医学講座
地域包括支援センター
今日は2025年9月12日(金)です。
札幌は秋の空になりました。
最高気温28℃、
最低気温16℃です。
昨日は東京で大雨になり、
飛行機が大幅に乱れました。
新千歳空港では1100人が空港で一夜を明かしたそうです。
■ ■
昨日の院長日記、
道新_升田一憲記者の連載は、
ご自身のお母様が認知症になり、
とても苦労されたことが書かれています。
私も認知症になって家族に迷惑をかけたくないです。
でもならないという保証はありません。
簡単に治るものではありません。
■ ■
地域包括支援センターというところがあります。
札幌市HPの説明です。
札幌市では、
高齢者の皆さんが、
住み慣れた地域で自立した生活を続けられるように、
介護予防支援の拠点となる地域包括支援センターと、
介護予防センターを設置しています。
これらのセンターは、
札幌市が設置し、
社会福祉法人などに運営を委託している公正・中立な機関です。
■ ■
なるほど、
札幌市が運営を委託している機関だそうです。
一覧を見ると、
知っている名前の施設がありました。
包括支援とか地域包括とも呼ばれているようです。
そこで専門家に相談するのだそうです。
…でも親に拒否されると困ります。
升田記者の連載に書いてありました。
■ ■
私の父親の時に、
親父を
通所介護デイサービスの見学に連れて行ったら、
うたを歌うくらいなら図書館がいいと言われました。
大腿骨骨折で市立札幌病院で手術をしていただいた時に、
今日の治療薬という本を看護師さんにお借りして読んでいました。
その親父が夜になると病室に小鳥がいると言いました。
介護は難しいです。
さくらんぼさんのご苦労がよく理解できます。
医学講座
道新_升田一憲記者の連載
今日は2025年9月11日(木)です。
私が楽しみにしている、
北海道新聞の連載があります。
くらし報道部デジタル委員_升田一憲記者の記事です。
もう一度話したい~認知症の母の記録~
記者(58)の母(85)が認知症と正式に診断されたのは5年ほど前です。症状は私の予想を超える早さで進みました。札幌市西区の一軒家で父(88)の介護を受けながらの2人暮らしは難しくなりました。現在は市内の介護老人保健施設(老健)で生活しています。母の心身の変化や家族の葛藤、時々のさまざまな失敗が読者にも将来、役立つのではないかとの思いから、記者が自らの体験を毎月1回、振り返っています。
(くらし報道部デジタル委員 升田一憲)
■ ■
お恥ずかしい話し、医師免許を持っていても、
私は介護保険や認知症には無知です。
自分の親は認知症にはなりませんでしたが、
認知症になった人をたくさん知っています。
自分は認知症になりたくないですが、
ならないという保証はありません。
■ ■
升田一憲記者のすごいところは、
ご自分のお母様の体験を、
失敗も含めて詳しく書かれているところです。
要介護認定のことも私は無知ですが、
私にもよくわかるように書かれています。
今日の紙面も勉強になりました。
デジタル版には、
もっと詳しく書かれています。
ぜひ読んでいただきたい連載です。
いい連載を書いてくださっている、
升田一憲記者に感謝いたします。


