昔の記憶
世のため人のためになる研究
2015年ノーベル医学生理学賞を受賞された、
大村智先生のお言葉です。
新聞に掲載されていた、
世のため人のためになる研究
困っている人を助ける研究をしなさいという言葉が印象的です。
朝日新聞によると、
大村さんにとって、育った環境は大きいという。
忙しい母親に代わり、育ててくれた祖母からは
「人のためになることをしろ」と教えられ、
農作業と村の世話役にいそしむ父親からは勤勉さを、
教師の母親がカイコを飼いながらつけていたノートからは、
科学する心を学んだという。
■ ■
恥ずかしながら、
私はノーベル賞受賞のイベルメクチンを知りませんでした。
大村先生のお名前もはじめて知りました。
新聞の見出しにあった、
農家育ち、
定時制教師から研究者へというのがいいです。
国立大学ではなく、
北里大学というのがいいです。
先生が山梨大学卒業というのがいいです。
■ ■
大村先生のお言葉、
学生に向けたメッセージとして、
「失敗してもいいからやってみようという気持ちを絶えずおこさなきゃならない。
成功した人は、人より倍も3倍も失敗している。
だから1、2回失敗しても、どうってことないよと言いたい」
と話した。
日本にも素晴らしい先生がいらっしゃいました。
大村先生おめでとうございます。
奥様の写真とご一緒に、
12月の授賞式に行かれるのは♡最高です♡。

関田航撮影、朝日新聞より引用
二重・眼瞼下垂
目頭側の二重幅が広い
二重切開の手術を受けたけれど、
目頭側の幅が広いのです。
眼瞼下垂症手術を受けたのですが、
目頭側の黒目が隠れています。
このようなメール相談を受けることがあります。
二重の目頭側の幅が広くなったり、
黒目が隠れたりするのは、
眼瞼挙筋という筋肉の構造のためです。
■ ■
眼瞼挙筋という筋肉は、
目頭側が薄く弱くなっています。
固定するのも大変です。
目頭側の筋肉がうまく働かないと、
目頭側の二重幅が広くなったり、
目頭側の黒目が隠れたりします。
二重切開の手術をしただけでは改善しません。
■ ■
私が開業して11年です。
一番多い手術が目の手術です。
昔は眼瞼下垂がんけんかすいといえば、
加齢よるまぶたの下垂や、
生まれつき目の開きが悪い、
先天性眼瞼下垂症だけを手術していました。
この10年で眼瞼下垂症に対する考えが変わりました。
松尾清先生のおかげです。
■ ■
2008年4月2日(水)にNHKのためしてガッテンで放送された、
松尾清先生の業績によって、
『眼瞼下垂症は形成外科で治す』という認識が生まれました。
若い人でも、
挙筋機能が悪い人がいます。
二重の手術を受けても、
眠たそうな目のままの人がいます。
■ ■
ネットで調べて、
高い美容外科に行っても治せないことがあります。
もともと下の絵のような目をした女性は、
眼瞼下垂症です。
アレルギーで目をこすっていたり、
ハードコンタクトを使っていると、
まぶたを開く筋肉が弱って、
眼瞼下垂症になります。
二重の手術を受ける前に、
眼瞼下垂症かどうか、
目の手術をたくさんしている形成外科医に診てもらうことをおすすめします。
ネットで調べて【相談無料】の美容外科に行っても治りません。

医学講座
楽にやせる薬はありません
体重が100㎏を超えている私の知人です。
本間、お前に、
このままだと死ぬぞ
…って言われたけど、
なかなかやせないんだゎ。
いやしいから食っちゃうんだなぁ
これがぽっこりしたおなかの原因です。
学歴も地位もある人です。
血圧も高めだし、
私は心配しています。
■ ■
TVを見ていると、
ぽっこりしたおなかが出てきて…
有名な製薬会社の漢方薬を飲むと、
すっきりしたおなかになるようなCMがあります。
うちの奥さんが、
これ、
うそだよねぇ~
…と言って見ています。
私もうそだと思います。
■ ■
私が推奨するのは、
