医学講座

彼に言うべきか?

 昨夜(平成20年5月17日)のスマステで、
 若返り美容手術を放送していました。
 番組中に…
 視聴者からの質問がありました。
 『私は、目と胸をいじっています。』
 『彼に打ち明けるかどうかで悩んでいます…』
      ■         ■
 香取慎吾さんが室井佑月さんにきいていました。
 昔、豊胸手術をなさいましたね。
 彼には、打ち明けましたか?と
 室井さんは、きっぱり
 『言わない方がいい』
 『男の人は、整形というだけで引いてしまう人もいる』
 『言わないのは、ウソをついたことにはならない』
 さすが、室井さん。
 言わないのが正解だと私も思います。
      ■         ■
 私は平成10年から14年まで、
 4年間札幌医科大学で形成外科の講師をしていました。
 学生さんに形成外科を教えていました。
 講堂での講義では、個別に話す時間はありません。
 6年生で、形成外科を選択した学生さんとは
 時間をとってディスカッションをすることがありました。
 この時間に雑談を含めて、
 ゆっくりと話す機会がありました。
 これは、今でも楽しい想い出の一つです。
      ■         ■
 当時は約70%が男子学生でした。
 医局で5~6人の小グループに教えていた時です。
 美容外科に興味を持っていた学生がいました。
 学生:『先生、整形したかどうか、どうやったら見分けられますか?』 
 私:『わかるような整形は失敗だよ』
 学生:『エ~っ?本当ですか?』
 私:『目だって、鼻だって、わからないょ』
   『彼女が整形美人じゃイヤかぃ?』
 学生:『そりゃ~、整形じゃない方がイイっすょ』
      ■         ■
 私:『それじゃ、自分が包茎の手術を受けたら彼女に言うかぃ?』
 学生:『先生!冗談はよしてくださいょ!』
     『言うわけないじゃないっスか!』
 男とは勝手なものです。
 こういう人に限って…
 ススキノでは、
 美人で胸が大きな女性が横に座ってくれると…
 鼻の下を長くして喜びます。
      ■         ■
 私は個人的に…
 医学の力を借りてキレイになるのはよいことだと思います。
 女性はキレイな方が、面接でも就職でも得をします。
 同じ人生でしたら、
 キレイでいた方が10倍も100倍も得です。
 夜の世界で働く方だけではありません。
 外国では高学歴で高収入の女性が、
 医学の力を借りてキレイになっています。
 彼に言う必要はありません。
 あなたも医学の力でキレイになりましょう!

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院長の休日

さくらんぼさん②

 さくらんぼさんから果樹園の写真を送っていただきました。
 私はスーパーや青果店で売っている果物しか知りません。
 イチゴ好きなので、自分で苗を植えたことがあります。
 残念なことに自宅で育てても、
 食べられるようなイチゴはできませんでした。
      ■         ■
 今は高齢でマンション住まいになった父親が…
 私の子どもが生まれた20年以上前に、
 実家にサクランボの木を植えました。
 40坪ほどの狭い敷地の裏庭に…
 子どもが大きくなったら喜ぶからと…
 サクランボの苗木を2本植えました。
      ■         ■
 何という種類かも知りませんでした。
 数年で少しずつ実が生るようになりました。
 最初は何とか手が届く高さでしたが、
 そのうち3階の窓の高さ以上になってしまいました。
 こうなると、ちょっと大き目の脚立でも届きません。
      ■         ■
 それでも子どもが小学校のうちは、
 『じいちゃん家のサクランボ』
 を楽しみにしていました。
 せいぜい中学校くらいまでだったでしょうか?
 高校生になると…
 『じいちゃん家のサクランボ』
 よりも、友だちと遊ぶ方がよくなりました。
      ■         ■
 私もたまに、サクランボをとりに行きましたが、
 高いところの美味しいサクランボは
 鳥たちの餌になっていました。
 その家も階段があるため、
 両親が住まなくなり昨年売却しました。
 売る前に、家内と草取りに行き…
 数個のサクランボをとったのが最後でした。
 今年は、家を買っていただいた方の子どもさんが
 サクランボを楽しみにしてくれるでしょうか?
      ■         ■
 私は数個をとるのでも大変でした。
 果樹園でたくさんの果実を育てるのは、
 本当に大変なことと思います。
 果物は収穫の時だけではなく、
 花が咲いた時にも、花を摘むことを知りました。
 そうしないと、実が大きくなりませんね。
 仕事をやめて時間ができたら…
 さくらんぼさんの果樹園に行って
 美味しい空気をたくさん吸ってみたいです。
      ■         ■


