医学講座
冨士森良輔先生
生涯に悔いを残すわきが手術のキズ
…という2007年4月14日の院長日記があります。
その中でご紹介したのが、
京都の冨士森形成外科です。
院長の冨士森良輔先生は元京都大学形成外科講師。
日本形成外科重鎮のお一人です。
学会で‘京都の冨士森ですが…’と発言なさると、
どの大学の教授でも反論できないほどです。
■ ■
冨士森先生の冨士は、
テンのない冨士です。
富士森良輔先生でななく、
冨士森良輔先生です。
すばらしい先生です。
先生は昭和34年京都大学医学部卒です。
年齢を感じさせないお元気な先生です。
■ ■
私が思うに…
おそらく…
一番、
日本形成外科学会、
日本美容外科学会へ参加なさっていらして、
発表回数もおそらく最高です。
現役で手術もなさっていらして、
学会発表もバリバリなさっていらっしゃいます。
■ ■
私は、
冨士森先生ほど…
形成外科を愛していらして…
♡きれいな傷♡
…にこだわる先生はいらっしゃらないと思います。
すごいと思います。
私が尊敬する形成外科の師です。
■ ■
今回の第36回日本美容外科学会でも、
冨士森先生ご自身が開発さえた、
ピタシートという製品のこと。
Midface lift(ブルドック変形の治療)について、
豊富な経験からとても有意義な発表をしてくださいました。
冨士森先生のご発表には説得力があります。
京都の冨士森形成外科をおすすめします。
院長の休日
院長日記記念日2013
今日は院長日記記念日です。
2006年10月22日にはじめました。
院長の日記公開です。
今日から院長日記を公開することにいたしました。毎日の出来事などを日記形式で公開いたします。ご意見などは相談フォームからお願いいたします。
昨日2006年10月21日(土)札幌市形成外科医会がありました。出席者は新冨芳尚会長、武藤靖夫先生、有賀昭俊先生、本田耕一先生、松本敏明先生など札幌市内形成外科重鎮の諸先生のほか札幌市内の形成外科医の大部分が参加いたしました。
新冨会長から挨拶があった後で北大形成外科山本有平教授から北大形成外科の教育・研修システムについてご講演がありました。山本教授によると全国の大学医学部や医科大学で形成外科の講義が行われているのはまだ半数に満たないそうです。
つまり医師免許を取得した先生の半分以上は形成外科を学んでいません。北大形成外科ではキズの縫い方や治し方など初歩的なことから高度の専門的治療までを8時間の系統講義を行いさらに臨床実習を行っています。
車の運転と同じで講義を聴いたからすぐに上手に縫えるというわけではありませんが、学生時代に『キズを治すプロ』から講義を受け、卒業後にしっかりした研修施設で上手な先輩から指導を受けるのが医師として大切なことです。
私は札幌医科大学を卒業してから北大形成外科で修行を積みました。現在私が美容形成外科医として手術ができるのは北大時代に教えていただいた恩師のおかげです。
新冨会長が『最近の若い先生の中には、当直がないから、お金が儲かるからという理由で形成外科の修行もせずに美容外科医を選ぶ人がいる』と苦言を呈されていましたが、キズをキレイに治すには形成外科の手技が必要になります。日本のすべての医科系大学で形成外科の授業が行われるようになって欲しいと思います。
■ ■
読み直してみると…
キズをキレイに治す
形成外科への想いが、
私の院長日記の原点です。
札幌市形成外科医会のことが書かれています。
武藤靖夫先生は残念なことに故人となられました。
立派な先生でした。
■ ■
何度も日記をやめようと思いました。
奥さんとのバトルの歴史でもあります。
続けてこられたのは、
皆さんのおかげです。
さくらんぼさんがいらっしゃらなかったら…
この院長日記は続けられませんでした。
あらためて御礼申し上げます。
■ ■
同業の先生からも…
本間先生、
ブログの…
さくらんぼさん
先生の患者さん?