(以上、北海道新聞より引用)
医学講座
防犯カメラを新しくしました
今日は2025年9月10日(水)です。
21年間使った防犯カメラが映らなくなったので、
新しいカメラと録画装置にしていただきました。
開院時にはSECOMのカメラでした。
今回は私が昔お世話になった、
日電アラームさんにお願いしました。
21年間の進歩は素晴らしく、
ガラケーと最新のiPhoneくらいの違いがあります。
■ ■
今の時代はどこにでも防犯カメラがあります。
悪いことをしてもすぐにカメラに映ります。
私は35歳で分不相応な家を建てました。
住宅ローン地獄になりました。
その前年に函館でアパートに泥棒が入りました。
お金がないのに、
新築した家に防犯システムをつけました。
その時にお世話になったのが
日電アラームの市川さんでした。
■ ■
予算がないのに、
いい防犯システムをつけてくださいました。
今の社長さんのお父様でした。
創業50周年の会社です。
今回も最高の防犯カメラをつけていただきました。
めっちゃキレイに映ります。
ガラケーとiPhoneの画面くらい違います。
71歳になりましたが、
冷蔵庫も、
防犯カメラも新しくなったのでがんばります。
医学講座
富士メガネにお世話になっています
今日は2025年9月9日(火)です。
71歳の誕生日に、
たくさんのお祝いメッセージをいただきありがとうございました。
71歳でも元気に手術をしています。
年齢とともに、
メガネが必需品になっています。
私がお世話になっているのは、
富士メガネです。
■ ■
私はもともと視力がよかったです。
高校生の時に下まぶたがピクピク動くので、
市立札幌病院眼科を受診しました。
視力検査で2.0まではっきり見えました。
びっくりされたのを覚えています。
今だったら眼科を受診しなくてもいいことがわかりますが、
高校生だったけんいち少年は心配でした。
■ ■
私の視力が悪くなったのは、
大学3年生の時に、
組織学実習で顕微鏡を見た頃からでした。
理由はよくわかりませんが、
近視になりました。
それでも運転免許証はずっと裸眼のままでOKです。
眼鏡使用になったことはありません。
■ ■
一番困ったのは、
40台でした。
JA帯広厚生病院に転勤して、
仕事が忙しく、
車も毎日運転していたので、
仕事用…
パソコン用…
車の昼用…
車の夜用…
…とたくさんのメガネをつくりました。
■ ■
その後は、しばらくメガネをつくらなくても大丈夫でした。
最近は、
手術用メガネを変えています。
富士メガネ本店の丸山照久さんにお世話になっています。
私よりお若いベテランの方です。
とても丁寧に調節してくださいます。
左右の微妙な調整もしてくださいます。
おかげ様で細い糸でもよく見えます。
ふだんはメガネなしでも大丈夫ですが、
仕事の時だけはいいメガネにしています。
昔の記憶
71歳になりました
今日は2025年9月8日(月)です。
1954年9月8日生まれの私は71歳になりました。
健康不良児だった自分が、
71歳で仕事ができるとは夢にも思いませんでした。
みなさんからたくさんのご声援をいただいたおかげです。
ほんとうにありがとうございます。
病気をしないのはりんごのおかげです。
美味しいりんごをくださるさくらんぼさんに感謝しています。
■ ■
還暦を迎えました
61歳になりました
62歳になりました
63歳になりました
64歳になりました
65歳になりました
66歳になりました
67歳になりました
68歳になりました
69歳になりました
古希を迎えました
■ ■
還暦からの記録です。
あっという間に一年が過ぎて行きます。
71歳でも手術ができるのはありがたいことです。
いつまで続けられるか?
神のみぞ知るです。
迷惑をかけないでできる間は続けます。
無理をしないで、
健康に気をつけて続けます。
ご声援に感謝しています。
ほんとうにありがとうございます。

医学講座
ありがとう冷蔵庫2025
今日は2025年9月7日(日)です。
朝の札幌は小雨でした。
ありがたいことに自転車に乗れる程度でした。
札幌美容形成外科で開院以来21年間働いてくれた、
サンヨーの冷蔵庫が突然死しました。
人間だと100歳以上の大往生です。
院内には2台の冷蔵庫があります。
もう一台は10年前に突然死しました。
■ ■
冷蔵庫の平均寿命は10年くらいのようです。
21年も働いてくれて、
明日71歳になる私には、
実に感慨深いものがあります。
薬品などを保管していた冷蔵庫です。
札幌市保健所の指導で温度計を入れていました。
21年間ちゃんと冷えていました。
■ ■
10年前に突然死した冷蔵庫もSANYO製でした。
サンヨーという名前を知らない世代も増えています。
私はSANYOのファンでした。
残念なことに2011年に会社が無くなってしまいました。
会社がなくなった後も、
ずっと冷蔵庫は働き続けてくれました。
21年間働いてくれた冷蔵庫は日本製でした。
やっぱりMade in JAPANはすごいです。
新しい冷蔵庫が来たのであと10年は働こうかなぁ~と思っています。

