医学講座

糖尿病は全身の病気です

 私の経験で一番良かったのは、
 いい病院で、
 優秀な先生たちと、
 仕事ができたことです
 糖尿病もそうです。
 市立札幌病院には腎センターがあります。
 糖尿病性腎症で、
 透析となった患者さんがたくさんいらっしゃいました。
      ■         ■
 市立札幌病院、
 糖尿病・内分泌内科部長の、
 柳澤克之先生には、
 北大病院に勤務していた頃から、
 たくさんの糖尿病患者さんを診ていただきました。
 手術前から、
 しっかり糖尿病を管理して、
 手術後も無事に乗り切りました。
      ■         ■
 糖尿病で怖いのは、
 
 腎臓です。
 どちらも血管がこわれるのが原因です。
 最悪の場合、
 目は失明してしまい。
 腎臓は人工透析になります。
      ■         ■
 糖尿病は、
 しっかり治療すれば、
 ふつうの人と同じように生活ができます。
 公益社団法人日本糖尿病協会
 HPにとても参考になることが書いてあります。
 糖尿病啓発冊子
 糖尿病の治療を放置した働き盛りの今
 こちらをぜひ読んでいただきたいです。
      ■         ■
 一部を引用します。
 20141115
 同朋の皆様へ
 小倉智明
 学生時代の私は、世代を代表する短距離ランナーでした。自慢ではありませんが、 学生記録をつくったこともあります。実に健康的な生活を送っていました。 しかしある時、私は太りだしました。膝をやり、腰を痛めて競技から離れ、運動量がガクンと減ったこと、 節制をやめてよく食べるようになったこと、時間の不規則な業界に就職したことなどが原因でした。 病気が発覚した当初は、担当医に真顔で「このままでは死ぬよ 」 と言われたほど、 急激にからだの状態を悪くしていきました。しかし、私にも大切な家族がいます。死ぬよと言われて「ハイそうですか」と簡単にあきらめるわけにはいきません。ダイエット、食事療法、インスリンの投与といった治療をはじめました。 決して楽ではありませんでしたが、生きるために必要なこと、と前向きに受け入れました。
 糖尿病は、宣告されても自覚症状がない病気です。働き盛りの皆さんは多忙な毎日の中でなかなか本気で治療に取り組めないのではないでしょうか。 治療を始めても、食事療法は食欲との戦いがつらく、運動療法も面倒で続かないものです。つい治療を投げ出してしまい、いつの聞にか取り返しのつかないことになっている、という例が多く見られるのです。
 私は、28 年前に発症して、担当医に脅されたことが幸いでした。糖尿病との上手な付き合い方を見つけ、治療を明るく楽しみながら実践し続けてきました。 働き盛りの皆さんには、ぜひ元気で働いてもらいたい。糖尿病と診断されたら、決して甘く見ず、 すぐに治療をはじめてほしい。適切な治療を続ければ糖尿病は怖くありません。 新しいライフワークが出来たと思って前向きに治療に向き合ってください。家族のためにも、 あなたのためにも、どうか糖尿病とうまくつきあい、充実した人生を送ってください。

