医学講座
子どものやけどにフィブラストスプレー
子育ては大変です。
子どもが大きくなってくると、
いろいろなものに興味を持ちます。
行動範囲も広くなります。
やけどをすることも多くなります。
これからの季節は、
特に注意が必要です。
■ ■
まみ子師長さんの研究は、
1988年から1994年の7年間に、
帯広の高木皮膚科診療所を受診した、
熱傷患者3481例を調べたものです。
3000人を超える熱傷患者の統計は、
なかなかありません。
貴重な研究です。
■ ■
3481例中、
5歳以下の乳幼児が全体の40.2%
加熱液体1372例、
加熱固体1545例です。
子どもが、
熱いものをかぶる、
熱いものに触ることによって、
やけどをします。
■ ■
やけどをした子どもの親は必死です。
少しでもきれいに治るように、
必死で調べます。
ネット上には、
正しい情報も、
間違った情報もあります。
正しい情報と間違った情報が、
混じっていることもあります。
何を信じていいのかわからなくなります。
■ ■
注意して欲しいのが、
赤ちゃんのやけどです。
赤ちゃんの皮膚は薄く、
同じ温度のお湯でも、
大人より深いやけどになりやすいです。
診断を間違うこともあります。
専門医でも難しいです。
■ ■
あかちゃんのやけどに、
劇的に効くのが、
フィブラストスプレーです。
今までの治療法だと、
傷が残ったり、
手術が必要になったようなやけどでも、
きれいに治ります。
■ ■
私はできるだけ早期から、
やけどをした直後から、
フィブラストスプレーを使うのが良いと思います。
フィブラストスプレーに含まれる、
細胞増殖因子(さいぼうぞうしょくいんし)が、
やけどを早くきれいに治します。
日本で生まれた治療法です。
申し訳ございませんが、
札幌美容形成外科では子供さんのやけど治療は実施していません。
医学講座
専門医より子育て
札幌美容形成外科には、
女性のお医者さんも、
患者さんとして来院してくださいます。
同業の先生にいらしていただけるのは、
医者としてうれしいことです。
ありがたいことです。
■ ■
ある時、
先生の患者さんからお聞きした言葉です。
私は卒業してすぐに結婚しました。
臨床研修は何とか終えたものの…
その後に妊娠出産が続きました。
2人の子育てで自分の(医師としての)研修はできず…
専門医もまだ取得できていません。
同期と比べて遅れてしまいました。
■ ■
女医さんは、
女性の職業として、
最高の職種です。
給与も男性医師と同じです。
周囲から見ても、
できる女性
でも悩みはたくさんあります。
■ ■
私からその先生への回答です。
臨床研修を終えて、
20代のうちに2人の子育て、
♡よくやった!♡
♡ごりっぱ!♡
専門医取得が遅れたことなんか、
まったく気にすることはありません。
■ ■
世の中には、
一度進んだ科から別の科に進む先生もいます。
専門医取得が数年遅れたって…
何も悲観することはありません。
これから勉強すれば、
いくらでもばん回できます。
子どもさん、
かわいいでしょう。
それでよかったのです。
■ ■
医学部定員増2009
2009年12月8日の院長日記です。
私が勤務医だった頃には、
看護師さんの子どもは…
院内保育所へ預けられましたが…
女医さんの子どもは不可でした。
■ ■
多くの働くお母さん先生は、
無認可の保育所に預けるか…
自分の親に育ててもらうか…
高いお金を払って…
ベビーシッターを頼むか…
とにかく看護師さん以上に大変でした。
子どもを預けるのに…
私の当直料の何倍もかかる…
と何人もの女医さんがこぼしていました。
■ ■
国のお役人は気付いているのかどうか…?
その辺は、わかりませんが、
現在の医学部は、
30~40%が女子学生です。
私の頃は…
せいぜい10%台でした。
女医さんが増えています。
結婚して→子どもを産んで→
安心して働ける環境作りをすると…
医師不足解消に役立つことは、
現場の医師なら誰しも気付いています。
昔の記憶
病児保育
働くお母さんと仕事をしていた時、
お母さんが一番困っていたのが、
子どもが病気になった時でした。
入院するほどの病気ではなく、
ちょっと熱を出した程度の【病気】です。
ほんとうに困っていました。
■ ■
日本全国どこでも同じなのか?