医学講座
北海道胆振東部地震から7年
今日は2025年9月6日(土)です。
北海道地震20180906
地震から一年
北海道胆振東部地震から2年
北海道胆振東部地震から3年
北海道胆振東部地震から6年
2024年からまた書くようになりました。
今日の北海道新聞にも大きく出ていました。
■ ■
防災の日2025に、
道新の卓上四季を引用させていただきました。
今日は7年前のブラックアウトが載っていました。
停電はほんとうに困りました。
トイレが使えず、
EVも動きませんでした。
水を運ぶのが大変でした。
私は実家の母親のところまで自転車で行って、
13階まで水を運びました。
■ ■
母親のマンションは1階だけ水が出ていました。
クリニックも停電で困りました。
発電機まで買いましたが、
一回も使っていません。
ちゃんと動くのかなぁ~?
今は発電機よりも、
水を保存しています。
飲み水とトイレ用の水です。
もう地震も停電も起きてほしくないです。
医学講座
もっと新聞を読もう!2025
今日は2025年9月5日(金)です。
台風15号が大雨を降らせています。
申し訳ございません、
札幌は秋晴れの快晴です。
ようやく秋らしい天気になってきました。
さくらんぼさんの山形も涼しくなってほしいです。
今日のタイトルはもっと新聞を読もう!です。
■ ■
国語が苦手だった私が、
一浪で札幌医大に合格できたのは、
新聞を読むという2007年10月5日の院長日記に書いた通りです。
現代国語の成績が伸びず、
国語の成績が優秀だった友人に訊いたところ…
『本間、新聞読め!』と言われました。
新聞を読んで、
現代国語の成績が上がりました。
■ ■
私の院長日記で北海道新聞愛読者になってくださった、
知り合いの先生がいらっしゃいます。
道新にはたくさんの情報が出ています。
これから就職試験の面接がある方たち、
会社の面接官は新聞を読むことをすすめています。
昨日の北海道新聞_新聞協会賞、
クマ「緊急銃猟」運用に残る課題など、
道新にはたくさんの役立つ記事が載っています。
もっと若い人たちに新聞を読んでいただきたいです。
医学講座
北海道新聞_新聞協会賞_破断した腐食レール
今日は2025年9月4日(木)です。
北海道新聞社が新聞協会賞を受賞しました。
おめでとうございます。
今日の道新と道新電子版に詳しく載っていました。
北海道新聞愛読者としてうれしいです。
この写真はよく覚えています。
どうやって撮ったのだろうと思っていました。
■ ■
北海道新聞社が脱線事故スクープ写真で新聞協会賞 腐食レールの断面撮影、事故原因の核心に迫る
日本新聞協会は3日、2025年度の新聞協会賞を発表した。北海道新聞社の「『JR貨物脱線事故 破断した腐食レール』のスクープ写真」(野沢俊介記者=函館支社報道部写真映像課)など計7件が選ばれた。
北海道新聞社が受賞した写真は24年11月16日未明、渡島管内森町のJR函館線で発生した貨物列車の脱線事故の際に撮影し、同19日朝刊に掲載した。取材で得た情報を基に、規制線の外から望遠レンズを構え、腐食で著しく薄くなったレールの断面を捉えた。事故原因が特定されていない段階で、核心に迫る写真となった。
北海道新聞社が新聞協会賞を受賞するのは、22年度の「安倍政権の日ロ交渉を追った長期連載・消えた『四島返還』を柱とする『#北方領土考』キャンペーン」以来で、通算11回目。このうち写真による受賞は1977年度の「『ソ連ミグ25戦闘機によるベレンコ中尉亡命事件』の写真報道」以来、通算2回目。
新聞協会は授賞理由で「事故原因を雄弁に語るショットは写真の力を改めて示すとともに、インフラの老朽化に警鐘を鳴らした報道」と高く評価した。
新聞協会賞に105件、新聞技術賞に4件、新聞経営賞に3件の応募があった。授賞式は10月15日、東京・帝国ホテルで開催される第78回新聞大会で行われる。
その他の受賞は次の通り。
【新聞協会賞】▽朝日新聞社「日本郵便による不当に高額な違約金や不適切点呼をめぐる一連の特報」▽信濃毎日新聞社「長野県石油商業組合『ガソリン価格カルテル疑惑』を巡る一連のスクープ」▽中国新聞社「写真連載『里海の今』」▽神戸新聞社「阪神・淡路大震災30年報道」▽中国新聞社「被爆80年企画『ヒロシマ ドキュメント』」▽日本放送協会「NHKスペシャル『オンラインカジノ “人間操作”の正体』」【新聞技術賞】日本経済新聞社「Ask!NIKKEI『広く、深く、早く知る。』ニュースに新たな価値を」【新聞経営賞】該当なし