公益社団法人日本糖尿病協会
糖尿病を放置した働き盛りの今から引用

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医学講座

糖尿病と手術2014

 札幌は寒くなりました。
 朝、窓の外を見ると…
 真っ白でした。
 新聞によると札幌の積雪が11cmです。
 寒くなりました。
 11月も半分過ぎました。
      ■         ■
 今日11月14日は世界糖尿病デーです。
 世界糖尿病デー
 2010年11月14日の院長日記です。
 札幌医大の学生時代は、
 糖尿病は苦手でした。
 自分は内科には向かないと思いました。
      ■         ■
 内科が苦手だった私が、
 卒後3年目に…
 函館中央病院形成外科で、
 糖尿病のおばあちゃんの担当になりました。
 糖尿病のおばあちゃんが、
 全身に大やけどをして、
 函館中央病院形成外科へ入院しました。
      ■         ■
 当時の私の上司が、
 小野一郎先生でした。
 小野一郎先生の奥様が、
 糖尿病専門医の小野百合先生です。
 奥様は私と同年代で卒業は一期上です。
 糖尿病のおばあちゃんは、
 小野百合先生が…
 札幌から電話で指導してくださり、
 みごとに回復されました。
      ■         ■
 私のはじめての学会発表が
 糖尿病を基礎疾患に持った老人熱傷の一例
 その学会発表を論文として投稿することになり
 糖尿病を徹底的に勉強しました。
 当時、北大第二内科教授で、
 糖尿病の権威中川昌一先生のところにも伺いました。
 はっきり言って…
 学位論文より苦労しました。
 このおかげで今でも糖尿病患者さんの手術ができます。
      ■         ■
 札幌美容形成外科では手術前に血液検査をします
 最近たて続けに、
 糖尿病の患者さんが見つかりました
 手術は中止し、
 糖尿病専門医の、
 小野百合内科クリニックへご紹介しています。
 糖尿病のおばあちゃんを、
 電話で助けてくださった奥様です。
      ■         ■
 糖尿病でも手術はできます
 条件があります
 しっかりコントロールできていることです。
 札幌美容形成外科を開業して10年。
 包茎手術で来院され、
 重度の糖尿病が見つかった男性
 しっかり糖尿病を治療していただき、
 約半年後に手術ができた人もいました。
 未治療の糖尿病は怖いです。
 下肢を切断して、
 棺おけに足を入れた人もいます
 健康診断で血糖値が高かった人は、
 糖尿病専門医に診ていただいてください。

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院長の休日

今日は歯医者さん2014年11月

 今日の札幌は寒い一日でした。
 時々雪がぱらぱらと降っていました。
 秋も終わりという感じです。
 今日は休診日だったので、
 3ヵ月ごとにお願いしている、
 歯医者さんに行ってきました
      ■         ■
 私のきたない歯を、
 毎回丁寧にきれいにしてくださった
 歯科衛生士さんが8月末で退職されました
 新しい衛生士さんが、
 新しくなったユニフォームで、
 丁寧に処置をしてくださいました。
      ■         ■
 上手に処置をしてくださるので、
 痛くありません
 健康保険で受けられます。
 私は左上の奥歯の歯磨きが…
 上手にできないようです。
 自分ではしっかりやっているつもりでも…
 歯石がついていました。
      ■         ■
 約1時間半程度です。
 自己負担は3000円ほどです。
 歯の健康は全身の健康につながります。
 虫歯になって痛くなってから行くのではなく、
 定期的に、
 プロによる歯のお手入れをおすすめします

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院長の休日

師走の衆議院議員選挙?2014

 安倍首相が衆院解散を検討している」。
 こんなささやきが、
 あれよあれよという間に
 解散風という突風になって吹き荒れている。

 平成26年11月12日、朝日新聞社説の一部です。
      ■         ■
 他紙の報道にもあります。
 安倍首相が大嫌いな、
 朝日が社説に書いたので、
 ひょっとすると解散しないかも?
 …と同年代の私は考えてみたりします。
 それにしても勝てると思っているのでしょうか?
      ■         ■
 確かに、
 東京では、
 日経平均株価は前日の終値より72円94銭高い
 1万7197円05銭で取引を終え、
 2日続けて年初来高値を更新した。

 …という報道があります。
      ■         ■
 北海道は不景気です
 企業誘致をしても、
 電気料金が高いので
 北海道へ進出する企業が、
 二の足を踏むという新聞記事がありました。
 私は安倍さんのやり方が嫌いです。
      ■         ■
 ご自身が、
 潰瘍性大腸炎という難病で
 特効薬で症状が快くなったという話しがありました。
 この人は、
 弱い者のつらい立場がわかる?
 病人の苦しみがわかる?
 …とちょっと期待していました
 医療政策を見ると…
 期待外れでした。
      ■         ■
 師走の選挙は大変です。
 北海道や東北は雪です。
 選挙にはお金もかかります。
 後輩の勝沼議員は、
 どこの選挙区から出るのか?
 心配しています。
 衆議院議員も楽ではなさそうです。