札幌市だけなのかわかりません。
保育園では、
【検温】があるそうです。
登園して、
熱があると…
病院へ行ってください。
■ ■
お母さん:(この程度の熱だったら)大丈夫です。
…と心の中で思っても、
毎日、子どもを預かってもらっている立場上、
無理にお願いすることもできません。
働いているお母さんは、
当日朝になって、
仕事をドタキャンすることもできません。
■ ■
ありとあらゆる手を使って、
子どもを病院に連れて行ってくれる人を探します。
近くに母親がいる人は楽です。
『お母さん、○○ちょっと熱があるの』
『小児科へ連れて行って』
…これで一件落着です。
でも、こんな人はまれです。
■ ■
仕事中のご主人や、
友人知人、
とにかく子どもを病院に連れて行ってくれて、
一日面倒をみてくれる人を探します。
小児科へ行ったら、
中耳炎で、
耳鼻科に行きなさいと言われることもあります。
■ ■
私が知っている人は、
娘さんの子どもの面倒をみるために、
早期退職をされ、
いくじいになりました。
たくわえがあって、
いくじいでも生活できる人は幸せです。
そんな余裕のある家庭はまれです。
安倍首相の周りには、
どんな働く女性がいるのかわかりません。
私が知っている♡働くお母さん♡は、
みんな苦労して子育てをしていました。
院長の休日
仕事より子育て
私は形成外科医として、
子供たちの手術をたくさんしました。
大学病院や大きな病院が多かったので、
唇裂(しんれつ)、
口蓋裂(こうがいれつ)、
…といった生まれつきの病気。
子どものやけど、
外傷も手術をしました。
■ ■
看護師さんの数が多い病院でも、
お母さんの代わりはできません。
泣いている子どもが頼りにするのは、
♡お母さん♡です。
残念ですが、
子どもが処置で泣いて、
助けを求めるのはまず♡お母さん♡。
お父さんと叫ぶ子はまれです。
■ ■
お母さんに処置に入ってもらって、
子どもさんに安心してもらうこともありました。
小さな子どもはお母さんが頼りです。
子供さんが事故やけがで入院したら、
どんな会社でも、
すぐに病院に行きなさい
…と休みをくれると私は思います。
自分の部下や同僚だったらそうします。
■ ■
安倍晋三首相は、
私と同じ昭和29年9月生まれです。
首相の周囲に働くお母さんが何人いらしたのか?
私にはわかりません。
私の周囲で働いていた、
看護師さんや、
女医さんは、
自分の子供さんが病気になった時に、
一番困っていました。
■ ■
自分は医療従事者なのに、
自分の子どもが病気になったのに、
親に頼んで病院に連れて行ってもらってました。
保育園も病気の子は預かってくれません。
少子高齢化社会を解消するには、
♡安心して子どもを産んで♡
♡安心して子育てができる♡
…これが重要だと思います。
■ ■
すべての女性が就職する社会
イコール
すべての女性が輝ける社会
ではないと思います。
どんなに医学が進歩しても、
男は子どもを産めません。
私は育児も立派な仕事だと思います。
イクメンにも大賛成です。
子どもが増えないと日本はほろびます。
仕事より子育てもありです。
子育てが終わったらまた働けばいいのです。
医学講座
粉瘤はかたくて小さなうちに手術
【粉瘤】
【手術】
【札幌】で
【検索】すると
私の院長日記がヒットするようです。
ありがたいことです。
■ ■
粉瘤は摘出手術が必要です。
袋を摘出する手術です。
摘出手術が一番やりやすいのは、
かたくて小さな粉瘤です。
葡萄(ぶどう)を例にすると、
商品にならない、
硬い緑色のうちです。
■ ■
粉瘤は、
毛包にできた袋に、
あかがたまる病気です。
垢あかなので
くさいです。
感染して大きくなると、
袋がとけてしまいます。
膿と血がたまっています。
■ ■
感染した状態では、
切開して膿を出すことしかできません。
切開しただけでは、
袋が残るので、また垢がたまります。
切開後は血が出ます。
通院が必要になります。
申し訳ありませんが、
札幌美容形成外科では対応できません。
完全予約制なので、
連日の予約が取れません。
■ ■
感染して切開が必要な時は、
近くの皮膚科や外科に通院してください。
感染が広がって、
蜂窩織炎(ほうかしきえん)になることが、
まれにあります。
入院治療が必要になることもあります。