野沢俊介記者
「細すぎるレール」に背筋凍る 新聞協会賞の野沢記者が振り返る撮影の裏側
脱線事故の翌朝、11月の冷たい雨の中、現場では破断したレールの付け替え作業が始まっていました。雨具を着込んで、レールが運び出される動線を予測し、断面が目の前を通過するであろう場所から望遠レンズを構え続けました。
レールは撤去しやすいように複数本に切断された後、腰の高さほどにつり上げられ、それを支える作業員の手や体で隠れる厳しい撮影環境でした。「撮るのは難しいかもしれない」。そう思い始めた時、レールがレンズの先を通過し、作業員が持ち手を変える一瞬の間が生まれ、祈るような気持ちで連続してシャッターを切りました。時間にして1秒間。3枚だけが断面を正面から捉えていました。
■写真確認し言葉失う
撮影では片膝をついて、カメラを地面近くから少し上向きのアングルで固め、レールの動きを確認しやすいようにファインダーではなく、液晶モニターを頼りに狙いました。
撮影した写真を確認し、言葉を失いました。
レールの腹部が、これまで列車の重みに耐えてきたことが想像できないほど細く、今にも折れそうでした。脱線車両が普段、このレールを通っている特急列車だったら大惨事になっていたと、背筋が凍る感覚になったことを覚えています。
JRの事故現場は通常、規制線が張られ、容易には近づけません。近くに道路などがない山間部や海岸沿いでの発生も、地理的な制約で撮影が困難となり、JR側の提供写真を使って報道せざるを得ないケースが多くあります。
今回は道路沿いの踏切が事故現場のため、数メートルの距離まで近づくことができました。だからこそ読者に対し、事故の状況が正確にわかりやすく伝わり、事故原因に結びつくような写真を届ける責任があると考え、撮影に臨みました。
断面の撮影に狙いを定めた理由は複数あります。専門家によるレール損傷の分析、前日夜に現場で見たレール側面のひどいひび割れ、保線経験者による塩水劣化の指摘―。現場で見聞きした内容や、同僚の記者が取材した多角的な情報を基に、断面の写真が事故原因に近づくため必要と考えたためです。北海道新聞の取材網がなければ得られない示唆でした。
事実を捉える写真には、人の心に強く訴える力があると信じています。これからも北海道のさまざまな現場でカメラを向け、物事の背景や埋もれていた事実を明らかにする一枚を撮影したいと思います。(野沢俊介)

撤去作業で運ばれる腐食したレール。作業員が手を放した一瞬、破断したレールを正面から捉えることができた=2024年11月17日午前10時40分、森町富士見町

鷲ノ木道路踏切から撤去される腐食したレールの断面(左)と、通常幅のレールの断面=2024年11月17日、森町富士見町

線路内から運び出される破断したレール。腹部が腐食し、一部が欠損している=2024年11月17日午前10時40分、森町富士見町

雨の中、復旧にあたる作業員=2024年11月17日午前10時30分、森町富士見町

復旧作業を終え、脱線事故後初めて現場の踏切を通過する貨物列車=2024年11月19日午前2時25分、森町富士見町
(以上、北海道新聞より引用)
■ ■
11月17日は寒いです。
写真を見ると雨が降っているようです。
函館から深夜に車を飛ばして現場まで行き、
スクープ写真を撮っていただいたのがすごいです。
報道カメラマンは深夜も早朝も仕事があります。
恩師、故濱本淳二先生のご長男(濱本道夫さん)が道新のカメラマンです。
新聞協会賞おめでとうございます。
これからもいい紙面をつくってください。
とてもうれしいです。
医学講座
クマ「緊急銃猟」運用に残る課題_北海道新聞
今日は2025年9月3日(水)です。
北海道新聞にクマの特集が載っていました。
私が言いたいことが全部書いてありました。
さすが北海道新聞社です。
専門家お二人のご意見を、
北海道知事と内閣総理大臣に読んでいただきたいです。
クマに襲われて子供が亡くなってからでは遅すぎます。
クマの頭数を減らすべきです。