 千秋(センシュウ)というリンゴの花
 (5月4日)


 紅玉というリンゴの花
 (5月6日)


 摘花後のリンゴ
 (5月17日)


 果樹園の風景
 (5月17日)

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院長の休日

ライラック開花

 5月に入ってから寒い日が続いています。
 4月の気温が例年より高かったために、
 今年の札幌は、お花がつぎつぎと開花しました。
 今、札幌の花であるライラックが開花しています。
 英語はライラック「Lilac」。
 フランス語はリラ「Lilas」。
 和名はムラサキハシドイといいます。
 札幌市の花です。
       ■         ■
 「リラ冷えの街」という、渡辺淳一さんの小説があります。
 例年、ライラックの花が咲く頃は、寒くなります。
 ライラックは木です。
 札幌市内には、たくさん植えられています。
 有名なのは紫色ですが、白もあります。
 近づくとよい香りがします。
 北大構内にも、医学部にも植えられています。
 私の好きな花の一つです。
      ■         ■
 札幌には、花好きな人がたくさんいます。
 札幌駅北口につながる北8条通りでは、
 アマの花が咲いています。
 アマサポターズクラブという、
 お花の愛好者が、道路を花で飾っています。
 JR札幌駅から札幌ビール園までを
 花で埋めようという、
 ボランティアの方が育てた花です。
      ■         ■
 こちらがアマサポーターズクラブHPです。
 子どもを育てるように、
 アマの種から苗を育てる里親を募集します。
 里親が育てた苗を、移植して育てます。
 今、咲いているアマの花は、
 宿根草タイプのアマです。
 亜麻とホップのフラワーロードという
 素敵な名前がつけられたのが、
 札幌駅北口の北8条通りです。
 アマの花は可憐で小さな花です。
 花好きの人たちが、
 慈しんで(イツクシンデ)
 花を育てている様子がわかります。
 私も時間ができたら是非参加したいと考えています。 


 札幌の花、ライラック


 アマの花
 (札幌駅北口の北8条通りで)

 

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院長の休日

心躍る待ち受け画面

 平成20年5月15日、朝日新聞 ひとときへの投稿です。
 心躍る待ち受け画面
 60歳目前のこの春、
 私は体も心もどことなく、すっきりしませんでした。
 でも、一つだけ明るくしてくれるものがありました。
 それは、携帯電話の待ち受け画面です。
      ■         ■
 家族内通話を無料にするために、
 新しい機種に買い替えました。
 使い方が簡単な中高年向けの携帯で、
 真っ赤な色を選びました。
      ■         ■
 待ち受け画面の候補をみると、
 花咲く野原に小さな家が一軒、
 白い犬がちょこんといて、
 真っ青な空に、
 白い雲がぽっかり浮かんでいました。
      ■         ■
 それからが驚きの連続です。
 何日かして、
 時間によって空の色が変わることに気づきました。
 夕方はあかね色に、
 夜は群青の空に星が瞬き、
 流れ星がすーっと流れます。
 早朝はほの白く、
 そしてまた真っ青な空に戻ります。
      ■         ■
 ある時、桜の花びらが舞い、
 犬がいなくなりました。
 少しすると、桜ではなく、
 黄色と白のチョウチョが飛び出しました。
 ここで初めて気づきました。
 これは、季節によって何かが出てくるんだと。
 さらに注意してみると、
 夕方、家の煙突から煙が出始め、
 夜には窓に明かりがともり、
 ちかちかします。
 なんてすてきなんでしょう。
      ■         ■
 若い人はゲームでこんな面面、
 あたり前かもしれませんが、
 私にとっては、
 この仕組みを作った会社の粋な計らいに拍手喝采です。
 埼玉県川越市
 伊藤和代
 主婦59歳
 (以上、朝日新聞から引用)