2006年11月22日の院長日記
100円で痩せる方法
2007年11月5日の院長日記
一年で50㌔減量
この方法です。
大阪芸術大客員教授・岡田斗司夫さん(49)が、
中年男性向けに執筆したダイエット体験記。
「いつまでもデブと思うなよ」(新潮新書)
…に書かれたダイエット法です。
■ ■
レコーディングダイエット
食事の記録を基本に、117㌔の体重を67㌔まで減らした岡田さん。
岡田さんが実践した「レコーディンク(記録)ダイエット」
①飲み食いしたものと時間をメモする「助走」
②食事のカロリーは記すが、制限はしない「離陸」
③摂取カロリーに上限を定める「上昇」
④他の減量法とカロリー制限を組み合わせる「巡航」、
の四段階。食事の内容や時間は自由で、脂肪分や菓子も制限せず運動もしない。
ただ毎日、体重を量る。
■ ■
きっかけは「食べ歩き日記でも書こう」と食事を記録し始めたこと。やがて、体重が減り始めて驚いた。メモをとる煩わしさで、無意識に太りそうな飲食を減らしていたからだ。
「深夜に菓子をつまんだり、炭酸飲料をガブ飲みしたり…。
自分がいかに“太る努力”を自覚せずに続けてきたか。
肥満の理由を思い知らされた」と、メモ効果を振り返る。
■ ■
間食が減り、5ヵ月間のメモだけで体重は10㌔減。
そこから「カロリーを抑えれば、もっとやせる」と、やる気が出た。
一日のカロリー上限は、
自身の基礎代謝量(何もしなくても一日で消費されるカロリー)より少し多い1500㌔㌍に決めた。
■ ■
代謝量の計算法や食品のカロリーはインターネットのホームページで見つけた。
カロリー表示をしている飲食店もあり、カロリー配分を工夫できる。
だが優先するのは、栄養バランスより記録。
「そのうち『レモンが食べたい』とか、不足している栄養分を体が求めるようになる」という。
■ ■
大事なのは、四つの段階を省かず途中でやめないこと。
カロリー制限を超えた日があっても減量を続け、好物は食べる量を減らす。
岡田さんはハンバーガーを八分のーだけ食べ、残りは捨てた経験もある。
「肥満が問題視されているのに、外食産業の一人前は多すぎる。
半分や三分の一の量のメニューを増やすべきです」と指摘する。
■ ■
減量中は、一時的に便秘気味になった以外は体調が良く、体が軽くなり歩く距離も増えたという。
現在は記録をやめ、一日約二千㌔㌍をとっているが、体重の増減はない。
岡田さんは四段階のダイエットを一年続けたが、目安は半年という。
■ ■
肥満に詳しい札幌複十字総合健診センターの坂本真一医療参与は
「(カロリー制限は)栄養バランスをとるのが正しいが、続かないと意味がない。
できない人には(岡田さんの減量法は)入り口として、選択肢の一つにはなる。
ただし、運動も大切だ」としている。
(以上、平成19年11月4日の北海道新聞より引用)
さあ、今日からでも遅くはありません。
継続は力なり。
決して諦めず、辛抱強く続けることが大切です。
受験勉強と同じです。


100㌔以上あった頃の岡田さんと
減量後の岡田さん。その体重差は50㌔
(北海道新聞より引用)
医学講座
痩身目的の注射で広範囲壊死を生じた1例
昨日の院長日記でご紹介した、
形成外科10月号は札幌美容形成外科の職員にも見せています。
私が日頃から、
無理な手術で悲惨な例をよく見せているので、
多少のことでは驚きません。
札幌美容形成外科の職員は患者さんからの問い合わせにも、
適切に
親切に
対応してくれます。
■ ■
形成外科10月号を見た女性職員が、
一番驚いていたのが、
日本大学形成外科の、
樫村勉先生と仲沢弘明先生の
痩身を目的とした薬剤の皮下注入により腹部の広範囲壊死を生じた1例でした。
私が見ても、
まるで壊死性筋膜炎の後か、
蜂窩織炎の後のようです。
■ ■
この患者さんは、
もし日本大学形成外科に入院して手術をしていなければ、
