日は休診日だったので、ラベンダーの刈取りを行いました。私と81歳になる私の父でしました。昨日は家内と家内の母がしてくれました。家族で分業です。
 ラベンダーの刈取りというと、優雅な仕事のように思えますが、5分か10分で刈取れる量ではないので、結構な重労働です。
 中腰でかがみながらするため、腰が痛くなります。鋏でチョキチョキちょきちょきと切るため、手も疲れます。
 ラベンダーを刈る鋏は、園芸用の少し大きめの鋏を使います。6年前に植えた時は小さな株でしたが、毎年どんどん大きくなり、今では植えた時の何十倍にもなっています。
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 本数は数えていませんが、約2時間程度刈取りました。刈取った後にまた作業があります。
 刈取った後の作業は、家内と家内の母、私の両親がそれぞれ分業でしてくれています。
 ラベンダーの茎についている葉を手で落とします。ちょうど焼き鳥の串に花がついたようになります。それを親指の太さ程度に集めて束ね、輪ゴムをかけます。束ねたラベンダーを逆さに吊るして乾燥させます。
      ■         ■
 家の中に吊るすので、ラベンダーの香りが部屋の中に充満します。
 一週間くらいでカラカラに乾燥します。乾燥したら透明な袋に入れてリボンをつけて完成です。
 札幌美容形成外科に飾ってあるラベンダーはこうして身内で作ったものです。
      ■         ■
 私の仕事は、ラベンダーに肥料をやったり、毎年少しずつ植え替えたり、土をかけたりする栽培の方です。
 肥料をやって、木が大きくなって、キレイな花を咲かせてくれて、よい香りをくれるラベンダーが好きです。
      ■         ■
 美容外科医を辞めたら、ラベンダーや花を育てて優雅に暮らしてみたいと思っています。外国の花を見に行ってみたいとも思っています。
 今年、私が手術を担当させていただいたご婦人は、今頃スイスを優雅に旅行されていらっしゃいます。
 その方は、結構なお年なのですが、とてもお若く見え毎年スイスに滞在なさるのだそうです。
 『スイスはね、とってもお花がキレイでね、とってもいいところよ。先生も行ってごらんなさい。日本からの飛行機はいつも満席なのよ。』
 そのお話を伺って、いつか私も行ってみたいと思うようになりました。
      ■         ■
 美容外科と園芸はまったく異なりますが、私にとっては、失礼ながら、どちらも自分の手でキレイな‘作品’を作っているつもりです。
 手術をできる年齢には限界がありますが、花つくりは元気であれば続けられそうです。
 キレイな花を作って鑑賞して、楽しみながら暮らすのが私の老後の夢です。

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デザインとイメージ

 札幌美容形成外科を開業する時は、たくさんの人に助けていただきました。特に高校や中学の同級生は、さまざまな分野で活躍している人がいて助けられました。そのうちの一人がデザイナーでした。
 『本間、病院のマークとかイメージとか決まってんの?』
 私『???』
 『名刺でも、広告でも、病院をイメージするデザインって大事だょ』
 私『フ~ん、でも病院のマークなんてあったかな?』
      ■         ■
 私が勤務したのは、市立札幌病院、帯広厚生病院、函館中央病院などの総合病院が長く、その地域でその病院を知らない人はいない位有名でした。
 タクシーに乗って「市立病院までお願いします」と言えば住所を言わなくても乗せてもらえます。
 病院のマークについては、市立札幌病院には独自のマークがあった筈ですが、私の名刺には札幌市のマークを入れていました。帯広厚生病院ではJAのマークでした。
      ■         ■
 開業前に勤務していた中央クリニックにマークやロゴがあったか?定かではありませんが、確かに看板は黄色で目立つ色でした。
 有名なリッツ美容外科や聖心美容外科には素敵なデザインのロゴやイメージカラーがあります。
      ■         ■
 友人のデザイナーの事務所へ行き、彼がデザインしたさまざまな作品を見せてもらいました。
 『この中で、本間が気に入ったデザインがあれば、それを応用することもできるょ』と言われました。私が気に入ったデザインは札幌交響楽団コンサートのパンフレットでした。
      ■         ■
 ちょうどこのHPの両サイドにある、緑の葉っぱの帯がついたデザインの札幌交響楽団(札響)の定期演奏会のポスターがありました。
 友人『本間は植物が好きだったんだ』
 私『そう、オレ趣味は園芸だし』
 その友人が何種類かデザインしてくれた名刺の中から、私が選んだのが、葉っぱのマークが入った名刺でした。
      ■         ■
 下の名刺が私が開業以来使用している名刺です(正確には開業前の方が名刺を多く使います)。
 外国の先生には、裏に英語表記をした名刺を差し上げています。
 葉っぱのマークがついた名刺は珍しいので、一度名刺を差し上げた方からは、『あぁ、あの葉っぱの名刺いただきました』とよく覚えていただけます。
      ■         ■
 開業前には、医業とは別のさまざまなことを経験し、少しずつクリニックができました。
 医学部や研修医時代に先輩から教わることはありません。これから開業なさる先生は、自分が知らないことは謙虚に教えていただき、信頼できる専門家に助けていただくのがよいと思います。

