わきが

保険適応の難しさ

 昨日の院長日記、
 レーザーによる中学生のわきが治療
 …にさくらんぼさんから、
 コメントをいただきました
 中学生のレザー治療ぜひ保険適用に先生の生きているうちにしてほしいです
 ありがとうございます。
      ■         ■
 残念ですが、
 想像以上に難しいのが保険適応にすることです。
 形成外科は、
 ず~っと長い間、
 保険適応で苦労してきました
 私が忘れられないのが、
 日本形成外科学会の重鎮だった、
 東京厚生年金病院形成外科の、
 中村純次先生です
      ■         ■
 若い形成外科の先生には信じられないと思いますが、
 昔は小耳症しょうじしょうで、
 耳介をつくることすら、
 保険では認められていませんでした。
 昭和50年の毎日新聞社会欄に
 「ボク、左耳がほしい。健保なぜきかないの?
 という記事が出ました。
 耳がない病気の子どもさんが、
 当時の田中厚生大臣に手紙を書きました。
 その翌日に、
 「左耳、手術できるよ」と、
 田中厚生大臣が健康保険の適応を認め、
 それが毎日新聞の記事になっています。

      ■         ■
 私たちが行っている、
 腋臭症手術皮弁法ができたのは、
 平成の時代になってからです。
 私が形成外科医になった時にはありませんでした。
 日本には、
 わきが
 えきしゅう
 におい

 …で困っている人がたくさんいます。
 参議院議員選挙では注目されないでしょうけど、
 わきが治療の保険適応を増やしてほしいです。

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わきが

レーザーによる中学生のわきが治療

 昨日の院長日記、
 中学生のわきが治療2019の続きです。
 私が2019年5月16日に、
 日本形成外科学会で発表した、
 1540nmエルビウムグラスフラクショナルレーザーを用いた腋臭症治療です。
 残念なことに、
 レーザー治療は手術にはかないませんでした。
      ■         ■
 ただ1540nmエルビウムグラスフラクショナルレーザーによる治療で、
 アポクリン腺が破壊されることがわかりました
 病理組織学的に汗腺が破壊されていました。
 問題なのは、
 皮膚の奥深くにあるアポクリン腺までは、
 レーザーの熱エネルギーが届かず、
 アポクリン腺を全滅させることはできないことでした。
      ■         ■
 中学生などで、
 まだアポクリン腺がそれほど発達していない時期に、
 レーザー治療をすると、
 においが改善する可能性が考えられました。
 あざのレーザー治療は、
 皮膚が薄い赤ちゃんによく効きます。
 アポクリン腺の治療は赤ちゃんでは無理ですが、
 においが気になる思春期の子供さんには、
 効く可能性が考えられます。

      ■         ■
 多感な中学生や高校生の時代に、
 においで悩むのはつらいことです。
 いじめの原因にもなります。
 アポクリン腺が未発達な時期に、
 レーザー治療を行うことで、
 においが軽減する可能性があります。
 わき毛がまだ少ない、
 中学生のわきの皮膚は大人より薄いです。
 アポクリン腺が浅い層にしかないので、
 レーザーが効きます。
 アポクリン腺が発達しても再照射ができます。

      ■         ■
 残念なのは保険適応にできないことです
 私が生きている間には無理だと思いますが、
 将来は保険適応で中学生のわきがレーザー治療ができるといいと思います。
 札幌美容形成外科の1540nmエルビウムグラスフラクショナルレーザーの他に、
 ミラドライによる治療でも、
 大人より中学生が効く可能性が考えられます。
 もっと治療単価が安くなって、
 複数回治療でも経済的負担が少なければ、
 子供のわきが治療に向いていると思います。
 エビデンスがない本間仮説です。