うらやましいです。
…と言われることがあります。
■ ■
さくらんぼさんのコメントは、
私の両親も楽しみにしています。
毎日お疲れなのにコメントをいただき感謝しています。
私も来年は還暦です。
はっきり言ってじじいになりました。
いつまで続けられるかわかりませんが…
偏屈な頑固おやじが、
札幌から形成外科の情報を発信していきます。
医学講座
韓国の美容外科事情2013
第36回日本美容外科学会、
興味深い内容だったのが、
シンポジウム4
美容外科におけるメディカルツーリズム
韓国の林鐘学(りんじょんはく)Lim Jong-Hak先生のご発表でした。
林先生は、
日本ではとても有名な美容外科医です。
■ ■
林先生は日本語が堪能です。
日本の医師免許を持っていらっしゃいます。
日本に留学されて取得したそうです。
これはとてもすごいことです。
日本人でも落ちるのが医師国家試験。
外国の先生で、
日本の医師免許まで留学で取るのはまず無理です。
■ ■
その上、
林先生は、
中国の医師免許も持っていらっしゃいます。
他では聞いたことがありません。
よほど頭のいい先生だと思います。
あらためて脱帽の思いがしました。
■ ■
林先生から伺った韓国の美容外科事情。
国をあげて、
中国からの美容整形患者さんを受け入れているそうです。
韓国は、
美容外科分野だけではなく、
すべての医療分野で、
外国人患者さんを積極的に受け入れています。
■ ■
中国から50万人の患者さんが来ると…
総合病院が15個できて…
6万人以上の雇用が生まれます。
韓国は国として、
医療ビジネスを積極的に展開しています。
医療観光特別立法もしたそうです。
■ ■
こんな韓国でも…
言葉や文化の違いには苦労しているようです。
美容外科患者さんを集めるのは、
ブローカーと呼ばれる仲介業者。
患者紹介料が、
手術費用の50%にもなるところがあるようです。
手術後のトラブル対処など…
外国人患者さんならではの問題も出ています。
韓国でもかなり大変なようです。
私は日本の患者さんだけを診ます。
医学講座
中国人が海外で受ける美容整形2013
第36回日本美容外科学会では、
美容外科におけるメディカルツーリズムというシンポジウムがありました。
とても興味深い内容でした。
上海の盛虹明(もりこうめい)先生のご発表です。
中国の最富裕層は
スイスで美容整形を受ける
それが一つのステータスになっている。
■ ■
スイスに到着した瞬間から、
ヨーロッパの王侯貴族のようなおもてなしを受け
最高の治療を受ける。
一回の金額は500万円~1500万円と言われている。
これが最富裕層が受けている美容整形。
…う~ん。
一回で1500万円はすごい。
■ ■
一番高くて人気があるのがスイス。
一番多くの人が行くのが韓国だそうです。
韓流ブームは日本だけではなく、
中国にも…
東南アジアにも影響しています。
韓国の女優さんや化粧品が人気です。
■ ■
韓国国内では、
中国人患者さんを積極的に呼び込むため、
あの手この手の方法を取っているそうです。
中国人にとって、
日本はスイスより近くて技術もある国ですが、
整形に関して言うとそれほど人気はなく、
スイス、韓国、台湾の次くらいとのことでした。
■ ■
中国人と日本人は顔が似ていますが、
整形に関してはかなり好みが違います。
日本人は
『なるべく自然に』
『整形したことがわからないように』
…を希望します。
札幌美容形成外科のイメージは自然です。
■ ■
中国人は、
はっきり整形したことがわかるように、
めりはりのついた仕上がりを希望されます。
二重にしても、
【双眼皮】(ふたえのこと)にしました。
という目を希望されるそうです。
要求がはっきりしていて、
結構【わがままな患者さん】が多いそうです。
どう考えても…
イメージは自然には合いそうもないです。
医学講座
ISAPSシンポジウム2013
今日は朝から夕方まで一日中英語でした。
ようやく札幌に帰ってきました。
寒いです。
発表してくださったのは、
オーストラリア、
カナダ、
フランス、
シンガポール、
台湾、
韓国の先生です。
■ ■
英語を母国語としている、
オーストラリアとカナダの先生以外も、
流暢な英語で発表されました。
台湾や韓国の先生も、
自由に英語で話していました。
英語は大切です。
■ ■
日本人の発表は残念なことに…
ありませんでした。
目に関係する発表です。
一日発表を聞いた感想。
日本の技術はすごい。
今日の発表で、
手術用顕微鏡を使っている先生はゼロでした。
■ ■
手術の動画を見て感じたのは、
白人はずいぶん雑に手術をしても(失礼!)