私の名刺です

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ラベンダー開花

 札幌では7月の声を聞いてラベンダーが開花しました。私が育てているのは、オカムラサキと濃紫早咲の2品種です。中富良野のファーム富田で購入した苗と知人から分けていただいた苗を育てました。
 最初に咲くのは、名前の通り濃紫早咲なのですが、日当たりや場所によって微妙に開花時期が違います。
 札幌美容形成外科に飾ってあるラベンダーのドライフラワーは、私が育てて、家内と家内の母、私の両親が乾燥させて作ったものです。
 ドライフラワーにするには、まだ開花しきらない時期に刈り取って乾燥させます。完全に開花してからでは、乾燥すると花がポロポロと落ちてしまいます。
      ■         ■
 昨日、仕事を終わってから、ラベンダーを刈り取りました。今日クリニックに飾ってある花は、今年咲いた生花です。
 ラベンダーは花だけではなく、茎も葉もよい香りがします。ですから刈り取る時も香りに包まれて、とてもよい気分です。ラベンダーを手入れしていると、春でも秋でも手にラベンダーの香りがつきます。
      ■         ■
 ラベンダーは草のように見えますが、かなり太くなる木です。太い幹は私の親指より太くなります。たまに枯れる枝もあるので、枯れた枝は切ってやります。
 花を楽しんだ後は、必ず枝を切ってやります。よく公園などに植えられらラベンダーが、花の後もそのままになっているのを見るととてもかわいそうに思います。
      ■         ■
 病害虫もあまりつかず、開花時期だけハチがたくさんやって来るのが難点といえば難点です。
 日が昇ってからはハチがたくさん来るので、家内は朝や夕方によく刈り取っています。
      ■         ■
 私がラベンダーを知ったのは高校生の時に偶然聴いたNHKラジオの放送でした。昭和47年頃だったと思います。
 内容は忘れてしまいましたが、合成香料の普及と輸入自由化でラベンダー栽培が苦境に立たされている。北海道が主産地だというような内容だった気がします。その頃から、いつかラベンダーを育ててみたいと思っていました。
 結婚した頃(昭和56年)から、毎年家内と中富良野の富田ファームへラベンダーを見に行ってました。
      ■         ■
 札幌美容形成外科を開業した時に、クリニックのイメージとしてラベンダーを選びました。
 紫のキレイな色と香りが好きだったので選びました。ちょうど、自宅のラベンダーがたくさん咲いて、家内と両親がドライフラワーを作ってくれたので院内に飾りました。HPのデザインもラベンダーにしました。
 院内に入るとラベンダーの香りが年中いたします。今の季節だけ本物の花がご覧いただけます。