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昔の記憶

私の結婚式1981年

 北海道は寒くなりました。
 北海道電力の電気料金値上げ
 ガソリンや灯油価格の高騰、
 寒い北国によい話しはありません。
 衆議院解散の報道があります。
 師走に選挙になったら、
 寒い北海道は大変です。
      ■         ■
 突然ですが、
 33年前の結婚式のお話しです。
 うちの奥さんは、
 兵庫県西宮市に住んでいました
 奥さんの父親は、
 国鉄の保線区で働いていました。
 64歳で亡くなってしまいました
 保線一筋で立派な人でした。
      ■         ■
 ひょんなことから
 北海道旅行に来た奥さんと再会し
 ご縁があったのでしょう
 結婚することになりました
 今から考えると、
 人生で一番楽しい時期だったように思います
 でも、
 人生で一番お金がない時期でした
      ■         ■
 私は大学を卒業したばかりで、
 研修医1年目でした。
 結婚式が研修医2年目でした。
 奥さんは、
 短大を卒業して20歳で就職し
 4年間働いていました。
 お給料が良い会社でした。
 堅実に貯金もしていました。
 私より貯金がありました
      ■         ■
 私は北大病院からいただく10万円程度のお給料だけ。
 ボーナスも、
 時間外手当もありません。
 地方の病院に月2回程度ある出張と、
 夜間や土日に、
 市内の病院の当直アルバイトをして、
 何とか生活していました。
 奥さんの収入の半分くらいでした。
      ■         ■
 30年前の研修医の結婚式は、
 北海道でも招待制でした。
 (北海道には会費制結婚式というのがあります)
 北大形成外科の先輩は、
 札幌グランドホテルで、
 大浦武彦教授に仲人をお願いして、
 披露宴を盛大に行っていました。
      ■         ■
 奥さんが札幌に来た時、
 私たちは、
 札幌グランドホテルのブライダルフェアーに行きました。
 北大病院の先生でしたら、
 みなさんこのくらいの披露宴をなさっていらっしゃいます。

 係りの人が作ってくださった見積りを見て、
 目の玉が飛び出ました。
      ■         ■
 結婚式(神前)と
 80人程度の披露宴で、
 ホテルの見積りが400万円弱でした。
 当時の私の年収でした。
 こりゃだめだ
 高かったのが♡花嫁衣裳♡
 こちらの白無垢は、
 まだ一度もお袖を通していないものです。
 うん十万円です。

 はぁ
 ため息が出ました。
      ■         ■
 家内の親戚は全員関西。
 友人も関西。
 披露宴に来ていただく航空券代だけでも、
 かなりの金額になりました。
 その上♡高額の花嫁衣裳♡は、
 かなりの負担でした。
 2人で相談して、
 札幌グランドホテルは止めました。
      ■         ■
 二人で選んだのは、
 弥生会館という、
 国鉄関連の施設でした。
 今は極楽湯という温泉になっています。
 ここは国鉄職員の家族だと割引がありました。
 結婚式と披露宴の費用は、
 札幌グランドホテルの半分以下でした。
 奥さんの両親も賛成してくれて、
 弥生会館で結婚式を予約しました。
 予約金も払いました。
      ■         ■
 その後のことです。
 たまたま北大に学会準備でいらしていた、
 札幌グランドホテルの営業担当の方と話していました。
 先生、今度ご結婚されるんですって…
 ♡おめでとうございます♡
 式はうちでやってくれるんですよね…
 はぁ、見積りをいただいたんですけど、
 高くて無理だったので、
 弥生会館というところにしました。
 教授にもお話ししてあります。
      ■         ■
 営業担当さん、
 え~っ、うち(札幌グランドホテル)でやってくださいよ。
 弥生会館はいくらなんですか?
 私は札幌グランドホテルでいただいた見積り、
 弥生会館の見積りをお伝えしました。
 営業担当さん
 僕に任せてください。
 弥生会館と同じ金額でやります。
 え~っ
 ほんとうですかぁ~
      ■         ■
 営業担当さんのおかげで、
 私たちは札幌グランドホテルで結婚式を挙げることができました。
 奥さんの♡花嫁衣裳♡は、
 何人もの先輩が袖を通したものでしたが、
 誰が見てもきれいな白でした。
 私は何もわからない26歳の若者でしたが、
 その時から、
 よいものを安くにこだわっています。
 お金をかければいいってもんじゃない。
 安くても満足できるものがいいです。