きれいに治るものだなぁ~でした。
日本の手術は丁寧です。
今日の手術で、
上手でおすすめだったのは、
台湾の楊長千先生です。
難しい修正を上手になさっていらっしゃいました。
■ ■
海外でも…
眼瞼下垂症手術で左右差がでたり…
目が閉じなくなってしまって、
修正手術をしている人がいました。
上手な先生が手術をしても、
微妙な左右差が出ていて、
修正手術をしていました。
ある先生は27%の人が
再手術になっていると発表されていました。
使う糸についても議論がありました。
日本の技術は一流だとよくわかった一日でした。
医学講座
第36回日本美容外科学会②
今日で2日間の学会が終了しました。
学会は3会場に分かれており、
すべての演題を聴くことはできません。
会場の東京国際フォーラムは広く、
エスカレーターで会場を行き来するのも大変でした。
立派な会場で有意義な学会でした。
■ ■
昨夜の懇親会で、
理事長の保阪善昭先生が、
東京国際フォーラムで学会を開催したいと思っていましたが、
なかなか取るのが難しく、
会場費も高いので実現できなかったと話されていました。
東京駅と地下でつながっていて、
便利で立派な会場でした。
■ ■
私が主に聴いたのは、
目に関係がある発表でした。
日本だけではなく、
台湾でも韓国でも、
修正手術が必要な目があります。
昨日のインターナショナルパネル2
Eyelid Plasty for Oriental Population
では、台湾のDavid Dae-Hwan Park先生の発表が印象的でした。
■ ■
台湾で目修正をたくさんなさっていらっしゃいます。
二重手術、
眼瞼下垂症手術で、
左右差が出た。
修正手術が必要になったという例を、
たくさん見せてくださいました。
■ ■
今日のシンポジウム3
困難な症例とその対処では、
こまちクリニックの土井秀明先生が、
広すぎる重瞼線の修正希望に対する対応を発表されました。
修正困難な症例を、
苦労して治していらっしゃいました。
どこの国でもみんな苦労しているなぁ。
下手な先生はどこの国にもいるなぁ~
…というのが正直な感想です。
明日も国際学会のシンポジウムがあります。
一日中英語です。
医学講座
第36回日本美容外科学会①
今日から東京で日本美容外科学会です。
朝から参加しています。
修正の名手と評判の大竹先生が会長です。
海外からもたくさんの先生が招待されています。
外国でも不満足な結果で悩んでいる人がたくさんいます。
■ ■
今日の学会を聞いて感じたこと。
英語は大切です。
同時通訳がついている講演もありますが、
演者がちょっと話したことも…
すぐにわかります。
(この患者さん)
(鼻が詰まっているので)
口が開いていますね。
写真の女性の口が少し開いてました。
■ ■
米国からいらしてくださった、
テキサスのGunter先生の講演です。
鼻の手術をした後で、
鼻の通りが悪くなった女性の手術でした。
米国では…
鼻を高くするというより、
鼻の形を整える手術が多いのです。
その手術後に鼻が詰まったり、
鼻が変形してしまう症状です。
■ ■
米国で鼻修正の名手がGunter先生です。
日本では、
聖路加国際病院の大竹尚之先生が、
鼻修正の名手です。
私はNHKの杉田敏先生の、
ビジネス英語のおかげで、
同時通訳レシーバー無しです。
若い人にNHKの英語会話をおすすめします。
昔の記憶
台風26号(2013)
台風26号が首都圏を直撃しています。
今朝の羽田空港。
午前中は欠航です。
明日から第36回日本美容外科学会です。
私は今晩上京します。
欠航になれば明日行きます。
■ ■
最近は台風情報があると…
まず山形を見ます。
さくらんぼさんの果樹園が心配です。
リンゴやラフランスの収穫時期です。