開花したラベンダー

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光る看板

 札幌美容形成外科を開業する前に、悩んだのが看板でした。看板を掲示できるスペースが限られていたため、おしゃれでキレイな看板がないか探しました。
      ■         ■
 3年前に一番にぎやかだったのが、札幌駅前のステラプレイスと大丸周辺でした。札幌駅周辺のビルを何度も見た帰りに、ステラやアピアあたりの看板を見て歩きました。上ばかり見る変なおじさんにみられたと思います。
 私の目にとまったのが光る看板でした。ネオンサインのようにキラキラした看板ではないのに、上品できれいな看板が印象的でした。
      ■         ■
 残念なことに看板を何度見ても製作会社の名前は書いていませんでした。また看板は高い位置に取り付けられているので、たとえ書いてあっても読めません。
 建築業者や看板屋さんに聞いていましたがわかりませんでした。アピアの防災センターでも聞いてみましたが、わかりませんでした。そこで、ネットで検索してみました。
      ■         ■
 ネットで検索してもなかなか見つかりませんでした。苦労してくろうして見つけたのがノグチ工芸さんでした。
 JR札幌駅の時計。大丸。ビックカメラ。私が探していた光る看板はノグチ工芸さんの‘作品’でした。
      ■         ■
 早速、札幌市東区にあるノグチ工芸さんの本社・工場に伺いました。建物は工場で、その横に階段がありました。階段を上がって‘本社’のある3階へ行きました。
 階段には、ノグチ工芸の‘作品’である光るサインがたくさん展示されていました。
 社長さんにお会いしました。実に実直そうな、看板一筋という感じの社長さんでした。
      ■         ■
 ノグチ工芸の看板はLEDという最先端の技術を使った光る看板でした。LEDは日本が生んだ世界の技術、中村修二先生(米国カリフォルニア大学(UCSB)教授)の発光青色ダイオードを使った技術です。5月20日の日記に書いた、中村先生が発明した技術でできた明かりです。
 野口社長は苦労して、LED技術を使った看板を開発し、日本全国に販売していると教えてくださいました。
 私が札幌駅で見つけた、光る看板はノグチ工芸さんの技術でした。
      ■         ■
 札幌美容形成外科HPのビデオで、最初に写るマルチカラーの光る看板はこうしてできました。
 看板の設置では、スノー会舘ビルのオーナー様に多大なご協力をいただきました。
 こうして、たくさんの方のご協力で札幌美容形成外科が開院できたのが3年前でした。

LED看板 ノグチ工芸HPより。

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建築デザイン

 札幌美容形成外科の内装工事はちょうど3年前の今日、竣工・引渡しがありました。建物の賃貸契約をして、家賃を払い始めてから6ヵ月かかりました。まず、目指す建物を探して、空室があるか確認。不動産賃貸契約を結びます。ビルの空室はそう何件もありませんので、気に入った建物であれば開業前から押さえる必要があります。
      ■         ■
 これから美容外科・形成外科の診療所を開業なさる先生は、今までに経験したことがない、さまざまな契約をしなければ開業できません。昨日の日記にも書いたように、診療所向きのビルは多くはありません。
 ‘これダ!’と決めたビルがあれば、他の先生に契約される前に契約なさることをお薦めします。
      ■         ■
 私の場合は、たまたまビルの下見に来た時に、㈱スノー会舘の担当の方が、とても親切に案内してくださったので決めました。
 札幌美容形成外科が入居した3Fは、雪印パーラーの宴会場だったため、奥に厨房設備がありました。そのため、昨日記載した、水・排水の問題はクリアーできました。
 ある先生が見学にいらして、厨房用のシンクをご覧になりました。とても使いやすそうなので、ご自分のクリニックを開業する時にマネさせてもらいますと言われました。
      ■         ■
 飲食店などの店舗デザインは専門の建築家が多数いらしゃるようです。新しいビルの飲食店に入ると実に洗練されたデザインで、照明にも凝っています。
 美容外科専門の建築家が札幌にいらっしゃるかどうか?私は存じませんが、私は自分の家を建てる時にお世話になった建築家に依頼しました。
      ■         ■
 私が依頼した建築家は萩原淳一さんです。北海学園大学工学部をご卒業後、札幌市内の有名な建築デザイン事務所で腕を磨かれました。
 私が自宅を建てた時は、まだその建築デザイン事務所にいらしたのですが、その後独立し開業されていました。
 私はうるさい施主なのに、細かい注文を文句も言わずに何度も図面を引き直してくれたのが気に入っていました。
      ■         ■
 独立された後、どこに行かれたかわからなかったので、電話帳を頼りに片っ端から探しました。20~30軒目でようやく見つかりました。先輩の事務所の横の小さなスペースでこじんまりと事務所を開いていました。彼はとても喜んでくれ、設計を引き受けてくれました。
 私には、私なりのこだわりがありました。待合スペースは隣の人が見えないように。カウンセリング室は完全個室に。
 手術室は手洗い装置をつけて、麻酔の余剰ガス排出装置もつけて。などなど、萩原建築士は実に良く私の意見を反映してくれました。
 私の仕事が終わった後で、デパートで弁当を買って彼の事務所へ行き、弁当を食べながら何回も打ち合わせをしました。
      ■         ■
 そうしてできたのが札幌美容形成外科です。私がはじめて持ったMyクリニックです。
 時代の流れとはいえ、この札幌美容形成外科を壊してしまうのはとても残念です。
 萩原淳一一級建築士は、まじめで信頼できる方です。‘絶対に’偽装なんかしない人です。
 ここがHPです。札幌美容形成外科も掲載されています。一度クリックしてみてください。