アポクリン腺の発達
中学生のアポクリン腺の層は薄い

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わきが

中学生のわきが治療2019

 今日は2019年7月6日(土)です。
 札幌はいいお天気です。
 久しぶりにわきが治療のお話しです。
 中学生のわきが手術
 2011年3月28日の院長日記です。
 中学生になると、
 わきのにおいで悩む子供さんがいます。
      ■         ■
 わきが手術についての私の考えです。
 中学生はアポクリン腺が未発達です。
 ワキガ手術は、
 外科的にアポクリン腺を取り除く手術です。
 アポクリン腺が未発達な状態で手術をしても、
 その後にアポクリン腺ができる可能性があります。
 そうすると…
 せっかく手術をしたのに…
 また臭いがすることがあります。

      ■         ■
 つまり、
 中学生でわきが手術は早い
 …というのが本間説です。
 耳あかの遺伝学
 2008年2月20日の院長日記です。
 ヒト染色体のうち16番目の染色体上に存在する
 ABCC11という遺伝子を持った人が、
 耳垢が湿っています。
 日本人の5人に一人と言われています。
      ■         ■
 この遺伝子を持った人が、
 全員においが強いのではありません。
 ある一定の条件がそろった場合に、
 においが強くなります。
 その条件が、
 発汗量なのか?
 アポクリン腺の量なのか?
 私にもわかりません。
      ■         ■
 中学生でも、
 わきや手足の発汗が、
 異常に多い子供さんがいます。
 発汗が異常に多くて、
 わきが常に湿った状態だと、
 細菌が繁殖してにおいが強くなる可能性があります。
 わき汗ボトックス注射で発汗を減らすと、
 汗が少なくなります。
      ■         ■
 昨年はじめた新しいわきが治療は、
 手術にはかなわないものの、
 アポクリン腺を破壊することがわかりました。
 中学生でにおいで困っていて、
 本人も治療を希望している人で、
 痛みに耐えられる子供さんには、
 手術以外の方法も選択肢の一つになると思います。
 残念ながら十分なエビデンスはありません。

中学生
中学生
腋毛はだいぶ生え揃うが、親に比べると薄く範囲も狭い。
アポクリン腺の発達
アポクリン腺も未発達

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院長の休日

富田忠雄さんへの感謝

 昨日の院長日記、
 富良野のラベンダー2019
 …の続きです。
 ファーム富田をつくられた、
 富田忠雄さんは、
 2015年7月4日、午前6時43分に、
 83歳でお亡くなりになりました。
      ■         ■
 富田忠雄さんをしのぶ会
 2015年11月11日の院長日記に、
 富田忠雄さんの偉業が記載されています。
 富田さんは1958年から同町内でラベンダー栽培を開始。70年代前半、合成香料の普及などでラベンダーオイルの価格が下落しても花畑を守り、年間100万人以上が訪れる観光農園に育て上げた。
 私は毎年ファーム富田に感謝しています。
      ■         ■
 ラベンダーを育てるのは大変なことです。
 とても多くの人の手が必要です。
 それなのに、
 入園料無料
 駐車場も無料です。
 すごいことです。
 トイレも無料で水洗トイレです。
 よく掃除もされていて、
 きれいなトイレです。
      ■         ■
 せめてもの御礼に、
 毎年院内で使うカレンダーと、
 ラベンダーオイルを買って帰ります。
 たくさんの観光客が訪れてくれるのは、
 金もうけの『』の字もないからです。
 昔の富良野はスキーが有名でした。
 今は夏のラベンダーです。
 富田忠雄さんの偉業に感謝しています。 

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院長の休日

富良野のラベンダー2019

 毎年恒例の富良野のラベンダーです。
 札幌市内のラベンダーが満開なので、
 例年より一週間早く富良野に行きました
 富良野は札幌よりも開花が遅く、
 今年は濃紫早咲が少し咲いた程度でした。
 来週の連休あたりが見ごろです。
      ■         ■
 今年は朝6:00に起きて、
 7:00に自宅を出発しました。
 毎年行っているのに、
 めったに見ることができない、
 ラベンダーの収穫を見ることができました。
 すべて手作業です。
 畑の斜面はかなり急です。
 関西のアクセントがある作業員さんもいました。
 何年行ってもいい風景です。