亡くなっていた可能性が高いと思います。
梅田整先生が報告された、
脂肪吸引後の感染症例に似ています。
日本大学形成外科の仲沢弘明教授は、
日本熱傷学会理事長です。
適切な判断で救命できました。
■ ■
論文の内容です。
患者さんは痩身目的で、
非医療施設で腹部皮下に脂肪融解剤とされる薬剤を注入されました。
注入直後から激しい疼痛を訴え、日本大学救命救急センターに救急搬送されました。
入院後に全身麻酔下に皮膚が壊死になった部分を切除しました。
その後に腎不全となりましたが救命されました。
10日目に壊死の範囲が拡大したためさらに切除を追加しました。
約1ヵ月後に植皮術を実施しましたが大きな傷が残りました。
■ ■
施術した者は逃走し、
警視庁科学捜査研究所と日本大学病理部で検査をした結果、
注入された薬剤は強アルカリ性であることが判明しました。
アルカリによる損傷は重症になります。
私自身も熱傷深度の判定を誤りました。
患者さんには申し訳ないと今でも思っています。
日本大学形成外科の患者さんも、
入院直後に壊死組織を切除していなければ、
亡くなっていた可能性があります。
■ ■
搬送された救命救急センターに、
仲沢先生がいらっしゃらなかったら、
この患者さんは亡くなっていたと思います。
注射だけでやせるというのは、
確かに魅力的な言葉です。
でもわけのわからないものを注射されると、
生命にかかわります。
美容外科での施術ではありませんが、
簡単にやせられるというの100%うそです。
医学講座
悲惨な鼻の後遺症
昨日2015年10月1日、年間購読している、
形成外科という専門誌の10月号が届きました。
先月号には、
レディエッセで失明した患者さんが掲載されていました。
この論文を契機に、
札幌美容形成外科ではレディエッセを中止しました。
■ ■
今月号の論文は、
下顎骨骨切術(いわゆるエラ削り)による後遺症、
オトガイ形成術による後遺症、
鼻の手術による後遺症が掲載されています。
鼻の患者さんは、
23歳と27歳の女性です。
それぞれ別のクリニックです。
■ ■
美容外科に従事する先生には、
なんちゃっての先生も含めて、
是非読んでいただきたい論文です。
これから美容外科に転科を考えている先生にも、
こんな合併症があることを知ってほしいです。
そして患者さんや一般国民にも、
こんな後遺障害で苦しんでいる人がいることを知って欲しいです。
消費者庁や国民生活センターにも動いていただき、
広くマスコミで取り上げていただきたいです。
■ ■
形成外科 第58巻第10号(2015年10月号)
特集:美容医療の合併症から学ぶ2─骨切り他編─
企画にあたって 細川 亙 1077
下顎角部骨切除術で関節突起も一塊として摘出された1例 細川 亙 1079
下顎角形成術後の合併症の1例 高橋範夫ほか 1082
過剰なおとがい骨切除術後にインプラント挿入を受けた1例 田口久雄ほか 1086
美容手術後の外鼻変形の1例 井上義一ほか 1090
治療に難渋した美容手術後外鼻変形の1例 細川 亙 1094
正常な未成年者に対して行われた植毛術により禿げ様外貌に陥った1例 岡崎 睦 1098
包茎専門美容外科クリニックにおける術後尿道欠損の1例 渡辺頼勝ほか 1102
痩身を目的とした薬剤の皮下注入により腹部の広範囲壊死を生じた1例 樫村 勉ほか 1107
下腿脂肪吸引術後に激痛と皮膚潰瘍を生じた1例 河内 司ほか 1111
腰腹部の脂肪吸引術後に広範囲に難治性の多発膿瘍を生じた1例 森 秀樹ほか 1115
乳房増大を目的とした脂肪吸引術後に採取部に皮膚壊死を来たした1例
(以上、克誠堂出版HPより引用)
■ ■
大阪大学の細川亙(ほそかわこう)先生は日本形成外科学会理事長です。
この特集号には、
細川先生ご自身が2編の論文を書かれています。
形成外科学会理事長として、