      ■         ■
 素敵な投稿をありがとうございました♪
 私の携帯待ち受け画面でも…
 同じような設定を検索してみましたが、
 残念なことに見つけられませんでした。
 今はANAのHPからダウンロードした、
 B747が待ち受け画面になっています。
      ■         ■
 以前は愛犬のチェリーを待ち受けにいれたり…
 自分で育てたコスモスを待ち受けにしていました。
 私は、日記のチェック
 (携帯でちゃんと見れるか?)
 とか、HPの確認程度にしか携帯を使っていません。
      ■         ■
 携帯の待ち受け画面にも、
 季節の移ろいとか…
 白い犬とか…
 流れ星とか…
 ちょっとした、ロマンがあると…
 毎日、楽しくなります。
 次回は是非このような待ち受けがある
 機種を選ぼうと思いました。
  


 私の待ち受けイメージです。
 こちらはPCの背景にしています。

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医療問題

札幌の精神科病床数-世界一

 平成20年5月12日北海道新聞朝刊に掲載された記事です。
 論説委員室から
 風
 上村英生(かみむらひでき)
 精神科病床を減らそう
      ■         ■
 札幌の精神科の病床数は日本一、と聞いた時は信じられなかった。
 7,200床あり、市町村(東京は特別区)別では全国一になる。
 人口一万人当たり38。
 世界保健機関によると、世界全体では人口一万人につき1.5だ。
 「日本が世界一だから、札幌は世界一多いまち」と言われる。
      ■         ■
 札幌の精神科は民間病院が大半を占め、
 公立を合わせて35病院に上る。
 病院の開設は許可制である。
 病床数は医療法に基づく地域医療計画で規制されているが、
 権限は都道府県にあり、札幌市にはない。
      ■         ■
 「全道一区」のため、
 医師や看護師を確保しやすい札幌に民間病院が集中した。
 病院が増えたので全道から患者が集まった。
 その結果、
 患者は住んでいた地域社会から離れざるをえなくなった。
 入院期間が長いため、帰る家や家族をなくし、
 札幌で入退院を繰り返しているという。
      ■         ■
 札幌市は4年かけて
 退院可能な400人を社会に帰す目標を揚げた。
 本年度、まず約1,000万円をかける。
 国は、受け入れ条件が整えば退院可能な
 「社会的入院」を、入院者全体の2割とみている。
 札幌にあてはめると、1,400人台になる。
 目標は控えめすぎる。
      ■         ■
 どう進めたらいいか。
 先行例となる札幌の病院2ヵ所を見学した。
 日本の精神科の平均入院期間が300日を超える中、
 昨年度の平均が114日だった民間病院を訪ねた。
 フェンスや鉄格子もなく精神科に見えない。
 代わりに、危険防止を考えて窓ガラスを厚くし、
 全開できないよう工夫していた。
      ■         ■
 ストレス疾患に対応した病棟を見た。
 3ヵ月以内に退院させている。
 部屋はホテル並みで快適そう。
 長期入院患者を退院させるため、
 家族を2年かがりで説得し、
 クループホームに送り出した例もある。
      ■         ■
 病状が悪化すると、
 家族が「病院に入れておきたい」と思うからだ。
 難しいのは地域でその人らしい生活をすることにある。
 楽しみや役割、住民との連携など、
 生活の質を大切にしている。
      ■         ■
 この病院は長期入院者の退院先として
 民間アパートの一室を借り上げ、
 女性2人で暮らす共同住居を18年前に開設した。
 当時は偏見が強く、賃貸契約にも苦労した。
 だが、病院が支え、家主の信頼を得た。
 現在はグループホームを含め
 7ヵ所の住居を運営している。
      ■         ■
 市立病院静療院は、5つあった
 成人・老人病棟院患者を少しずつ減らし、
 すでに3棟を閉鎖した。
 安田素次院長は
 「良い薬がどんどんできて、今は3ヵ月ぐらいで退院できる」
 と語る。
 その分、外来患者が膨れあがっている。
      ■         ■
 問題は長期の患者を多く抱えた民間病院だろう。
 病床を減らせば、
 それまでいた看護師らスタッフの人件費が賄えなくなる。
 どう軟着陸させるか。
 もうひとつの課題は、地域の受け皿づくりだ。
 札幌には、受け皿となる地域生活支援センターが5ヵ所ある。
 そのうちの一つでは、
 退院した人や入院患者も来て、
 話をしたり、お茶を飲んだりしていた。
 相談窓口もある。
      ■         ■
 市は各センターに、
 地域と病院の双方に働きかける調整役と
 自立支援員を置くことにしている。
 退院した人たちが、
 社会で生きられる仕組みを充実させたい。
 道内には、十勝管内に全国的な先進例がある。
 入院する必要がない人を
 病院の都合で入院させてはいけない。
 (以上、北海道新聞より引用)