■ ■
<水曜討論>クマ「緊急銃猟」運用に残る課題
市街地に出没したヒグマを市町村の判断で猟銃駆除できる「緊急銃猟」が1日から始まった。クマの出没が相次ぐ中で、人身被害の防止が期待される一方、市町村による判断の難しさや発砲の条件といった運用に課題が残る。住民とハンターの命を守りつつ、実効性を発揮できるのか。専門家や現場を担うハンターに聞いた。
■実情踏まえ指針見直しを 銃猟免許を持つ弁護士・中村憲昭さん
改正鳥獣保護管理法に「緊急銃猟」が創設され、市街地で猟銃を使ったヒグマの駆除が、初めて法的根拠を持ちました。ハンターの1人としても歓迎していますが、障害物や死角が多い市街地は、山中での駆除に比べても予測が難しい環境です。運用に向けた課題は山積しており、実情に合った制度の見直しが不可欠です。
改正法の施行前の7月に発生した渡島管内福島町の住宅地で新聞配達員の男性が襲われ、死亡した事故では、わずか5メートルの距離からの発砲でクマが駆除されました。ハンターが襲われてもおかしくない危険な状況でした。市街地ではクマがいつ、どこから現れるか見通しにくく、駆除時の安全確保が重要です。
ただ、緊急銃猟に必要な手続きを定めた環境省のガイドラインは、発砲までの手順が煩雑で、その間に襲われるリスクがあります。弾を撃つ方向に障害物などがないか確認した上で、市町村が発砲を許可する流れですが、クマは1カ所にとどまりません。動き回るため、弾道は想定できず、発砲のハードルは上がります。
また、畑の土や芝生などの「柔らかい地形」のみをバックストップ(弾を遮る安土)とし、そこに向けて可能な限り90度近い角度で撃ち下ろすと定めています。しかし、コンクリートや建築物が多い市街地では、背後に土がある場所や、森林は少なく、基準を満たさない場所がほとんどです。
私自身が狩猟に入る山ですら、岩や硬い地面ばかりで、角度もせいぜい半分の40度ほどしかつけられません。
発砲を許可する市町村の大半は、クマの生態や銃火器に関する専門知識がある職員がいません。結果的に現場のハンターが判断を迫られる状況に陥り、業務上過失致死などの罪に問われる可能性があります。
北海道猟友会砂川支部の支部長が2019年4月、猟銃所持の許可を取り消された問題では、ハンターが砂川市の駆除要請に従ったにもかかわらず、弾が届く恐れのある建物の方向に撃ったとして処分されました。緊急銃猟でも同様の問題が起こる可能性があり、ハンター仲間からも「市街地での発砲はリスクが大きすぎる」との不安をよく聞きます。
北海道猟友会は、緊急銃猟による発砲の中止も可能と各支部に通知しましたが、当然の対応と言えます。ガイドラインでどのようなケースが刑事責任に問われるか例示するなど、ハンターが安心して駆除に集中できる環境を整備するべきです。
緊急銃猟の実施は住民の安全確保が大前提で、避難誘導も求められています。交通規制などで自治体と警察の連携が欠かせませんが、ガイドラインは「警察との連携が重要」とだけしか触れていないため、警察が協力する義務はなく、スムーズに連携できるかも見通せません。
人の生活圏へのクマの出没が続く中、新たな制度が適切に運用されなければ、住民が期待する早期の駆除につながらないばかりか、駆除が長期化して被害を拡大させてしまう恐れがあります。制度を運用していく中で、国は積極的に現場の意見に耳を傾け、ガイドラインの見直しも検討するべきです。

なかむら・のりあき 千葉県出身。早稲田大法学部卒業後、弁護士登録した2000年から札幌弁護士会に所属。17年に狩猟免許を取得した。砂川市のハンターの男性が、違法に猟銃の所持許可を取り消されたとして、処分の取り消しを求めた行政訴訟の原告代理人を務める。53歳。
■「猟友会頼み」脱却が必要 東京農大教授・山崎晃司さん