細川先生の強いお気持ちが伝わります。
細川先生のお言葉です。
美容医療の合併症から学ぶ②
―骨切り他編―
企画にあたって
学術雑誌に論文を投稿する目的の1つは、個人的に経験した極めてまれな事象を読者に知ってもらい、多くの人が共有する知識と経験にする、ということです。
いわゆるまれな病気の1例報告などはこれに当たり、学術雑誌の重要な使命です。
永い間形成外科の診療をしておりますと、美容医療などで生じたまれな合併症を目撃する経験が幾度かあります。患者さん個人にはお気の毒なことですが、そのような貴重な事例は発表されて衆知され、その後の予防などに活用されなくてはなりません。しかし、美容医療での合併症を目撃しても、前医での治療前や治療中の情報が不十分であることが多く、論文として雑誌に症例報告することを断念せざるを得ない場合がほとんどなのではないかと推測します。今回の特集では、通常の論文で要求するような術前・術中に関する詳細な記載は必ずしも求めず、論文作成のハードルを極力低くすることで、貴重でありながら日の目を見ずそのまま闇に葬られてしまいそうな事例を拾い上げて光を当てようとしました。
このような企画に対して、さまざまな美容医療合併症例の投稿がありました。
前号にはそのうちフィラーの注入(脂肪注入を合む)に関する合併症のみを掲載致しましたが、本号ではフィラー注入を除く各種の合併症をまとめました。顔面骨切りをはじめとする各種の美容医療の施術により、思いもよらないような合併症を生じている現実を知っていただき、重篤な合併症の回避に留意していただくための警鐘になればと思います。
大阪大学形成外科 細川 亙

医学講座
お給料を払う苦労
昨日の院長日記、
ありがたいお給料
小樽の葬儀会場で仕事をなさっているお母さんが、
お給料の小銭を、
お母さんからの少しのお礼
として、
子どもたちに小銭をプレゼントする
お話しです。
■ ■
社長さんの、
「パートさんの顔が見たい、話がしたい」との思いから、
今どき珍しい手渡し給料。
これは簡単なようで、
とても手間がかかる作業なのです。
経理の方か社長さんの奥様かわかりませんが、
大変なご苦労です。
■ ■
お給料を現金で払うには、
銀行から現金で下ろします。
何十人かのお給料を払うには、
一万円札が○○枚、
五千円札が○○枚、
千円札が○○枚、
五百円玉が○○枚、
百円玉が○○枚、
五十円玉が○○枚、
十円玉が○○枚、
五円玉が○○枚、
一円玉が○○枚、
これを計算して、
銀行に金種表を出して、
下ろしたお金を袋に入れる作業があります。
■ ■
振込の何倍も時間と労力がかかります。
間違えると大変なので、
私だったら3回くらい確認します。
札幌美容形成外科では、
褒賞金だけ現金で差し上げています。
感謝の気持ちを込めて、
一人ずつ手渡しです。
喜ばれています。
■ ■
給与計算
2007年4月20日の院長日記です。
札幌美容形成外科のお給料は、
弥生給与というソフトを使って、
私が計算して、
私が新生銀行から振り込んでいます。
給与は間違うと大変なので、
何回も確認をします。
■ ■
事務的な間違いがあると困るので、
東京のアトラス総合事務所で、
定期的にチェックをしていただいています。
信頼できる会計事務所です。
経理は弥生会計というソフトを使っています。
毎年保険料などが変わるため、
一年に一度、弥生会計と弥生給与のソフトを更新しています。
その費用が年に数万円もかかります。
■ ■
これから開業を考えている先生に教えます。
お給料をもらう立場と、
お給料を払う立場は、
まったく違います。
払うのは大変です。
労働基準法も知らなくてはいけません。
経理の知識も必要です。
社会保険労務士さんにも助けていただきます。
北海道でしたらディ・エル・エス社会保険労務士事務所の
田中猛先生をおすすめします。
昔の記憶