      ■         ■
 私は何回か書いたことがありますが、
 学生時代に精神科医になろうと思った時期がありました。
 『血を見るのが怖かったからです』
 今となっては笑い話ですが、
 当時は本当に血を見るのを想像しただけで、
 背筋がぞっとしたものでした。
      ■         ■
 医療費を含む社会保障費の中で、
 精神科や精神病院の費用がどの程度かは知りません。
 長期入院中の精神科患者さんは…
 大部分が生活保護を受けていらっしゃいます。
 医療費と生活費に税金が使われています。
 うつ病で長期に職場を離れる人も増えています。
 国は、精神疾患に対する根本的な対策をとるべきです。
      ■         ■
 札幌の精神科病床数との因果関係は不明です。
 札幌は同規模の他都市と比較して、
 重大犯罪が少ないと聞いたことがあります。
 北海道新聞の記事に掲載されてはいませんでした。
 精神疾患をどう扱うかで、犯罪率にも影響すると言えます。
 重大な犯罪を犯した犯人の弁護士さんは、
 精神鑑定の結果、責任能力がないと…
 無罪を請求します。
 社会問題の一つとしてもっと政府に取り組んで欲しい課題です。

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医学講座

美容外科のお客様②

 この日記を書きはじめた頃に、一度書いたことがあります。
 平成18年10月30日の日記です。
 美容外科のお客様は、
 きれいで年齢より若く見える方が多いのが特徴です。
 若くてキレイなら美容外科へ行く必要がない、
 と思われる方がいらっしゃるかもしれませんね。
 生まれつき美人でキレイな方も歳をとります。
 どんなに美人でも、
 手間と暇とお金をかけなければ美しさを保てません。
 女優さんがいくつになってもキレイなのには理由があります。
 努力なさって手間も暇もお金もかけていらっしゃるからです。

      ■         ■
 最初の頃の日記は、この程度でした。
 もう少し付け加えます。
 若くてキレイな方でも、美容外科を受診されます。
 ‘医学の力’を借りて…
 もともとのキレイに磨きをかけます。
 言われなければ、
 どこをどう‘お直し’したか全くわかりません。
      ■         ■
 私たち、形成外科医は事故でケガをなさった方とか…
 生まれつき、口唇とか指とかが…
 他の子どもと、少し違うとかの…
 いわゆる‘病気’の治療を得意とします。
 美容外科は…
 『美しい人をより美しく!』です。
 つまり、スタート時点が違うのです。
 健康で正常な方に‘治療’を施す(ホドコス)のが…
 美容外科です。
      ■         ■
 形成外科は確かに、
 技術的に優れたものを持っています。
 技術力があるので、
 『あなたの目は切った方がよいです』
 と自信を持って言えます。
 ところが…
 たとえ、医療従事者でも
 『切るのが怖い!』
 という方もいらっしゃいます。
      ■         ■
 ここで、形成外科と美容外科の違いが出ます。
 形成外科医は、
 『あなたの目は、下垂していて、黒目が隠れています。』
 『埋没法でプチ整形をしても、すぐにとれます。』
 『私は切開する手術をおすすめします。』
 『糸で留める手術はダメですょ』
 美容外科医は、
 『切るのは誰でも怖いものです。』
 『糸で固定する手術は、数年後に元に戻る可能性があります。』
 『ただ、腫れは切る手術より少ないです。』
 『2~3日もあればお仕事にも復帰できます。』
 『まず糸で固定する手術をしましょう。』
      ■         ■
 形成外科医と美容外科医は、
 このくらいの違いがあると、私は考えています。
 私は、まだまだ形成外科医の領域です。
 なかなか美容外科医になり切れません。
 この違いに悩みます。
 さくらんぼさん、わかっていただけますか?