やまざき・こうじ 東京都出身。3~6歳を札幌で過ごす。茨城県自然博物館動物研究室の首席学芸員などを経て2015年から東京農大地域環境科学部教授。専門は動物生態学で奥多摩山地や秋田でツキノワグマの行動生態研究に取り組むクマ研究の第一人者。64歳。
1日施行の改正法で、市街地でも警察官職務執行法によらない発砲が可能となり、野生鳥獣管理の現場は歓迎しています。ヒグマやツキノワグマの管理に貢献すると考えています。
クマが市街地に出没した場合、現場警察官の判断だけでは事実上命令できず、動くクマを適切に駆除できる時機を逸しがちでした。今後は緊急銃猟として必要な時に発砲できる法的な仕組みが整ったと言えます。
一方、狩猟を趣味とする地域の猟友会員を緊急銃猟の担い手とするのは、この機に見直すべきです。猟友会のボランティア的なクマ駆除体制を改めないと、この先持ちません。
渡島管内福島町で7月、男性がヒグマに襲われた死亡事故を巡る問題点は、4年前に女性を襲った問題個体をきちんと駆除しなかったことに加え、男性が襲われる前に市街地へクマが出没し始めた際の初動対応の遅れです。出動した町内の猟友会員は3人で、今後増えるクマの市街地出没に対応するのは人員的に難しく、これは福島だけの問題ではありません。住民の間に不安が広がる中、クマの行動調査と状況を判断できる人材がいなければ、事故が起きる前に専門家の支援を求めるべきでした。市町村が独力で対応できないならば外部に頼ってほしい。
対応策としては、市町村が民間業者の専門的な派遣社員を雇用することです。広島県では県と市町村が連携して一般社団法人を設立し、市町村に専門職員を常駐させ、一体的に野生鳥獣対策に取り組んでいます。今は駆除を請け負ってはいませんが、将来的には緊急銃猟の実施も視野に活動しています。
民間の認定鳥獣捕獲事業者などに、駆除や防除対策を業務委託する手もあります。野生鳥獣管理を学び、夜間発砲の許可要件もクリアした若く優れたハンターが就職しています。市町村は猟友会と連携しつつも、頼らない体制に移行すべきです。
クマの捕獲経験者がいない自治体はあり、緊急銃猟に取り組めない地域もあります。クマを撃てる人材の育成が欠かせません。趣味の狩猟者ではなく、生息数調査と頭数管理ができる捕獲従事者の育成が急務です。
2023年度は北海道や東北でクマが大量出没し、秋田県では70人が襲われました。その後収まると思われましたが、今年も岩手県で住宅内でクマが住人を殺害したとみられる事故が起きるなど全国的に人身事故件数は高止まり状態です。九州、四国を除き、全国でクマの生息数が増えたことが主な原因です。
調査中ですが、多くのクマが奥山と市街地周辺を行き来している可能性があります。その場合、保護する奥山、緩衝地帯、排除する市街地と地域を区分けして管理するゾーニング管理では対応できず、全体的に密度を下げる必要が出てきます。
地域の個体群を絶滅させず、頭数を減らさないといけません。子どもが襲われた場合、「クマを1頭残らず排除しろ」となりかねず、住民のクマに対する不安や恐怖など負の感情が噴き出さない水準に抑えることが重要です。人身事故防止に重点を置いた管理体制です。人口減少社会の日本では発想の転換が必要。守る地域に注力し、獣害に強い街づくりを進める時に来ています。
<ことば>緊急銃猟 原則として発砲が禁じられている市街地周辺で、市町村がハンターに猟銃駆除を委託できる制度。発砲の条件として①クマが人の生活圏に侵入②発砲以外の方法で駆除が困難③住民らに弾丸が到達する恐れがない―などを満たす必要がある。周辺住民の避難指示や交通規制は市町村が警察などと連携する。緊急銃猟で発砲するハンターは、3年以内にクマやシカを捕獲するとともに、1年間に2回以上の射撃訓練の経験が必要。発砲に伴う物損事故は市町村が補償するが、発砲判断を巡ってハンターが刑事責任を問われる可能性もあり、北海道猟友会が懸念を表明している。(高木乃梨子 、内山岳志)



(以上、北海道新聞より引用)
■ ■
北海道新聞社がクマ対策特集を組んでいただき、
ほんとうにありがたいと感謝しています。
私たちは医療の現場でクマ被害の悲惨さを知っています。
東京農大の山崎晃司教授がおっしゃるように、
地域の個体群を絶滅させず、
頭数を減らさないといけません。
銃猟免許を持つ弁護士・中村憲昭先生のご指摘通り、
ハンターが安心して駆除に集中できる環境を整備するべきです。
国は積極的に現場の意見に耳を傾け、
ガイドラインの見直しも検討するべきです。
今日の北海道新聞を首相官邸にお届けしたいです。