33年前です

 

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院長の休日

主夫生活5年半、貴重な体験

 私が尊敬する人生の先輩、
 あこがれのイクジイ先駆者である、
 埼玉の木本和男様からお便りをいただきました。
 前略。突然の便り恐縮です。4年前に「イクジイ」に過分なるお言葉をいただき、また本年1月の「エプロンは離さない」でも再度ブログに取り上げて頂き感謝いたしております。
 ところで、先月末にダメモトで投稿した拙文が「声」に載りました。早々、先生のブログを開いてみたのですが…。お忙しい先生のことなので、お読みいただいているとは言え、ブログまでには手が届かずにいるのではないかとお察しはしますが、万一と思って投函した次第です。
 ここ5年、全国紙に数回載ったとは言え、ネットで発信して頂けた方は唯一先生だけであったからです。
 無職~主夫~無職。一応もとの鞘に収まりましたが、これで終わったのではなく、これからも先生を始め、全国の皆さんに読んでもらえる文を頑張って書いていきます。勿論、先生のブログも遠方より読ませていただきますので今後とも宜しくお願いします。  早々。
 上尾市 木本和男

      ■         ■
 失礼いたしました。
 声の欄はすべては読んでおりませんでした。
 さっそく、朝日新聞より引用させていただきます。
 主夫生活5年半、貴重な体験
 無職 木本和男(埼玉県 68)
 妻の退職に伴い、5年半続けた「主夫」の座をこのほど降りた。振り返れば定年が近づいた時に上司から次の職場を紹介されたが、以前からの家族との暗黙の約束で、主夫を第二の職場として選んだ。
 朝は現役時代より早く起きて、ゴミ出しと洗濯機を回しながら朝食の準備。食事が終われば看護師の妻を送り出し、近くに住む孫娘の幼稚園への見送り。午後2時からは、孫の迎えから夕食の準備と忙しい。加えて東日本大震災で福島県から移ってきた高齢の義母の世話も加わった。
 忙しいことは会社勤めで慣れていた。給与は出ないが、職場と思えば忙しさは何のことはないと心に決めて過ごした。
 数をこなせば料理もそれなりに作れるようになったし、孫とのスキンシップも増えた。何よりの収穫は、家族からあてにされて、時には褒めてもらえることであった。
 貴重な体験をさせてもらった5年半だった。第二の職場から退き、今後は主夫の肩書はなくなる。でも、今までの経験を生かして、我が家の顧問として残してもらうことにしよう。

 (以上、朝日新聞より引用)
      ■         ■
 下の写真は木本様からいただいたお手紙です。
 光沢紙に、
 きれいに印刷されていました。
 朝日新聞のロゴや、
 はがきのちりとりの図もきれいです。
 きっと、
 とてもきっちりとした性格の方だと思います。
 主夫も100点満点だったと想像します。
      ■         ■
 札幌美容形成外科の女性職員が、
 今までの経験を生かして、
 我が家の顧問として残してもらうことにしよう。

 …という最後の一節が素敵と話していました。
 お会いしたことはありませんが、
 木本様は素敵なシニアです。
 私も木本様を目指します。
 料理も習いたいです。
 これからも投稿を楽しみにしています。
 ありがとうございました。
20141110