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院長の休日

さくらんぼをいただきました2019

 今年も山形のさくらんぼさんから、
 さくらんぼをいただきました。
 もう12年になります。
 昨年は南舘みなみだてビルに移転しました。
 毎日コメントをいただき、
 はげましていただき、
 ほんとうに感謝しています。
      ■         ■ 
 今までにいただいた記録です。
 2018年
 2017年
 2016年
 2015年
 2014年
 2013年
 2012年
 2011年
 2010年
 2009年
 2008年

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昔の記憶

人生で一番しあわせだった時期

 昨日の院長日記です。
 2019年7月1日
 うちの奥さんから、
 私ががまんしているから
 …と言われます。
 私に言わせると、
 あなたは、
 そんなにがまんしてばかりで、
 何も言わない人ではありませんょ~
です。
      ■         ■
 なっちゅんさんから、
 爆笑してしまいました
 …とコメントをいただきました。
 他の読者の方からも、
 先生の院長日記、
 おもしろかったです。

 …とお褒めの言葉をいただきました。
      ■         ■
 読者の方から教えていただいたことです。
 夫婦は化かし合いで成り立っている
 …のだそうです。
 私は奥さんを化かすのが下手なので、
 つい直球で勝負して喧嘩になります。
 黙っていればいいのに、、、
 …と思うこともありますが、
 なかなか黙っていられません。
 結婚した頃はしあわせでした。
      ■         ■
 人生で最良の時という、
 2007年3月30日に書いた院長日記があります。
 人生で最良の時はいつだったのかなぁ~?と考えることがあります。私の人生で最良の時は、25歳の研修医時代に家内と2DKの公団住宅で新婚生活をはじめた頃だったような気がします。
 私は中学、高校、大学とずっと自宅から通っていたので、早く家を出たいという願望がありました。結婚する前に、美唄労災病院に単身で赴任しましたが、自炊することもできず3ヵ月の単身生活で餓死しそうになりました。

      ■         ■
 あの頃はお互いに遠慮していたようです。
 いつまで遠慮していたのか忘れました。
 私の周囲にいる若いお二人を見ると、
 人生で一番しあわせ
 …なんだろうなぁ~と思うことがあります。
 私はもう戻ることはできませんが、
 しあわせそうなお二人を見ると、
 自分の人生で一番しあわせだった時期を思い出します。
 若い人はいいなぁ~と思います。

ski-niseko
30年前のニセコアンヌプリです
この頃は喧嘩はしませんでした

 

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昔の記憶

2019年7月1日

 今日は2019年7月1日です。
 札幌の朝の天気は曇り、
 降水確率50%です。
 今朝も自転車で来ました。
 風が強かったです。
 帰りに雨が降らなければいいなぁ~
 …と思っています。
      ■         ■
 毎年7月は、
 結婚記念日の月です。
 今年は結婚してから38年になります。
 正直な感想は、
 よく離婚しなかったなぁ~
 よく離婚されなかったなぁ~

 …というのが正しいようです。
      ■         ■
 うちの奥さんからは、
 私ががまんしているから
 …と必ず言います。
 私に言わせると、
 あなたは、
 そんなにがまんしてばかりで、
 何も言わない人ではありませんょ~
です。
      ■         ■
 お医者さんの奥さんも、
 開業医の奥さんも、
 大変な仕事です。
 でも60歳を過ぎても、
 仕事があって働けるのは、
 ありがたいことです。
 少々くたびれていますが元気なふりをして働きます。