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医学講座

十仁スピリット

 こんなことを書くと、
 十仁病院の梅澤先生に叱られるかもしれません…
 私が勝手につけた名前です。
 私に美容外科を指導してくださったのは、
 中央クリニック新宿院の日高先生でした。
 日高先生は、東海大学医学部をご卒業後、
 正確に言うと、東海大学在学中から…
 美容外科に興味を持っていらした先生です。
      ■         ■
 日高先生に形成外科の講義をなさったのが、
 昨日、特別講演をしてくださった、
 東海大学形成外科の谷野隆三郎教授でした。
 日高先生は東海大学卒業後に十仁病院へ入職。
 私が形成外科医として経験したのと同じ歳月を、
 美容外科医として活躍された、生粋の美容外科医です。
 日高先生と中央クリニック新宿院で、
 ご一緒に手術をさせていただいた日々は、
 私にとって何物にも代えがたい、
 貴重な財産となりました。
      ■         ■
 2002年(平成14年)春に札幌医大をクビになって、
 毎日落ち込んでいて…
 うつ病になりかけていた私を救ってくれたのが、
 日高先生と中央クリニック新宿院のスタッフでした。
 人生でもっとも辛かった時期でした。
 この時期に、
 日高先生から教えていただいたのが、
 十仁スピリットです。
      ■         ■
 日高先生から教えていただいた…
 美容外科スピリット
 美容外科は‘技術’だけでは食べて行けません。
 ‘お客様のニーズ’に合わせた手術や治療を提供できるのが
 美容外科だと日高先生から教えていただきました。
 私はまだまだ修行が足りません。
 横柄な形成外科医のままです。
 自分の考えに合わない手術はお引き受けしていません。
      ■         ■
 十仁系の日本美容外科学会に出席すると…
 この美容外科スピリットが気になります。
 私は自分の技術を安売りするつもりはありません。
 ただ、自分の技術を押し売りしてはいないか?と反省します。
 つまり、切らない手術を希望される方には…
 たとえ数年後には効果が少なくなる方法でも…
 お客様のニーズに合わせた手術を‘売る’ことができるのが
 真の美容外科医のような気がします。
      ■         ■
 その意味で、梅澤先生や高須先生の率いる、
 日本美容外科学会(十仁系)は、貴重な存在だと思います。
 私たち形成外科医は、技術重視のあまり…
 顧客の要望に耳を貸さない風潮がある?
 ような気がしています。
 美容外科が、大学病院よりも、
 新橋駅前で繁盛したのは…
 お客様に支持された賜物だったと感じています。

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医学講座

第94回日本美容外科学会

 平成20年5月11日、東京お台場で開催された、 
 第94回日本美容外科学会に参加して来ました。
 今回の学会長は、銀座みゆき通り美容外科の水谷和則先生です。
      ■         ■
 何回か書いていますが、
 日本美容外科学会は、同姓同名の2つの学会があります。
 今回の学会は、十仁学会と呼ばれている学会です。
 今年は、
 今まで参加していなかった形成外科の先生が多数参加していました。
 水谷会長が形成外科の先生に声をかけて、
 有名な先生の教育講演や
 パネルディスカッションを企画して下さったからです。
      ■         ■
 学会を開催するのは、
 大学医局ですら大変なことです。
 開業医が日常診療の合間に、
 企画・交渉をして、準備をするのは、
 肉体的にも精神的にも経済的にも大変です。
 今回の日本美容外科学会は、参加人数も多く、
 韓国や中国からの参加者もありました。
 内容も充実していました。
 水谷和則会長に、心から感謝します。
 本当にご苦労様でした。
      ■         ■
 今回の学会で、
 ノエル銀座クリニックの保志名先生、
 シエル美容クリニックの小田先生など、
 十仁病院OBの先生のご発表をお聞きしました。
 保志名先生が出された、
 十仁病院の古い美容外科のスライドを拝見して、
 改めて十仁学会の歴史を感じました。
      ■         ■
 形成外科系美容外科は、どちらかというと技術や理論を重視。
 十仁病院の美容外科は、顧客ニーズを重視。
 お客様が、切る手術がイヤと言えば、
 多少無理でも、できる限り切らずにやるのが、
 十仁スピリットと感じました。
      ■         ■
 発表内容では、
 日本人を外人の顔にしてしまう、
 ヴェリテクリニック銀座院の、 福田慶三先生。
 顔面骨を見事に切って、
 小顔の美人を作る、
 リッツ美容外科東京院の広比利次先生。
 どちらの手術も私はしておりません。
 見事な仕上りでした。
      ■         ■
 高須クリニックの高須克弥先生は、
 糸を使った顔面若返り手術の歴史を、
 ご自身が海外へ行かれて撮影されたビデオ。
 また、高須先生ご自身が、
 海外の学会で金の糸を入れられたビデオなど、
 ふだんわれわれが見ることができない、
 貴重な映像をみせてくださいました。
      ■         ■
 学会に参加して、他の先生の手術を見たり、
 旧知の先生とお話しするのは楽しいことです。
 韓国の先生ともお話ししました。
 最後の講演で、東海大学病院長を務められた、
 谷野隆三郎先生から
 美容外科にとって必要な医療安全と医事法制について、
 ご自身のご経験を踏まえた講義がありました。
 身の引き締まる思いでお聞きしました。
 また、明日から頑張って診療を続けます。
 水谷先生ありがとうございました!