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ビルの条件

 札幌美容形成外科のような美容外科クリニックが入居できるビルには条件があります。一般的なオフィスビルでは、水と排水の問題があります。現在、札幌市内に新しくできているビルの多くはオフィス仕様です。床がOA用にファイバーやケーブルを配線できるように作ってあります。
      ■         ■
 美容外科診療所では、もちろんOAも大切ですが、それ以上に大切なのが水です。手を洗うのにも、手術器械を洗うのにも、タオルを洗うのにも水が必要です。水を使うと、水を流すための排水が必要になります。水道は給水圧があるので大丈夫ですが、排水は勾配をつけないと水が流れません。
      ■         ■
 ビルを設計する時から、水と排水の問題を考えていればOKなのですが、オフィスビルで水があるのはトイレと給湯室位です。そこまで配管をしなくては水を使えません。
 水の次は、室内の温度です。今はエアコンがついていないビルはありませんが、設定温度はせいぜい25~26℃です。服を着て過ごすことが前提になっています。
 手術室では服を脱いで手術を受けます。スタッフは冬でも半袖が当たり前。オフィス仕様のエアコンでは出力不足が懸念されます。
      ■         ■
 レーザー機器を使う部屋は、200Vの電源が必要な場合が多く、電気容量が足りないため、電機室から新たに配線を引くこともあります。
 換気設備もレーザーで毛が焼ける臭いが出るため、通常のオフィスよりも強力な換気扇が要ります。
      ■         ■
 手術室には無影灯という大きなライトがあります。このライトを吊るすには通常の天井高では不足することが多く、現在の札幌美容形成外科は2800といって、天井までの高さが2m80cmあります。天井の強度も必要で、無影灯を吊るしたために天井が抜けてしまっては大変です。
 全身麻酔では酸素と笑気という麻酔ガスを使い、さらに吸入麻酔薬も使います。このガスを外へ出すための、余剰ガス排出装置が必要になります。通常のビルでは、外へガスを排出する経路がありません。そのため、ビルの壁に穴を開ける必要が出てきます。
      ■         ■
 普通のオフィスビルは日曜日はお休みのところが多く、日曜日には玄関がしまってしまいます。
 日曜日でも入り口が開いているビルで、深夜に急患があっても対応できるビルが必要です。
 駅から近くて便利で、これらの諸条件を満たすビルを探して、工事が完成するまでは、現在地で診療を続けます。
 平成19年末までに取り壊しは、おそらく‘絶対に’ないと思います。

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思い出の場所

 私が家内とはじめて出合ったのは、雪印パーラーでした。今から30年も前の話しです。家内は兵庫県西宮市に住んでいました。女の子5人の仲よしグループで北海道にスキーに来ていました。私は兵庫県西宮市がどこにあるか?も知らず。甲子園球場がある都市とも知りませんでした。
      ■         ■
 家内はスキーをするのが初めてで、5人のうち満足にスキーができたのは2人くらいだったでしょうか?グループの一人が共通の友人でした。『北海道に友だちとスキーに行くので、スキーができる人に教えてもらえない?』と頼まれました。私が友人を集め、総勢10人でアイスクリームを食べに来て自己紹介をしたのが、雪印パーラー1Fの奥でした。
      ■         ■
 今はありませんが、30年前にはパーラー1階の奥にレストラン風のコーナーがありました。ちょうど今のパーラー2階のような雰囲気でした。
 30年前にはハーゲンダッツもサーティーワンもなく、北海道のアイスクリームは最高でした。特に雪印パーラーのアイスは他では食べられない味でした。
 10人は全員おじさん・おばさんになっていますが、当時は若くてはつらつとしていました。男性は私ともう一人が医師。北海道放送1人。サラリーマン1人。牧師1人です。女性は全員結婚して子供がいます。北海道に嫁に来たのは家内だけです。
      ■         ■
 すぐに付き合い始めたわけではありません。30年前は携帯もメールもありませんでした。
 電話も家電が1回線あるだけです。それも、市外通話料金が驚くほど高く、私の記憶では一度も電話をした覚えがありません。
 留寿都へスキーに行って、スキー場で別れてさようなら。私がスキーを教えたのは、別の女の子だったような気がします。お互い、まさかこの人と結婚することになるとは、夢にも思っていませんでした。
      ■         ■
 住所だけは知らせていたので、年賀状のやり取り程度はしていました。私は知らなかったのですが、10人のうち一組だけが、その後ひそかに付き合っていたようでした。そいつが二股をかけて付き合っていたことがバレ、そりゃ~ナイしょ!ってことになって、意気投合したのが始まりです。人生、いつ何が起こるかわかりません。
      ■         ■
 今と違って通信手段は手紙だけです。こうやって日記を書くように毎日書いた?わけではありません。一週間に一通くらい書いたでしょうか?病院から帰ってきてから、ペンで書いていました。ワープロなんてありませんでしたから…。
 今の人は遠距離でも、携帯があり、メールがあり、画像付きでTV電話もありますが、30年前は手紙。速達で出すのが唯一の贅沢でした。
 手紙が通信手段で、あまり会わなかったから、お互いに良い所だけを見て結婚できたのかもしれません。ただ、家内の父からは反対されました。可愛い娘を蝦夷(エゾ)の地へやりたくなかったのでしょう。
 こうして雪印パーラーで知り合ってから5年後くらいに私たちは結婚しました。