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昔の記憶

受験で先輩にエールもらった娘

 平成26年11月8日、朝日新聞朝刊、
 声の欄への投稿です。
 受験で先輩にエールもらった娘
 看護師 宮澤初美(埼玉県 41)
 娘の大学入試の会場が遠方のため、入試の前日に現地入りして大学の文化祭を見学した。娘の表情は硬く、私は緊張を和らげようと馬術部の見学に誘った。そこへ一人の女子大学生が近づいてきた。「あなたH高校だよね? 私、卒業生!」
 娘の制服を見て、話しかけてきてくれたのだ。入試が翌日と知った彼女は「私は馬術部に入ってから1度も落馬したことはない。だから、大丈夫。あなたは落ちない」。その言葉を聞いて、胸が熱くなった。娘も勇気をもらい、笑顔になった。
 その後、イベント会場に足を向けた。そこへまた、1人の女子大学生が「H高校だよね? 私もH高校だったの」。娘に1枚の紙を差し出した。「これは私が受験する時に書道の先生が書いてくれたもの。これを持って合格できた。あなたにあげるから頑張って」。紙には「やりたいことは、やらなければいけないことの向こう側にある」とあった。私はもう何も言葉が出ず、2人の姿も涙でかすんで見えなかった。
 数日後、合格通知が届いた。娘よ、合格おめでとう。来年はあなたが受験生にエールを送ろう。

      ■         ■
 合格おめでとうございます
 素敵な先輩がいる、
 素敵な大学、
 入学前から楽しみです。
 私は馬術部に入ってから1度も落馬したことはない
 だから大丈夫
 あなたは落ちない」。

      ■         ■
 なんていい言葉でしょうか。
 意味不明、
 なにそれ、
 …なんて言う人は、
 受験生の苦労を知らない人です。
 一点で合否が決まります。
 ちょっとした気持ちの持ちようで、
 合否が決まることもあります。
      ■         ■
 「これは私が受験する時に書道の先生が書いてくれたもの。
 これを持って合格できた。
 あなたにあげるから頑張って」。

 紙には
 やりたいことは
 やらなければいけないことの向こう側にある
 とあった。

 寒くなってきました。
 毎年秋になると、
 受験生だった頃を思い出します
 恩師、矢野先生のことを思い出します
 がんばれ受験生
 還暦のじいちゃんも応援しています。

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医学講座

フィブラスト常備薬は無理

 昨日の院長日記、
 フィブラストスプレーの作用機序
 …にさくらんぼさんからコメントをいただきました
 やけどして
 すぐスプレーを使うといいということは
 家庭に常備できる物なんですか? 
 子供がいるんでスプレー下さいで
 皮膚科などで処方してくれますか?

      ■         ■
 確かに、
 富山の置き薬のように、
 家庭に常備薬としてあれば、
 理想的ですね。
 残念なことですが、
 医療機関ですら、
 常備薬は難しいです
      ■         ■
 フィブラストスプレーは、
 1本一万円近くします。
 有効期限もあります。
 いつ来るかわからない患者さんのために、
 高価な薬を常備しておくことは、
 ふつうの医療機関では無理です。
 病院が赤字になってしまいます。
      ■         ■
 もう一つ困ることは、
 フィブラストスプレーが小児熱傷に効くことはわかっているのに…
 正式に国(厚生労働省)の認可を受けていないことです。

 添付文書には、
 効能・効果
 褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)
 【使用上の注意
 5.小児等への投与
 小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

 …と明記されています。
      ■         ■
 フィブラストスプレーが小児熱傷に効くことは、
 熱傷専門医の常識になっています。
 皮膚血流を調べた論文も出ています。
 それなのに、
 まだ国の承認が得られていません。
 正式には、
 小児のやけどにすぐ使うのは適応外です。
      ■         ■
 一刻を争うのがやけど治療です。
 痕が残ってからでは遅いのです。
 添付文書には、
 小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
 …と書かれていますが、
 もう10年以上使われています。
 早く正式に使えるようになって欲しいです
 フィブラストスプレーは、
 大きな病院の形成外科には常備していると思います。

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医学講座

フィブラストスプレーの作用機序

 難しい表題で申し訳ありません。
 フィブラストスプレー
 なぜ?
 子どものやけどに効くか?
 …というお話しです。
 なるべくわかりやすく説明します。
      ■         ■
 熱傷学会②
 2007年6月7日の院長日記です。
 今日の熱傷学会でbFGF(ベーシック・エフジーエフ)という薬が
 ヤケドをキレイに治すという発表がありました。
 もともと褥瘡や難治性潰瘍というキズを治すために開発された薬です。
 遺伝子組み換えのバイオ技術で作った製品です。