せっかく丹精込めた果物が…
台風の被害にあわないか心配です。
■ ■
自然はこわいです。
北海道にはめったに台風が来ません。
たまに来ると…
被害が大きくなります。
台風の怖さ
…という2009年10月8日の院長日記に書いてあります。
■ ■
2004年には北大のポプラ並木が倒れました。
道庁の木も倒れました。
台風で欠航になると…
航空会社は減益。
果樹園は果物を収穫できないと大打撃です。
どうか台風26号で被害が出ないことを祈っています。
飛行機はかなり揺れて遅れましたが、無事に東京に着きました。
ご心配いただきありがとうございました。
昔の記憶
今日は講義2013
一年に一度、毎年秋に…
講義に出かけています。
理学療法士と、
作業療法士の学生さんです。
約40人のクラスです。
はじめて講義をしたのは、
釧路労災病院の看護学校でした。
■ ■
医学部でも形成外科の講義がない大学があります。
大学の看護学部でも…
形成外科の講義はありません。
30年前から、
形成外科を教えていた看護学校はすごいと思います。
傷の治りや、
熱傷、褥瘡の講義をしています。
■ ■
私が講義に行く目的は、
若い人への私からのメッセージです。
『形成外科ってすげー』
…という感動を伝えたいと思っています。
私が人生で一番影響を受けたのが、
予備校で教わった矢野雋輔先生です。
少しでも矢野先生のように、
若者の心に残る講義をしたいと思っています。
■ ■
講義中の居眠り
講義中の居眠り②
私の講義風景
苦労して教えています
などに書いてあります。
教えるのも大変です。
今年で最後と思いながら10年以上続けています。
若い人へ自分の思いを伝えるためです。
嬉しいことに今日の90分の講義で居眠りはゼロでした。
医療問題
大病院に長く入院できない理由
私が医師になった30年以上前と、
今の診療報酬は大きく違います。
一番違うのが入院基本料です。
昔は大きな病院でも、
長く入院させてくれました。
今はせいぜい14日です。
理由は14日を過ぎると入院基本料が下がるからです。
■ ■
看護基準という、
2007年12月10日の院長日記に書いてあります。
病棟に勤務する看護師さんの数によって、病院のランク付けがされています。
患者さん一人当たりに対して、看護師さんの数が多いほど‘良い病院’と判断されます。
厚生労働省が決めた看護基準です。
2006年3月6日に出された、厚生労働省告示第93号(基本診療料の施設基準等)で国の基準が変わりました。
■ ■
7対1入院基本料の施設基準というのが、国が決めた新しいルールです。
‘良い病院’にはご褒美として、たくさんお金が配分されます。
診療報酬という病院の生命線ともいえる収入が、看護師の数によって決まります。
■ ■
病院はホテルと同じで、患者さん一人当たり、一日いくらで入院費が支払われます。
ホテルは☆の数で、ランクや料金が決まるそうですが、病院はいくら豪華に作っても料金は値上げできません。
同じ病院の建物・設備でも看護師の数を増やすと、一日の入院費を増やしますというのが、厚生労働省が決めた方針です。
■ ■
医療費を抑制したい国の方針です。
長く入院している患者さんの…
入院基本料が14日を境に下がります。
病院の収入が減ります。
確かに…
社会的入院なんて言葉もありました。
帰るところがないので…
病院に入院している人がいました。
■ ■
今、大病院に長期間入院するのは大変です。
病院からお荷物扱いされることもあります。
手術によっては…
術後のリハビリに長期間かかることもあります。
術後14日では、
まだ退院は無理なこともあります。
医療費抑制政策のために…
ほんとうに入院が必要な患者さんが…
肩身の狭い思いをしないようにしてほしいです。