感染して大きくなる前に手術を受けてください。
■ ■
こちらの院長日記も参考になさってください。
粉瘤(ふんりゅう)の手術
粉瘤(ふんりゅう)の手術2013①
粉瘤(ふんりゅう)の手術2013②
粉瘤(ふんりゅう)の手術2013③
粉瘤(ふんりゅう)の手術2013④
粉瘤(ふんりゅう)の手術2013⑤
院長の休日
「すべての夫」の給料が先だ
平成26年11月1日、朝日新聞朝刊、声の欄への投稿です。
「すべての夫」の給料が先だ
看護師 鈴木妙子(静岡県 58)
安倍晋三首相は「すべての女性が輝ける社会を」と言うが、今は「女性が輝けていない社会」なのか。どうなれば「輝ける社会」になるというのだろうか。
男性は若者から中高年まで、正社員になれず、安い給料で普通の生活すらできずに、生きることに苦しんでいる人も多い。夫や息子、恋人が苦しんでいる社会で、「すべての女性が輝ける社会」などあるはずがない。
「すべての女性が輝ける社会」イコール「すべての女性が就職する社会」ということならば、反論する。出産する女性にとって、子育ては最高に輝ける時だ。子どもにとっても、自立まで母親は重要な存在だ。親子の愛情、ぬくもり、絆を築く時期だ。赤ちゃんや幼児は「ママにいてほしい」と思っても、泣くことしかできない。私は、仕事よりも子育ての方が大事だと思う。
国は今、子どもを預けて母親が働くことを、やたら積極的に進めようとしているように見える。それよりも国がやらなくてはいけないことは、「すべての夫」が親子できちんと生活を送れるだけの、ちゃんとした給料を取れる社会にすることだ。
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
私は投稿者の鈴木様のご意見に賛成です。
鈴木さんは看護師さんです。
年齢は私の奥さんと同じです。
病院は女性が圧倒的に多い職場です。
院内保育所もありました。
保育所に子どもさんを預けて、
働いていらした、
お母さん看護師さんもたくさんいました。
■ ■
私が尊敬する看護師長さんが、
ある時、
自分が働いていたことが、
(自分の)子どもにとって、
よかったのか?
考えることがある…
…と話してくれたことがありました。
■ ■
師長さんの子どもさんは、
国立大学に入られ、
国家資格も取得された立派な方です。
師長さんは、
自分が苦労して子育てをしたので、
部下の看護師さんにも理解がありました。
朝5時に起きて、
洗濯をして朝食を作っていらしてました。
■ ■
働くお母さんが一番困るのが、
子どもが病気になった時です。
病児保育をしてくれる保育園は、
残念ながら、
病院の院内保育所ですら聞きません。
子どもさんが熱を出したら、
遠くの親やご主人がいらしてました。
■ ■
赤ちゃんや幼児は
「ママにいてほしい」と思っても、
泣くことしかできない。
私も子どもさんが小さいうちは、
仕事よりも子育ての方が大事だと思います。
病児保育を含めて、
お母さんが安心して子育てができる
…そんな国になってほしいです。
昔の記憶
銀杏によるかぶれ
銀杏という漢字は、
イチョウとも読むし、
ギンナンとも読みます。
【いちょう】と入力し、
【変換】を押すと、
銀杏になります。
■ ■
私の感覚として、
イチョウは黄色い葉を、
ギンナンは黄色い実で、
中に大きな種が入っている、
ちょっと臭いがきつい実です。
■ ■
ギンナンの実は、
注意しないとかぶれることがあります。
今から40年前のことです。
札幌医大4年生でした。
病理学で免疫のことを習っていました。
担当が菊地浩吉先生でした。
■ ■
菊地先生は、
北大医学部33期。
大浦武彦先生と同期です。
後に札幌医大学長に就任されました。
医科免疫学という本が
ベストセラーになりました。
先生の講義は学生に大人気でした。
いい先生に免疫学を教えていただきました。
■ ■
ちょうど今頃でした。
講義にいらした、
先生の顔が真っ赤にでした。
前の日に、
北大構内で、
子どもさんとイチョウの実を拾って、
アレルギーで先生の顔が真っ赤でした。
典型的なⅠ型アレルギーですと講義で教えてくださいました。
銀杏に注意してください。
素手で触ると臭いもつきます。
アレルギーでかぶれることもあります。
院長の休日
北大のイチョウ並木2014
今日の札幌はいい天気でした。
朝から、