ありがたいお給料
平成27年9月30日(水)北海道新聞朝刊、いずみへの投稿です。
ありがたいお給料
毎月末日はパート先のお給料日。今どき珍しい手渡し給料です。社長の、「パートさんの顔が見たい、話がしたい」との思いから、このスタイルが続けられているそうです。給料袋はすぐ開けずに、大切に持ち帰ります。
その夜、私は2人の子どもを正座させます。待ちに待った母さんのお給料公開の瞬間。はじめに袋から小銭だけを取り出します。なぜなら、小銭はすべて子どもたちで分けてよし、という決まりになっているからです。2人の視線は私の手元に集中します。
私は葬儀会場で仕事をしているため、夜や土日の出勤はしょっちゅう。家でご飯の用意から後片付け、風呂掃除、布団敷きまでが子どもたちの担当です。留守番を子どもたちに頼っているからこそできる仕事なので、お給料の小銭は、母さんからのほんの少しの還元の気持ちなのです。
先月の給料袋には小銭が950円。これまでの最高額に子どもたちは大喜びでした。
何かと気を使い、体力もいる仕事ですが、ありがたいお給料をもらうたびに1カ月の苦労が吹き飛び、また頑張るぞという気持ちになります。
もちろん、この様子をそばでニヤニヤしながら見ている、一番の協力者の夫にもお裾分けをします。夫にだけは、紙のお金(お札)です。
ちゃっかり者の次女が「社長さん、全部小銭でお給料くれたらいいのにね」と。そればかりはちょっと困ります。
宮沢ゆかり(みやざわ・ゆかり 50歳・パート職員)=小樽市
(以上、北海道新聞より引用)
■ ■
朝から気分がいいお話しを聞かせていただきました。
宮沢ゆかりさんに感謝しています。
葬儀場のお仕事は大変です。
最近は葬儀委員長もいなくて、
司会の女性の方が故人の経歴などを話してくださいます。
お坊さんの読経の間に、
何度も原稿を読み直している姿を目にします。
■ ■
私は罰あたりなので、
ありがたいお坊さんのお経よりも、
司会の方のお話しを聞いて帰ります。
(お経は意味がわかりません)
大変な闘病だったんだ、
ご家族も支えられたんだなぁ、
最期は安らかに眠られた、
よかった、、、などです。
■ ■
司会の方の他にも、
受付で領収証をくださる方や、
案内の方など、
たくさんの女性が葬儀場で働いているのを目にします。
家でご飯の用意から後片付け、
風呂掃除、
布団敷きまでが子どもたちの担当です。
留守番を子どもたちに頼っているからこそできる仕事
なるほど、子どもたちとご主人の協力が大切です。
■ ■
お給料の小銭は、
お母さんからの少しのお礼
先月の給料袋には小銭が950円。
これまでの最高額に子どもたちは大喜び
お給料のありがたさを、
子どもさんにも理解していただき、
きっといい子に育っています。
社長さんも喜んでいると思います。
宮沢ゆかりさん、
朝からいいお話しをありがとうございました。
医学講座
患者さん側の問題
昨日の院長日記に、
お金のことを言う先生はだめです
悪い先生のことを書きました。
医師免許証を持っていても、
信じてはいけない人がいます。
同性だからと、
信じてはいけない女性医師もいます。
■ ■
悪い先生に引っかからなければ、
幸せな結果が得られるかというと、
そうとも限りません。
美しい目を保つには、
患者さん自身の努力や注意も大切です。
眼瞼下垂症手術も、
わきが手術も、
手術後の安静が大切です。
■ ■
目の手術を受けたら、
目をこすってはいけません。
せっかく作った目がこわれます。
2時間も、
3時間もかけて作ったのに、
とても残念に思うことがあります。
夜寝る時には、
アイマスクをして目を保護してください。
■ ■
同じように目の手術をしても、
患者さんによって結果が違います。
一週間目を閉じてじっとしていた人は、
傷の治りがいいです。
薬もしっかりつけていた人は、
赤味も少ないです。
お薬はまだ残っていますか?