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医学講座

焼身自殺の悲惨さ

 平成20年5月10日の北海道新聞朝刊で、
 私の日記(ブログ)のことを取り上げていただきました。
 平成20年5月1日に書いた硫化水素自殺についてです。
 記事を書いてくださった、記者さんに感謝します。
 これで少しでも、硫化水素自殺が減ることを願っています。
      ■         ■
 硫化水素自殺よりもっと悲惨なのが…
 焼身自殺です。
 平成19年5月29日の日記に書いてあります。
 もう一度繰り返します。
 焼身自殺は簡単に死ねると思うかもしれません。
 ところが自殺法の中で、
 一番最後まで意識があって苦しむのが焼身自殺です。
      ■         ■
 人間や動物が死ぬ時は心臓や呼吸が止まり、
 脳や臓器に酸素が行かなくなって死にます。
 熱傷を受傷しても簡単に心臓は止まらず、
 意識もあります。
 自分の体が黒焦げになって、
 手も指も炭のようになっているのが見えます。
      ■         ■
 何度もなんども手術を繰り返しても、
 ‘絶対’に元のキレイな皮膚には戻れません。
 指もなくなってしまいます。
 さらに、自殺は自己の重大な過失による外傷なので
 原則的に健康保険は使えません。
 救命救急センターに入院すると、
 入院費が最高で一ヵ月に1,000万円にもなることがあります。
      ■         ■
 私が治療を担当させていただいた患者さんで
 数ヵ月に及ぶ治療費が2,000万円にもなって、
 両親が家を売って支払った症例もありました。
 残念なことに結局その方は亡くなりました。
 医療従事者にとって…
 懸命に治療したけれど命を救えなくて、
 治療費の借金だけが残った症例はとても悲しくつらいものです。
 (ここまでが、昨年の日記の内容です。一部改変)

      ■         ■
 平成20年5月10日、朝日新聞朝刊には、
 自殺で死に切れなかったので、
 人を殺して死刑にしてもらうために…
 殺人を犯したという、記事が掲載されていました。
 自殺者は増えており、避けては通れない問題です。
 自分が死にたいから、他人を殺して死刑にしてもらう…
 考えただけでも、ぞっとします。
      ■         ■
 われわれ医療従事者、
 特に救急医療に携わった者は、
 自殺の悲惨さをよく知っています。
 自殺したら…
 こんなになっちゃうょ!
 こんな屍(シカバネ)になっちゃうょ!
 それでも、そんな死に方を選ぶの?
 という情報が少ない気がします。
      ■         ■
 医学部6年間の教育の中で…
 焼身自殺をしたら、
 こんなになってしまうという授業はありません。
 熱傷(ヤケド)についての講義はありますが、
 どんな自殺法で…
 どんな状態になるか…?
 法医学の講義を真面目に聴いていると、
 少し出てくる程度でしょうか?
 それでも、救命救急センターで行われている…
 広範囲熱傷(重症のヤケド)の実態はわかりません。
      ■         ■
 焼身自殺をすると…
 自分の体が、
 動物の丸焼き(トリとかウシ・ヒツジなど)と同じになります。
 激しく焼けると、顔かたちもわからなくなります。
 一部だけ激しく焼けて、
 両下肢の切断になってしまった方もいらっしゃいました。
 とにかく、身体の損傷が一番激しい死に方の一つです。
      ■         ■
 また、焼身自殺を自宅や建物の中ですると…
 火災になります。
 自殺による火災には、保険がおりません。
 そればかりか、高額の損害賠償請求が待っています。
 つまり、残された家族は高額の治療費の他に
 自殺の巻き添えで火災に遭った人から…
 莫大な金額を請求されます。
 火災で他人を殺してしまったり…
 消火作業に当たった消防士さんが殉職なんてこともあります。
      ■         ■
 それだけ焼身自殺は悲惨です。
 自殺が未遂に終わり…
 全身大ヤケドで生き残ると… 
 生涯そのキズは元には戻せません。
 硫化水素自殺も
 焼身自殺も
 決して楽な死に方ではありません。
 人殺しをして死刑になろうと思っても…
 簡単に死刑にはしてくれません。
 長い裁判が待っています。
 国や厚生労働省は、
 自殺予防をもっと積極的に取り上げて欲しいです。
 マスコミの方も、よろしくお願いいたします。