北大のイチョウ並木を見に行きました。
私が30年前に通勤していた、
北海道大学病院のすぐ近くです。
家から歩いて行きました。
北大構内には緑の香りがあります。
■ ■
今年は歯学部のところで、
大規模な工事をしていました。
大型ミキサー車が、
何台も通っていました。
大学の建物も、
30年前とは変わっています。
新しくなった薬学部に、
また改修工事をしているようでした。
■ ■
30年前と変わらないのが、
イチョウの葉と、
銀杏の実です。
実のにおいだけは、
どうも苦手です。
たくさん落ちていました。
観光客もたくさんいらしています。
あと1ヵ月もすると雪で白くなります。
今週末は金葉祭です。
ぜひいらしてください。
院長の休日
北大金葉祭2014
札幌は寒くなりました。
新聞やTVの報道によると、
手稲山に初冠雪がありました。
私の通勤時間帯には、
残念なことに…
雲で手稲山は見えませんでした。
市内の木々も紅葉が進んでいます。
■ ■
毎年楽しみにしている、
北海道大学のいちょう並木。
今が見ごろです。
黄色がきれいです。
今週末には、
北大金葉祭でライトアップがあります。
FBのページもあります。
■ ■
北海道大学の学生さんの企画です。
以下はツイッターからの引用です。
金葉祭の企画紹介
記念撮影
11月1日・2日
10:00〜14:00
17:00〜20:00
金葉祭開催中チェキを持った委員が
皆様の来場の記念に1枚写真を撮らせていただきます。
もちろんお写真はその場でプレゼント!
旅の思い出にいかがでしょうか?
■ ■
屋台
11月1日・2日 10:00〜21:00
受付横のテントではホクホクのじゃがバターと
温かい豚汁をご提供します!
僅かながら休憩スペースもご用意しております。
11月の冷え込む秋の休日
美しい銀杏並木を見ながら身体を温めてください。
■ ■
13条イチョウ並木が歩行者天国になります!
歩行者天国日時2014年11月2日(日) 10:00〜16:00
上記時間帯以外は通行止めにならないのでご注意下さい
学生さんの企画、
なかなか素敵です。
時間がある方は、
ぜひ北海道大学に行ってください。
かなり寒いので、
厚着をおすすめします。
地下鉄南北線、北12条駅が近いです。
JR札幌駅北口から徒歩10分くらいです。
金葉祭ツイッターより引用
医学講座
美容外科を上手に利用2014
私のように、
形成外科の勤務医を長くした医者でも、
♡美容整形♡とは無縁でした。
どんな人が整形するのか?
興味もありませんでしたし、
女優さんの名前すらよく知りません。
(今でもTVを見ないので知りません)
■ ■
形成外科から美容外科
2007年3月27日の院長日記です。
恩師の大浦武彦教授は、
形成外科と美容外科は車の両輪のようなもの。
形成外科を専攻するからには
美容外科も勉強しなければならない。
と常におっしゃっていらっしゃいました。
■ ■
当時の私は、
美容外科医になるとは夢にも思っていませんでした。
北大病院に勤務して、
先輩や同僚と楽しく仕事をしていました。
ちょうど自分の子供が生まれ、
自分の子供と同じ年齢の赤ちゃんの手術を担当させていただき、
少しでもキレイに治したいと努力していました。
■ ■
私が美容外科に興味を持ったのは、
2007年3月2日に書いたコラーゲンの臨床試験の担当を命じられてからでした。
教授からは、美容外科は形成外科以上に厳しい結果を求められる。
患者様の対応にも十分留意するようにと指導を受けました。
当時、担当させていただいたコラーゲンの患者様のことはよく覚えています。
私の率直な印象は
『こんなにキレイな方なのにどうしてコラーゲンでシワなんかとるの?』でした。
■ ■
私も最初は、
こんなにキレイな方なのにどうして?
率直な感想でした。
今は違います。
まめにお手入れをしているから、
いつまでもおきれいなのです。
どんなに立派な家でも、
手入れをしないと傷みます。
人間の肌も同じです。
■ ■
有名な女優さんの生涯を、
若い時から順に放送することがあります。
ある時点から、
目の形が変わったり、
シワが減ったりしています。
うちの奥さんは私以上によく観察しています。
美容外科を上手に利用なさると、
同年代の方より若く見えます。
私はいいことだと思って仕事をしています。