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ビル改築について

 インターネットの掲示板2チャンネルに‘雪印パーラーのビル、今年の9月で取り壊しって聞きました’と書き込みがありますが…とお問い合わせをいただきました。
      ■         ■
 札幌美容形成外科が入居している、スノー会舘ビルは昭和36年(1961年)に伊藤組土建㈱によって建設されました。札幌駅前通りの歴史的建造物です。築46年ですから、建物としてはかなり古いビルです。伊藤組土建㈱の社史に掲載されています。伊藤組の伊藤ビルディングは昭和38年に竣功しました。平成19年にスノー会舘ビル改築が計画され、ビルオーナーから提案されました。
      ■         ■
 札幌美容形成外科はビル改築に協力し、改築期間(約1年程度)は仮店舗での診療を行う予定です。ビル取り壊しは早くても平成20年以降になる見通しで、具体的な日程は決まっておりません。
 仮店舗はまだ決まっておりませんが、札幌駅周辺で交通の便が良い場所を考えております。
 仮店舗への移転に伴い、数日間の休診はあると思いますが、診療の中断はございません。
      ■         ■
 私は北大形成外科に勤務していた時から、開業するなら札幌駅前でと決めていました。形成外科や美容外科の診療圏は広いので、交通の便が良いところが患者様に便利だからです。
 どこで開業するかは、とても大切な問題です。クリニックもお店も飲食店も同じです。場所によって流行る流行らないが分かれます。
 美容外科は堂々と入るクリニックではありません。どんなに腫れないといっても、手術直後の顔を見られるのはイヤなものです。できれば、人に知られずに手術を受けたいと思います。
      ■         ■
 全国的に見ると消費者金融が入っているビルに、美容外科が同居している場所がたくさんあります。変な言い方ですが、消費者金融もあまり人に知られずに行きたい場所だと思います。でも、あまり辺鄙な(ヘンピ)な場所にあっても、目立たないので、いらしていただけなくなります。消費者金融はどこへ行っても大きな看板があり、同じビルに複数社が入っています。駅前の立地が良い場所にあります。
      ■         ■
 私はビルを選ぶ時に、札幌駅周辺のほとんどすべてのビルに自分で入ってみました。ビルの雰囲気、臭い、人の量など、日時や時間も変えて見てみました。夜間に入れるかどうか?お正月も入れるかどうか?も実際に深夜やお正月にチェックしました。
      ■         ■
 雪印パーラーが入っているスノー会舘ビルを選んだ理由はいくつかありました。
 まず、雪印パーラーという抜群の知名度で、場所を間違う方は皆無です。札幌駅から近いという、交通の便のよさも気に入りました。ビルは古く入り口には階段がありますが、人はあまり通りません。
 観光客がよくパーラーのパフェを見ていますが、意外と地元の人の出入りは多くありません。駅前通りは人が多いので人ごみに紛れてパッと入ってしまえばあとはわかりません。みな急いで歩いているので、意外と気づかれません。
      ■         ■
 札幌美容形成外科が入っている3階は、雪印パーラーの宴会場だった場所です。私としても、この場所が気に入っていますが、札幌市の都市計画で駅前通りも変わっています。ビルのオーナー様にはとてもお世話になったので、改築計画に協力したいと考えています。
 ビル改築に伴う新しい情報が入りましたら、その都度HPでお知らせいたします。
 皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
平成19年6月27日 札幌美容形成外科 院長 本間賢一

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