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院長の休日

日記を続ける理由

 私が夫婦喧嘩までして、
 日記を書き続けるのには理由があります。
 まず、私という一人の人間が生きた証(アカシ)
 として残したいという思いです。
 自分の考えを誰にも邪魔されずに、
 発信することができます。
 また、自分の治療方針とか医療に関する考えも
 ストレートに伝えられます。
 誰にも検閲されず、修正もされません。
      ■         ■
 治療方針について何度も書いているので、
 日記を読んで受診してくださる方は、
 まず、トラブルになることはありません。
 逆に、私のような偏屈オヤジが嫌いな方は受診されません。
 私には、形成外科医としてキズに対するこだわりがあります。
 手術をしたら、キズをキレイに治すために禁煙していただきます。
 こんなウルサイのが嫌いな方は受診されません。
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 たまにしか書かない日記でしたら、適当にウソも書けますが…
 毎日まいにち、ウソは書けません。
 日記に書いてあることは、すべて私の本音です。
 私は自分で手先は器用だと思いますが、
 生き方は不器用です。
 ウソをついて、他人を騙す(ダマス)ことは大嫌いです。
 そんな私の生き方を、日記に書いています。
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 もう一つは、自分自身のために書いています。
 年をとったのでしょう。
 昔のことはよく覚えていますが、
 最近のことはすぐに忘れます。
 あれアレが多くなりました。
 札幌美容形成外科の職員や看護師は…
 アレでわかってくれます。
 ありがたいことです。
 メガネを置き忘れても、すぐに見つけてくれます。
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 日記を読み返すと…
 自分で言ったことや書いたことが記載してあり
 備忘録(ビボウロク)になります。
 いつ何をしていたかもわかります。
 また、書く前には、かなり考えます。
 新聞を読んだり、ネットで調べたりします。
 自分の勉強にもなります。
 最高のボケ防止だと思っています。
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 自分の子どもを含めて、
 今の若い人は新聞を読みません。
 新聞には、
 ネットでは得られないたくさんの情報があります。
 新聞を読まない、若い人に…
 自分が知ってためになったことを、
 伝えたいという思いがあります。
 私が、日記で新聞記事をよく取り上げるのはこのためです。
 若い方に…
 もっと新聞を読んで欲しいという思いがあります。
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 最初は、新聞社にリンクを貼るだけでした。
 ところが、新聞社HPの記事は、
 一部を除いて…
 時間が経つと読めなくなることに気づきました。
 そのため、手入力で新聞記事を拾います。
 手間はかかりますが、
 自分で読み返す時も楽です。
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 新聞の情報ですら、間違っていることがあります。
 特に、新聞の折り込み広告には、
 胡散臭い(ウサンクサイ)広告がたくさんあります。
 北海道新聞に広告が出ていたから…
 TVで宣伝していたから…
 と信用して…
 手術を受けて可哀想な結果になった方が、
 受診されることもあります。
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 同業者の嫌がらせと思われる…
 仕打ちを受けることもあります。
 私は、何をされても…
 一人の医師として許せないことは摘発し続けます。
 それも、この日記の一つの目的です。
 私が好きなのは、
 この道一筋何十年という、頑固オヤジです。
 偏屈な頑固オヤジの日記を今日も読んでいただき、
 ありがとうございました。

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