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院長の休日

ラベンダー満開2019

 今日は2019年6月30日(日)です。
 2019年も半分終わりました。
 大阪で行われたG20も終わりました。
 警備が大変だったんだなぁ~
 …というのが私の感想です。
 全国から召集された警察官の方、
 お疲れ様でした。
      ■         ■
 私が毎年楽しみにしている
 道庁前のラベンダーが満開です。
 2018年3月に移転したため、
 私の通勤経路が変わりました。
 毎日、自転車で道庁の横を走ってきます。
 海外からの観光客が多く、
 朝は急いでいるので写真を撮る時間がありません。
      ■         ■
 今日は日曜日で、
 観光バスの数も少なかったので、
 ちょっとだけ自転車を降りて、
 ラベンダーの写真を撮ってきました。
 残念なことに、
 毎年ラベンダーが減っています。
 ラベンダーの手入れをする予算がないのだと思います。
 仕事を辞めたらラベンダーの手入れをする、
 ボランティアになります

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医学講座

アクアリフトの健康被害

 アクアフィリングは輸入禁止にすべき
 …の続きです。
 第62回日本形成外科学会(札幌)では、
 帝京大学医学部形成外科から
 ●乳房増大目的に注入された非吸収性充填剤による重篤な合併症の治療経験
 2例の症例報告がありました。
 聖路加国際病院ブレストセンターから
 ●授乳期乳腺炎を契機にアクアフィリングによる豊胸術後感染をきたした3例
 3例の報告がありました

      ■         ■
 どちらもアクアフィリング注入後の健康被害です
 とても残念なことです。
 私の院長日記を読んだ方から、
 2019年6月にも相談メールをいただいています。
 とても困っている患者さんばかりです。
 ほんとうにお気の毒だと思います。
 詐欺にあったようなものです
      ■         ■
 2019年4月25日、共同通信の記事です。
 豊胸術、非吸収ジェル自粛求める
 被害受け4団体が声明

 形成外科や美容外科の学会など4団体が4月25日、ジェル状充填剤「アクアフィリング」や「アクアリフト」を使った豊胸術で健康被害の訴えが出ていることを受け、長期的安全性が証明されるまで「体に吸収されない充填剤を注入する豊胸術を実施すべきではない」とする共同声明を出した。
 声明を出したのは日本形成外科学会と、日本美容外科学会(同名の2団体、略称JSAPSとJSAS)、日本美容医療協会。
 JSAPSの大慈弥裕之理事長(福岡大副学長)らは東京都内で記者会見し、合併症は5年以上たって起こることもあると強調した。

記者会見するJSAPSの大慈弥裕之理事長(左)、日本美容医療協会の青木律理事長(右)ら=25日午後、東京都内

 2019年6月2日、共同通信の記事です
 ジェル注入、「韓国許可」強調 豊胸使用後に健康被害
 豊胸術に使用後の健康被害の訴えが出ているチェコ製ジェル充填剤の日本正規輸入代理店が、ウェブサイトで美容医療の盛んな韓国での許可を受けたと安全性を強調しながら、実際は豊胸向け許可は受けていないことが2日分かった。韓国食品医薬品安全庁が明らかにした。ジェルは同庁の許可は得ていたが顔への1~5ミリリットル使用に限定、豊胸は対象外だった。
 代理店のサイトは顔限定とは触れず「韓国で許可」と表示、ハングルで書かれた輸入許可証を掲載していた。専門家は「消費者の誤認を招く」と批判。誤った認識が広まり、健康被害が拡大した可能性がある。


 

チェコ製ジェル充填剤の「アクアフィリング」=4月、ソウル(共同)
 (以上、共同通信WEB版より引用)

      ■         ■
 この健康被害は、
 他の注入剤と違います。
 注入後何年も経過してから、
 忘れた頃に感染する例があります
 幸せに結婚して、
 赤ちゃんが生まれて、
 授乳をはじめてから感染した例があります。
 どうかこのアクアフィリングを輸入禁止にしてください。
 厚生労働大臣にお願いします。

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