 2007年に金沢であった学会です。
      ■         ■
 私は札幌医大に在籍していた時に、
 フィブラストスプレーで動物実験をしていました。
 私が唯一、
 文部科学省からいただいた、
 科学研究費で実験をしました
 学内の倫理委員会の承認も受け、
 科研製薬から試料をいただきました。
      ■         ■
 フィブラストスプレーを、
 私の院長日記で検索すると、
 プレミアムPRP後遺障害2014
 第37回日本美容外科学会(東京)④
 …がヒットします。
 シワ取りに、
 フィブラストスプレーを使うと、
 劇的な効果が出ます。
 後遺障害が残ることもあります

      ■         ■
 フィブラストスプレーで動物実験をした人は、
 至適濃度の設定で苦労します
 つまり、
 どのくらいの濃さで使うと、
 一番効果が出やすいかが、
 難しい薬剤です。
 今までの薬とまったく違う効き方をします。
 シワ取りに使う時も濃度を間違えると後遺障害が出ます
      ■         ■
 bFGF(ベーシック・エフジーエフ)
 …という難しい名前です。
 少量の白い粉です。
 この薬を、
 やけどした部位にシュっと噴霧します。
 香水をかける感じに似ています。
 かけた時にちょっとしみます。
      ■         ■
 この薬の効果は、
 強力な血管新生作用です。
 通常の何倍もの速さで、
 血管ができてきます。
 植物に成長促進剤を与えた時とか、
 発根促進剤を与えた時に似ています。
      ■         ■
 やけどした皮膚を再生させるために、
 血管がたくさんできてきます。
 深いやけどで白く見える部位が、
 この薬をかけるとピンク色になってきます。
 ふつうなら治るまで、
 2週間以上かかる深いやけどが
 1週間で治ることもあります。
      ■         ■
 早く治ると、
 やけどは痕が残りません。
 きれいに治ります
 私はできるだけ早期から、
 フィブラストスプレーを使うことを推奨します。
 子どもの皮膚は薄いので、
 フィブラストスプレーの効果が出やすいのです。
 深いやけどにも効きます。
 申し訳ありません。
 札幌美容形成外科では、
 子どもさんのやけど治療は行ってません

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医学講座

子どものやけどにフィブラストスプレー

 子育ては大変です
 子どもが大きくなってくると、
 いろいろなものに興味を持ちます。
 行動範囲も広くなります。
 やけどをすることも多くなります。
 これからの季節は、
 特に注意が必要です。
      ■         ■
 まみ子師長さんの研究は、
 1988年から1994年の7年間に、
 帯広の高木皮膚科診療所を受診した、
 熱傷患者3481例
を調べたものです。
 3000人を超える熱傷患者の統計は、
 なかなかありません。
 貴重な研究です
      ■         ■
 3481例中、
 5歳以下の乳幼児が全体の40.2%
 加熱液体1372例
 加熱固体1545例です。

 子どもが、
 熱いものをかぶる、
 熱いものに触ることによって、
 やけどをします。
      ■         ■
 やけどをした子どもの親は必死です。
 少しでもきれいに治るように、
 必死で調べます。
 ネット上には、
 正しい情報も、
 間違った情報もあります。
 正しい情報と間違った情報が、
 混じっていることもあります。
 何を信じていいのかわからなくなります。
      ■         ■
 注意して欲しいのが、
 赤ちゃんのやけどです。
 赤ちゃんの皮膚は薄く、
 同じ温度のお湯でも、
 大人より深いやけどになりやすいです。
 診断を間違うこともあります
 専門医でも難しいです。
      ■         ■
 あかちゃんのやけどに、
 劇的に効くのが、
 フィブラストスプレーです
 今までの治療法だと、
 傷が残ったり、
 手術が必要になったようなやけどでも、
 きれいに治ります。
      ■         ■
 私はできるだけ早期から、
 やけどをした直後から、
 フィブラストスプレーを使うのが良いと思います。
 フィブラストスプレーに含まれる、
 細胞増殖因子(さいぼうぞうしょくいんし)が、
 やけどを早くきれいに治します。
 日本で生まれた治療法です。
 申し訳ございませんが、
 札幌美容形成外科では子供さんのやけど治療は実施していません。

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