…とお聞きして、
まだたくさん残ってます
…と答える人の中には、
つける軟膏の量が少なくて赤味がある人もいます。
しっかりと約束を守ってくださった方は、
傷の治りが違います。
医学講座
お金のことを言う先生はだめです
他の大手美容外科に行ったら、
あなたの目は、
この安い手術法だと治らないので、
こちらの高い手術をすすめます
…と言われて、
19,800円のつもりで行ったのに、
14万円の手術を受けてしまった。
結局、治らなかった、、、涙)
■ ■
こんな患者さんが来院されます。
第38回日本美容外科学会(横浜)②
…に書いた、
特別発言の白壁征夫先生が言われた、
大手美容外科チェーン店の経営方針の変更から、
高い手術を吹っかけられる患者さんが増えています。
残念なことだと思います。
■ ■
たとえば、
自分が癌なって病院に行ったとします。
まともなお医者さんは言いません。
あなたの癌はこの安い手術法だと再発します。
高い最新のプレミアム手術法だと、
5年生存率は99%になります。
こんな病院を信じて手術を受けますか?
医者も地に落ちたものです。
■ ■
形成外科と保険診療
2011年6月15日の院長日記です。
病院へ行くと…
保険証を出して、
保険で診てもらいます。
日本ではあたりまえのことですが、
外国では制度が違います。
米国の医療という…
2008年2月15日の院長日記に書いてあります。
■ ■
マイケル・ムーア監督の、
Sicko(シッコ)という映画があります。
DVDにもなっています。
こちらのブログで紹介された記事です。
ある中年の大工さんが不運にも仕事中に二本の指を切断してしまった。
健康保険のない彼は、医師から素晴らしい選択をせまられた。
「中指をつなげるなら6万ドル、薬指なら1.2万ドル」
この大工さんはロマンチストだったので、薬指を選択。
お別れした中指の方は、新居にお引越し。
サヨナラ・・・、、、
失われた中指の移転先はどこかって?そこは、ゴミ集積所だった。
これは、米国のマイケル・ムーア監督の新作映画『シッコ』の笑える一場面である。
■ ■
今の日本では、
健康保険で指をつなぐ手術が受けられます。
もちろん生活保護の方も受けられます。
おそらく、刑務所内作業で、
囚人が指を切断したとしても手術が受けられます。
私は、受刑者の手術をしたことがあります。
医療機関にとっては大変な日本の保険医療制度は、
利用する国民にとってはメリットがあります。
■ ■
形成外科だと5万円で受けられる眼瞼下垂症手術は、
有名な美容外科に行くと50万円以上します。
高いお金を払ったからといって、
必ずしも良い結果ばかりではありません。
私の目は、
聖路加国際病院形成外科で保険診療で治していただきました。
お金のことばかり言う先生は、
信用してはダメです。
昨日の院長日記に書いたように、
手術直後にはいこれででき上がりでポイされます。
二重・眼瞼下垂
微妙な左右差は無理に修正しない
2015年9月22日と23日の第38回日本美容外科学会(横浜)
眼瞼下垂症の発表で印象に残った症例です。
あえてお名前は出しません。
私と同じように、
大学病院で形成外科講師をしていた、
形成外科専門医の先生です。
上手な先生です。
目の手術もたくさんしていらっしゃいます。
■ ■
若い女性の眼瞼下垂症手術をしました。
微妙な左右差が残ったので、
その先生が修正手術をしました。
それでも患者さんは満足せず、
もう少し治して欲しいと希望されたそうです。
私たちが見ると、、、
よ~く見ると多少の左右差はあるものの、
ふつうの人が見てもわからないくらいの左右差でした。
■ ■
先生は、
これ以上の修正はできないと断ったそうです。
患者さんは満足せず、
他の美容外科へ行って修正手術を受けました。
結果は見るも無残でした。
修正どころか、
最悪な結果になっていました。
手術直後にはいこれででき上がりと言われたそうです。
■ ■
患者さんは、
先生ごめんなさいと戻って来られました。
どうしてこんな結果になったの?
患者さんは泣くだけで…
先生は、
また難しい修正手術をすることになりました。
他で傷つけられてしまった目は、
元に戻すことも難しくなります。
それでもどうにか見られる目になっていました。
■ ■
誰が手術をしても、
微妙な左右差が残る患者さんはいます。
もともと左右差がある先天性眼瞼下垂症や、
片方の眉を上げる癖のある患者さんの目は難しいです。
何百例も手術をしている先生が、
これ以上の修正はできないと言われたら、
よほどの左右差でなければ、
無理に修正手術はしないことをおすすめします。
口だけうまい先生もいます。
信じてはいけない先生にだまされないでください。